第1章 Red Hat ネットワーク機能仮想化 (NFV) の理解
ネットワーク機能仮想化 (NFV: Network Functions Virtualization) とは、通信事業者 (CSP) が従来のプロプライエタリーハードウェアの範囲を超えて、運用コストを抑えつつ、効率性および俊敏性を向上させる上で役立つソフトウェアベースのソリューションのことです。
NFV 環境では、スイッチ、ルーター、ストレージなどの標準のハードウェアデバイス上で実行する標準の仮想化技術を使用して仮想化インフラストラクチャーを提供することで、IT およびネットワークの収束が可能になり、ネットワーク機能を仮想化 (VNF) します。管理およびオーケストレーションロジックにより、これらのサービスをデプロイおよび維持します。NFV には、手動操作の必要性を軽減するシステム管理、自動化、ライフサイクル管理も含まれます。
1.1. NFV の利点
ネットワーク機能仮想化 (NFV) を実装する主な利点は以下のとおりです。
- 新たなネットワークサービスを迅速にデプロイおよびスケーリングすることが可能なので、市場投入までの時間を短縮し、ニーズの変化に対応することができます。
- サービスの開発者は、実稼動環境で使用する場合と同じプラットフォームを使用して、リソースやプロトタイプを自己管理できるので、イノベーションがサポートされます。
- セキュリティーやパフォーマンスを犠牲にせず、週/日単位ではなく、時間/分単位で顧客のニーズに対応します。
- カスタマイズされた高額な設備ではなく、商用オフザシェルフ (COTS) のハードウェアを使用するため、資本支出が削減されます。
- 運用の合理化と自動化で日常のタスクを最適化することにより、運用コストを削減し、従業員の生産性を向上させます。