1.3. ロングライフリリースのアップグレードパス

更新またはアップグレードを開始する前に、可能な更新およびアップグレードパスをよく理解してください。

注記

RHOSP および RHEL の現行バージョンは、/etc/rhosp-release および /etc/redhat-release ファイルで確認できます。

表1.1 バージョンの更新パス

現行バージョン更新後のバージョン

RHEL 7.x 上の RHOSP 10.0.x

最新の RHEL 7.7 における最新の RHOSP 10.0

RHEL 7.x 上の RHOSP 13.0.x

最新の RHEL 7.9 における最新の RHOSP 13.0

RHEL 8.2 上の RHOSP 16.1.x

最新の RHEL 8.2 における最新の RHOSP 16.1

RHEL 8.2 上の RHOSP 16.1.x

最新の RHEL 8.4 における最新の RHOSP 16.2

RHEL 8.4 上の RHOSP 16.2.x

最新の RHEL 8.4 における最新の RHOSP 16.2

詳細は、Keeping Red Hat OpenStack Platform Updated を参照してください。

表1.2 バージョンのアップグレードパス

現行バージョン更新後のバージョン

RHEL 7.7 上の RHOSP 10

最新の RHEL 7.9 における最新の RHOSP 13

RHEL 7.9 上の RHOSP 13

最新の RHEL 8.2 における最新の RHOSP 16.1

RHEL 7.9 上の RHOSP 13

最新の RHEL 8.4 における最新の RHOSP 16.2

Red Hat では、お使いの環境を次のロングライフリリースにアップグレードするためのオプションを 2 つ提供しています。

インプレースアップグレード
既存の環境でサービスのアップグレードを実施します。本ガイドでは、主にこのオプションを中心に説明します。
並列移行
新しい Red Hat OpenStack Platform 16.2 環境を作成し、ワークロードを現在の環境から新しい環境に移行します。Red Hat OpenStack Platform の並列移行についての詳しい情報は、Red Hat Global Professional Services にお問い合わせください。
重要

以下の表に示す時間は内部テストに基づく最短の推定値であり、すべての実稼働環境には適用されない可能性があります。たとえば、ハードウェアのスペックが低い場合やブート時間が長い場合は、これらの時間に余裕を持たせてください。各タスクのアップグレード時間を正確に測定するには、実稼働環境と類似したハードウェアを持つテスト環境でこれらの手順を実施してください。

表1.3 アップグレードパスの影響と時間

 インプレースアップグレード並列移行

アンダークラウドのアップグレード時間

それぞれの主要な操作の推定時間は以下のとおりです。

  • Leapp アップグレードコマンド: 30 分間
  • Leapp リブート: 30 分間
  • director のアップグレード: 40 分間

なし。既存のアンダークラウドに加えて、新しいアンダークラウドを作成します。

オーバークラウドコントロールプレーンのアップグレード時間

コントローラーノードごとの推定時間は以下のとおりです。

  • Leapp アップグレードおよびリブート: 60 分間
  • サービスのアップグレード: 60 分間

なし。既存のコントロールプレーンに加えて、新しいコントロールプレーンを作成します。

コントロールプレーンの機能停止時間

ブートストラップコントローラーノードのサービスアップグレード時間: 約 60 分間

なし。ワークロードの移行中、両方のオーバークラウドは稼動状態にあります。

コントロールプレーンの機能停止による影響

機能停止時間中 OpenStack の操作を行うことはできません。

機能停止時間はありません。

オーバークラウドデータプレーンのアップグレード時間

Compute ノードおよび Ceph Storage ノードごとの推定時間は以下のとおりです。

  • Leapp アップグレードおよびリブート: 60 分間
  • サービスのアップグレード: 30 分間

なし。既存のデータプレーンに加えて、新しいデータプレーンを作成します。

データプレーンの機能停止時間

ノード間のワークロードの移行により、機能停止時間は最小限に抑えられます。

オーバークラウド間のワークロードの移行により、機能停止時間は最小限に抑えられます。

追加ハードウェアに関する要件

追加のハードウェアは必要ありません。

新しいアンダークラウドおよびオーバークラウドを作成するために、追加のハードウェアが必要です。