第11章 Red Hat Satellite へのオーバークラウド登録の更新

Red Hat OpenStack Platform 16.1 では、Ansible ベースの手法を使用してオーバークラウドノードを Red Hat Satellite 6 サーバーに登録します。

11.1. Red Hat Subscription Manager (RHSM) コンポーザブルサービス

rhsm コンポーザブルサービスは、Ansible を介してオーバークラウドノードを登録する方法を提供します。デフォルトの roles_data ファイルの各ロールには、OS::TripleO::Services::Rhsm リソースが含まれており、これはデフォルトで無効になっています。サービスを有効にするには、このリソースを rhsm コンポーザブルサービスのファイルに登録します。

resource_registry:
  OS::TripleO::Services::Rhsm: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/deployment/rhsm/rhsm-baremetal-ansible.yaml

rhsm コンポーザブルサービスは RhsmVars パラメーターを受け入れます。これにより、登録に必要な複数のサブパラメーターを定義することができます。以下に例を示します。

parameter_defaults:
  RhsmVars:
    rhsm_repos:
      - rhel-8-for-x86_64-baseos-eus-rpms
      - rhel-8-for-x86_64-appstream-eus-rpms
      - rhel-8-for-x86_64-highavailability-eus-rpms
      …​
    rhsm_username: "myusername"
    rhsm_password: "p@55w0rd!"
    rhsm_org_id: "1234567"
    rhsm_release: 8.2

RhsmVars パラメーターをロール固有のパラメーター (例: ControllerParameters) と共に使用することにより、異なるノードタイプ用の特定のリポジトリーを有効化する場合に柔軟性を提供することもできます。

11.2. RhsmVars サブパラメーター

すべての Ansible パラメーターを把握するには、ロールに関するドキュメント を参照してください。

rhsm説明

rhsm_method

登録の方法を選択します。portalsatellite、または disable のいずれかです。

rhsm_org_id

登録に使用する組織。この ID を特定するには、アンダークラウドノードから sudo subscription-manager orgs を実行します。プロンプトが表示されたら、Red Hat の認証情報を入力して、出力される Key 値を使用します。組織の ID についての詳細は、「Red Hat Subscription Management における組織 ID について理解する」を参照してください。

rhsm_pool_ids

使用するサブスクリプションプール ID。サブスクリプションを自動でアタッチしない場合には、このパラメーターを使用してください。この ID を特定するには、アンダークラウドノードから sudo subscription-manager list --available --all --matches="OpenStack" を実行し、出力される Pool ID の値を使用します。

rhsm_activation_key

登録に使用するアクティベーションキー。rhsm_repos が設定されている場合には機能しません。

rhsm_autosubscribe

互換性のあるサブスクリプションをこのシステムに自動的にアタッチします。有効にするには、true に設定します。

rhsm_baseurl

コンテンツを取得するためのベース URL。デフォルトは Red Hat コンテンツ配信ネットワークの URL です。Satellite サーバーを使用している場合は、この値を Satellite サーバーコンテンツリポジトリーのベース URL に変更します。

rhsm_server_hostname

登録用のサブスクリプション管理サービスのホスト名。デフォルトは Red Hat Subscription Management のホスト名です。Satellite サーバーを使用している場合は、この値を Satellite サーバーのホスト名に変更します。

rhsm_repos

有効にするリポジトリーの一覧。rhsm_activation_key が設定されている場合には機能しません。

rhsm_username

登録用のユーザー名。可能な場合には、登録にアクティベーションキーを使用します。

rhsm_password

登録用のパスワード。可能な場合には、登録にアクティベーションキーを使用します。

rhsm_release

リポジトリー固定用の Red Hat Enterprise Linux リリース。Red Hat OpenStack Platform 16.1 の場合、これは 8.2 に設定されます。

rhsm_rhsm_proxy_hostname

HTTP プロキシーのホスト名。たとえば、proxy.example.com

rhsm_rhsm_proxy_port

HTTP プロキシー通信用のポート。たとえば、8080

rhsm_rhsm_proxy_user

HTTP プロキシーにアクセスするためのユーザー名

rhsm_rhsm_proxy_password

HTTP プロキシーにアクセスするためのパスワード

11.3. rhsm コンポーザブルサービスへの切り替え

従来の rhel-registration メソッドは、bash スクリプトを実行してオーバークラウドの登録を処理します。この方法のスクリプトと環境ファイルは、/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/extraconfig/pre_deploy/rhel-registration/ のコア Heat テンプレートコレクションにあります。

rhel-registration メソッドを rhsm コンポーザブルサービスに切り替えるには、以下の手順を実施します。

手順

  1. rhel-registration 環境ファイルは、今後のデプロイメント操作から除外します。通常は、以下のファイルを除外します。

    • rhel-registration/environment-rhel-registration.yaml
    • rhel-registration/rhel-registration-resource-registry.yaml
  2. カスタムの roles_data ファイルを使用する場合には、roles_data ファイルの各ロールに必ず OS::TripleO::Services::Rhsm コンポーザブルサービスを含めてください。以下に例を示します。

