3.3. Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 メンテナンスリリース (2020 年 10 月 27 日)

本リリースノートには主に、今回リリースされた Red Hat OpenStack Platform のデプロイメント時に考慮すべきテクノロジープレビューの項目、推奨事項、既知の問題、非推奨になった機能について記載します。

3.3.1. バグ修正

以下のバグは、Red Hat OpenStack Platform の本リリースで修正されています。

(BZ#2098594)

この更新には、完全修飾ドメイン名 (FQDN) に関連する以下のバグ修正パッチが含まれています。

  • Kaminario のフィックス: unique_fqdn_network オプション

    以前のリリースでは、Kaminario ドライバーは特定のドライバーセクションの unique_fqdn_network 設定オプションを受け入れていました。このオプションを移動すると、リグレッションが生じました。パラメーターは、共有設定グループで定義された場合にのみ使用されるようになりました。

    このパッチによりリグレッションが解消され、オプションを共有設定グループに加えてドライバー固有のセクションで定義できるようになりました。

  • HPE 3PAR: ネットワークでの重複した FQDN のサポート

    3PAR ドライバーは、ボリュームをマッピングする一意の識別子として、接続を行うノードの FQDN を使用します。

    FQDN は常に一意ではないため、環境によっては同じ FQDN が異なるシステムに存在する場合があります。このような場合、両方のシステムがボリュームの接続を試みると、2 番目のシステムは接続に失敗します。

    たとえば、仮想マシンが controller-.localdomain や compute-0.localdomain 等の名前を共有する QA 環境で、このような状況が発生する可能性があります。

    このパッチにより 3PAR ドライバーに unique_fqdn_network 設定オプションが追加され、システム間で名前が重複することで問題が生じるのを防ぐことができるようになりました。(BZ#1721361)

BZ#1792500

タイムアウト値が不適切な場合、オーバークラウドのデプロイメントが 4 時間後に失敗する可能性があります。タイムアウトによるこれらの失敗を防ぐには、以下に示すアンダークラウドおよびオーバークラウドのタイムアウトパラメーターを設定します。

  • アンダークラウドのタイムアウト値 (秒):

    parameter_defaults:
      TokenExpiration: 86400
      ZaqarWsTimeout: 86400

  • オーバークラウドデプロイのタイムアウト値 (分):

    $ openstack overcloud deploy --timeout 1440

    これでタイムアウト値が設定されました。

BZ#1826741

今回の更新以前は、Block Storage サービス (cinder) は、ボリューム種別を指定する代替方法を無視して volume create 要求のデフォルトボリューム種別を割り当てていました。

今回の更新により、Block Storage サービスは予想どおりに機能するようになりました。

  • 要求で source_volid を指定した場合、Block Storage サービスはボリューム種別にソースボリュームのボリューム種別を設定します。
  • 要求で snapshot_id を指定した場合、ボリューム種別にはスナップショットのボリューム種別が設定されます。
  • 要求で imageRef を指定し、イメージが cinder_img_volume_type イメージ属性を持つ場合、ボリューム種別にはイメージ属性の値が設定されます。

    それ以外の場合は、Block Storage サービスはボリューム種別に定義されたデフォルトのボリューム種別を設定します。ボリューム種別を設定しない場合、Block Storage サービスはシステムのデフォルトボリューム種別である DEFAULT を使用します。

    ボリューム種別を volume create 要求で明示的に指定した場合、Block Storage サービスは指定された種別を使用します。

(BZ#2098594)
今回の更新以前は、スナップショットからボリュームを作成した場合、Block Storage サービス (cinder) はスナップショットから正しいボリューム種別を推測せずに、デフォルトのボリューム種別を新規ボリュームに割り当てようとするため、操作が失敗する可能性がありました。今回の更新で、ボリュームの作成時にボリューム種別を指定する必要がなくなりました。
BZ#1848420

今回の更新で、RHOSP 16 で Brocade FCZM ドライバーを実行できるようになりました。

Brocade FCZM のベンダーは Python 3 向けにドライバーを更新しない決定を下し、OpenStack の Train リリース以降ドライバーのサポートを終了しました [1]。Red Hat OpenStack (RHOSP) 16 は Python 3.6 を使用します。

アップストリームの Cinder コミュニティーはベストエフォートベースで Brocade FCZM ドライバーの維持を引き継ぎ、Python 3 環境 (したがって RHOSP 16 ) での Brocade FCZM の動作を妨げていたバグが修正されています。

