第54章 Dashbuilder Runtime と Dashbuilder Standalone

Dashbuilder Runtime および Dashbuilder Standalone は、Business Central で作成してエクスポートしたダッシュボードの表示に使用できます。これは、Business Central がない環境でビジネスメトリクスを確認する場合に役に立ちます。Dashbuilder Runtime は Red Hat JBoss EAP にインストールできます。Red Hat OpenShift Container Platform に Dashbuilder Standalone をデプロイできます。

Dashbuilder Runtime および Dashbuilder Standalone のダッシュボードのページ間のナビゲーションは、ダッシュボードが作成された Business Central インスタンスのナビゲーションと同じです。ページが属する場合、そのグループは Dashbuilder Runtime または Dashbuilder Standalone と、そのページにインポートされます。ページが Dashbuilder Runtime または Dashbuild Standalone にインポートされ、ナビゲーションに使用されていない場合、そのページは Runtime Dashboards メニューグループに追加されます。ナビゲーションをエクスポートしない場合は、すべてのページが Runtime Dashboards メニューグループに追加されます。

54.1. Red Hat JBoss EAP での Dashbuilder Runtime のインストール

Dashbuilder Runtime をインストールするには、Dashbuilder Runtime WAR をダウンロードし、admin ロールを持つユーザーを作成します。

前提条件

  • Red Hat JBoss EAP がインストールされている。
  • Business Central にダッシュボードを作成し、エクスポートしている。Dashbuilder データのエクスポートの詳細は、Business Central 設定およびプロパティーの設定 ガイドの Dashbuilder データのエクスポートおよびインポートを参照してください。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの Software Downloads ページに移動し (ログインが必要)、ドロップダウンオプションから製品およびバージョンを選択します。

    • 製品: Process Automation Manager
    • バージョン: 7.11
  2. Red Hat Process Automation Manager 7.11.0 Add Ons (rhpam-7.11.0-add-ons.zip) をダウンロードして、ZIP ファイルを展開します。
  3. 展開したファイルが含まれるディレクトリーに移動し、rhpam-7.11.0-dashbuilder-runtime.zip ファイルを展開します。
  4. <EAP_HOME>/standalone/deployments ディレクトリーに展開した dashbuilder-runtime.zip ファイルの内容をコピーします。ここでは、<EAP_HOME> は、Red Hat JBoss EAP インストールが含まれる Red Hat JBoss EAP のホームディレクトリーです。
  5. Red Hat JBoss EAP のホームディレクトリーで、以下のコマンドを実行して admin ロールを持つユーザーを作成し、パスワードを指定します。以下の例では、<USER_NAME><PASSWORD> は任意のユーザー名とパスワードに置き換えます。

    $<EAP_HOME>/bin/add-user.sh -a -e -u <USER_NAME> -p <PASSWORD> -g admin
  6. ターミナルアプリケーションで EAP_HOME/bin に移動します。
  7. 以下のコマンドを実行して、Red Hat JBoss EAP を起動します。

    • Linux または UNIX ベースのシステムの場合:

      $ ./standalone.sh -c standalone-full.xml
    • Windows の場合:

      standalone.bat -c standalone-full.xml
  8. Web ブラウザーで、URL http://localhost:8080 を開きます。
  9. Dashbuilder Runtime 用に作成したユーザーの認証情報を使用してログインします。
  10. プロンプトが表示されたら、Business Central からエクスポートしたダッシュボードをアップロードします。Dashbuilder Runtime は、再起動するまでそのダッシュボードを使用します。

54.1.1. Dashbuilder Runtime システムプロパティー

システムプロパティーを使用して Dashbuilder Runtime をカスタマイズできます。

ダッシュボードパス

ダッシュボードがアップロードされると、ファイルシステムに保存されます。保存先のパスは、システムプロパティー dashbuilder.import.base.dir によって制御されます。デフォルトは /tmp/dashbuilder です。

システムプロパティーは、ダッシュボードモデルのルートパスです。たとえば、このパスに複数のファイルがある場合は、Dashbuilder Runtime にアクセスし、読み込む必要のあるファイルの名前を含むクエリーパラメーターインポートを渡すことで、ファイルをインポートできます。たとえば、sales_dashboard を読み込む場合は、runtime_host?import=sales_dashboard を実行すると、Dashbuilder Runtime は /tmp/dashbuilder/sales_dashboard.zip ファイルを読み込もうとします。

静的ダッシュボード
ランタイムインスタンスに特定のダッシュボードを読み込ませる場合は、システムプロパティー dashbuilder.runtime.import を変更できます。プロパティーをローカルファイルパスに設定すると、Runtime 起動時にその特定のダッシュボードが読み込まれます。
アップロードサイズの制御
アプリケーションサーバーは、デフォルトで POST リクエストのサイズを制御します。アップロードされたダッシュボードの許容サイズは、システムプロパティー dashbuilder.runtime.upload.size を使用して制御できます。サイズは KB でなければならず、デフォルト値は 96 KB です。つまり、96 KB より大きいファイルをアップロードしようとするとエラーが表示され、ダッシュボードはインストールされません。
Dashbuilder Runtime のデフォルトページ

Dashbuilder Runtime にインポートされたダッシュボードにはデフォルトのページが含まれます。以下は、Dashbuilder Runtime のデフォルトページの更新の概要です。

  • インポートされたダッシュボードに 1 つのページのみが含まれる場合は、デフォルトのページとして使用されます。
  • ページの名前が インデックス として使用されている場合は、デフォルトのページとして使用されます。
  • その他の場合は、Dashbuilder Runtime の汎用ホームページが使用されます。
外部ダッシュボードの読み込み

アクセス可能な URL にあるダッシュボードには、Dashbuilder Runtime からアクセスできます。runtime_host?import=http://filesHost/sales_dashboard.zip などのインポートクエリーパラメーターで URL を渡すことにより、URL にアクセスできます。

注記

セキュリティー上の理由から、このオプションはデフォルトで無効になっています。これを有効にするには、システムプロパティー dashbuilder.runtime.allowExternal を true に設定します。