Fujitsu ETERNUS バックエンドガイド
Red Hat OpenStack Platform 8 環境で Fujitsu ETERNUS バックエンドを使用するためのガイド
概要
1. はじめに
本ガイドでは、OpenStack で Fujitsu ETERNUS ディスクストレージシステムを Block Storage サービスのバックエンドとして使用するように手動で設定する方法を説明します。以下の項は、次の条件を前提としています。
- OpenStack がデプロイ済みで、Block Storage サービスが適切に設定されていること。
- Fujitsu ETERNUS ディスクストレージシステムのデバイスおよびドライバーのみを Block Storage バックエンドに使用する予定であること。
- OpenStack デプロイメントの管理アカウントのユーザー名とパスワードがあること (詳細情報は、『ユーザーおよびアイデンティティー管理ガイド』の「ユーザーとロール管理」の章、または「Creating additional OpenStack admin users」の記事を参照してください)。
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Fujitsu ETERNUS バックエンドのドライバー設定ファイルは、Block Storage サービスのホスト (通常は、
/etc/cinder/cinder_fujitsu_eternus_dx.xml) にあります。
Fujitsu ETERNUS では、ファイバーチャネルまたは iSCSI インターフェースのいずれかを使用することができます。各インターフェースには、独自の設定とドライバーがあります。Red Hat は、OpenStack で両方のインターフェース (およびそれぞれのドライバー) の使用をサポートしています。
2. iSCSI またはファイバーチャネルバックエンドの定義
必要な Fujitsu ETERNUS ボリュームドライバーをダウンロード/インストールする前に、ETERNUS バックエンド用の新しい ドライバーインストールファイル を作成します。このファイルは、有効にする必要のあるバックエンドと、各バックエンドが使用する設定値を定義します。
以下のスニペットは、設定ファイルの全容です。[FJFC] セクションは、ファイバーチャネルバックエンド用、[FJISCSI] iSCSI 用の定義のサンプルです。
[DEFAULT] enabled_backends=FJFC,FJISCSI # 1 [FJFC] fujitsu_volume_driver=true # 2 protocol=fc # 3 driver_config_file=/etc/cinder/fjfc.xml # 4 ip=10.11.12.13 # 5 port=5988 # 6 user=osvd2 # 7 password=osvd2 # 8 poolname=3JB2B4K,pool1,pool2 # 9 snappoolname=3JB2B4K # 10 volume_backend_name=FJFC # 11 [FJISCSI] fujitsu_volume_driver=true # 12 protocol=iscsi # 13 driver_config_file=/etc/cinder/fjiscsi.xml # 14 ip=10.11.12.13 # 15 port=5988 # 16 user=osvd2 # 17 password=osvd2 # 18 poolname=3JB2B4K,pool1,pool2 # 19 snappoolname=3JB2B4K # 20 iscsiip=192.168.0.1, 192.168.0.2, 192.168.0.3, 192.168.0.4 # 21 volume_backend_name=FJISCSI # 22
- 1
- enabled_backends: 有効化する全 Fujitsu ETERNUS バックエンドのボリュームバックエンド名 (コンマ区切りリスト)
- 2 12
- fujitsu_volume_driver: ドライバーの設定を Block Storage サービスの設定ファイル (デフォルトでは
/etc/cinder/cinder.conf) に適用するかどうかを指定します。この値は、true に設定します。 - 3 13
- protocol: バックエンドが使用する必要のある接続プロトコルのタイプを設定します。ファイバーチャネルには fc、iSCSI には iscsi を指定します。
- 4 14
- driver_config_file: ドライバー設定ファイル への絶対パス。これは、具体的にはバックエンドの設定を定義するファイルのことを指します。
- 5 15
- ip: バックエンドの SMI-S Server の IP アドレス。
- 6 16
- port: バックエンドの SMI-S Server のポート
- 7 17
- user: Block Storage サービスが SMI-S Server への接続に使用する必要のあるユーザー名
- 8 18
- password: user の対応するパスワード
- 9 19
- poolname: ボリュームを作成するストレージプール (RAID グループまたはシンプロビジョニングプール) の名前
- 10 20
- snappoolname (オプション): ボリュームのスナップショットを作成するストレージプール。この値を指定しなかった場合には、ドライバーは poolname にリストされているのと同じプールを使用します。
- 11 22
- volume_backend_name: ボリュームバックエンド名。バックエンドを有効にするには、([DEFAULT] セクションで) この設定値を enabled_backend に指定します。
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- iscsiip: iSCSI バックエンドへの接続に使用する IP アドレス。コンマ区切りのリストで複数の IP アドレスを指定することができます。
3. デバイスドライバーのダウンロードとインストール