[1] https://docs.broadcom.com/doc/12397527

(BZ#2098594)

今回の更新で、特定のケースでスタック更新の速度が向上しています。

以前のリリースでは、Ansible --limit オプションが ceph-ansible に渡されていない場合、スタック更新のパフォーマンスが低下していました。--limit 引数が使用されていても、ceph-ansible はスタックの更新時にノード上でべき等性を持つ更新を行う場合がありました。

director は Ansible --limit オプションをインターセプトし、それを ceph-ansible 実行可能ファイルに渡すようになりました。openstack overclouddeploy で始まるコマンドに渡された --limit オプションは、ceph-ansible 実行可能ファイルに渡され、スタックの更新に必要な時間を短縮します。

重要

ceph-ansible でこの機能を使用する場合は、必ずアンダークラウドを制限リストに含めます。

BZ#1855751

今回の更新以前は、RHOSP 13 から RHOSP 16.1 へのアップグレードフレームワーク (FFU) 時に leapp アップグレードが正常に実行されるためには、Red Hat Enterprise Linux のアップグレードが生じているノードの ssh 設定ファイル (/etc/ssh/sshd_config) に PermitRootLogin フィールドが定義されている必要がありました。

今回の更新により、Orchestration サービス (heat) では PermitRootLogin フィールドで /etc/ssh/sshd_config を変更する必要がなくなりました。

BZ#1862213

今回の更新で、VxFlexOS cinder バックエンドでボリュームの接続に失敗する原因となっていた問題が解決されました。

以前のリリースでは、VxFlexOS バックエンドの cinder ドライバーにボリュームに接続するのに必要なすべての情報が含まれないため、VxFlexOS cinder バックエンドでボリュームを接続する試みが失敗していました。

ボリュームに接続するのに必要なすべての情報が含まれるように、VxFlexOS cinder ドライバーが更新されました。接続が正常に機能するようになりました。

BZ#1868620
今回の更新で、Dell EMC のストレージテンプレートの誤ったパラメーター名が修正されました。
(BZ#2098594)

今回の更新で、VxFlex ボリューム切断の試みが失敗する原因となっていた非互換性が解消されました。

昨今の VxFlex cinder ボリュームの認証方法に関する変更は、既存のボリューム接続への後方互換性を持ちませんでした。認証方法の変更前に VxFlex ボリュームを接続した場合、ボリューム切断の試みが失敗していました。

これで、切断に失敗しなくなりました。

BZ#1872211

今回の更新で、lsscsi を使用して [H:C:T:L] 値を取得するように get_device_info が変更され、これにより 255 を超える論理ユニット番号 (LUN) およびホスト論理ユニット (HLU) の ID 値に対応できるようになりました。

以前のリリースでは、get_device_info は sg_scan を使用してこれらの値を取得し、最大で 255 という制限がありました。

get_device_info を使用して、2 つのデバイス種別を取得することができます。

  • /dev/disk/by-path/xxx: /dev/sdX へのシンボリックリンク
  • /dev/sdX

    sg_scan は任意のデバイス名を処理することができますが、lsscsi は /dev/sdx 名しか表示しません。

    デバイスがシンボリックリンクの場合、get_device_info はデバイスのリンク先であるデバイス名を使用します。それ以外の場合、get_device_info は直接デバイス名を使用します。

    次に、get_devix ce_info はデバイス名と lsscsi 出力の最後のコラムを比較して、デバイス情報 '[H:C:T:L]' を取得します。

(BZ#2098594)

今回の更新により、分散コンピュートノード (DCN) の Compute サービスが glance サービスにアクセスできない原因となっていたバグが修正されました。

以前のリリースでは、内部 Transport Layer Security (TLS) を使用してデプロイした場合でも、分散コンピュートノードは IP アドレスを指定する glance エンドポイントの URI で設定されていました。TLS では完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するエンドポイントの URI が必要なため、Compute サービスは glance サービスにアクセスできませんでした。

内部 TLS を使用してデプロイした場合、DCN サービスは FQDN を指定する glance エンドポイントの URI で設定され、DCN の Compute サービスが glance サービスにアクセスできるようになりました。

BZ#1879190
Image サービスに暗号化されたボリュームをイメージとしてアップロードして作成されたイメージからボリュームを作成した場合、今回のバグ修正により、暗号化されたそのボリュームからインスタンスをブートできるようになりました。==== バグ修正

