第11章 その他のネットワーク設定

本章では、10章カスタムネットワークインターフェイステンプレートで説明した概念および手順に続いて、オーバークラウドネットワークの要素を設定する際に役立つその他の情報を提供します。

11.1. カスタムインターフェイスの設定

インターフェイスは個別に変更を加える必要がある場合があります。以下の例では、DHCP アドレスを使用してインフラストラクチャーネットワークに接続するための 2 つ目の NIC およびボンディング用の 3 つ目/4 つ目の NIC を使用するのに必要となる変更を紹介します。

network_config:
  # Add a DHCP infrastructure network to nic2
  - type: interface
    name: nic2
    use_dhcp: true
  - type: ovs_bridge
    name: br-bond
    members:
      - type: ovs_bond
        name: bond1
        ovs_options:
          get_param: BondInterfaceOvsOptions
        members:
          # Modify bond NICs to use nic3 and nic4
          - type: interface
            name: nic3
            primary: true
          - type: interface
            name: nic4

ネットワークインターフェイスのテンプレートは、実際のインターフェイス名 (eth0eth1enp0s25) または番号付きのインターフェイス (nic1nic2nic3) のいずれかを使用します。名前付きのインターフェイス (eth0eno2 など) ではなく、番号付きのインターフェイス (nic1nic2 など) を使用した場合には、ロール内のホストのネットワークインターフェイスは、全く同じである必要はありません。たとえば、あるホストに em1em2 のインターフェイスが指定されており、別のホストには eno1eno2 が指定されていても、両ホストの NIC は nic1 および nic2 として参照することができます。

番号付きのインターフェイスの順序は、名前付きのネットワークインターフェイスのタイプの順序と同じです。

  • eth0eth1 などの ethX。これらは、通常オンボードのインターフェイスです。
  • eno0eno1 などの enoX。これらは、通常オンボードのインターフェイスです。
  • enp3s0enp3s1ens3 などの英数字順の enX インターフェイス。これらは、通常アドオンのインターフェイスです。

番号による NIC スキームには、アクティブなインターフェイスだけが含まれます (たとえば、インターフェイスにスイッチに接続されたケーブルがあるかどうかが考慮されます)。4 つのインターフェイスを持つホストと、6 つのインターフェイスを持つホストがある場合は、nic1 から nic4 を使用して各ホストで 4 本のケーブルだけを結線します。

特定のノードの os-net-config マッピングを設定し、各ノードの物理インターフェイスにエイリアスを割り当てて、どの物理 NIC が特定のエイリアス (nic1nic2 など) にマップされるかを事前に決定できます。また、MAC アドレスを指定したエイリアスにマッピングすることもできます。環境ファイル内のエイリアスにインターフェイスをマップします。MAC アドレスまたは DMI キーワードを使用して特定のノードをマップしたり、DMI キーワードを使用してノードのグループをマップしたりできます。次の例では、物理インターフェイスへのエイリアスを持つ 3 つのノードと 2 つのノードグループを設定します。得られた設定は、os-net-config により適用されます。これぞれのノードで、適用された設定が /etc/os-net-config/mapping.yaml ファイルの interface_mapping セクションに表示されます。

os-net-config-mappings.yaml

resource_registry:
  OS::TripleO::NodeUserData: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/firstboot/os-net-config-mappings.yaml
parameter_defaults:
  NetConfigDataLookup:
    node1: 1
      nic1: "00:c8:7c:e6:f0:2e"
    node2:
      nic1: "00:18:7d:99:0c:b6"
    node3: 2
      dmiString: "system-uuid" 3
      id: 'A8C85861-1B16-4803-8689-AFC62984F8F6'
      nic1: em3
    # Dell PowerEdge
    nodegroup1: 4
      dmiString: "system-product-name"
      id: "PowerEdge R630"
      nic1: em3
      nic2: em1
      nic3: em2
    # Cisco UCS B200-M4"
    nodegroup2:
      dmiString: "system-product-name"
      id: "UCSB-B200-M4"
      nic1: enp7s0
      nic2: enp6s0

1
指定の MAC アドレスに node1 をマップし、このノードの MAC アドレスのエイリアスとして nic1 を割り当てます。
2
node3 をシステムUUID "A8C85861-1B16-4803-8689-AFC62984F8F6" を持つノードにマップし、このノード上の em3 インターフェイスのエイリアスとして nic1 を割り当てます。
3
dmiString パラメーターは有効な文字列キーワードに設定する必要があります。有効な文字列キーワードのリストは、DMIDECODE(8) のマニュアルページを参照してください。
4
nodegroup1 内のすべてのノードを製品名 PowerEdge R630 のノードにマップし、これらのノード上の名前付きインターフェイスのエイリアスとして nic1nic2、および nic3 を割り当てます。
注記
  • NetConfigDataLookup 設定を使用する場合は、NodeUserData リソースレジストリーに os-net-config-mappings.yaml ファイルも含める必要があります。
  • 通常、os-net-config はすでに接続済みの UP 状態のインターフェイスしか登録しません。ただし、カスタムマッピングファイルを使用してインターフェイスをハードコーディングすると、DOWN 状態のインターフェイスであっても登録されます。