ドライバーインストールファイルを作成した後には (「iSCSI またはファイバーチャネルバックエンドの定義」)、ETERNUS OpenStack VolumeDriver ソフトウェアパッケージをダウンロードしてインストールします。以下の手順では、このステップを非対話的に実行する方法を説明します。
まず最初に、以下のリンクを開きます。
http://www.fujitsu.com/global/support/products/computing/storage/download/openstack-vd.html
Conditions of use (使用条件) で、ソフトウェアについての重要な情報を読みます。
- I AGREE (同意する) をクリックすると、ETERNUS OpenStack VolumeDriver Download のページが開きます。
- このページから、お使いの Red Hat OpenStack バージョンに適切なパッケージをダウンロードします。Red Hat OpenStack Platform バージョン 8 の場合には、Liberty がリンクです。
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いずれのパッケージも
*.tar.gz形式で提供されています。パッケージをダウンロードしたら、お使いの OpenStack デプロイメントのコントローラーノードにコピーしてください。 - ドライバーインストールファイル (「iSCSI またはファイバーチャネルバックエンドの定義」) もコントローラーノードにコピーします。
- OpenStack のインストールに使用したのと同じアカウントでコントローラーノードにログインします。
ETERNUS OpenStack VolumeDriver パッケージを展開します。Liberty バージョンのパッケージを展開するコマンドの例を以下に示します。
# tar -xvf osvd140_liberty.tar.gz
このコマンドを実行すると、そのパッケージ内の全コンテンツがローカルの
osvd140_libertyサブディレクトリーに展開されます。展開されたサブディレクトリーに入ります。
# cd osvd140_liberty/
そこから、OpenStack 用の ETERNUS ドライバーをインストールすると同時に、必要なドライバーの設定も適用します。
# ./osvd_install.sh install INSTALLFILEINSTALLFILE は、「iSCSI またはファイバーチャネルバックエンドの定義」で作成したドライバーインストールファイルの絶対パスに置き換えます (例: /root/osvd140_liberty/eternus.xml)。
次に、osvd_install.sh スクリプトによって、INSTALLFILE で宣言されている各バックエンドの ドライバー設定ファイル が作成されます。各バックエンドのドライバー設定ファイルは、driver_config_file の設定値で設定されます。
その後には、osvd_install.sh スクリプトにより、Block Storage サービスの設定ファイル (デフォルトでは /etc/cinder/cinder.conf) に各バックエンド用のエントリーが追加されます。各エントリーには、バックエンドの名前、ドライバー、および バックエンドの設定ファイル への参照が含まれます。また、osvd_install.sh スクリプトにより、enabled_backends 設定の名前別に各バックエンドが有効化されます。
新規設定を有効にするには、Block Storage サービスを再起動して、新規設定を適用します。
# openstack-service restart openstack-cinder-volume
4. 必要な管理者の認証情報の読み込み
これ以降は管理機能を実行するので、認証をスムーズに行うために必要な環境変数を読み込む必要があります。これには、以下のコマンドを実行してください。
# export OS_USERNAME=ADMIN_USER
# export OS_TENANT_NAME=admin
# export OS_PASSWORD=ADMIN_PW
# export OS_AUTH_URL=http://KEYSTONE_IP:35357/v2.0/
# export PS1='[\u@\h \W(keystone_admin)]\$
上記のコマンドで、
- ADMIN_USER と ADMIN_PW は、OpenStack 環境内で管理者権限のあるユーザーアカウントのユーザ名とパスワードに置き換えます。
- KEYSTONE_IP は、Identity サービスの IP アドレスまたはホスト名に置き換えます。
OpenStack の管理者アカウントに関する情報は、「Creating additional OpenStack admin users」の記事を参照してください。
5. Block Storage サービスの設定
Block Storage サービスが新しい Fujitsu ETERNUS バックエンドを使用するように設定した後には、それぞれの ボリューム種別 を宣言します。ボリューム種別の設定により、新規ボリュームの作成時に使用するバックエンドを指定することができます。以下のコマンドを実行すると、FJFC ファイバーチャネルバックエンド) と FJISCSI (iSCSI バックエンド) の 2 つのボリュームが作成されます。
# cinder type-create FJFC # cinder type-create FJISCSI
次に、ボリューム種別をそれぞれのバックエンドにマッピングします (「iSCSI またはファイバーチャネルバックエンドの定義」 の定義に従います)。
# cinder type-key FJFC set volume_backend_name=FJFC # cinder type-key FJISCSI volume_backend_name=FJISCSI
6. 設定のテスト
test_iscsi という名前の 1 GB の iSCSI ボリュームを作成して、設定を検証します。
# cinder create --volume_type FJISCSI --display_name test_iscsi 1
ファイバーチャネルバックエンドをテストするには、以下のコマンドを実行します。
# cinder create --volume_type FJFC --display_name test_fc 1
