5.3. ヒュージページ

物理メモリーは、ページと呼ばれる連続した一連のリージョンに分割されます。効率化を図るため、システムは、各メモリーバイトにアクセスするのではなく、ページ全体にアクセスしてメモリーを取得します。このような変換を実行するには、システムは、最近使用されたページまたは頻繁に使用されるページの物理から仮想アドレスへのマッピングが含まれるトランスレーションルックアサイドバッファー (TLB: Translation Lookaside Buffers) をチェックします。検索したマッピングが TLB にない場合には、プロセッサーは全ページテーブルで同じ処理を反復して、アドレスマッピングを判断する必要があります。TLB を最適化し、これらの TLB ミス時に発生するパフォーマンスペナルティーを最小限に抑えます。

X86 システムの通常のページサイズは 4 KB ですが、他の大きなページサイズを利用することもできます。ページサイズが大きいと全体的なページ数が少なくなるので、TLB に仮想から物理アドレスへの変換を保管可能なシステムメモリー量が増えることになります。その結果、TLB ミスの可能性が低くなり、パフォーマンスが向上します。ページサイズが大きいと、プロセスはページに割り当てる必要があるため、メモリーを無駄にする可能性が高くなりますが、すべてのメモリーが必要となることはあまりありません。そのため、ページサイズを選択する際には、より大きいページを使用してアクセス時間を速くするか、より小さいページを使用して最大限にメモリーが使用されるようにするかで、トレードオフが生じます。