3.4. オーバークラウドのチューニング
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) のデプロイメントをスケーリングする予定で、デフォルトのオーバークラウド設定にチューニングを適用する場合には、以下のセクションを確認してください。
- フェイルオーバーを防ぐために OVN OVSDB クライアント確認間隔を増やします
大規模な RHOSP デプロイメントの OVSDB クライアント確認間隔を増やします。Pacemaker は、設定されたタイムアウト内に OVN からの応答を取得しない場合に、
ovn-dbs-bundle
のフェイルオーバーをトリガーします。OVN OVSDB クライアント確認間隔を 360 秒に増やすには、heat テンプレートのOVNDBSPacemakerTimeout
パラメーターを編集します。OVNDBSPacemakerTimeout: 360
それぞれのコンピュートノードおよびコントローラーノードで、OVN コントローラーは OVN SBDB を定期的に確認し、これらの要求がタイムアウトした場合には、OVN コントローラーが再同期します。リソースの作成要求が複数のコンピュートノードおよびコントローラーノードに読み込まれる場合、デフォルトの 60 秒のタイムアウト値は十分ではありません。OVN SBDB クライアント確認間隔を 180 秒に増やすには、heat テンプレートの
OVNOpenflowProbeInterval
パラメーターを編集します。ControllerParameters: OVNRemoteProbeInterval: 180000 OVNOpenflowProbeInterval: 180
注記RHOSP ユーザーおよびサービスによってトリガーされた操作時に、リソースの制約 (CPU または メモリーリソースの制約) により、複数のコンポーネントが設定したタイムアウト値に到達する場合があります。これにより、haproxy フロントエンドまたはバックエンドへのタイムアウトリクエストの失敗、メッセージングタイムアウト、db クエリー関連の失敗、クラスターの不安定性などが生じる可能性があります。初回のデプロイメント後にオーバークラウド環境のベンチマークテストを実施し、タイムアウト関連のボトルネックを特定するのに役立てます。
- インスタンスネットワーク情報キャッシュの更新間隔を長く設定する
インスタンスネットワーク情報キャッシュの更新間隔のデフォルトは 60 秒 (
heal_instance_info_cache_interval = 60
) です。システムが、インスタンスキャッシュの修復により neutron サーバーにかかる負荷を管理できるようにするには、環境のheal_instance_info_cache_interval
パラメーターの値を変更します。以下に例を示します。-
10 分ごとの場合、
heal_instance_info_cache_interval = 600
を設定します。 -
1 時間ごとの場合、
heal_instance_info_cache_interval = 3600
を設定します。
警告一部のサードパーティープラグインは、負荷が大きい場合に一貫性のない API データベースの応答を返します。この、一貫性のない API データベースの応答の問題は、ML2/OVS および ML2/OVN バックエンドでは発生しません。デプロイメントで ML2/OVS または ML2/OVN を使用する場合は、値を
-1
に設定することでheal_instance_info_cache_interval
パラメーターを無効にできます。-
10 分ごとの場合、
パラメーターの詳細は、設定リファレンス ガイドの nova を参照してください。