第35章 ケースファイル
ケースインスタンスは、ケース定義を含む 1 つのインスタンスで、ビジネスコンテキストをカプセル化します。ケースインスタンスデータはすべてケースファイルに保存され、特定のケースインスタンスに参加する可能性のあるすべてのプロセスインスタンスからアクセスできます。各ケースインスタンスと、ケースインスタンスのケースファイルは、他のケースから完全に分離されています。ケースファイルにアクセスできるのは、必要なケー出力ルに割り当てられているユーザーのみです。
ケースファイルは、ケースインスタンス全体のデータリポジトリーとして、ケースの管理に使用します。このファイルには、全ロール、データオブジェクト、データマップなどのデータが含まれます。ケースを完了してから、同じケースファイルを添付して、後日再度開くことができます。ケースインスタンスはいつでも終了でき、完了に特別な解決策を提示する必要はありません。
ケースファイルには、埋め込み型のドキュメント、参考資料、PDF 添付ファイル、Web リンクなどのオプションも含めることができます。
35.1. ケース ID 接頭辞の設定
caseId
パラメーターは、ケースインスタンス ID の文字列値です。Red Hat Process Automation Manager デザイナーで Case ID Prefix を設定して、異なるケースタイプを識別できます。
以下の手順では IT_Orders サンプルプロジェクトを使用し、特定のビジネスニーズに合わせて、一意のケース ID 接頭辞を作成します。
前提条件
- Business Central で IT_Orders サンプルプロジェクトを開いている。
手順
- Business Central で、Menu → Design → Projects に移動します。既存のプロジェクトがある場合は、MySpace のデフォルトのスペースをクリックして、Add Project ドロップダウンメニューから Try Samples を選択して、サンプルにアクセスできます。既存のプロジェクトがない場合には、Try samples をクリックします。
- IT_Orders を選択し、OK をクリックします。
- Assets ウィンドウで orderhardware ビジネスプロセスをクリックしてデザイナーを開きます。
- キャンバスの空きスペースをクリックし、右上隅の Properties アイコンをクリックします。
- 下方向にスクロールして、Case Management を展開します。
Case ID Prefix フィールドに ID 値を入力します。ID 形式は、内部で
ID-XXXXXXXXXX
として定義されています。ここで、XXXXXXXXXX
は、ケースインスタンスに一意の ID を提供する生成された番号です。接頭辞が指定されていない場合、デフォルトの接頭辞には
CASE
と以下の識別子が使用されます。CASE-0000000001
CASE-0000000002
CASE-0000000003
接頭辞は、任意で指定できます。たとえば、接頭辞
IT
を指定する場合は、次の識別子が生成されます。IT-0000000001
IT-0000000002
IT-0000000003
図35.1 ケース ID 接頭辞のフィールド