分散コンピュートノードおよびストレージのデプロイメント

Red Hat OpenStack Platform 16.1

Red Hat OpenStack Platform 分散コンピュートノードテクノロジーのデプロイ

概要

heat スタックの分離によるエッジサイトの運用向けに、分散コンピュートノード (DCN) アーキテクチャーと共に Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) をデプロイすることができます。それぞれのサイトには、Image サービス (glance) のマルチストア用に、独自の Ceph ストレージバックエンドを設定することができます。

前書き

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、弊社の CTO、Chris Wright のメッセージ を参照してください。

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第1章 DCN について

分散コンピュートノード (DCN) アーキテクチャーはエッジのユースケース用で、共通の中央コントロールプレーンを共有しながら、リモートコンピュートノードとストレージノードをリモートでデプロイできるようにします。DCN アーキテクチャーにより、ワークロードを運用上のニーズのより近くに配置して、より優れたパフォーマンスを得ることができます。

中央サイトは任意のロールで構成することができますが、最低でも 3 つのコントローラーが必要です。コンピュートノードは、中央サイト以外にエッジサイトに設定することができます。

DCN アーキテクチャーは、ハブとスポークによるルーティング対応ネットワークのデプロイメントです。DCN は、Red Hat OpenStack Platform director を使用した、ルーティング対応プロビジョニングおよびコントロールプレーンネットワーク向けのスパイン/リーフ型デプロイメントと類似しています。

  • ハブは、コアルーターおよびデータセンターゲートウェイ (DC-GW) が含まれる中央サイトです。
  • スポークはリモートのエッジサイトまたはリーフです。

エッジロケーションにはコントローラーがなく、Red Hat OpenStack Platform の従来のデプロイメントとアーキテクチャー的に異なります。

  • コントロールプレーンサービスは、中央サイトでリモートで実行される。
  • Pacemaker がインストールされない。
  • Block Storage サービス (cinder) はアクティブ/アクティブモードで実行される。
  • etcd は分散ロックマネージャー (DLM) としてデプロイされる。
DCN 概要

1.1. 必要なソフトウェア

分散コンピュートノードのアーキテクチャーをデプロイするには、これらのソフトウェアバージョン以上を使用する必要があります。

  • Red Hat Enterprise Linux 8
  • Red Hat OpenStack Platform 16.1
  • Red Hat Ceph Storage 4 (オプション)

1.2. マルチスタック設計

DCN 設計と共に Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) をデプロイする場合には、Red Hat director のマルチスタックのデプロイメントや管理機能を使用して、それぞれのサイトを個別のスタックとしてデプロイします。

デプロイメントが Red Hat OpenStack Platform 13 からのアップグレードでない限り、DCN アーキテクチャーを単一スタックとして管理する運用はサポートされません。既存のスタックを分割する手法はサポート対象外ですが、既存のデプロイメントにスタックを追加することができます。詳細は、「マルチスタックデプロイメントへの移行」を参照してください。

中央サイトは RHOSP の従来のスタックデプロイメントですが、中央のスタックと共にコンピュートノードまたは Red Hat Ceph ストレージをデプロイする必要はありません。

DCN により、それぞれのロケーションを個別のアベイラビリティーゾーン (AZ) としてデプロイします。

1.3. DCN ストレージ

それぞれのエッジサイトは、ストレージなしでデプロイすることも、ハイパーコンバージドノード上に Ceph と共にデプロイすることもできます。デプロイするストレージは、デプロイするサイト専用です。

DCN アーキテクチャーは Glance マルチストアを使用します。ストレージなしでデプロイされたエッジサイトの場合には、追加のツールを使用することができます。これにより、Compute サービス (nova) キャッシュにイメージをキャッシュして保存できます。nova に glance イメージをキャッシュすることにより、WAN リンクを通じてイメージをダウンロードするプロセスを回避することで、インスタンスのブート時間が短縮されます。詳細は、「8章glance イメージの nova への事前キャッシュ」を参照してください。

第2章 分散コンピュートノード (DCN) デプロイメントのプランニング

DCN アーキテクチャーを計画する際には、必要なテクノロジーが利用可能で、サポート対象であることを確認してください。

2.1. DCN アーキテクチャーのストレージに関する留意事項

現在、DCN アーキテクチャー向けには以下の機能はサポートされていません。

  • 分散コンピュートノードアーキテクチャー上での Red Hat OpenStack Platform 13 から 16 への Fast Forward Upgrade (FFU)
  • エッジサイトにおける非ハイパーコンバージドストレージノード
  • エッジサイト間でのボリュームスナップショットのコピー。ボリュームからイメージを作成し、glance を使用してイメージをコピーすることで、これに対処することができます。イメージをコピーしたら、そこからボリュームを作成することができます。
  • サイト間でのボリュームの移行または種別変更
  • エッジサイトでの Ceph Rados Gateway (RGW)
  • エッジサイトでの CephFS
  • エッジサイトでのインスタンスの高可用性 (HA)
  • エッジサイト間または中央サイトからエッジサイトへのライブマイグレーション。ただし、サイト境界の内部であれば、インスタンスのライブマイグレーションは可能です。
  • サイト間での RBD ミラーリング

さらに、以下の点を考慮する必要があります。

  • イメージをエッジサイトにコピーする前に、中央サイトにイメージをアップロードする必要があります。各イメージのコピーは、中央サイトの Image サービス (glance) に存在している必要があります。
  • エッジサイトでインスタンスを作成する前に、そのエッジサイトにイメージのローカルコピーが必要です。
  • Image、Compute、および Block Storage サービスに RBD ストレージドライバーを使用する必要があります。
  • それぞれのサイトで、NovaComputeAvailabilityZone および CinderStorageAvailabilityZone パラメーターに同じ値を割り当てる必要があります。

2.2. DCN アーキテクチャーのネットワークの考慮事項

現在、DCN アーキテクチャー向けには以下の機能はサポートされていません。

  • Octavia
  • DPDK ノード上の DHCP
  • TC Flower ハードウェアオフロードの conntrack

ML2/OVN メカニズムドライバーはテクノロジープレビューとして DCN で利用可能であるため、これらのソリューションを一緒に使用することは、Red Hat では全面的にはサポートしていません。この機能は DCN ではテスト用途にのみ使用すべきで、実稼働環境にデプロイすべきではありません。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、「対象範囲の詳細」を参照してください。

注記

ML2/OVN メカニズムドライバーは、DCN 環境外では完全にサポートされます。

以下のネットワークテクノロジーと ML2/OVS の組み合わせがサポートされます。

  • DPDK ノード上の DHCP を使用しない DPDK
  • SR-IOV
  • conntrack を使用しない TC Flower ハードウェアオフロード
  • Neutron アベイラビリティーゾーン (AZ) とエッジサイトのネットワークノードの組み合わせ (1 サイトごとの AZ)
  • ルーティング対応プロバイダーネットワーク

さらに、以下の点を考慮する必要があります。

  • ネットワークレイテンシー: 許容可能な性能を維持するための、ラウンドトリップタイム (RTT) で測定されるレイテンシーと予想される同時 API 操作の数のバランス。最大 TCP/IP スループットは、RTT と逆比例します。カーネル TCP パラメータを調整することで、高帯域幅の高レイテンシー接続の問題を軽減できま。クロスサイト通信が 100 ミリ秒を超える場合は Red Hat サポートにお問い合わせください。
  • ネットワークドロップアウト: エッジサイトで一時的に中央サイトへのネットワーク接続が失われると、その間は該当するエッジサイトで OpenStack コントロールプレーン API または CLI 操作を実行することができません。たとえば、エッジサイトのコンピュートノードは、インスタンスのスナップショットの作成や認証トークンの発行、イメージの削除ができなくなります。この接続喪失の期間中、全般的な OpenStack コントロールプレーン API および CLI 操作は引き続き実施可能で、ネットワーク接続が機能しているその他のエッジサイトへの対応を続けることができます。イメージタイプ: Ceph ストレージと共に DCN アーキテクチャーをデプロイする場合は、raw 形式のイメージを使用する必要があります。
  • イメージのサイズ:

    • オーバークラウドノードのイメージ: オーバークラウドノードのイメージは中央のアンダークラウドノードからダウンロードされます。プロビジョニング時に、これらのイメージの大きなファイルが必要なすべてのネットワークを通じて中央サイトからエッジサイトに転送される可能性があります。
    • インスタンスのイメージ: エッジサイトにブロックストレージがない場合には、初回使用時に Image サービスのイメージが WAN を通過します。その後のすべての使用のために、イメージは目的のエッジノードにローカルにコピーまたはキャッシュされます。glance イメージにはサイズの制限はありません。転送時間は、利用可能な帯域幅およびネットワークレイテンシーにより変動します。

