第10章 Red Hat カスタマーポータルへのオーバークラウド登録の更新

Red Hat OpenStack Platform 16.1 では、Ansible ベースの手法を使用してオーバークラウドノードを Red Hat カスタマーポータルに登録します。

10.1. Red Hat Subscription Manager (RHSM) コンポーザブルサービス

rhsm コンポーザブルサービスは、Ansible を介してオーバークラウドノードを登録する方法を提供します。デフォルトの roles_data ファイルの各ロールには、OS::TripleO::Services::Rhsm リソースが含まれており、これはデフォルトで無効になっています。サービスを有効にするには、このリソースを rhsm コンポーザブルサービスのファイルに登録します。

resource_registry:
  OS::TripleO::Services::Rhsm: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/deployment/rhsm/rhsm-baremetal-ansible.yaml

rhsm コンポーザブルサービスは RhsmVars パラメーターを受け入れます。これにより、登録に必要な複数のサブパラメーターを定義することができます。以下に例を示します。

parameter_defaults:
  RhsmVars:
    rhsm_repos:
      - rhel-8-for-x86_64-baseos-eus-rpms
      - rhel-8-for-x86_64-appstream-eus-rpms
      - rhel-8-for-x86_64-highavailability-eus-rpms
      …​
    rhsm_username: "myusername"
    rhsm_password: "p@55w0rd!"
    rhsm_org_id: "1234567"
    rhsm_release: 8.2

RhsmVars パラメーターをロール固有のパラメーター (例: ControllerParameters) と共に使用することにより、異なるノードタイプ用の特定のリポジトリーを有効化する場合に柔軟性を提供することもできます。

10.2. RhsmVars サブパラメーター

すべての Ansible パラメーターを把握するには、ロールに関するドキュメント を参照してください。

rhsm説明

rhsm_method

登録の方法を選択します。portalsatellite、または disable のいずれかです。

rhsm_org_id

登録に使用する組織。この ID を特定するには、アンダークラウドノードから sudo subscription-manager orgs を実行します。プロンプトが表示されたら、Red Hat の認証情報を入力して、出力される Key 値を使用します。組織の ID についての詳細は、「Red Hat Subscription Management における組織 ID について理解する」を参照してください。

rhsm_pool_ids

使用するサブスクリプションプール ID。サブスクリプションを自動でアタッチしない場合には、このパラメーターを使用してください。この ID を特定するには、アンダークラウドノードから sudo subscription-manager list --available --all --matches="OpenStack" を実行し、出力される Pool ID の値を使用します。

rhsm_activation_key

登録に使用するアクティベーションキー。rhsm_repos が設定されている場合には機能しません。

rhsm_autosubscribe

互換性のあるサブスクリプションをこのシステムに自動的にアタッチします。有効にするには、true に設定します。

rhsm_baseurl

コンテンツを取得するためのベース URL。デフォルトは Red Hat コンテンツ配信ネットワークの URL です。Satellite サーバーを使用している場合は、この値を Satellite サーバーコンテンツリポジトリーのベース URL に変更します。

rhsm_server_hostname

登録用のサブスクリプション管理サービスのホスト名。デフォルトは Red Hat Subscription Management のホスト名です。Satellite サーバーを使用している場合は、この値を Satellite サーバーのホスト名に変更します。

rhsm_repos

有効にするリポジトリーの一覧。rhsm_activation_key が設定されている場合には機能しません。

rhsm_username

登録用のユーザー名。可能な場合には、登録にアクティベーションキーを使用します。

rhsm_password

登録用のパスワード。可能な場合には、登録にアクティベーションキーを使用します。

rhsm_release

リポジトリー固定用の Red Hat Enterprise Linux リリース。Red Hat OpenStack Platform 16.1 の場合、これは 8.2 に設定されます。

