第22章 アベイラビリティーゾーンの使用によるネットワークリソースの高可用性の設定

バージョン 16.2 以降、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) は RHOSP Networking サービス (neutron) のアベイラビリティーゾーン (AZ) をサポートします。

AZ を使用すると、RHOSP ネットワークリソースを高可用性の設定にすることができます。異なる AZ の異なる電源ソースにアタッチされたネットワークノードを分類し、重要なサービスを個別の AZ に配置するようにスケジューリングすることができます。

多くの場合、ネットワーキングサービス AZ はコンピューティングサービス (nova) AZ と組み合わせて使用されます。これは、ワークロードが実行される物理サイトに対してローカルな特定の仮想ネットワークをお客様が確実に使用できるようにするためです。分散コンピュートノードアーキテクチャーの詳細は、分散コンピュートノードおよびストレージのデプロイメント ガイドを参照してください。

22.1. Networking サービスのアベイラビリティーゾーンについて

Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) Networking サービス (neutron) のアベイラビリティーゾーン (AZ) 機能を提供するのに必要な拡張は availability_zonerouter_availability_zone、および network_availability_zone です。Modular Layer 2 プラグインと Open vSwitch を組み合わせた (ML2/OVS) メカニズムドライバーは、これらの拡張機能をすべてサポートします。

注記

Modular Layer 2 プラグインと Open Virtual Network を組み合わせた (ML2/OVN) メカニズムドライバーは、ルーターアベイラビリティーゾーンのみをサポートします。ML2/OVN には分散 DHCP サーバーがあるため、ネットワーク AZ をサポートする必要はありません。

ネットワークリソースを作成する際に、OpenStack クライアントのコマンドラインオプション --availability-zone-hint を使用して AZ を指定することができます。指定した AZ が AZ のヒントリストに追加されます。ただし、AZ 属性は、リソースがスケジュールされるまで実際には設定されません。ネットワークリソースに割り当てられる実際の AZ は、ヒントオプションで指定した AZ とは異なる場合があります。この不一致の理由は、ゾーンに障害があるか、指定のゾーンに容量が残っていないことです。

ネットワークリソースの作成時に、ユーザーが AZ を指定できない場合は、デフォルトの AZ 用に Networking サービスを設定することができます。デフォルトの AZ の設定に加えて、特定のドライバーを設定して AZ でネットワークおよびルーターをスケジュールすることもできます。