19.6. RHOSP Networking サービスノードでのレイヤー 3 高可用性 (HA) の有効化

インストール時に、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) director は、RHOSP コントローラーが少なくとも 2 つあり、分散仮想ルーター (DVR) を使用しない場合に、デフォルトで仮想ルーターの高可用性 (HA) を有効化します。RHOSP Orchestration サービス (heat) パラメーター max_l3_agents_per_router を使用して、HA ルーターがスケジュールされる RHOSP Networking サービスレイヤー 3 (L3) エージェントの最大数を設定できます。

前提条件

  • RHOSP デプロイメントで DVR が使用されていない。
  • 2 つ以上の RHOSP コントローラーがデプロイされている。

手順

  1. アンダークラウドに stack ユーザーとしてログインし、source コマンドで stackrc ファイルを読み込み、director コマンドラインツールを有効にします。

    $ source ~/stackrc

  2. カスタム YAML 環境ファイルを作成します。

    $ vi /home/stack/templates/my-neutron-environment.yaml

    ヒント

    Orchestration サービス (heat) は、テンプレートと呼ばれるプランのセットを使用して環境をインストールおよび設定します。カスタム環境ファイル を使用して、オーバークラウドの要素をカスタマイズすることができます。このファイルは、heat テンプレートをカスタマイズするための特別な種別のテンプレートです。

  3. YAML 環境ファイルで、NeutronL3HA パラメーターを true に設定します。これにより、director がデフォルトで設定しなかった場合でも HA が有効になります。

    parameter_defaults:
      NeutronL3HA: 'true'
  4. HA ルーターがスケジュールされる L3 エージェントの最大数を設定します。

    max_l3_agents_per_router パラメーターを、デプロイメント内にあるネットワークノードの最小数と合計数の間の値に設定します。(ゼロの値は、ルーターがすべてのエージェントでスケジュールされることを意味します。)

    parameter_defaults:
      NeutronL3HA: 'true'
      ControllerExtraConfig:
        neutron::server::max_l3_agents_per_router: 2

    この例では、4 つの Networking サービスノードをデプロイする場合、2 つの L3 エージェントのみが各 HA 仮想ルーターを保護します (1 つはアクティブ、もう 1 つはスタンバイ)。

    max_l3_agents_per_router の値を利用可能なネットワークノードの数よりも大きく設定している場合は、新しい L3 エージェントを追加してスタンバイルーターの数をスケールアウトすることができます。デプロイする新しい L3 エージェントノードごとに、Networking サービスは max_l3_agents_per_router の上限に達するまで、仮想ルーターをスタンバイバージョンを追加でスケジュールします。

  5. コア heat テンプレート、環境ファイル、およびこの新しいカスタム環境ファイルを指定して、openstack overcloud deploy コマンドを実行します。

    重要

    後で実行される環境ファイルで定義されているパラメーターとリソースが優先されることになるため、環境ファイルの順序は重要となります。

    $ openstack overcloud deploy --templates \
    -e [your-environment-files] \
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/my-neutron-environment.yaml

    注記

    NeutronL3HAtrue に設定すると、作成されるすべての仮想ルーターが HA ルーターにデフォルト設定されます。ルーターの作成時に、openstack router create コマンドに --no-ha オプションを追加して HA オプションを上書きできます。

    # openstack router create --no-ha

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