第79章 Red Hat Process Automation Manager のデシジョンエンジン

デシジョンエンジンは、Red Hat Process Automation Manager のルールエンジンです。デシジョンエンジンは、データを保存、処理、および評価して、お客様が定義するビジネスルールまたはデシジョンモデルを実行します。デシジョンエンジンの基本的な機能は、受信データ、または ファクト をルールの条件に一致させ、そのルールを実行するかどうか、そしてどのように実行するかを決定することです。

デシジョンエンジンは、以下の基本コンポーネントを使用して動作します。

  • ルール: お客様が定義するビジネスルールまたは DMN デシジョン。すべてのルールは、ルールをトリガーする条件およびルールが指示するアクションを最小限含む必要があります。
  • ファクト: デシジョンエンジンで入力または変更されるデータで、デシジョンエンジンをルールの条件と一致させ、適用可能なルールを実行します。
  • プロダクションメモリー: デシジョンエンジンのルールが格納されている場所。
  • ワーキングメモリー: デシジョンエンジンのファクトが格納されている場所。
  • アジェンダ: 有効化されたルールが登録され、実行に備えて (必要に応じて) 並べ替えられた場所。

ビジネスユーザーまたは自動化システムが Red Hat Process Automation Manager にルール関連の情報を追加または更新した場合、その情報は 1 つ以上のファクトという形でデシジョンエンジンのワーキングメモリーに挿入されます。デシジョンエンジンは、それらのファクトをプロダクションメモリーに格納されたルールの条件と一致させ、適用可能なルールの実行を決定します。ファクトをルールに一致させるこの処理は、しばしば パターン一致 と呼ばれます。 ルールの条件が一致すると、デシジョンエンジンはアジェンダのルールを有効にして登録します。続いてアジェンダでは、デシジョンエンジンが実行に備えて優先的なルールまたは競合するルールをソートします。

以下の図は、デシジョンエンジンのこれらの基本コンポーネントを表しています。

図79.1 基本となるデシジョンエンジンコンポーネントの概要

rule engine inkscape enterprise

デシジョンエンジンのルールやファクトの動作に関する詳細や例は、81章デシジョンエンジンにおける推論と真理維持 を参照してください。

これらのコアなコンセプトにより、デシジョンエンジンの他のより高度なコンポーネント、プロセス、およびサブプロセスについての理解が深まるようになります。その結果、Red Hat Process Automation Manager でより効果的なビジネスアセットを設計できるようになります。