      ブロックストレージがエッジサイトにある場合は、エッジサイトでのブート時間短縮のために、イメージが WAN を通じて非同期にコピーされます。

  • プロバイダーネットワーク: これが DCN デプロイメントの推奨ネットワーク構成です。リモートサイトでプロバイダーネットワークを使用する場合は、利用可能なネットワークのアタッチ先に関して、Networking サービス (neutron) が何らかの制約を設けたりチェックを行ったりしない点に注意する必要があります。たとえば、エッジサイト A でしかプロバイダーネットワークを使用しない場合には、エッジサイト B では決してプロバイダーネットワークにアタッチしないようにする必要があります。これは、プロバイダーネットワークをコンピュートノードにバインドする際に、プロバイダーネットワークに関するチェックが行われないためです。
  • サイト固有のネットワーク: 特定のサイトに固有なネットワークを使用している場合には、DCN のネットワーク設定に制約が生じます。コンピュートノードと共に集中 neutron コントローラーをデプロイする場合には、neutron では特定のコンピュートノードをリモートノードとして識別するトリガーがありません。したがって、コンピュートノードは他のコンピュートノードのリストを取得し、自動的にそれぞれのノード間でトンネルを形成します。トンネルは、エッジサイト/エッジサイト間およびエッジサイト/中央サイト間で形成されます。VXLAN または Geneve を使用している場合には、すべてのサイトの全コンピュートノードが、他のすべてのコンピュートノードおよびコントローラーノードとトンネルを形成します (それらがローカルかリモートかにかかわらず)。すべてのノードで同じ neutron ネットワークを使用していれば、これは問題とはなりません。VLAN を使用している場合の neutron 設定では、すべてのコンピュートノードが同じブリッジマッピングを持ち、すべての VLAN が各サイトで利用可能でなければなりません。
  • 追加のサイト: 中央サイトから追加のリモートサイトに拡張する必要がある場合には、Red Hat OpenStack Platform director で openstack CLI を使用して、新たなネットワークセグメントおよびサブネットを追加することができます。
  • エッジサーバーが事前にプロビジョニングされていない場合は、ルーティングされたセグメントにイントロスペクションおよびプロビジョニング用の DHCP リレーを設定する必要があります。
  • ルーティングは、クラウド上、または各エッジサイトをハブに接続するネットワークインフラストラクチャー内のいずれかに設定する必要があります。それぞれのサイトについて個別に、各 Red Hat OpenStack Platform クラスターネットワーク (外部、内部 API 等) の L3 サブネットを割り当てるネットワーク設計を実装する必要があります。

2.3. エッジサイトのロール

エッジサイトにブロックストレージをデプロイしない場合は、本ドキュメントの???セクションの手順に従う必要があります。エッジサイトにブロックストレージがない場合:

  • Swift が Glance のバックエンドとして使用されます。
  • エッジサイトのコンピュートノードは、イメージをキャッシュすることしかできません。
  • Cinder 等のボリュームサービスは、エッジサイトでは利用することができません。

エッジサイトにストレージをデプロイする場合には、その場所に関わらず中央サイトにもブロックストレージをデプロイする必要があります。本ドキュメントの「6章エッジサイトでのストレージのデプロイ」の章に記載する手順に従ってください。エッジサイトにブロックストレージがある場合:

  • Ceph RBD が Glance のバックエンドとして使用されます。
  • イメージはエッジサイトに保管されます。
  • Cinder ボリュームサービスは、Ceph RBD ドライバーを介してすべてのサイトで利用することができます。

デプロイメントに必要なロールは、エッジサイトにブロックストレージをデプロイするかどうかによって異なります。

  • エッジサイトにブロックストレージが必要ない場合:

    コンピュート
    ブロックストレージなしでエッジロケーションをデプロイする場合は、従来の compute ロールを使用する必要があります。
  • エッジサイトにブロックストレージが必要な場合:

    DistributedComputeHCI

    このロールには、以下のサービスが含まれます。

    • デフォルトの Compute サービス
    • Block Storage (cinder) ボリュームサービス
    • Ceph Mon
    • Ceph Mgr
    • Ceph OSD
    • GlanceApiEdge
    • etcd

      このロールにより、エッジサイトでのハイパーコンバージドのデプロイメントが可能になります。DistributedComputeHCI ロールを使用する場合は、必ず 3 台のノードを使用する必要があります。

    DistributedComputeHCIScaleOut
    このロールには Ceph OSD サービスが含まれます。これにより、エッジサイトにノードがさらに追加される場合に、コンピュートリソースと共にストレージ容量をスケーリングすることができます。このロールには、イメージのダウンロード要求をエッジサイトの GlanceAPIEdge ノードにリダイレクトする HAproxyEdge サービスも含まれています。
    DistributedComputeScaleOut
    エッジサイトでストレージ以外のコンピュートリソースをスケーリングする場合は、DistributedComputeScaleOut ロールを使用することができます。

第3章 アンダークラウドの設定とインストール

3.1. 直接デプロイインターフェースの使用

デフォルトのアンダークラウド設定では、ironic は iscsi デプロイインターフェースを使用してノードをデプロイします。iscsi デプロイインターフェースを使用する場合には、デプロイ ramdisk がノードのディスクを iSCSI ターゲットとしてパブリッシュし、ironic-conductor サービスがイメージをこのターゲットにコピーします。

DCN のデプロイメントでは、アンダークラウドと分散コンピュートノード間のネットワークレイテンシーが問題になることがあります。レイテンシーの可能性を考慮すると、アンダークラウドの直接デプロイインターフェースを使用するように分散コンピュートノードを設定する必要があります。

直接デプロイインターフェースを使用する場合、デプロイ ramdisk がアンダークラウドの Swift サービスまたは Ironic conductor サービスから HTTP 経由でイメージをダウンロードし、それをノードのディスクにコピーします。ネットワークレイテンシーの影響に関して、HTTP は iSCSI よりも耐性があります。したがって、分散コンピュートノードの場合には、直接デプロイインターフェースを使用することで、より安定したノードのデプロイメントが可能になります。

手順

iSCSI デプロイインターフェースがデフォルトのデプロイインターフェースです。ただし、直接デプロイインターフェースを有効にして、イメージを HTTP の保管場所からターゲットディスクにダウンロードすることができます。

注記

オーバークラウドノードのメモリー tmpfs には、少なくとも 8 GB のメモリーが必要です。

  1. カスタム環境ファイル /home/stack/undercloud_custom_env.yaml を作成または変更して、IronicDefaultDeployInterface を指定します。

    parameter_defaults:
      IronicDefaultDeployInterface: direct
  2. イメージを提供するサービスを指定します。デフォルトでは、各ノードの Bare Metal サービス (ironic) エージェントは、HTTP リンクを通じて Object Storage サービス (swift) に保管されているイメージを取得します。この動作が望ましい場合は、これ以上の変更は必要ありません。あるいは、/home/stack/undercloud_custom_env.yaml ファイルで IronicImageDownloadSourcehttp に設定すれば、ironic は、ironic-conductor HTTP サーバーを通じて、このイメージを直接ノードにストリーミングすることができます。

    parameter_defaults:
      IronicDefaultDeployInterface: direct
      IronicImageDownloadSource: http
  3. カスタム環境ファイルを undercloud.conf ファイルの DEFAULT セクションに追加します。

    custom_env_files = /home/stack/undercloud_custom_env.yaml

3.2. スパイン/リーフ用のプロビジョニングネットワークの設定

スパイン/リーフインフラストラクチャー用のプロビジョニングネットワークを設定するには、undercloud.conf ファイルを編集して、以下の手順で説明する該当パラメーターを設定します。

手順

  1. アンダークラウドに stack ユーザーとしてログインします。
  2. undercloud.conf ファイルがまだない場合には、サンプルのテンプレートファイルをコピーします。

    [stack@director ~]$ cp /usr/share/python-tripleoclient/undercloud.conf.sample ~/undercloud.conf
  3. undercloud.conf ファイルを編集します。
  4. [DEFAULT] セクションに以下の値を設定します。

