2.9. テクノロジープレビュー

本項では、Red Hat OpenStack Platform の今回のリリースにおける最も重要な新たなテクノロジープレビュー機能の概要を説明します。

注記

テクノロジープレビューと記した機能のサポート範囲についての詳しい情報は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

インスタンスの永続メモリー
クラウド管理者は、NVDIMM ハードウェアを持つコンピュートノード上に永続メモリー名前空間を作成および設定することができます。クラウドユーザーはこれらのノードを使用して、vPMEM を提供する永続メモリー名前空間を使用するインスタンスを作成することができます。
インスタンスのメモリー暗号化
クラウド管理者は、SEV 対応コンピュートノードを設定できるようになりました。これにより、クラウドユーザーはメモリー暗号化が有効なインスタンスを作成することができます。詳しくは、インスタンスのメモリーを暗号化する SEV 対応コンピュートノードの設定 を参照してください。
アンダークラウドミニオン
今回のリリースでは、アンダークラウドミニオンをインストールすることができます。アンダークラウドミニオンにより、別個のホスト上に heat-engine サービスおよび ironic-conductor サービスが追加されます。これらの追加サービスは、アンダークラウドのオーケストレーションおよびプロビジョニング操作をサポートします。アンダークラウドの操作を複数ホスト間に分散することにより、オーバークラウドのデプロイメントにより多くのリソースを割り当てることができ、結果として大規模なデプロイメントをより迅速に実施することができます。
director を使用した IPv6 へのベアメタルのデプロイ
IPv6 ノードおよびインフラストラクチャーがある場合には、IPv4 ではなく IPv6 を使用するようにアンダークラウドおよびプロビジョニングネットワークを設定することができます。これにより、director は IPv6 ノードに Red Hat OpenStack Platform をプロビジョニングおよびデプロイすることができます。詳しくは、IPv6 を使用してベアメタルをプロビジョニングするためのアンダークラウド設定 および カスタムの IPv6 プロビジョニングネットワークの設定 を参照してください。RHOSP 16.1.2 では、この機能はテクノロジープレビューからフルサポートに移行しています。
Compute (nova) サービスを使用しないベアメタルノードのプロビジョニング

Red Hat OpenStack Platform 16.1 では、デプロイメントのプロビジョニングおよびデプロイメントステージを、別個のステップに分離することができます。

  1. ベアメタルノードをプロビジョニングする。

    1. ノード定義ファイルを yaml 形式で作成します。
    2. ノード定義ファイルを指定して、プロビジョニングコマンドを実行します。
  2. オーバークラウドをデプロイする。

    1. プロビジョニングコマンドにより生成される heat 環境ファイルを指定して、デプロイメントコマンドを実行します。

プロビジョニングプロセスにより、ノードがプロビジョニングされ、ノード数、予測可能なノード配置、カスタムイメージ、カスタム NIC 等のさまざまなノード仕様が含まれる heat 環境ファイルが生成されます。オーバークラウドをデプロイする際に、このファイルをデプロイメントコマンドに追加します。