以下のバグは、Red Hat OpenStack Platform の本リリースで修正されています。

(BZ#2098594)

この更新には、完全修飾ドメイン名 (FQDN) に関連する以下のバグ修正パッチが含まれています。

  • Kaminario のフィックス: unique_fqdn_network オプション

    以前のリリースでは、Kaminario ドライバーは特定のドライバーセクションの unique_fqdn_network 設定オプションを受け入れていました。このオプションを移動すると、リグレッションが生じました。パラメーターは、共有設定グループで定義された場合にのみ使用されるようになりました。

    このパッチによりリグレッションが解消され、オプションを共有設定グループに加えてドライバー固有のセクションで定義できるようになりました。

  • HPE 3PAR: ネットワークでの重複した FQDN のサポート

    3PAR ドライバーは、ボリュームをマッピングする一意の識別子として、接続を行うノードの FQDN を使用します。

    FQDN は常に一意ではないため、環境によっては同じ FQDN が異なるシステムに存在する場合があります。このような場合、両方のシステムがボリュームの接続を試みると、2 番目のシステムは接続に失敗します。

    たとえば、仮想マシンが controller-.localdomain や compute-0.localdomain 等の名前を共有する QA 環境で、このような状況が発生する可能性があります。

    このパッチにより 3PAR ドライバーに unique_fqdn_network 設定オプションが追加され、システム間で名前が重複することで問題が生じるのを防ぐことができるようになりました。(BZ#1721361)

BZ#1792500

タイムアウト値が不適切な場合、オーバークラウドのデプロイメントが 4 時間後に失敗する可能性があります。タイムアウトによるこれらの失敗を防ぐには、以下に示すアンダークラウドおよびオーバークラウドのタイムアウトパラメーターを設定します。

  • アンダークラウドのタイムアウト値 (秒):

    parameter_defaults:
      TokenExpiration: 86400
      ZaqarWsTimeout: 86400

  • オーバークラウドデプロイのタイムアウト値 (分):

    $ openstack overcloud deploy --timeout 1440

    これでタイムアウト値が設定されました。

BZ#1826741

今回の更新以前は、Block Storage サービス (cinder) は、ボリューム種別を指定する代替方法を無視して volume create 要求のデフォルトボリューム種別を割り当てていました。

今回の更新により、Block Storage サービスは予想どおりに機能するようになりました。

  • 要求で source_volid を指定した場合、Block Storage サービスはボリューム種別にソースボリュームのボリューム種別を設定します。
  • 要求で snapshot_id を指定した場合、ボリューム種別にはスナップショットのボリューム種別が設定されます。
  • 要求で imageRef を指定し、イメージが cinder_img_volume_type イメージ属性を持つ場合、ボリューム種別にはイメージ属性の値が設定されます。

    それ以外の場合は、Block Storage サービスはボリューム種別に定義されたデフォルトのボリューム種別を設定します。ボリューム種別を設定しない場合、Block Storage サービスはシステムのデフォルトボリューム種別である DEFAULT を使用します。

    ボリューム種別を volume create 要求で明示的に指定した場合、Block Storage サービスは指定された種別を使用します。

(BZ#2098594)
今回の更新以前は、スナップショットからボリュームを作成した場合、Block Storage サービス (cinder) はスナップショットから正しいボリューム種別を推測せずに、デフォルトのボリューム種別を新規ボリュームに割り当てようとするため、操作が失敗する可能性がありました。今回の更新で、ボリュームの作成時にボリューム種別を指定する必要がなくなりました。
BZ#1848420

今回の更新で、RHOSP 16 で Brocade FCZM ドライバーを実行できるようになりました。

Brocade FCZM のベンダーは Python 3 向けにドライバーを更新しない決定を下し、OpenStack の Train リリース以降ドライバーのサポートを終了しました [1]。Red Hat OpenStack (RHOSP) 16 は Python 3.6 を使用します。

アップストリームの Cinder コミュニティーはベストエフォートベースで Brocade FCZM ドライバーの維持を引き継ぎ、Python 3 環境 (したがって RHOSP 16 ) での Brocade FCZM の動作を妨げていたバグが修正されています。

[1] https://docs.broadcom.com/doc/12397527

(BZ#2098594)