    1. local_ipleaf0 上のアンダークラウド IP に設定します。

      local_ip = 192.168.10.1/24
    2. undercloud_public_host をアンダークラウドの外部向け IP アドレスに設定します。

      undercloud_public_host = 10.1.1.1
    3. undercloud_admin_host をアンダークラウドの管理用 IP アドレスに設定します。この IP アドレスは、通常 leaf0 上にあります。

      undercloud_admin_host = 192.168.10.2
    4. local_interface をローカルネットワーク用にブリッジを構成するインターフェースに設定します。

      local_interface = eth1
    5. enable_routed_networkstrue に設定します。

      enable_routed_networks = true
    6. subnets パラメーターでサブネットの一覧を定義します。ルーティング対応のスパイン/リーフ内の各 L2 セグメントにサブネットを 1 つ定義します。

      subnets = leaf0,leaf1,leaf2
    7. local_subnet パラメーターでアンダークラウドにローカルな物理 L2 セグメントに関連付けられるサブネットを指定します。

      local_subnet = leaf0
    8. undercloud_nameserversの値を設定します。

      undercloud_nameservers = 10.11.5.19,10.11.5.20
      ヒント

      アンダークラウドのネームサーバーに使用される DNS サーバーの現在の IP アドレスを把握するには、/etc/resolv.conf を参照します。

  5. subnets パラメーターで定義するサブネットごとに、新しいセクションを作成します。

    [leaf0]
    cidr = 192.168.10.0/24
    dhcp_start = 192.168.10.10
    dhcp_end = 192.168.10.90
    inspection_iprange = 192.168.10.100,192.168.10.190
    gateway = 192.168.10.1
    masquerade = False
    
    [leaf1]
    cidr = 192.168.11.0/24
    dhcp_start = 192.168.11.10
    dhcp_end = 192.168.11.90
    inspection_iprange = 192.168.11.100,192.168.11.190
    gateway = 192.168.11.1
    masquerade = False
    
    [leaf2]
    cidr = 192.168.12.0/24
    dhcp_start = 192.168.12.10
    dhcp_end = 192.168.12.90
    inspection_iprange = 192.168.12.100,192.168.12.190
    gateway = 192.168.12.1
    masquerade = False
  6. undercloud.conf ファイルを保存します。
  7. アンダークラウドをインストールするコマンドを実行します。

    [stack@director ~]$ openstack undercloud install

この設定により、プロビジョニングネットワークまたはコントロールプレーン上に 3 つのサブネットが作成されます。オーバークラウドは、各ネットワークを使用して対応する各リーフ内にシステムをプロビジョニングします。

アンダークラウドに DHCP 要求が適切にリレーされるようにするには、DHCP リレーを設定しなければならない場合があります。

3.3. DHCP リレーの設定

アンダークラウドは、プロビジョニングネットワーク上で 2 つの DHCP サーバーを使用します。

  • イントロスペクション DHCP サーバー
  • プロビジョニング DHCP サーバー

DHCP リレーを設定する際には、アンダークラウド上の両方の DHCP サーバーに DHCP 要求を転送するようにしてください。

UDP ブロードキャストを対応するデバイスと共に使用して、アンダークラウドのプロビジョニングネットワークが接続されている L2 ネットワークセグメントに DHCP 要求をリレーすることができます。あるいは、DHCP 要求を特定の IP アドレスにリレーする UDP ユニキャストを使用することができます。

注記

特定のデバイス種別での DHCP リレーの設定は、本ガイドの対象範囲外となっています。本ガイドでは参考として、ISC DHCP ソフトウエアの実装を使用した DHCP リレー設定の例を説明します。詳しくは、dhcrelay(8) の man ページを参照してください。

ブロードキャストを使用する DHCP リレー

この方法では、UDP ブロードキャストトラフィックを使用して、DHCP サーバーが存在する L2 ネットワークセグメントに DHCP 要求をリレーします。このネットワークセグメント上の全デバイスがブロードキャストトラフィックを受信します。UDP ブロードキャストを使用する場合は、アンダークラウド上の両方の DHCP サーバーがリレーされた DHCP 要求を受信します。実装に応じて、インターフェースまたは IP ネットワークアドレスを指定してこの設定を行うことができます。

インターフェース
DHCP 要求がリレーされる L2 ネットワークセグメントに接続されるインターフェースを指定します。
IP ネットワークアドレス
DHCP 要求がリレーされる IP ネットワークのネットワークアドレスを指定します。

ユニキャストを使用する DHCP リレー

この方法では、UDP ユニキャストトラフィックを使用して DHCP 要求を特定の DHCP サーバーにリレーします。UDP ユニキャストを使用する場合には、DHCP リレーを提供するデバイスが、アンダークラウド上でイントロスペクション用に使用されるインターフェースに割り当てられた IP アドレスと、ctlplane ネットワーク用の DHCP サービスをホストする OpenStack Networking (neutron) サービスによって作成されたネットワーク名前空間の IP アドレスの両方に対して、DHCP 要求をリレーするように設定する必要があります。

イントロスペクションに使用されるインターフェースは、undercloud.conf ファイルの inspection_interface で定義されているインターフェースです。このパラメーターを設定していない場合には、アンダークラウドのデフォルトインターフェースは br-ctlplane になります。

注記

br-ctlplane インターフェースをイントロスペクションに使用するのは一般的です。undercloud.conf ファイルの local_ip で定義する IP アドレスは、br-ctlplane インターフェース上にあります。

Neutron DHCP 名前空間に確保される IP アドレスは、undercloud.conf ファイルの local_subnet で設定する IP 範囲内で利用可能な最初のアドレスです。IP 範囲内の最初のアドレスは、設定の dhcp_start で定義するアドレスです。たとえば、以下の設定を使用する場合、192.168.10.10 がその IP アドレスになります。

[DEFAULT]
local_subnet = leaf0
subnets = leaf0,leaf1,leaf2

[leaf0]
cidr = 192.168.10.0/24
dhcp_start = 192.168.10.10
dhcp_end = 192.168.10.90
inspection_iprange = 192.168.10.100,192.168.10.190
gateway = 192.168.10.1
masquerade = False
警告

DHCP 名前空間の IP アドレスは自動的に割り当てられます。多くの場合、これは IP 範囲の最初のアドレスになります。これを確認するには、アンダークラウドで以下のコマンドを実行します。

$ openstack port list --device-owner network:dhcp -c "Fixed IP Addresses"
+----------------------------------------------------------------------------+
| Fixed IP Addresses                                                         |
+----------------------------------------------------------------------------+
| ip_address='192.168.10.10', subnet_id='7526fbe3-f52a-4b39-a828-ec59f4ed12b2' |
+----------------------------------------------------------------------------+
$ openstack subnet show 7526fbe3-f52a-4b39-a828-ec59f4ed12b2 -c name
+-------+--------+
| Field | Value  |
+-------+--------+
| name  | leaf0  |
+-------+--------+

dhcrelay の設定例

以下の例では、dhcp パッケージの dhcrelay コマンドは以下の設定を使用します。

  • DHCP の受信要求をリレーするインターフェースは eth1eth2eth3 です。
  • ネットワークセグメント上のアンダークラウドの DHCP サーバーが接続されているインターフェースは eth0 です。
  • イントロスペクションに使用される DHCP サーバーがリッスンしている IP アドレスは 192.168.10.1 です。
  • プロビジョニングに使用される DHCP サーバーがリッスンしている IP アドレスは 192.168.10.10 です。

これで、dhcrelay コマンドは以下のようになります。

$ sudo dhcrelay -d --no-pid 192.168.10.10 192.168.10.1 \
  -i eth0 -i eth1 -i eth2 -i eth3

Cisco IOS ルーティングスイッチの設定例

この例では、次のタスクを実行するために、以下に示す Cisco IOS 設定を使用しています。

  • プロビジョニングネットワークに使用する VLAN を設定する。
  • リーフの IP アドレスを追加する。
  • IP アドレス 192.168.10.1 をリッスンするイントロスペクション用 DHCP サーバーに、UDP および BOOTP 要求を転送する。
  • IP アドレス 192.168.10.10 をリッスンするプロビジョニング用 DHCP サーバーに、UDP および BOOTP 要求を転送する。
interface vlan 2
ip address 192.168.24.254 255.255.255.0
ip helper-address 192.168.10.1
ip helper-address 192.168.10.10
!

instack.json ファイルを作成せずにベアメタルノードを自動的に検出できることが求められる場合は、auto-discovery を使用してオーバークラウドノードを登録することができます。詳細は、「ベアメタルノードの自動検出」を参照してください。

