第2章 ログサービスのインストールおよび設定

Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) は、情報メッセージを特定のログファイルに書き込みます。これらのメッセージを、トラブルシューティングおよびシステムイベントのモニタリングに使用することができます。ログ収集エージェント Rsyslog はクライアント側のログを収集し、それらのログをサーバー側で実行されている Rsyslog インスタンスに送信します。サーバー側の Rsyslog インスタンスは、保管のためにログの記録を Elasticsearch にリダイレクトします。

注記

個々のログファイルをサポートケースに手動で添付する必要はありません。sosreport ユーティリティーは、必要なログを自動的に収集します。

2.1. 集中ログシステムのアーキテクチャーおよびコンポーネント

モニタリングツールは、クライアントが Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) オーバークラウドノードにデプロイされる、クライアント/サーバーモデルを使用します。Rsyslog サービスは、クライアント側の集中ロギング (CL) を提供します。

すべての RHOSP サービスはログファイルを生成および更新します。これらのログファイルは、アクション、エラー、アラート、およびその他のイベントを記録します。OpenStack のような分散環境では、これらのログを一元的な場所に収集することで、デバッグおよび管理が簡素化されます。

集中ロギングの場合、RHOSP 環境全体にわたるログを 1 カ所で確認することができます。これらのログは、syslog や監査ログファイル等のオペレーティングシステム、RabbitMQ や MariaDB 等のインフラストラクチャーコンポーネント、および Identity や Compute 等の OpenStack サービスから収集されます。集中ロギングのツールチェーンは、以下のコンポーネントで設定されます。

  • ログ収集エージェント (Rsyslog)
  • データストア (ElasticSearch)
  • API/プレゼンテーション層 (Grafana)
注記

Red Hat OpenStack Platform director は、集中ロギング向けのサーバー側のコンポーネントをデプロイしません。Red Hat は、Elasticsearch データベースおよび Grafana を含むサーバー側のコンポーネントはサポートしません。