今回の更新で、特定のケースでスタック更新の速度が向上しています。

以前のリリースでは、Ansible --limit オプションが ceph-ansible に渡されていない場合、スタック更新のパフォーマンスが低下していました。--limit 引数が使用されていても、ceph-ansible はスタックの更新時にノード上でべき等性を持つ更新を行う場合がありました。

director は Ansible --limit オプションをインターセプトし、それを ceph-ansible 実行可能ファイルに渡すようになりました。openstack overclouddeploy で始まるコマンドに渡された --limit オプションは、ceph-ansible 実行可能ファイルに渡され、スタックの更新に必要な時間を短縮します。

重要

ceph-ansible でこの機能を使用する場合は、必ずアンダークラウドを制限リストに含めます。

BZ#1855751

今回の更新以前は、RHOSP 13 から RHOSP 16.1 へのアップグレードフレームワーク (FFU) 時に leapp アップグレードが正常に実行されるためには、Red Hat Enterprise Linux のアップグレードが生じているノードの ssh 設定ファイル (/etc/ssh/sshd_config) に PermitRootLogin フィールドが定義されている必要がありました。

今回の更新により、Orchestration サービス (heat) では PermitRootLogin フィールドで /etc/ssh/sshd_config を変更する必要がなくなりました。

BZ#1862213

今回の更新で、VxFlexOS cinder バックエンドでボリュームの接続に失敗する原因となっていた問題が解決されました。

以前のリリースでは、VxFlexOS バックエンドの cinder ドライバーにボリュームに接続するのに必要なすべての情報が含まれないため、VxFlexOS cinder バックエンドでボリュームを接続する試みが失敗していました。

ボリュームに接続するのに必要なすべての情報が含まれるように、VxFlexOS cinder ドライバーが更新されました。接続が正常に機能するようになりました。

BZ#1868620
今回の更新で、Dell EMC のストレージテンプレートの誤ったパラメーター名が修正されました。
(BZ#2098594)

今回の更新で、VxFlex ボリューム切断の試みが失敗する原因となっていた非互換性が解消されました。

昨今の VxFlex cinder ボリュームの認証方法に関する変更は、既存のボリューム接続への後方互換性を持ちませんでした。認証方法の変更前に VxFlex ボリュームを接続した場合、ボリューム切断の試みが失敗していました。

これで、切断に失敗しなくなりました。

BZ#1872211

今回の更新で、lsscsi を使用して [H:C:T:L] 値を取得するように get_device_info が変更され、これにより 255 を超える論理ユニット番号 (LUN) およびホスト論理ユニット (HLU) の ID 値に対応できるようになりました。

以前のリリースでは、get_device_info は sg_scan を使用してこれらの値を取得し、最大で 255 という制限がありました。

get_device_info を使用して、2 つのデバイス種別を取得することができます。

  • /dev/disk/by-path/xxx: /dev/sdX へのシンボリックリンク
  • /dev/sdX

    sg_scan は任意のデバイス名を処理することができますが、lsscsi は /dev/sdx 名しか表示しません。

    デバイスがシンボリックリンクの場合、get_device_info はデバイスのリンク先であるデバイス名を使用します。それ以外の場合、get_device_info は直接デバイス名を使用します。

    次に、get_devix ce_info はデバイス名と lsscsi 出力の最後のコラムを比較して、デバイス情報 '[H:C:T:L]' を取得します。

(BZ#2098594)

今回の更新により、分散コンピュートノード (DCN) の Compute サービスが glance サービスにアクセスできない原因となっていたバグが修正されました。

以前のリリースでは、内部 Transport Layer Security (TLS) を使用してデプロイした場合でも、分散コンピュートノードは IP アドレスを指定する glance エンドポイントの URI で設定されていました。TLS では完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するエンドポイントの URI が必要なため、Compute サービスは glance サービスにアクセスできませんでした。

内部 TLS を使用してデプロイした場合、DCN サービスは FQDN を指定する glance エンドポイントの URI で設定され、DCN の Compute サービスが glance サービスにアクセスできるようになりました。

BZ#1879190
Image サービスに暗号化されたボリュームをイメージとしてアップロードして作成されたイメージからボリュームを作成した場合、今回のバグ修正により、暗号化されたそのボリュームからインスタンスをブートできるようになりました。

