2.3. エッジサイトでのストレージトポロジーおよびロール

分散コンピュートノードのアーキテクチャーと共に Red Hat OpenStack Platform をデプロイする場合には、エッジサイトにストレージが必要かどうかを決定する必要があります。ストレージおよびパフォーマンスのニーズに応じて、以下の 3 つの設定の 1 つを使用して各サイトをデプロイできます。すべてのエッジサイトの設定が同一でなければならない訳ではありません。

エッジサイトにブロックストレージをデプロイしない場合は、本ドキュメントの 「ストレージを持たないエッジノードのデプロイ」 セクションの手順に従う必要があります。エッジサイトにブロックストレージがない場合:

  • Swift が Glance のバックエンドとして使用されます。
  • エッジサイトのコンピュートノードは、イメージをキャッシュすることしかできません。
  • Cinder 等のボリュームサービスは、エッジサイトでは利用することができません。

エッジサイトにストレージをデプロイする場合には、その場所に関わらず中央サイトにもブロックストレージをデプロイする必要があります。本ドキュメントの 「ストレージが設定された中央サイトのデプロイ」 の章に記載する手順に従ってください。エッジサイトにブロックストレージがある場合:

  • Ceph RBD が Glance のバックエンドとして使用されます。
  • イメージはエッジサイトに保管されます。
  • Cinder ボリュームサービスは、Ceph RBD ドライバーを介して利用することができます。

デプロイメントに必要なロールは、エッジサイトにブロックストレージをデプロイするかどうかによって異なります。

  • エッジサイトにブロックストレージが必要ない場合:

    Compute
    ブロックストレージなしでエッジロケーションをデプロイする場合は、従来の compute ロールを使用する必要があります。
  • エッジサイトにブロックストレージが必要な場合:

    DistributedComputeHCI

    このロールには、以下のサービスが含まれます。

    • デフォルトの Compute サービス
    • Block Storage (cinder) ボリュームサービス
    • Ceph Mon
    • Ceph Mgr
    • Ceph OSD
    • GlanceApiEdge
    • etcd

      このロールにより、エッジサイトでのハイパーコンバージドのデプロイメントが可能になります。DistributedComputeHCI ロールを使用する場合は、必ず 3 台のノードを使用する必要があります。

    DistributedComputeHCIScaleOut
    このロールには Ceph OSD サービスが含まれます。これにより、エッジサイトにノードがさらに追加される場合に、コンピュートリソースと共にストレージ容量をスケーリングすることができます。このロールには、イメージのダウンロード要求をエッジサイトの GlanceAPIEdge ノードにリダイレクトする HAproxyEdge サービスも含まれています。
    DistributedComputeScaleOut
    エッジサイトでストレージ以外のコンピュートリソースをスケーリングする場合は、DistributedComputeScaleOut ロールを使用することができます。