5.7. ミニオンの設定パラメーター

以下のリストで、minion.conf ファイルを設定するパラメーターについて説明します。エラーを避けるために、パラメーターは決して該当するセクションから削除しないでください。

デフォルト

minion.conf ファイルの [DEFAULT] セクションで定義されているパラメーターを以下に示します。

cleanup
一時ファイルをクリーンナップします。コマンド実行後もデプロイメント時に使用した一時ファイルをそのまま残すには、このパラメーターを False に設定します。ファイルを残すと、生成されたファイルのデバッグを行う場合やエラーが発生した場合に役に立ちます。
container_cli
コンテナー管理用の CLI ツール。このパラメーターは、podman に設定したままにしてください。Red Hat Enterprise Linux 8.2 がサポートするのは podman だけです。
container_healthcheck_disabled
コンテナー化されたサービスのヘルスチェックを無効にします。Red Hat は、ヘルスチェックを有効にし、このオプションを false に設定したままにすることを推奨します。
container_images_file

コンテナーイメージ情報が含まれる heat 環境ファイル。このファイルには、以下のエントリーを含めることができます。

  • 必要なすべてのコンテナーイメージのパラメーター
  • 必要なイメージの準備を実施する ContainerImagePrepare パラメーター。このパラメーターが含まれるファイルの名前は、通常 containers-prepare-parameter.yaml です。
container_insecure_registries
podman が使用するセキュアではないレジストリーのリスト。プライベートコンテナーレジストリー等の別のソースからイメージをプルする場合には、このパラメーターを使用します。多くの場合、podman は Red Hat Container Catalog または Satellite サーバー (ミニオンが Satellite に登録されている場合) のいずれかからコンテナーイメージをプルするための証明書を持ちます。
container_registry_mirror
設定により podman が使用するオプションの registry-mirror
custom_env_files
ミニオンのインストールに追加する新たな環境ファイル
deployment_user
ミニオンをインストールするユーザー。現在のデフォルトユーザー stack を使用する場合には、このパラメーターを未設定のままにします。
enable_heat_engine
ミニオンに heat engine サービスをインストールするかどうかを定義します。デフォルトは true です。
enable_ironic_conductor
ミニオンに ironic conductor サービスをインストールするかどうかを定義します。デフォルト値は false です。ironic conductor サービスを有効にするには、この値を true に設定します。
heat_container_image
使用する heat コンテナーイメージの URL。未設定のままにします。
heat_native
ネイティブの heat テンプレートを使用します。true のままにします。
hieradata_override
director に Puppet hieradata を設定するための hieradata オーバーライドファイルへのパス。これにより、サービスに対して minion.conf パラメーター以外のカスタム設定を行うことができます。設定すると、ミニオンのインストールでこのファイルが /etc/puppet/hieradata ディレクトリーにコピーされ、階層の最初のファイルに設定されます。
minion_debug
ミニオンサービスの DEBUG ログレベルを有効にするには、この値を true に設定します。
minion_enable_selinux
デプロイメント時に、SELinux を有効または無効にします。問題をデバッグする場合以外は、この値を true に設定したままにすることを強く推奨します。
minion_enable_validations
minion で検証サービスを有効にします。
minion_hostname
ミニオンの完全修飾ホスト名を定義します。設定すると、ミニオンのインストールで全システムのホスト名が設定されます。未設定のままにすると、ミニオンは現在のホスト名を使用しますが、システムのホスト名設定をすべて適切に定義する必要があります。
minion_local_interface

アンダークラウドのプロビジョニング NIC 用に選択するインターフェイス。ミニオンは、DHCP および PXE ブートサービスにもこのデバイスを使用します。この値を選択したデバイスに変更します。接続されているデバイスを確認するには、ip addr コマンドを使用します。ip addr コマンドの出力結果の例を、以下に示します。

2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP qlen 1000
    link/ether 52:54:00:75:24:09 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 192.168.122.178/24 brd 192.168.122.255 scope global dynamic eth0
       valid_lft 3462sec preferred_lft 3462sec
    inet6 fe80::5054:ff:fe75:2409/64 scope link
       valid_lft forever preferred_lft forever
3: eth1: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noop state DOWN
    link/ether 42:0b:c2:a5:c1:26 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

この例では、外部 NIC は eth0 を、プロビジョニング NIC は未設定の eth1 を使用します。今回は、local_interfaceeth1 に設定します。この設定スクリプトにより、このインターフェイスが inspection_interface パラメーターで定義したカスタムのブリッジにアタッチされます。

minion_local_ip
アンダークラウドのプロビジョニング NIC 用に定義する IP アドレス。ミニオンは、DHCP および PXE ブートサービスにもこの IP アドレスを使用します。デフォルトの IP アドレスが環境内の既存の IP アドレスまたはサブネットと競合するなどの理由により、プロビジョニングネットワークに別のサブネットを使用する場合以外は、この値をデフォルトの 192.168.24.1/24 のままにします。
minion_local_mtu
local_interface に使用する最大伝送単位 (MTU)。ミニオンでは 1500 以下にします。
minion_log_file
ミニオンのインストールログおよびアップグレードログを保管するログファイルへのパス。デフォルトでは、ログファイルはホームディレクトリー内の install-minion.log です。たとえば、/home/stack/install-minion.log のようになります。
minion_nameservers
ミニオンのホスト名解決に使用する DNS ネームサーバーのリスト
minion_ntp_servers
ミニオンの日付と時刻を同期できるようにする Network Time Protocol サーバーのリスト
minion_password_file
ミニオンがアンダークラウドサービスに接続するためのパスワードが含まれるファイル。このパラメーターは、アンダークラウドからコピーした tripleo-undercloud-passwords.yaml ファイルに設定したままにしておきます。
minion_service_certificate
OpenStack SSL/TLS 通信の証明書の場所とファイル名。理想的には、信頼できる認証局から、この証明書を取得します。それ以外の場合は、独自の自己署名の証明書を生成します。
minion_timezone
ミニオン用ホストのタイムゾーン。タイムゾーンを指定しなければ、ミニオンは既存のタイムゾーン設定を使用します。
minion_undercloud_output_file
ミニオンがアンダークラウドサービスに接続するのに使用できるアンダークラウド設定情報が含まれるファイル。このパラメーターは、アンダークラウドからコピーした tripleo-undercloud-outputs.yaml ファイルに設定したままにします。
net_config_override
ネットワーク設定のオーバーライドテンプレートへのパス。このパラメーターを設定すると、ミニオンは JSON 形式のテンプレートを使用して os-net-config でネットワークを設定し、minion.conf で設定したネットワークパラメーターを無視します。/usr/share/python-tripleoclient/minion.conf.sample の例を参照してください。
networks_file
heat をオーバーライドするネットワークファイル
output_dir
状態、処理された heat テンプレート、および Ansible デプロイメントファイルを出力するディレクトリー
roles_file
ミニオンのインストールで、デフォルトロールファイルを上書きするのに使用するロールファイル。ミニオンのインストールにデフォルトのロールファイルが使用されるように、このパラメーターは未設定のままにすることを強く推奨します。
templates
上書きする heat テンプレートファイル