3.4. 個別の heat スタックを使用するための前提条件

個別の heat スタックを使用してデプロイメントを作成するためには、お使いの環境が以下の前提条件を満たす必要があります。

  • 稼働状態にある Red Hat OpenStack Platform 16 アンダークラウド
  • Ceph Storage ユーザー: Red Hat Ceph Storage 4 へのアクセス
  • 中央サイト: 中央コントローラーノードとしての機能を持つ 3 台のノード。3 台のコントローラーノードは、すべて同じ heat スタック内になければなりません。コントローラーノードまたはいずれかのコントロールプレーンサービスを異なる heat スタックに分割することはできません。
  • エッジサイトに Ceph ストレージをデプロイする場合、中央サイトでは Ceph ストレージが要件となります。
  • それぞれの追加 DCN サイト: 3 台の HCI コンピュートノード
  • すべてノードは事前にプロビジョニングされているか、または中央のデプロイメントネットワークから PXE ブートできる必要があります。DHCP リレーを使用して、DCN 向けのこの接続を有効にすることができます。
  • すべてのノードが ironic によってイントロスペクションされている。
  • Red Hat では、<role>HostnameFormat パラメーターをデフォルト値 %stackname%-<role>-%index% のままにすることを推奨します。%stackname% のプレフィックスを含めないと、オーバークラウドは別のスタックの分散コンピュートノードに同じホスト名を使用します。分散コンピュートノードが %stackname% のプレフィックスを使用して、別のエッジサイトのノードと区別できるようにします。たとえば、dcn0dcn1 という名前の 2 つのエッジサイトをデプロイする場合、スタック名のプレフィックスは、アンダークラウドで openstack server list コマンドを実行する際に dcn0-distributedcompute-0 と dcn1-distributedcompute-0 を区別するのに役立ちます。
  • source コマンドで centralrc 認証ファイルを読み込み、エッジサイトおよび中央サイトでワークロードをスケジュールします。エッジサイト用に自動的に生成される認証ファイルは必要ありません。

3.5. 個別 heat スタックのデプロイメント例の制限

本セクションでは、Red Hat OpenStack Platform 上で個別の heat スタックを使用するデプロイメントの例について説明します。この環境の例には、以下の制限があります。

  • スパイン/リーフ型ネットワーク: 本セクションの例は、分散コンピュートノード (DCN) デプロイメントで必要となるルーティング要件を示していません。
  • Ironic DHCP リレー: 本セクションには、DHCP リレーと共に Ironic を設定する方法は含まれません。

3.6. 個別 heat スタックのデプロイメントの設計

個別の heat スタック内でデプロイメントを分割するには、まずコントロールプレーンと共に単一のオーバークラウドをデプロイする必要があります。その後、分散コンピュートノード (DCN) サイト向けに個別のスタックを作成することができます。以下の例は、異なるノード種別の個別スタックを示しています。

  • コントローラーノード: central (例) という名前の個別 heat スタックにより、コントローラーをデプロイします。DCN サイト向けの新規 heat スタックを作成する場合は、central スタックからのデータを使用してスタックを作成する必要があります。コントローラーノードは、あらゆるインスタンス管理タスクに利用できなければなりません。
  • DCN サイト: dcn0dcn1 など一意の名前が付けられた個別の heat スタックを設定することができます。DHCP リレーを使用して、プロビジョニングネットワークをリモートサイトに拡張します。
注記

それぞれのスタック用に個別のアベイラビリティーゾーン (AZ) を作成する必要があります。

注記

スパイン/リーフ型ネットワークを使用する場合は、特定の形式を使用して Storage および StorageMgmt ネットワークを定義する必要があります。これにより、ceph-ansible はそれらのネットワークを使用するように Ceph を正しく設定することができます。Storage および StorageMgmt ネットワークをオーバーライド値として定義し、値を一重引用符で囲みます。以下の例では、ストレージネットワーク(public_network) はカンマで区切られた 2 つのサブネットにまたがり、一重引用符で囲まれています。

CephAnsibleExtraConfig:
  public_network: '172.23.1.0/24,172.23.2.0/24'

3.7. 複数スタックでのネットワークリソースの再利用

複数のスタックが同じネットワークリソース (仮想 IP アドレスやサブネット等) を使用するように設定することができます。ManageNetworks 設定または external_resource_* フィールドのいずれかを使用して、スタック間でネットワークリソースを複製することができます。

注記

external_resource_* フィールドを使用している場合は、ManageNetworks 設定を使用しないでください。

スタック間でネットワークを再利用しない場合は、network_data.yaml で定義される各ネットワークには、デプロイされるすべてのスタックに渡って一意の名前を指定する必要があります。たとえば、スタック間でネットワークを共有する意図がない限り、ネットワーク名 internal_api をスタック間で再利用することはできません。ネットワークに異なる名前および name_lower 属性 (例: InternalApiCompute0 および internal_api_compute_0) を設定します。

3.8. ManageNetworks を使用したネットワークリソースの再利用

ManageNetworks 設定を使用すると、複数のスタックで同じ network_data.yaml ファイルを使用することができ、設定はグローバルにすべてのネットワークリソースに適用されます。network_data.yaml ファイルは、スタックが使用するネットワークリソースを定義します。

- name: StorageBackup
  vip: true
  name_lower: storage_backup
  ip_subnet: '172.21.1.0/24'
  allocation_pools: [{'start': '171.21.1.4', 'end': '172.21.1.250'}]
  gateway_ip: '172.21.1.1'

ManageNetworks を false に設定すると、ノードはすでに central スタックに作成されている既存のネットワークを使用します。

新規スタックが既存のネットワークリソースを管理しないように、以下のシーケンスを使用します。

手順

  1. ManageNetworks: true と設定するか未設定のままにして、中央スタックをデプロイします。
  2. ManageNetworks: false の設定で、追加のスタックをデプロイします。

新規ネットワークリソースを追加する場合、たとえばスパイン/リーフ型デプロイメントに新しいリーフを追加する場合は、新たな network_data.yaml で中央スタックを更新する必要があります。これは、中央スタックが引き続きネットワークリソースを所有および管理するためです。中央スタックでネットワークリソースが利用可能になったら、それらを使用するように追加のスタックをデプロイすることができます。

3.9. UUID を使用したネットワークリソースの再利用

スタック間でのネットワークの再利用をより厳密に制御する必要がある場合は、network_data.yaml ファイルでリソース (ネットワーク、サブネット、セグメント、仮想 IP 等) の external_resource_* フィールドを使用することができます。これらのリソースは外部管理と識別され、heat はそれらのリソースに関する作成、更新、または削除を一切行いません。

network_data.yaml ファイルに、必要な各ネットワーク定義のエントリーを追加します。これで、リソースを別のスタックでのデプロイメントに利用できるようになります。

external_resource_network_id: Existing Network UUID
external_resource_subnet_id: Existing Subnet UUID
external_resource_segment_id: Existing Segment UUID
external_resource_vip_id: Existing VIP UUID

以下の例では、コントロールプレーンスタックからの internal_api ネットワークを別のスタックで再利用します。

手順

  1. 関連するネットワークリソースの UUID を把握します。

    $ openstack network show internal_api -c id -f value
    $ openstack subnet show internal_api_subnet -c id -f value
    $ openstack port show internal_api_virtual_ip -c id -f value
  2. 上記のコマンドの出力に表示される値を保存し、それらを別のスタックの network_data.yaml ファイルの internal_api ネットワークのネットワーク定義に追加します。

    - name: InternalApi
      external_resource_network_id: 93861871-7814-4dbc-9e6c-7f51496b43af
      external_resource_subnet_id: c85c8670-51c1-4b17-a580-1cfb4344de27
      external_resource_vip_id: 8bb9d96f-72bf-4964-a05c-5d3fed203eb7
      name_lower: internal_api
      vip: true
      ip_subnet: '172.16.2.0/24'
      allocation_pools: [{'start': '172.16.2.4', 'end': '172.16.2.250'}]
      ipv6_subnet: 'fd00:fd00:fd00:2000::/64'
      ipv6_allocation_pools: [{'start': 'fd00:fd00:fd00:2000::10', 'end': 'fd00:fd00:fd00:2000:ffff:ffff:ffff:fffe'}]
      mtu: 1400