3.3.2. 機能拡張

Red Hat OpenStack Platform の今回のリリースでは、以下の機能拡張が提供されています。

BZ#1293440
今回の更新により、RBD の使用中 cinder ボリュームをある Ceph プールから同じ Ceph クラスター内の別の Ceph プールに、移行または種別変更できるようになりました。詳細は、ストレージガイドボリュームの基本的な使用方法と設定 を参照してください。
BZ#1628811
今回の更新により、Intel および Mellanox NIC で NIC パーティション設定がサポートされるようになりました。
BZ#1668213

今回の更新で、Key Manager サービス (barbican) が管理するキーで暗号化されたイメージがサポートされるようになりました。

保存データを暗号化された状態で維持する必要がある安全なワークフロー用に、入念に準備した暗号化済みイメージを Image サービス (glance) にアップロードし、Block Storage サービス (cinder) で使用することができます。

BZ#1676631
Red Hat OpenStack Platform 16.1 では、Load-balancing サービス (octavia) 向けの Open Virtual Network (OVN) プロバイダードライバーが、完全にサポートされるようになりました。
BZ#1845422
Image サービス (glance) で複数のストアを使用する場合、イメージの所有者は特定のストアからイメージのコピーを削除できるようになりました。Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 では、この機能はテクノロジープレビューからフルサポートに移行しています。
BZ#1852851

今回の更新により、分散コンピュートノード (DCN) 上で暗号化されたボリュームおよびイメージがサポートされるようになりました。

DCN ノードは、中央のコントロールプレーンで実行されている Key Manager サービス (barbican) にアクセスできるようになりました。

注記

この機能により、すべての DCN ロールに新しい Key Manager クライアントサービスが追加されます。この機能を実装するには、DCN サイトのデプロイメントに使用する roles.yaml ファイルを再生成します。

以下に例を示します。

$ openstack overcloud roles generate DistributedComputeHCI DistributedComputeHCIScaleOut -o ~/dcn0/roles_data.yaml

ロールデータファイルへの適切なパスを使用します。

BZ#1859750
今回の機能拡張により、FreeIPA にアンダークラウドおよびオーバークラウドノードの DNS エントリーが含まれるようになりました。DNS PTR レコードは、特定種別の証明書 (特に etcd との cinder アクティブ/アクティブ環境用の証明書) を生成するのに必要です。環境ファイルの IdMModifyDNS パラメーターを使用して、この機能を無効にすることができます。
BZ#1859757
以前のリリースでは、既存のデプロイメントで TLS Everywhere にアップグレードすることができませんでした。今回の更新により、再インストールせずに内部の OpenStack サービス間のインフライト接続を維持することができます。
BZ#1859758
Key Manager サービス (barbican) で、高可用性 (HA) モードの Atos Hardware Security Module (HSM) アプライアンスを使用できるようになりました。Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 では、この機能はテクノロジープレビューからフルサポートに移行しています。
BZ#1862545
今回のリリースで、Block Storage サービス (cinder) バックエンド用に Dell EMC PowerStore ドライバーがサポートされるようになりました。
BZ#1862546
今回の機能拡張により、Dell EMC PowerStore 用の新しいドライバーが追加され、Block Storage サービスのバックエンドサーバーがサポートされるようになりました。
BZ#1862547
今回の機能拡張により、Dell EMC PowerStore 用の新しいドライバーが追加され、Block Storage サービスのバックエンドサーバーがサポートされるようになりました。
BZ#1874847
今回の更新で、分散コンピュートノード (DCN) で Triple IPA による TLS Everywhere がサポートされるようになりました。
BZ#1874863
今回の更新により、分散コンピュートノード (DCN) での Networking サービス (neutron) ルーティング対応プロバイダーネットワークがサポートされるようになりました。
BZ#1459187
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 16.1 では、IPv6 プロビジョニングネットワークへのオーバークラウドのデプロイがサポートされるようになりました。詳細は、ベアメタルプロビジョニングカスタムの IPv6 プロビジョニングネットワークの設定 を参照してください。RHOSP 16.1.2 では、この機能はテクノロジープレビューからフルサポートに移行しています。
BZ#1474394
¥Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 16.1 では、BMaaS (Bare Metal as-a-Service) テナント向けに、IPv6 プロビジョニングネットワークを通じたベアメタルのプロビジョニングがサポートされています。RHOSP 16.1.2 では、この機能はテクノロジープレビューからフルサポートに移行しています。

3.3.3. テクノロジープレビュー

本セクションに記載する項目は、テクノロジープレビューとして提供しています。テクノロジープレビューステータスのスコープに関する詳細情報およびそれに伴うサポートへの影響については、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

