7.4. Cumulus Linux スイッチの設定

7.4.1. トランクポートについて

OpenStack Networking により、インスタンスを物理ネットワーク上にすでに存在する VLAN に接続することができます。トランク という用語は、単一のポートで複数 VLAN の通過を許可することを意味します。これらのポートを使用することで、VLAN は仮想スイッチを含む複数のスイッチ間にまたがることができます。たとえば、物理ネットワークで VLAN110 のタグが付いたトラフィックがコンピュートノードに到達すると、タグの付いたトラフィックが 8021q モジュールによって vSwitch 上の適切な VLAN に転送されます。

7.4.2. Cumulus Linux スイッチでのトランクポートの設定

この設定では、物理ノードのトランシーバーが物理スイッチポート (swp1 および swp2) に接続されていることを前提としています。

重要

以下に示す値は、例として提示しています。この例で使用している値を、実際の環境に合わせて変更する必要があります。これらの値を調整せずにコピーしてご自分のスイッチ設定に貼り付けると、予期せぬ機能停止を招く可能性があります。

手順

  • 以下の設定構文を使用して、VLAN 100 と 200 のトラフィックがインスタンスに到達できるように設定します。

    auto bridge
    iface bridge
      bridge-vlan-aware yes
      bridge-ports glob swp1-2
      bridge-vids 100 200

7.4.3. アクセスポートについて

コンピュートノード上の全 NIC がインスタンスのトラフィックを伝送する訳ではないので、すべての NIC で複数の VLAN が通過できるように設定する必要はありません。アクセスポートに必要なのは 1 つの VLAN だけで、管理トラフィックやブロックストレージデータの転送などの、他の運用上の要件を満たす可能性があります。これらのポートは一般的にアクセスポートと呼ばれ、必要な設定は通常、トランクポートよりも簡単です。

7.4.4. Cumulus Linux スイッチでのアクセスポートの設定

この設定では、物理ノードの NIC がイーサネットケーブルにより物理スイッチのインターフェイスに接続されていることを前提としています。Cumulus Linux スイッチは、管理インターフェイスに eth を、アクセス/トランクポートに swp を使用します。

重要

以下に示す値は、例として提示しています。この例で使用している値を、実際の環境に合わせて変更する必要があります。これらの値を調整せずにコピーしてご自分のスイッチ設定に貼り付けると、予期せぬ機能停止を招く可能性があります。

手順

  • 図7.1「ネットワークレイアウト例」の図に示した例を使用して、swp1 (Cumulus Linux スイッチ上) をアクセスポートとして設定します。

    auto bridge
    iface bridge
      bridge-vlan-aware yes
      bridge-ports glob swp1-2
      bridge-vids 100 200
    
    
    auto swp1
    iface swp1
      bridge-access 100
    
    
    auto swp2
    iface swp2
      bridge-access 200

7.4.5. LACP ポートアグリゲーションについて

リンクアグリゲーション制御プロトコル (LACP) を使用して、複数の物理 NIC をバンドルし、単一の論理チャネルを形成できます。LACP は 802.3ad (または、Linux ではボンディングモード 4) としても知られており、負荷分散と耐障害性のための動的なボンディングを作成します。LACP は、物理 NIC と物理スイッチポートの両方の物理エンドで設定する必要があります。

関連情報

Advanced Overcloud Customization ガイドの Network Interface Bonding を参照してください。

7.4.6. MTU 設定について

特定のネットワークトラフィック種別に対して、MTU サイズを調整する必要があります。たとえば、特定の NFS または iSCSI のトラフィックでは、ジャンボフレーム (9000 バイト) が必要になります。

注記

MTU の設定は、エンドツーエンド (トラフィックが通過すると想定される全ホップ) で変更する必要があります。これには、仮想スイッチが含まれます。

7.4.7. Cumulus Linux スイッチでの MTU の設定

手順

  • 以下の例では、Cumulus Linux スイッチでジャンボフレームを有効にします。

    auto swp1
    iface swp1
      mtu 9000
    注記

    sudo ifreload -a コマンドを実行して更新した設定を 再読み込みし、変更を適用するのを忘れないようにしてください。

7.4.8. LLDP ディスカバリーについて

ironic-python-agent サービスは、接続されたスイッチからの LLDP パケットをリッスンします。収集される情報には、スイッチ名、ポートの詳細、利用可能な VLAN を含めることができます。Cisco Discovery Protocol (CDP) と同様に、LLDP は、director のイントロスペクションプロセス中の物理ハードウェア検出を補助します。

7.4.9. Cumulus Linux スイッチでの LLDP の設定

デフォルトでは、LLDP サービスはデーモン lldpd として実行され、スイッチのブート時に起動します。

手順

  • 全ポート/インターフェイスの LLDP 隣接デバイスをすべて表示するには、以下のコマンドを実行します。

    cumulus@switch$ netshow lldp
    Local Port  Speed  Mode         Remote Port   Remote Host Summary
    ----------  ---    ---------    -----  -----  ----------- --------
    eth0        10G    Mgmt         ====   swp6   mgmt-sw     IP: 10.0.1.11/24
    swp51       10G    Interface/L3 ====   swp1   spine01     IP: 10.0.0.11/32
    swp52       10G    Interface/L  ====   swp1   spine02     IP: 10.0.0.11/32