3.10. 個別の heat スタックの管理

本セクションの手順では、3 つの heat スタック (centraldcn0、および dcn1) 用の環境ファイルを取りまとめる方法について説明します。Red Hat では、各デプロイメントに関する情報を個別に維持するために、各 heat スタックのテンプレートを個別のディレクトリーに保管することを推奨します。

手順

  1. central heat スタックを定義します。

    $ mkdir central
    $ touch central/overrides.yaml
  2. central heat スタックから、データを全 DCN サイト用の共通ディレクトリーに抽出します。

    $ mkdir dcn-common
    $ touch dcn-common/overrides.yaml
    $ touch dcn-common/central-export.yaml

    central-export.yaml ファイルは、後で openstack overcloud export コマンドで作成されます。本セクションで説明するすべての DCN デプロイメントがこのファイルを使用する必要があるため、このファイルは dcn-common ディレクトリー内に作成されます。

  3. dcn0 サイトを定義します。

    $ mkdir dcn0
    $ touch dcn0/overrides.yaml

さらに DCN サイトをデプロイするには、数字を増やして追加の dcn ディレクトリーを作成します。

注記

ファイル構成の例を示すために、touch コマンドを使用しています。デプロイメントに成功するためには、それぞれのファイルに適切なコンテンツが含まれている必要があります。

3.11. コンテナーイメージの取得

個別の heat スタックによるデプロイメントに必要なコンテナーイメージを取得するには、以下の手順およびサンプルファイルのコンテンツを使用ます。エッジサイトの環境ファイルを指定して openstack container image prepare コマンドを実行し、オプションまたはエッジサイト固有のサービスのコンテナーイメージが含まれるようにする必要があります。

詳細は、「コンテナーイメージの準備」を参照してください。

手順

  1. containers.yaml にレジストリーサービスアカウントの認証情報を追加します。

    parameter_defaults:
      ContainerImagePrepare:
      - push_destination: true
        set:
          ceph_namespace: registry.redhat.io/rhceph
          ceph_image: rhceph-4-rhel8
          ceph_tag: latest
          name_prefix: openstack-
          namespace: registry.redhat.io/rhosp16-rhel8
          tag: latest
      ContainerImageRegistryCredentials:
        # https://access.redhat.com/RegistryAuthentication
        registry.redhat.io:
          registry-service-account-username: registry-service-account-password
  2. images-env.yaml として環境ファイルを生成します。

    openstack tripleo container image prepare \
    -e containers.yaml \
    --output-env-file images-env.yaml

    作成される images-env.yaml ファイルは、ファイルを生成したスタックのデプロイメント手順の一部として追加されます。

3.12. エッジサイト用の高速データパスロールの作成

エッジサイトで高速データパスサービスを使用するには、高速データパスとエッジサービスの両方を定義するカスタムロールを作成する必要があります。デプロイメントのロールファイルを作成する場合には、分散コンピュートノードアーキテクチャーおよび DPDK や SR-IOV 等の高速データパスサービスの両方に必要なサービスを定義する新たに作成されるロールを含めることができます。

以下の例では、DPDK と distributedCompute のカスタムロールを作成します。

前提条件

アンダークラウドの正常なインストール。詳しくは、「Installing the undercloud」を参照してください。

手順

  1. アンダークラウドホストに stack ユーザーとしてログインします。
  2. デフォルトの roles ディレクトリーをコピーします。

    cp -r /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/roles ~/.
  3. DistributedCompute.yaml ファイルから DistributedComputeDpdk.yaml という新しいファイルを作成します。

    cp roles/DistributedCompute.yaml roles/DistributedComputeDpdk.yaml
  4. DPDK サービスを新しい DistributedComputeDpdk.yaml ファイルに追加します。DistributedComputeDpdk.yaml ファイルにないパラメーターを ComputeOvsDpdk.yaml ファイルで特定することで、追加が必要なパラメーターを特定できます。

    diff -u roles/DistributedComputeDpdk.yaml roles/ComputeOvsDpdk.yaml

    この出力では、+ で始まるパラメーターは ComputeOvsDpdk.yaml ファイルに存在しますが、DistributedComputeDpdk.yaml ファイルにはありません。これらのパラメーターを新しい DistributedComputeDpdk.yaml ファイルに追加します。

  5. DistributedComputeDpdk.yaml を使用して、DistributedComputeDpdk ロールファイルを作成します。

    openstack overcloud roles generate --roles-path ~/roles/ -o ~/roles/roles-custom.yaml DistributedComputeDpdk

これと同じ手法を使用して、要件を満たすように、エッジの SR-IOV または SR-IOV と DPDK の組み合わせ用に、高速データパスロールを作成することができます。

ブロックストレージなしでエッジサイトをデプロイする場合は、以下を参照してください。

Ceph ストレージと共にエッジサイトをデプロイする場合は、以下を参照してください。

第4章 中央サイトのインストール

分散コンピュートノード(DCN)アーキテクチャーに中央サイトをデプロイする場合、クラスターをデプロイすることができます。

  • コンピュートノードの使用または使用なし
  • Red Hat Ceph Storage の使用/使用

中央サイトに Red Hat Ceph Storage なしで Red Hat OpenStack Platform をデプロイする場合、Red Hat Ceph Storage と共にあらゆるエッジサイトをデプロイすることはできません。また、再デプロイを実行して後で中央サイトに Red Hat Ceph Storage を追加するオプションはありません。

4.1. エッジストレージを持たない中央コントローラーのデプロイ

中央サイトで glance のバックエンドとして Swift を使用する場合は、エッジサイトにブロックストレージを持たない分散コンピュートノードクラスターをデプロイすることができます。各アーキテクチャーのロールおよびネットワークプロファイルが異なるため、ブロックストレージを設定せずにデプロイされたサイトは、後でブロックストレージを持つように更新することはできません。

重要: エッジサイトで Ceph が使用されない場合、中央サイトで Ceph を glance のバックエンドとして使用することはできません。以下の手順では Cinder のバックエンドとして lvm を使用していますが、実稼働環境用ではサポートされません。Cinder のバックエンドとして、認定されたブロックストレージソリューションをデプロイする必要があります。

一般的なオーバークラウドデプロイメントと同様に、中央コントローラークラスターをデプロイします。このクラスターにはコンピュートノードは必要ありません。したがって、コンピュートノード数を 0 に設定し、デフォルトの 1 をオーバーライドすることができます。中央コントローラーには、ストレージおよび Oslo 設定に関して特定の要件があります。これらの要件を満たすには、以下の手順を使用します。

手順

以下の手順で、中央サイトの初回デプロイメント手順の概要を説明します。

注記

glance マルチストアを持たない DCN デプロイメントの例について、デプロイメントコマンドおよび環境ファイルを以下の手順で詳しく説明します。以下の手順には、ここでの目的とは関連しないが実際の設定には必要な要素 (ネットワーク設定など) は含まれていません。

  1. ホームディレクトリーに、デプロイする各スタックのディレクトリーを作成します。

    mkdir /home/stack/central
    mkdir /home/stack/dcn0
    mkdir /home/stack/dcn1
  2. central/overrides.yaml という名前でファイルを作成し、以下の設定を定義します。

    parameter_defaults:
      NtpServer:
        - clock.redhat.com
        - clock2.redhat.com
      ControllerCount: 3
      ComputeCount: 0
      OvercloudControlFlavor: baremetal
      OvercloudComputeFlavor: baremetal
      ControllerSchedulerHints:
        'capabilities:node': '0-controller-%index%'
      GlanceBackend: swift
    • ControllerCount: 3: ノードを 3 台デプロイすることを指定します。これらのノードは、glance 用に swift を、cinder 用に lvm をそれぞれ使用し、エッジコンピュートノード用に control-plane サービスをホストします。
    • ComputeCount: 0: オプションのパラメーターで、コンピュートノードが中央コントローラーノードと共にデプロイされないようにします。
    • GlanceBackend: swift: Image サービス (glance) のバックエンドとして Object Storage (swift) を使用することを指定します。

      この構成は、分散コンピュートノード (DCN) と以下のように連携します。

    • DCN 上の Image サービスは、中央の Object Storage バックエンドから受けとるイメージのキャッシュコピーを作成します。Image サービスは、HTTP を使用して Object Storage からのイメージをローカルディスクキャッシュにコピーします。

      注記

      中央のコントローラーノードは、分散コンピュートノード (DCN) サイトに接続できる必要があります。中央のコントローラーノードは、ルーティング対応のレイヤー 3 接続を使用することができます。