BZ#1703958
今回の更新では、OVN プロバイダードライバーにおいて、同じロードバランサーリスナー上で TCP および UDP プロトコルの両方がサポートされます。
BZ#1820742

RHOSP 16.1.2 では、AMD EPYC 2 (Rome) プラットフォームの UEFI 設定 NPS (Numa Per Socket) を 1 に指定するテクノロジープレビュー機能が追加されています。

NPS のその他の値 (2 または 4) は、OpenStack を使用せずベアメタル上で、プラットフォームのピークパフォーマンスに到達するために DPDK ベンチマークで使用されます。

Red Hat では、OpenStack を使用した NPS=2 または NPS=4 との運用上のトレードオフ評価を継続しています。この設定では、ソケットごとに複数の Numa ノードを公開します。

BZ#1827283

Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 では、AMD EPYC 2 (Rome) プラットフォームの UEFI 設定 NPS (Numa Per Socket) を 1 に指定するテクノロジープレビュー機能が追加されています。

NPS のその他の値 (2 または 4) は、OpenStack を使用せずベアメタル上で、プラットフォームのピークパフォーマンスに到達するために DPDK ベンチマークで使用されます。

Red Hat では、OpenStack を使用した NPS=2 または NPS=4 との運用上のトレードオフ評価を継続しています。この設定では、ソケットごとに複数の Numa ノードを公開します。

BZ#1875310

Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 では、同じハイパーバイザー上で OVN および OVS-DPDK が SR-IOV と共存するテクノロジープレビュー機能が追加されています。

関連する問題については、以下のバグレポートを参照してください。

Bug 1575512 および

Bug 1575512

BZ#1875323

Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 では、OVN と OVS TC Flower ベースのオフロードの組み合わせがテクノロジープレビュー機能として追加されています。

通常のシャーシ間の通信では、OVN は VXLAN をサポートしない点に注意してください。そのため、VXLAN と OVN を使用したハードウェアオフロードの組み合わせはサポートされません。Bug 1881704 を参照してください。

3.3.4. リリースノート

本項では、Red Hat OpenStack Platform の注目すべき変更点や推奨プラクティスなど、今回のリリースに関する重要な情報を記載しています。お使いのデプロイメントに最大限の効果をもたらすために、以下の情報を考慮する必要があります。

BZ#1790756
今回のリリースで、IPv6 が CephFS NFS ドライバーで機能するように、Shared File Systems サービス (manila) に新たな機能が追加されています。この機能には Red Hat Ceph Storage 4.1 が必要です。
BZ#1808583

Red Hat OpenStack Platform 16.1 では、以下のように PowerMax ドライバーが更新されています。

機能の更新:

  • PowerMax ドライバー: Unisphere のストレージグループ/配列タグ付けのサポート
  • PowerMax ドライバー: 短いホスト名およびポートグループ名の上書き
  • PowerMax ドライバー: SRDF の機能拡張
  • PowerMax ドライバー: 複数レプリケーションのサポート

    バグ修正:

  • PowerMax ドライバー: デバッグメタデータの修正
  • PowerMax ドライバー: ボリュームグループ削除の失敗
  • PowerMax ドライバー: 最低 Unisphere バージョン 9.1.0.5 の設定
  • PowerMax ドライバー: 非管理スナップショット削除の修正
  • PowerMax ドライバー: RDF snapvx ターゲット消去の修正
  • PowerMax ドライバー: 管理可能ボリューム取得の修正
  • PowerMax ドライバー: ボリューム拡張情報の出力
  • PowerMax ドライバー: レガシーボリュームの欠如
  • PowerMax ドライバー: 使用中のレプリカ済みモードへの種別変更禁止
  • PowerMax ドライバー: レプリケーション配列シリアル番号の確認
  • PowerMax ドライバー: 複数レプリケーションのサポート
  • PowerMax ドライバー: シングルアンダースコアの更新
  • PowerMax ドライバー: SRDF レプリケーションの修正
  • PowerMax ドライバー: レプリケーションメタデータの修正
  • PowerMax ドライバー: レプリケーションデバイスの制限
  • PowerMax ドライバー: グループのデフォルトボリューム種別の許可
  • PowerMax ドライバー: バージョン比較の修正
  • PowerMax ドライバー: RepConfig ログの接続解除および種別変更時リモートボリュームへの名称変更の修正
  • PowerMax ドライバー: エミュレーション種別ボリューム管理の確認
  • PowerMax ドライバー: ボリュームが含まれるグループの削除
  • PowerMax ドライバー: PowerMax プールの修正
  • PowerMax ドライバー: RDF ステータスの検証
  • PowerMax ドライバー: 同時ライブマイグレーションの失敗
  • PowerMax ドライバー: ライブマイグレーション時ストレージグループからのレプリケーション可能ボリュームの削除
  • PowerMax ドライバー: U4P フェイルオーバー時例外ロックの非リリース
  • PowerMax ドライバー: 圧縮変更に関するバグの修正
BZ#1852082

