付録B 高度な Block Storage のバックアップ設定オプション

ディレクターによるインストールの前に、cinder.conf ファイルにより、ブロックストレージサービスとバックアップサービスが設定されていました。cinder.conf の値に、オーケストレーション (ヒート) テンプレートがない場合は、カスタム環境ファイルを使用して値をディレクターに渡すことができます。カスタム環境ファイル (cinder-backup-settings.yaml ファイルなど) の parameter_defaults セクションの ExtraConfig セクションに値を追加します。

ExtraConfig により、追加の hiera 設定を追加して、全ノードのクラスターに挿入することができます。この設定は、専用のバックアップノードに含まれます。ただし、ExtraConfig の代わりに ControllerExtraConfig を使用した場合、設定は Controller ノードにインストールされ、専用のバックアップノードにはインストールされません。

設定は、cinder.conf ファイルの DEFAULT セクションの DEFAULT/[cinder.conf setting]` で置き換えることができます。以下の例は、ExtraConfig エントリーが YAML ファイルにどのように表示されるかを示しています。

parameter_defaults:
 ExtraConfig:
   cinder::config::cinder_config:
     DEFAULT/backup_compression_algorithm:
       value: None

表 B.1 に、バックアップ関連のサンプルオプションのリストを示します。

表B.1 ブロックストレージバックアップサービスの設定オプション

オプションタイプデフォルト値説明

backup_service_inithost_offload

オプション

True

バックアップサービスの起動時に、保留中であるバックアップの削除をオフロードします。false の場合、バックアップサービスは、保留中のバックアップがすべて削除されるまでダウンしたままになります。

use_multipath_for_image_xfer

オプション

False

バックアップおよび復元の手順中にマルチパスを使用してボリュームを接続できる場合は、接続します。これは、イメージからのボリュームの作成、一般的なコールド移行、その他の操作など、すべての cinder の接続操作に影響します。

num_volume_device_scan_tries

オプション

3

接続時にボリュームを検出するためにターゲットを再スキャンする回数の上限です。

backup_workers

オプション

1

実行するバックアッププロセスの数。複数の同時バックアップまたはリストアを実行し、圧縮を行うとパフォーマンスが大幅に向上します。

backup_native_threads_pool_size

オプション

60

バックアップ用のネイティブスレッドプールのサイズ。ほとんどのバックアップドライバーは、これに大きく依存しています。このオプションに依存しない特定のドライバーの値は減らすことができます。

backup_share

必須

 

HOST:_EXPORT_PATH_ に設定します。

backup_container

オプション

なし

(文字列) バックアップに使用するカスタムディレクトリー。

backup_enable_progress_timer

オプション

True

ボリュームをバックエンドストレージにバックアップする際に、Telemetry サービス (ceilometer) に定期的な進捗通知を送信するタイマーを有効 (true) または無効 (false) にします。

backup_mount_options

オプション

 

backup_share で指定した NFS エクスポートをマウントする際に指定できるオプションのコンマ区切りのリスト。

backup_mount_point_base

オプション

$state_path/backup_mount

(文字列) NFS 共有のマウントポイントを含むベースディレクトリー。

backup_compression_algorithm

オプション

zlib

バックアップデータをリポジトリーに送信する際に使用する圧縮アルゴリズム。有効な値は、zlibbz2、および None です。

backup_file_size

オプション

1999994880

この値よりも大きな cinder ボリュームのデータは、バックアップリポジトリーに複数ファイルとして保存されます。このオプションは、backup_sha_block_size_bytes の倍数にする必要があります。

backup_sha_block_size_bytes

オプション

32768

デジタル署名の計算用の cinder ボリュームブロックのサイズ