  3. 実際の環境に適したロールを使用して、中央サイト用のロールを生成します。

    openstack overcloud roles generate Controller \
    -o ~/central/control_plane_roles.yaml
  4. 環境ファイル ~/central/central-images-env.yaml を生成します。

    openstack tripleo container image prepare \
    -e containers.yaml \
    --output-env-file ~/central/central-images-env.yaml
  5. site-name.yaml 環境ファイルでサイトの命名規則を設定します。Nova アベイラビリティーゾーンと Cinder ストレージアベイラビリティーゾーンが一致している必要があります。

    cat > /home/stack/central/site-name.yaml << EOF
    parameter_defaults:
        NovaComputeAvailabilityZone: central
        ControllerExtraConfig:
            nova::availability_zone::default_schedule_zone: central
        NovaCrossAZAttach: false
        CinderStorageAvailabilityZone: central
    EOF
  6. 中央コントローラーノードをデプロイします。たとえば、以下の内容の deploy.sh ファイルを使用することができます。

    #!/bin/bash
    
    source ~/stackrc
    time openstack overcloud deploy \
    --stack central \
    --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ \
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/nova-az-config.yaml \
    -e ~/central/containers-env-file.yaml \
    -e ~/central/overrides.yaml \
    -e ~/central/site-name.yaml
注記

openstack overcloud deploy コマンドに、ネットワーク設定用の heat テンプレートを追加する必要があります。エッジアーキテクチャーの設計には、スパイン/リーフ型ネットワークが必要です。詳しくは、『スパイン/リーフ型ネットワーク』を参照してください。

4.2. 中央サイトのデプロイ

マルチストアの Image サービスおよびバックエンドとしての Ceph Storage をデプロイするには、以下の手順を実施します。

前提条件

  • ハブおよび各アベイラビリティーゾーンまたはストレージサービスが必要な各地区での Ceph クラスター用ハードウェア
  • ハイパーコンバージドアーキテクチャーでエッジサイトをデプロイする必要があります。
  • ハブおよび各アベイラビリティーゾーンまたはストレージサービスが必要な各地区での 3 つの Image サービスサーバー用ハードウェア

2 つまたはそれ以上のスタックで構成されるデプロイメントの例を以下に示します。

  • 中央またはハブサイトに 1 つのスタック (central)
  • エッジサイトに 1 つのスタック (dcn0)
  • dcn0 と同様にデプロイされた追加のスタック (dcn1dcn2、等)

手順

以下の手順で、中央サイトの初回デプロイメント手順の概要を説明します。

注記

マルチストアの Image サービスを使用する DCN デプロイメントの例について、デプロイメントコマンドおよび環境ファイルを以下の手順で詳しく説明します。以下の手順には、ここでの目的とは関連しないが実際の設定には必要な要素 (ネットワーク設定など) は含まれていません。

  1. ホームディレクトリーに、デプロイする各スタックのディレクトリーを作成します。

    mkdir /home/stack/central
    mkdir /home/stack/dcn0
    mkdir /home/stack/dcn1
  2. 利用可能なハードウェアに該当する設定パラメーターおよび Ceph クラスターの名前を設定します。詳しくは、カスタム設定を使用した Ceph の設定 に関するドキュメントを参照してください。

    cat > /home/stack/central/ceph.yaml << EOF
    parameter_defaults:
      CephClusterName: central
      CephAnsibleDisksConfig:
        osd_scenario: lvm
        osd_objectstore: bluestore
        devices:
          - /dev/sda
          - /dev/sdb
      CephPoolDefaultSize: 3
      CephPoolDefaultPgNum: 128
    
    EOF
  3. 実際の環境に適したロールを使用して、中央サイト用のロールを生成します。

    openstack overcloud roles generate Compute Controller CephStorage \
    -o ~/central/central_roles.yaml
    
    cat > /home/stack/central/role-counts.yaml << EOF
    parameter_defaults:
      ControllerCount: 3
      ComputeCount: 2
      CephStorage: 3
    EOF
  4. 環境ファイル ~/central/central-images-env.yaml を生成します。

    openstack tripleo container image prepare \
    -e containers.yaml \
    --output-env-file ~/central/central-images-env.yaml
  5. site-name.yaml 環境ファイルでサイトの命名規則を設定します。Nova アベイラビリティーゾーンと Cinder ストレージアベイラビリティーゾーンが一致している必要があります。

    cat > /home/stack/central/site-name.yaml << EOF
    parameter_defaults:
        NovaComputeAvailabilityZone: central
        ControllerExtraConfig:
            nova::availability_zone::default_schedule_zone: central
        NovaCrossAZAttach: false
        CinderStorageAvailabilityZone: central
        GlanceBackendID: central
    EOF
  6. 以下のような内容で glance.yaml テンプレートを設定します。

    parameter_defaults:
        GlanceEnabledImportMethods: web-download,copy-image
        GlanceBackend: rbd
        GlanceStoreDescription: 'central rbd glance store'
        GlanceBackendID: central
        CephClusterName: central
  7. その他すべてのテンプレートを準備したら、central スタックをデプロイします。

    openstack overcloud deploy \
           --stack central \
           --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ \
           -r ~/central/central_roles.yaml \
        ...
           -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml \
           -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/nova-az-config.yaml \
           -e ~/central/central-images-env.yaml \
           -e ~/central/role-counts.yaml \
           -e ~/central/site-name.yaml \
           -e ~/central/ceph.yaml \
           -e ~/central/glance.yaml
注記

openstack overcloud deploy コマンドに、ネットワーク設定用の heat テンプレートを追加する必要があります。エッジアーキテクチャーの設計には、スパイン/リーフ型ネットワークが必要です。詳しくは、『スパイン/リーフ型ネットワーク』を参照してください。

ceph-ansible.yaml ファイルのパラメーターは、以下のように設定されます。

  • NovaEnableRbdBackend: true
  • GlanceBackend: rbd

これらの設定を同時に使用すると、heat により glance.conf のパラメーター image_import_plugins の値には image_conversion が設定されます。これにより、glance image-create-via-import --disk-format qcow2… 等のコマンドで QCOW2 イメージが自動的に変換されます。

これは Ceph RBD に最適な設定です。イメージの変換を無効にするには、GlanceImageImportPlugin パラメーターを使用します。

   parameter_defaults:
     GlanceImageImportPlugin: []

第5章 ストレージを使用しないエッジのデプロイ

中央サイトで Image サービス(glance)のバックエンドとして Object Storage サービス(swift)をバックエンドとして使用する場合には、エッジサイトにブロックストレージを持たない分散コンピュートノードクラスターをデプロイすることができます。各アーキテクチャーのロールおよびネットワークプロファイルが異なるため、ブロックストレージを設定せずにデプロイされたサイトは、後でブロックストレージを持つように更新することはできません。

重要

以下の手順では、実稼働環境用としては サポートされない Block Service(cinder)のバックエンドに lvm を使用しています。Block Storage サービスのバックエンドとして、認定されたブロックストレージソリューションをデプロイする必要があります。

5.1. ストレージを持たないエッジノードのデプロイ

コントロールプレーンに中央サイトを使用するエッジコンピュートノードをデプロイすることができます。以下の手順で、デプロイメントに新たな DCN スタックを追加し、既存の heat スタックからの設定を再利用して新たな環境ファイルを作成する方法について説明します。元の heat スタックにより、中央のデータセンター内にオーバークラウドがデプロイされます。リモートサイトにコンピュートノードをデプロイするために、追加の heat スタックを作成します。

5.1.1. 分散コンピュートノードの環境ファイルの設定

手順

  1. DCN サイトに必要な設定ファイルを生成します。

    openstack overcloud export \
    --config-download-dir /var/lib/mistral/central \
    --stack central --output-file ~/dcn-common/central-export.yaml
重要

この手順で新しい central-export.yaml 環境ファイルを作成し、オーバークラウドからの plan-environment.yaml ファイルのパスワードを使用します。central-export.yaml ファイルには、取り扱いに注意を要するセキュリティーデータが含まれます。セキュリティー向上のために、必要がなくなったらファイルを削除してください。

重要

--config-download-dir オプション用のディレクトリーを指定する場合、デプロイメント時に director が /var/lib/mistral に作成する中央のハブの Ansible 設定を使用します。openstack overcloud config download コマンドで手動で生成する Ansible 設定は使用しないでください。手動で生成した設定には、デプロイメント操作時にのみ作成される特定のファイルは含まれません。