今回の更新では、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) Orchestration サービス (heat) を使用して、Block Storage サービス (cinder) 用に、任意のストレージプロトコルの組み合わせで複数の Dell EMC XtremIO バックエンドをデプロイすることができます。

新しい heat パラメーター CinderXtremioStorageProtocol により、ファイバーチャネル (FC) または iSCSI ストレージプロトコルのいずれかを選択することができるようになりました。

新しい heat テンプレートにより、複数の XtremIO バックエンドをデプロイすることができます。

以前のリリースでは、RHOSP director は Block Storage サービス用に 1 つの iSCSI バックエンドしかサポートしていませんでした (従来の iSCSI だけに対応した heat テンプレートは、RHOSP の今後のリリースで非推奨になります)。

BZ#1852084
Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 では、Orchestration サービス (heat) テンプレートが Block Storage サービス (cinder) バックエンド用の VXFlexOS ドライバーをサポートしています。
BZ#1852087
Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 では、Block Storage サービス (cinder) 用の Dell EMC Storage Center (SC) バックエンドがサポートされています。SC バックエンドドライバーは iSCSI プロトコルと FC プロトコルの両方をサポートするようになり、複数のバックエンドにも対応します。CinderScBackendName パラメーターを使用してバックエンドをリスト表示し、CinderScMultiConfig パラメーターを使用して各バックエンドのパラメーター値を指定することができます。設定ファイルの例については、environments/cinder-droidmc-sc-config.yaml を参照してください。
BZ#1852088

PowerMax 設定オプションは、Red Hat OpenStack Platform 10 (newton) 以降変更されています。今回の更新により最新の PowerMax 設定オプションが追加され、iSCSI プロトコルと FC プロトコルの両方がサポートされるようになりました。

CinderPowermaxBackend パラメーターも、複数のバックエンドをサポートします。CinderPowermaxBackendName はバックエンドのリストをサポートし、新しい CinderPowermaxMultiConfig パラメーターを使用して各バックエンドのパラメーター値を指定することができます。構文の例は、environments/cinder-droidmc-powermax-config.yaml を参照してください。

BZ#1853450
Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 には、Block Storage サービス (cinder) バックエンド用の VXFlexOS ドライバーに対する Puppet サポート (puppet-cinder モジュール) が含まれています。
BZ#1853454
Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 には、Block Storage サービス (cinder) バックエンド用の VXFlexOS ドライバーに対する Puppet サポート (puppet-tripleo モジュール) が含まれています。
BZ#1877688
今回の更新により、コンテンツが openstack-tripleo-validations から別のパッケージに移された後にパッケージコンテンツの競合が発生するのを防いでいます。

3.3.5. 既知の問題

現時点における Red Hat OpenStack Platform の既知の問題は以下のとおりです。

BZ#1547074

ML2/OVN ルーターへの UDP ジャンボフレームの送信は、まだ利用することのできないカーネルリリースに依存します。

外部ネットワークの最大伝送単位を超える UDP ジャンボフレームを受信した場合、ML2/OVN ルーターは ICMP の fragmentation needed パケットを送信元の仮想マシンに返すことができます。これにより、送信元アプリケーションはペイロードをより小さなパケットに分割することができます。パケットサイズを判断するためには、South-North パスの MTU 限度を検出できる必要があります。

South-North パスの MTU 検出には kernel-4.18.0-193.20.1.el8_2 が必要です。これは、今後のリリースで利用可能になる予定です。カーネルバージョンの可用性を把握するには、Bug 1860169 を参照してください。

BZ#1623977

Load-balancing サービスインスタンス (amphora) のログオフロードを有効にすると、管理ログとテナントログの両方が同じファイル (octavia-amphora.log) に書き込まれます。これは、Orchestration サービス (heat) のパラメーター OctaviaTenantLogFacility のデフォルト値が誤っていること原因で発生する既知の問題です。回避策として、以下の手順を実施してください。

カスタムの環境ファイルで OctaviaTenantLogFacility をゼロ (0) に設定し、openstack overcloud deploy コマンドを実行します。

parameter_defaults:
    OctaviaLogOffload: true
    OctaviaTenantLogFacility: 0
    ...