rhsm_rhsm_proxy_hostname

HTTP プロキシーのホスト名。たとえば、proxy.example.com

rhsm_rhsm_proxy_port

HTTP プロキシー通信用のポート。たとえば、8080

rhsm_rhsm_proxy_user

HTTP プロキシーにアクセスするためのユーザー名

rhsm_rhsm_proxy_password

HTTP プロキシーにアクセスするためのパスワード

10.3. rhsm コンポーザブルサービスへの切り替え

従来の rhel-registration メソッドは、bash スクリプトを実行してオーバークラウドの登録を処理します。この方法のスクリプトと環境ファイルは、/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/extraconfig/pre_deploy/rhel-registration/ のコア Heat テンプレートコレクションにあります。

rhel-registration メソッドを rhsm コンポーザブルサービスに切り替えるには、以下の手順を実施します。

手順

  1. rhel-registration 環境ファイルは、今後のデプロイメント操作から除外します。通常は、以下のファイルを除外します。

    • rhel-registration/environment-rhel-registration.yaml
    • rhel-registration/rhel-registration-resource-registry.yaml
  2. カスタムの roles_data ファイルを使用する場合には、roles_data ファイルの各ロールに必ず OS::TripleO::Services::Rhsm コンポーザブルサービスを含めてください。以下に例を示します。

    - name: Controller
      description: |
        Controller role that has all the controller services loaded and handles
        Database, Messaging and Network functions.
      CountDefault: 1
      ...
      ServicesDefault:
        ...
        - OS::TripleO::Services::Rhsm
        ...
  3. rhsm コンポーザブルサービスのパラメーター用の環境ファイルを今後のデプロイメント操作に追加します。

このメソッドは、rhel-registration パラメーターを rhsm サービスのパラメーターに置き換えて、サービスを有効化する Heat リソースを変更します。

resource_registry:
  OS::TripleO::NodeExtraConfig: rhel-registration.yaml

上記の行を以下のように変更します。

resource_registry:
  OS::TripleO::Services::Rhsm: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/deployment/rhsm/rhsm-baremetal-ansible.yaml

デプロイメントに /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/rhsm.yaml 環境ファイルを追加して、サービスを有効にすることもできます。

10.4. rhel-registration から rhsm へのマッピング

rhel-registrationrhsm / RhsmVars

rhel_reg_method

rhsm_method

rhel_reg_org

rhsm_org_id

rhel_reg_pool_id

rhsm_pool_ids

rhel_reg_activation_key

rhsm_activation_key

rhel_reg_auto_attach

rhsm_autosubscribe

rhel_reg_sat_url

rhsm_satellite_url

rhel_reg_repos

rhsm_repos

rhel_reg_user

rhsm_username

rhel_reg_password

rhsm_password

rhel_reg_release

rhsm_release

rhel_reg_http_proxy_host

rhsm_rhsm_proxy_hostname

rhel_reg_http_proxy_port

rhsm_rhsm_proxy_port

rhel_reg_http_proxy_username

rhsm_rhsm_proxy_user

rhel_reg_http_proxy_password

rhsm_rhsm_proxy_password

10.5. rhsm コンポーザブルサービスを使用したオーバークラウドの登録

以下の手順に従って、rhsm コンポーザブルサービスを有効化して設定する環境ファイルを作成します。director はこの環境ファイルを使用して、ノードを登録し、サブスクライブします。

手順

  1. 設定を保存するための環境ファイル (templates/rhsm.yaml) を作成します。
  2. 環境ファイルに設定を追加します。以下に例を示します。

    resource_registry:
      OS::TripleO::Services::Rhsm: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/deployment/rhsm/rhsm-baremetal-ansible.yaml
    parameter_defaults:
      RhsmVars:
        rhsm_repos:
          - rhel-8-for-x86_64-baseos-eus-rpms
          - rhel-8-for-x86_64-appstream-eus-rpms
          - rhel-8-for-x86_64-highavailability-eus-rpms
          …​
        rhsm_username: "myusername"
        rhsm_password: "p@55w0rd!"
        rhsm_org_id: "1234567"
        rhsm_pool_ids: "1a85f9223e3d5e43013e3d6e8ff506fd"
        rhsm_method: "portal"
        rhsm_release: 8.2
    • resource_registry セクションは、各ロールで利用可能な OS::TripleO::Services::Rhsm リソースに rhsm コンポーザブルサービスを関連付けます。
    • RhsmVars の変数は、Red Hat の登録を設定するためにパラメーターを Ansible に渡します。
  3. 環境ファイルを保存します。

