第1章 インスタンスについて

インスタンスとは、クラウド内の物理コンピュートノードで実行される個別の仮想マシンです。インスタンスを起動するには、フレーバーとイメージまたはブート可能なボリュームのいずれかが必要です。イメージを使用してインスタンスを起動すると、指定されたイメージは、ブート可能なオペレーティングシステムと共にインストールされる仮想ディスクが含まれるベースイメージになります。各インスタンスには、インスタンスディスクとして参照するルートディスクが必要です。Compute サービス (nova) は、インスタンスディスクのサイズを変更し、インスタンスに指定したフレーバーの仕様と一致するようにします。

イメージは、Image サービス (glance) により管理されます。Image サービスのイメージストアには、多数の事前定義済みのイメージが含まれます。コンピュートノードは、インスタンス用に利用可能な仮想 CPU、メモリー、およびローカルディスクリソースを提供します。Block Storage サービス (cinder) は、事前定義されたボリュームを提供します。インスタンスディスクのデータは、インスタンスの削除時に削除される一時ストレージまたは Block Storage サービスによって提供される永続ボリュームのいずれかに保存されます。

Compute サービスは、インスタンスをオンデマンドで提供するための中核的なコンポーネントです。Compute サービスはインスタンスの作成、スケジュールおよび管理を行い、認証には Identity サービスと、インスタンスの起動に使用するイメージには Image サービスと、ユーザー/管理者用のインターフェイスには Dashboard サービス (horizon) と、それぞれ対話します。クラウドユーザーは、インスタンスの作成および管理時に Compute サービスと対話します。OpenStack CLI または Dashboard を使用してインスタンスを作成および管理することができます。