5.1.2. DCN サイトへのコンピュートノードのデプロイ

以下の手順では、Compute ロールを使用して、コンピュートノードを dcn0 という名前のアベイラビリティーゾーン (AZ) にデプロイします。分散コンピュートノード (DC) のコンテキストでは、このロールはストレージのないサイトに使用されます。

手順

  1. dcn0/overrides.yaml で分散コンピュート (DCN) サイトのオーバーライドを確認します。

    parameter_defaults:
      ComputeCount: 3
      ComputeFlavor: baremetal
      ComputeSchedulerHints:
        'capabilities:node': '0-compute-%index%'
      NovaAZAttach: false
  2. 以下の内容で、~/dcn0 ディレクトリー内に site-name.yaml という名前の新たなファイルを作成します。

    resource_registry:
      OS::TripleO::Services::NovaAZConfig: /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/deployment/nova/nova-az-config.yaml
    parameter_defaults:
      NovaComputeAvailabilityZone: dcn0
      RootStackName: dcn0
  3. DCN サイトのコンテナーイメージを取得します。

    openstack tripleo container image prepare \
    --environment-directory dcn0 \
    -r ~/dcn0/roles_data.yaml \
    -e ~/dcn-common/central-export.yaml \
    -e ~/containers-prepare-parameter.yaml \
    --output-env-file ~/dcn0/dcn0-images-env.yaml
  4. dcn0 の deploy.sh デプロイメントスクリプトを実行します。

    #!/bin/bash
    STACK=dcn0
    source ~/stackrc
    time openstack overcloud deploy \
         --stack $STACK \
         --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ \
         -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/dcn.yaml \
         -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/nova-az-config.yaml \
         -e ~/dcn-common/central-export.yaml \
         -e ~/dcn0/dcn0-images-env.yaml \
         -e ~/dcn0/site-name.yaml \
         -e ~/dcn0/overrides.yaml

    network_data.yaml ファイルへの編集が必要な追加のエッジサイトをデプロイする場合は、中央サイトでスタックの更新を実行する必要があります。

注記

openstack overcloud deploy コマンドに、ネットワーク設定用の heat テンプレートを追加する必要があります。エッジアーキテクチャーの設計には、スパイン/リーフ型ネットワークが必要です。詳しくは、『スパイン/リーフ型ネットワーク』を参照してください。

第6章 エッジサイトでのストレージのデプロイ

Red Hat OpenStack Platform director を活用して分散コンピュートノードのデプロイメントを拡張し、Red Hat OpenStack Platform と Ceph Storage を使用する利点と共に、エッジサイトに分散イメージの管理および永続ストレージを含めることができます。

dcn アーキテクチャー

6.1. ストレージが設定されたエッジサイトのデプロイ

中央サイトをデプロイしたら、エッジサイトを構築し、各エッジロケーションがプライマリーとして自己のストレージバックエンドに接続し、さらに中央サイトのストレージバックエンドにも接続するようにします。

スパイン/リーフ型ネットワーク構成に加えて、この設定には ceph が必要とする storage および storage_mgmt ネットワークを含める必要があります。詳しくは、『スパイン/リーフ型ネットワーク』を参照してください。

glance イメージをサイト間で移動することができるように、中央サイトと各エッジサイトのストレージネットワーク間に接続が必要です。

中央サイトが各エッジサイトの mons および osds と通信できるようにしてください。ただし、ストレージ管理ネットワークは OSD のリバランスに使用されるため、サイト境界でストレージ管理ネットワークを終端する必要があります。

手順

  1. central スタックからスタック情報をエクスポートします。以下のコマンドを実行する前に、central スタックをデプロイする必要があります。

    openstack overcloud export \
            --config-download-dir /var/lib/mistral/central/ \
            --stack central \
            --output-file ~/dcn-common/central-export.yaml
    注記

    config-download-dir のデフォルト値は /var/lib/mistral/<stack>/ です。

  2. central_ceph_external.yaml ファイルを作成します。この環境ファイルにより、DCN サイトが中央ハブの Ceph クラスターに接続されので、詳細は前の手順でデプロイした Ceph クラスターに固有のものです。

    sudo -E openstack overcloud export ceph \
    --stack central \
    --config-download-dir /var/lib/mistral \
    --output-file ~/dcn-common/central_ceph_external.yaml
  3. glance 設定のオーバーライド用に ~/dcn0/glance.yaml ファイルを作成します。

    parameter_defaults:
      GlanceEnabledImportMethods: web-download,copy-image
      GlanceBackend: rbd
      GlanceStoreDescription: 'dcn0 rbd glance store'
      GlanceBackendID: dcn0
      GlanceMultistoreConfig:
        central:
          GlanceBackend: rbd
          GlanceStoreDescription: 'central rbd glance store'
          CephClientUserName: 'openstack'
          CephClusterName: central
  4. 利用可能なハードウェアに該当する設定パラメーターで ceph.yaml ファイルを設定します。

    cat > /home/stack/dcn0/ceph.yaml << EOF
    parameter_defaults:
      CephClusterName: dcn0
      CephAnsibleDisksConfig:
        osd_scenario: lvm
        osd_objectstore: bluestore
        devices:
          - /dev/sda
          - /dev/sdb
      CephPoolDefaultSize: 3
      CephPoolDefaultPgNum: 128
    EOF

    詳しくは、「Ceph Storage ノードのディスクレイアウトのマッピング」を参照してください。

  5. 実際の環境要件に適した以下のパラメーターが含まれるファイルを使用して、システムのチューニングを実施します。

    cat > /home/stack/dcn0/tuning.yaml << EOF
    parameter_defaults:
      CephAnsibleExtraConfig:
        is_hci: true
      CephConfigOverrides:
        osd_recovery_op_priority: 3
        osd_recovery_max_active: 3
        osd_max_backfills: 1
     ## Set relative to your hardware:
      # DistributedComputeHCIParameters:
      #   NovaReservedHostMemory: 181000
      # DistributedComputeHCIExtraConfig:
      #   nova::cpu_allocation_ratio: 8.2
    EOF
  6. site-name.yaml 環境ファイルでサイトの命名規則を設定します。Nova アベイラビリティーゾーンと Cinder ストレージアベイラビリティーゾーンが一致している必要があります。ストレージと共にエッジサイトをデプロイする場合は、CinderVolumeCluster パラメーターを含めます。このパラメーターは、エッジサイトで必要な cinder-volume をアクティブ/アクティブ構成としてデプロイする場合に使用されます。ベストプラクティスとしては、Cinder クラスター名をアベイラビリティーゾーンと一致するように設定します。

    cat > /home/stack/central/site-name.yaml << EOF
    parameter_defaults:
        ...
        NovaComputeAvailabilityZone: dcn0
        NovaCrossAZAttach: false
        CinderStorageAvailabilityZone: dcn0
        CinderVolumeCluster: dcn0
  7. dcn0 のデプロイメントに使用する roles.yaml ファイルを生成します。以下に例を示します。

    openstack overcloud roles generate DistributedComputeHCI DistributedComputeHCIScaleOut -o ~/dcn0/roles_data.yaml
  8. それぞれのロールに必要な値で ~/dcn0/roles-counts.yaml ファイルを作成して、各ロールに番号システムを設定します。

    ハイパーコンバージドインフラストラクチャー (HCI) を使用する場合は、Ceph Mon および GlanceApiEdge サービスの要件を満たすために、3 台のノードを DistributedComputeHCICount ロールに割り当てる必要があります。

    parameter_defaults:
      ControllerCount: 0
      ComputeCount: 0
      DistributedComputeHCICount: 3
      DistributedComputeHCIScaleOutCount: 1  # Optional
      DistributedComputeScaleOutCount: 1     # Optional
  9. エッジサイトのコンテナーイメージを取得します。

    openstack tripleo container image prepare \
    --environment-directory dcn0 \
    -r ~/dcn0/roles_data.yaml \
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml \
    ...
    -e /home/stack/dcn-common/central-export.yaml \
    -e /home/stack/containers-prepare-parameter.yaml \
    --output-env-file ~/dcn0/dcn0-images-env.yaml
    注記

    openstack tripleo container image prepare コマンドに、デプロイメントに使用するすべての環境ファイルを追加する必要があります。