10.6. 異なるロールに対する rhsm コンポーザブルサービスの適用

rhsm コンポーザブルサービスをロールごとに適用することができます。たとえば、コントローラーノード、コンピュートノード、および Ceph Storage ノードに、異なる設定セットを適用することができます。

手順

  1. 設定を保存するための環境ファイル (templates/rhsm.yaml) を作成します。
  2. 環境ファイルに設定を追加します。以下に例を示します。

    resource_registry:
      OS::TripleO::Services::Rhsm: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/deployment/rhsm/rhsm-baremetal-ansible.yaml
    parameter_defaults:
      ControllerParameters:
        RhsmVars:
          rhsm_repos:
            - rhel-8-for-x86_64-baseos-eus-rpms
            - rhel-8-for-x86_64-appstream-eus-rpms
            - rhel-8-for-x86_64-highavailability-eus-rpms
            - ansible-2.9-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - advanced-virt-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - openstack-16.1-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - rhceph-4-mon-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - rhceph-4-tools-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - fast-datapath-for-rhel-8-x86_64-rpms
          rhsm_username: "myusername"
          rhsm_password: "p@55w0rd!"
          rhsm_org_id: "1234567"
          rhsm_pool_ids: "55d251f1490556f3e75aa37e89e10ce5"
          rhsm_method: "portal"
          rhsm_release: 8.2
      ComputeParameters:
        RhsmVars:
          rhsm_repos:
            - rhel-8-for-x86_64-baseos-eus-rpms
            - rhel-8-for-x86_64-appstream-eus-rpms
            - rhel-8-for-x86_64-highavailability-eus-rpms
            - ansible-2.9-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - advanced-virt-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - openstack-16.1-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - rhceph-4-tools-for-rhel-8-x86_64-rpms
          rhsm_username: "myusername"
          rhsm_password: "p@55w0rd!"
          rhsm_org_id: "1234567"
          rhsm_pool_ids: "55d251f1490556f3e75aa37e89e10ce5"
          rhsm_method: "portal"
          rhsm_release: 8.2
      CephStorageParameters:
        RhsmVars:
          rhsm_repos:
            - rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms
            - rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms
            - rhel-8-for-x86_64-highavailability-rpms
            - ansible-2.9-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - openstack-16.1-deployment-tools-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - rhceph-4-osd-for-rhel-8-x86_64-rpms
            - rhceph-4-tools-for-rhel-8-x86_64-rpms
          rhsm_username: "myusername"
          rhsm_password: "p@55w0rd!"
          rhsm_org_id: "1234567"
          rhsm_pool_ids: "68790a7aa2dc9dc50a9bc39fabc55e0d"
          rhsm_method: "portal"
          rhsm_release: 8.2

    resource_registry は、各ロールで利用可能な OS::TripleO::Services::Rhsm リソースに rhsm コンポーザブルサービスを関連付けます。

    ControllerParametersComputeParameters、および CephStorageParameters は、独自の RhsmVars パラメーターを使用してそれぞれのロールにサブスクリプション情報を渡します。

    注記

    Red Hat Ceph Storage のサブスクリプションおよび Ceph Storage 固有のリポジトリーを使用するように、CephStorageParameters パラメーター内の RhsmVars パラメーターを設定します。rhsm_repos パラメーターに、コントローラーノードおよびコンピュートノードに必要な Extended Update Support (EUS) リポジトリーではなく、標準の Red Hat Enterprise Linux リポジトリーが含まれるようにします。

  3. 環境ファイルを保存します。