詳しい情報は、オーバークラウド環境の変更 を参照してください。

BZ#1733577

既知の問題が原因で、Ceph OSD の FileStore から BlueStore への移行に失敗します。Red Hat Ceph Storage 3 と共に Red Hat OpenStack Platform 13 をデプロイする際に osd_objectstore パラメーターを明示的に設定しない場合、一切 OSD を変換せずに移行が終了し、OSD がすでに BlueStore を使用しているという誤った報告がなされます。この既知の問題に関する詳細は、Bug 1875777 を参照してください。

回避策として、以下の手順を実施してください。

  1. 環境ファイルに以下の内容を追加します。

    parameter_defaults:
      CephAnsibleExtraConfig:
        osd_objectstore: filestore
  2. osd_objectstore パラメーターが含まれる新規または既存の環境ファイルを指定して、overcloud deploy --stack-only コマンドでスタックの更新を実施します。以下の例では、この環境ファイルは <osd_objectstore_environment_file> です。アップグレードのコンバージステップ中に含めたその他すべての環境ファイルも含めます。

    $ openstack overcloud deploy --stack-only \
      -e <osd_objectstore_environment_file> \
      -e <converge_step_environment_files>
  3. 既存のドキュメントを使用して、FileStore から BlueStore への移行を進めます。FileStore から BlueStore への OSD の移行 を参照してください。

    結果: FileStore から BlueStore への Playbook が変換プロセスのトリガーとなり、OSD が削除されて正常に再作成されます。

BZ#1828889
OVN メカニズムドライバーが Networking サービス (neutron) データベースを使用せず、代わりに OVN データベースに依存するという既知の問題があります。その結果、OVN 外であるため、SR-IOV エージェントは Networking サービスデータベースに登録されます。現在、この問題に対する回避策はありません。
BZ#1837316

Red Hat OpenStack Platform Load-balancing サービス (octavia) インスタンス (amphora) の keepalived インスタンスが、異常な状態で終了して UDP トラフィックを中断する可能性があります。この問題の原因は、UDP ヘルスモニターのタイムアウト値が短すぎることです。

回避策: 新しいタイムアウト値として 2 秒を超える値を指定します (例: $ openstack loadbalancer healthmonitor set --timeout 3 <heath_monitor_id>)。

詳細は、コマンドラインインターフェイスの参考ドキュメントで loadbalancer healthmonitor を検索してください。

BZ#1848462
現在、ML2/OVS および分散仮想ルーター (DVR) の設定では、Open vSwitch (OVS) は ICMPv6 トラフィックを適切にルーティングしないため、テナントネットワークでネットワークの障害が発生します。現時点では、この問題に対する回避策はありません。お使いのクラウドが IPv6 に大きく依存し、ICMP トラフィックがブロックされることで問題が生じる可能性のある場合は (ping 等)、この問題が修正されるまで Red Hat OpenStack Platform 16.1 に更新しないでください。
BZ#1861370

ゲスト仮想マシン内で realtime-virtual-host tuned プロファイルを有効にすると、スループットが低下し、予測不可能なパフォーマンスを示します。ovs-dpdk PMD は、ハウスキーピング用の CPU に不適切に固定されます。

回避策として、ゲスト仮想マシン内で cpu-partitioning tuned プロファイルを使用し、tuned.conf ファイルを更新するデプロイメント後のスクリプトを作成し、ノードをリブートしてください。

ps_blacklist=ksoftirqd.*;rcuc.*;rcub.*;ktimersoftd.*;.*pmd.*;.*PMD.*;^DPDK;.*qemu-kvm.*
BZ#1866562

現在、Red Hat OpenStack Platform が tripleo-ipa を使用して TLS Everywhere を設定してデプロイされている場合、コンピュートノードをスケールダウンしたり削除したりすることはできません。これは、従来ローカルホストとしてアンダークラウドに委譲されていたクリーンアップロールが、Workflow サービス (mistral) コンテナーから呼び出されるようになったためです。

詳細は、In an environment with TLSe setup with tripleo-ipa, Compute node replacement procedure fails to remove compute node を参照してください。