3.7. Red Hat OpenStack Platform 16.1.6 メンテナーンスリリース (2021 年 5 月 27 日)
本リリースノートには主に、今回リリースされた Red Hat OpenStack Platform のデプロイメント時に考慮すべきテクノロジープレビューの項目、推奨事項、既知の問題、非推奨になった機能について記載します。
3.7.1. アドバイザリーの一覧
本リリースには、以下のアドバイザリーが含まれています。
RHBA-2021:2097: Red Hat OpenStack Platform 16.1.6 のバグ修正および機能拡張アドバイザリー
RHSA-2021:2116: (中程度) Red Hat OpenStack Platform 16.1.6 (python-httplib2) に関するセキュリティー更新
RHBA-2021:2117: Red Hat OpenStack Platform 16.1.6 コンテナーのバグ修正アドバイザリー
RHBA-2021:2118: Red Hat OpenStack Platform 16.1.6 director イメージのバグ修正アドバイザリー
RHSA-2021:2119: (重要) Red Hat OpenStack Platform 16.1.6 (tripleo-ansible) に関するセキュリティー更新
3.7.2. バグ修正
以下のバグは、Red Hat OpenStack Platform の本リリースで修正されています。
- BZ#1843788
-
今回の更新で、複数のフィルターが渡された場合に
cinder list
がボリュームの一覧を表示できないバグが修正されました。 - BZ#1868543
- 今回の更新により、heat テンプレートで OS::Heat:Delay リソースを使用できるようになりました。以前のリリースでは、変数の命名の競合により、OS::Heat::Delay リソースの完了試行時にアサーションエラーが発生していました。変数の名前が、競合を排除するように変更されました。
- BZ#1872314
Networking (neutron) サービスで DNS インテグレーションが有効な場合、インスタンスが作成されると、Compute (nova) サービスはインスタンスの表示名をサニタイズして、有効なホスト名を生成します。
今回の更新以前は、サニタイズでインスタンス名のピリオド (.) が置き換えられませんでした (例: rhel-8.4)。これにより、表示名が完全修飾ドメイン名 (FQDN) として認識され、無効なホスト名が生成される場合がありました。インスタンス名にピリオドが含まれ、DNS インテグレーションが Networking サービスで有効化されている場合、Networking サービスは無効なホスト名を拒否し、その結果インスタンスの作成に失敗し、Compute サービスから HTTP 500 サーバーエラーが返されました。
今回の更新により、インスタンス名のピリオドはハイフンに置き換えられ、ホスト名が FQDN として解析されなくなりました。インスタンスの表示名には、引き続きフリーフォームの文字列を使用できます。
- BZ#1895045
今回の更新により、一部のケースで
openstack undercloud upgrade
実行前に検証に失敗する原因となっていたバグが修正されました。今回のアップグレード以前は、要求されたロギングディレクトリーへのアクセスに必要な権限がない場合、以下のようなエラーが発生することがありました。- 検証結果の記録に失敗する
- 検証の実行に失敗する
検証からのアーティファクトの収集に失敗する
今回の更新で、ロギング用のフォールバックディレクトリーが追加されました。検証結果はログに記録され、アーティファクトが収集されます。
- BZ#1905231
- 今回の更新で、Dell EMC PowerStore ドライバーで CHAP がサポートされるようになりました。
- BZ#1910855
-
本リリース以前は、オブジェクトがスナップショットの場合に、cinder NEC ドライバーのバックアップに失敗していました。これは、
snapshot
引数にvolume_attachment
属性がないために発生していました。今回の更新により、引数がsnapshot
の場合、バックアップはvolume_attachment
属性を参照なくなりました。 - BZ#1936419
今回の更新により、CephStorage ノードでの実行中に Leapp によるアップグレードが停止および失敗することの原因となっていた設定の問題が修正されました。
以前のリリースでは、CephStorage ノードは、Leapp によるアップグレード時に OpenStack highavailability、advanced-virt、および fast-datapath リポジトリーを使用するように誤って設定されていました。
UpgradeLeappCommand
オプションがノードごとに設定可能になり、CephStorage ノードに正しいデフォルトを使用し、CephStorage ノードで Leapp によるアップグレードが正常に実行できるようになりました。- BZ#1939398
本リリース以前は、API 要求を再試行するたびに SolidFire ドライバーが重複ボリュームを作成していました。これにより、未使用のボリュームが蓄積し、予期しない動作が発生していました。
今回の更新により、Block Storage サービス (cinder) は、ボリュームを作成する前に既存のボリューム名の有無をチェックするようになりました。Block Storage サービスが読み取りタイムアウトを検出すると、ボリュームの作成を直ちにチェックし、無効な API 呼び出しを防ぎます。今回の更新で、SolidFire ドライバーの
sf_volume_create_timeout
オプションが追加され、お使いの環境に適切なタイムアウト値を設定できるようになりました。- BZ#1947474
今回の更新により、ワークロードのリバランス操作時に、スナップショットの作成など一部の API 呼び出しが、xNotPrimary エラーと共に失敗する原因となっていた問題が修正されました。
SolidFire の負荷が大きい場合やアップグレードされている場合、SolidFire クラスターは、プライマリーノードからセカンダリーノードに接続を自動的に移動させることにより、クラスターのワークロードのリバランスを行います。以前のリリースでは、これらのワークロードのバランス操作時に、一部の API 呼び出しが xNotPrimary エラーと共に失敗し、再試行されませんでした。
今回の更新により、SolidFire ドライバーの再試行可能な例外リストに xNotPrimary 例外を追加することで、問題が修正されました。
3.7.3. リリースノート
本項では、Red Hat OpenStack Platform の注目すべき変更点や推奨プラクティスなど、今回のリリースに関する重要な情報を記載しています。お使いのデプロイメントに最大限の効果をもたらすために、以下の情報を考慮する必要があります。
- BZ#1546996
-
今回のリリースで、
networking-ovn
が Networking サービス (neutron) QoS API を使用した QoS 帯域幅制限および DSCP マークングルールをサポートするようになりました。