第5章 Floating IP アドレスの管理

プライベートの Fixed IP アドレスを持つことに加え、仮想マシンインスタンスには、他のネットワークと通信するためのパブリックまたは Floating IP アドレスを持たせることができます。本項では、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) Networking サービス (neutron) で Floating IP を作成し、管理する方法を説明します。

5.1. Floating IP アドレスプールの作成

Floating IP アドレスを使用して、ネットワークの受信ネットワークトラフィックを OpenStack インスタンスに転送することができます。まず適切にルーティング可能な外部 IP アドレスのプールを定義する必要があります。その後、それらの IP アドレスをインスタンスに動的に割り当てることができます。OpenStack Networking は、特定の Floating IP アドレス宛の受信トラフィックを、すべてその Floating IP アドレスを割り当てたインスタンスにルーティングします。

注記

OpenStack Networking は、同じ IP 範囲 (CIDR 形式) から全プロジェクト (テナント) に Floating IP アドレスを確保します。これにより、すべてのプロジェクトが全 Floating IP サブネットからの Floating IP を使用できることができます。この動作は、個別のプロジェクトごとのクォータを使用することで管理できます。たとえば、ProjectAProjectB のクォータのデフォルトを 10 に設定する一方、ProjectC のクォータを 0 に設定することができます。

手順

  • 外部サブネットを作成する際に、Floating IP 確保用プールを定義することもできます。

    $ openstack subnet create --no-dhcp --allocation-pool start=IP_ADDRESS,end=IP_ADDRESS --gateway IP_ADDRESS --network SUBNET_RANGE NETWORK_NAME

    サブネットが Floating IP アドレスのみをホストする場合には、openstack subnet create コマンドで --no-dhcp オプションを指定して、DHCP による割り当てを無効にすることを検討してください。

    $ openstack subnet create --no-dhcp --allocation_pool start=192.168.100.20,end=192.168.100.100 --gateway 192.168.100.1 --network 192.168.100.0/24 public

検証

  • インスタンスにランダムな Floating IP を割り当てることで、プールが適切に設定されていることを確認できます。(下記のリンクを参照してください。)

関連情報