    - name: Controller
      description: |
        Controller role that has all the controller services loaded and handles
        Database, Messaging and Network functions.
      CountDefault: 1
      ...
      ServicesDefault:
        ...
        - OS::TripleO::Services::Rhsm
        ...
  3. rhsm コンポーザブルサービスのパラメーター用の環境ファイルを今後のデプロイメント操作に追加します。

このメソッドは、rhel-registration パラメーターを rhsm サービスのパラメーターに置き換えて、サービスを有効化する Heat リソースを変更します。

resource_registry:
  OS::TripleO::NodeExtraConfig: rhel-registration.yaml

上記の行を以下のように変更します。

resource_registry:
  OS::TripleO::Services::Rhsm: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/deployment/rhsm/rhsm-baremetal-ansible.yaml

デプロイメントに /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/rhsm.yaml 環境ファイルを追加して、サービスを有効にすることもできます。

11.4. rhel-registration から rhsm へのマッピング

rhel-registrationrhsm / RhsmVars

rhel_reg_method

rhsm_method

rhel_reg_org

rhsm_org_id

rhel_reg_pool_id

rhsm_pool_ids

rhel_reg_activation_key

rhsm_activation_key

rhel_reg_auto_attach

rhsm_autosubscribe

rhel_reg_sat_url

rhsm_satellite_url

rhel_reg_repos

rhsm_repos

rhel_reg_user

rhsm_username

rhel_reg_password

rhsm_password

rhel_reg_release

rhsm_release

rhel_reg_http_proxy_host

rhsm_rhsm_proxy_hostname

rhel_reg_http_proxy_port

rhsm_rhsm_proxy_port

rhel_reg_http_proxy_username

rhsm_rhsm_proxy_user

rhel_reg_http_proxy_password

rhsm_rhsm_proxy_password

11.5. Red Hat Satellite へのオーバークラウドの登録

ノードを Red Hat カスタマーポータルではなく Red Hat Satellite に登録するには、rhsm コンポーザブルサービスを有効にして設定する環境ファイルを作成します。その手順を以下に示します。

手順

  1. 設定を保存するための環境ファイル (templates/rhsm.yaml) を作成します。
  2. 環境ファイルに設定を追加します。以下に例を示します。

    resource_registry:
      OS::TripleO::Services::Rhsm: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/deployment/rhsm/rhsm-baremetal-ansible.yaml
    parameter_defaults:
      RhsmVars:
        rhsm_activation_key: "myactivationkey"
        rhsm_method: "satellite"
        rhsm_org_id: "ACME"
        rhsm_server_hostname: satellite.example.com"
        rhsm_baseurl: "https://satellite.example.com/pulp/repos"
        rhsm_release: 8.2

    resource_registry は、各ロールで利用可能な OS::TripleO::Services::Rhsm リソースに rhsm コンポーザブルサービスを関連付けます。

    RhsmVars の変数は、Red Hat の登録を設定するためにパラメーターを Ansible に渡します。

  3. 環境ファイルを保存します。

11.6. Satellite サーバーを使用するための Leapp の準備

Satellite 6 を使用して RPM コンテンツをホストする場合は、以下の準備手順を実施して、Satellite を使用して Leapp によるアップグレードが正常に完了するようにします。

前提条件

  • Red Hat OpenStack Platform 16.1 および Red Hat Enterprise Linux 8.2 のリポジトリーにリンクされた Satellite サーバーのアクティベーションキー
  • オーバークラウドノードの Ansible インベントリーファイル

手順

  1. アンダークラウドに stack ユーザーとしてログインします。
  2. playbook-satellite.yaml という名前のファイルを作成し、以下のコンテンツをファイルに貼り付けます。

    - name: Pre-install leapp
      hosts: overcloud
      become: yes
      tasks:
        - name: Pre-install leapp
          yum:
            name:
              - leapp
              - leapp-repository
            state: installed
        - name: Remove katello-host-tools-fact-plugin
          yum:
            name:
              - katello-host-tools-fact-plugin
            state: removed
        - name: Register system
          import_role:
            name: redhat-subscription
          vars:
            rhsm_activation_key: "osp16-key"
            rhsm_method: "satellite"
            rhsm_org_id: "ACME"
            rhsm_server_hostname: "satellite.example.com"
            rhsm_baseurl: "https://satellite.example.com/pulp/repos"
            rhsm_release: "8.2"
            rhsm_force_register: True

    rhsm_* 変数をお使いの Satellite サーバーに合わせて変更します。

  3. Playbook を実行します。

    $ ansible-playbook -i ~/inventory.yaml playbook-satellite.yaml