  10. エッジサイトをデプロイします。

    openstack overcloud deploy \
        --stack dcn0 \
        --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ \
        -r ~/dcn0/roles_data.yaml \
        -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml \
        -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/dcn-hci.yaml \
        -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/nova-az-config.yaml \
        -e ~/dnc0/dcn0-images-env.yaml \
        ....
        -e ~/dcn-common/central-export.yaml \
        -e ~/dcn-common/central_ceph_external.yaml \
        -e ~/dcn0/dcn_ceph_keys.yaml \
        -e ~/dcn0/role-counts.yaml \
        -e ~/dcn0/ceph.yaml \
        -e ~/dcn0/site-name.yaml \
        -e ~/dcn0/tuning.yaml \
        -e ~/dcn0/glance.yaml
    注記

    openstack overcloud deploy コマンドに、ネットワーク設定用の heat テンプレートを追加する必要があります。エッジアーキテクチャーの設計には、スパイン/リーフ型ネットワークが必要です。詳しくは、『スパイン/リーフ型ネットワーク』を参照してください。

6.2. 追加の分散コンピュートノードサイトの作成

新しい分散コンピュートノード (DCN) サイトには、アンダークラウド上に独自の YAML ファイルのディレクトリーがあります。詳細は、「個別の heat スタックの管理」を参照してください。以下の手順で、コマンドの例を説明します。

手順

  1. アンダークラウドの stack ユーザーとして、dcn1 用に新規ディレクトリーを作成します。

    $ cd ~
    $ mkdir dcn1
  2. 既存の dcn0 テンプレートを新しいディレクトリーにコピーし、dcn0 の文字列を dcn1 に置き換えます。

    $ cp dcn0/ceph.yaml dcn1/ceph.yaml
    $ sed s/dcn0/dcn1/g -i dcn1/ceph.yaml
    $ cp dcn0/overrides.yaml dcn1/overrides.yaml
    $ sed s/dcn0/dcn1/g -i dcn1/overrides.yaml
    $ sed s/"0-ceph-%index%"/"1-ceph-%index%"/g -i dcn1/overrides.yaml
    $ cp dcn0/deploy.sh dcn1/deploy.sh
    $ sed s/dcn0/dcn1/g -i dcn1/deploy.sh
  3. dcn1 ディレクトリーのファイルを調べ、要件を満たしていることを確認します。
  4. ノードが利用可能で、Provisioning state の状態にあることを確認します。

    $ openstack baremetal node list
  5. ノードが利用可能な状態になったら、dcn1 サイト用の deploy.sh を実行します。

    $ bash dcn1/deploy.sh

6.3. 中央サイトの更新

サンプルの手順を使用してすべてのエッジサイトを設定およびデプロイしたら、中央の Image サービスがイメージをエッジサイトにプッシュできるように、中央サイトの設定を更新します。

手順

  1. 以下のような内容で ~/central/glance_update.yaml ファイルを作成します。以下の例には、2 つのエッジサイト dcn0 および dcn1 の設定が含まれています。

      parameter_defaults:
        GlanceEnabledImportMethods: web-download,copy-image
        GlanceBackend: rbd
        GlanceStoreDescription: 'central rbd glance store'
        CephClusterName: central
        GlanceBackendID: central
        GlanceMultistoreConfig:
        dcn0:
           GlanceBackend: rbd
          GlanceStoreDescription: 'dcn0 rbd glance store'
          CephClientUserName: 'openstack'
          CephClusterName: dcn0
          GlanceBackendID: dcn0
        dcn1:
          GlanceBackend: rbd
          GlanceStoreDescription: 'dcn1 rbd glance store'
          CephClientUserName: 'openstack'
          CephClusterName: dcn1
          GlanceBackendID: dcn1
  2. dcn_ceph.yaml ファイルを作成します。以下の例では、このファイルは、エッジサイト dcn0 および dcn1 の Ceph クラスターのクライアントとして、中央サイトの glance サービスを設定します。

    sudo -E openstack overcloud export ceph \
    --stack dcn0,dcn1 \
    --config-download-dir /var/lib/mistral \
    --output-file ~/central/dcn_ceph.yaml
  3. 元のテンプレートを使用して中央サイトを再デプロイする際に、新たに作成した dcn_ceph.yaml および glance_update.yaml ファイルを追加します。

    openstack overcloud deploy \
           --stack central \
           --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ \
           -r ~/central/central_roles.yaml \
        ...
           -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml \
           -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/nova-az-config.yaml \
           -e ~/central/central-images-env.yaml \
           -e ~/central/role-counts.yaml \
           -e ~/central/site-name.yaml
           -e ~/central/ceph.yaml \
           -e ~/central/ceph_keys.yaml \
           -e ~/central/glance.yaml \
           -e ~/central/dcn_ceph_external.yaml
  4. cinder-volume および cinder-backup サービスを再起動して、ボリュームのバックアップを試みる際にエラーが発生しないようにします。

    sudo pcs resource cleanup openstack-cinder-volume
    sudo pcs resource cleanup openstack-cinder-backup-podman-0

6.4. DCN への Red Hat Ceph Storage Dashboard のデプロイ

手順

Red Hat Ceph Storage Dashboard を中央サイトにデプロイするには、「Red Hat Ceph Storage Dashboard のオーバークラウドデプロイメントへの追加」を参照してください。中央サイトをデプロイする前に、これらの手順を完了する必要があります。

Red Hat Ceph Storage Dashboard をエッジロケーションにデプロイするには、中央サイトで完了した手順と同じ手順を実行します。ただし、以下の手順を実施する必要があります。

  • エッジサイトをデプロイするためのテンプレートで、ManageNetworks パラメーターの値が false となるようにしてください。ManageNetworksfalse に設定すると、エッジサイトは中央スタックで既に作成された既存のネットワークを使用します。

    parameter_defaults:
      ManageNetworks: false
  • 高可用性の仮想 IP を作成するには、負荷分散用に独自のソリューションをデプロイする必要があります。エッジサイトでは haproxy および pacemaker はデプロイされません。Red Hat Ceph Storage Dashboard をエッジロケーションにデプロイする場合、デプロイメントはストレージネットワーク上で公開されます。Dashboard は、負荷分散ソリューションなしに異なる IP アドレスを持つ 3 つの DistributedComputeHCI ノードにそれぞれインストールされます。

6.4.1. 仮想 IP 用のコンポーザブルネットワークの作成

Ceph Dashboard を公開することのできる仮想 IP をホストする追加のネットワークを作成することができます。複数のスタックでネットワークリソースを再使用しないでください。ネットワークリソースの再利用に関する詳細は、「複数スタックでのネットワークリソースの再利用」を参照してください。

この追加ネットワークリソースを作成するには、提供される network_data_dashboard.yaml heat テンプレートを使用します。作成されるネットワークの名前は StorageDashboard です。

手順

  1. Red Hat OpenStack Platform director に stack としてログインします。
  2. DistributedComputeHCIDashboard ロールおよびお使いの環境に適したその他のロールを生成します。

    openstack overcloud roles generate DistributedComputeHCIDashboard -o ~/dnc0/roles.yaml
  3. オーバークラウドデプロイコマンドに roles.yaml および network_data_dashboard.yaml を追加します。

    $ openstack overcloud deploy --templates \
    -r ~/<dcn>/<dcn_site_roles>.yaml \
    -n /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network_data_dashboard.yaml \
    -e <overcloud_environment_files> \
    ...
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml \
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-dashboard.yaml
注記

デプロイメントでは、Dashboard が有効なストレージネットワーク上の 3 つの IP アドレスが提供されます。

検証

Dashboard が中央サイトで動作し、Ceph クラスターから表示されるデータが正しいことを確認するには、「Ceph Dashboard へのアクセス」を参照してください。

同様の手順で Dashboard がエッジロケーションで動作していることを確認できますが、エッジロケーションにロードバランサーが存在しないので例外があります。

  1. /var/lib/mistral/<stackname>/ceph-ansible/group_vars/all.yml から、選択したスタックに固有の Dashboard 管理者のログイン認証情報を取得します。
  2. 選択したスタックに固有のインベントリー /var/lib/mistral/<stackname>/ceph-ansible/inventory.yml で、DistributedComputeHCI ロールホストの一覧を見つけ、storage_ip の値を 3 つすべて保存します。以下の例では、最初の 2 つの Dashboard IP は 172.16.11.84 と 172.16.11.87 です。

    DistributedComputeHCI:
      hosts:
        dcn1-distributed-compute-hci-0:
          ansible_host: 192.168.24.16
    ...
    storage_hostname: dcn1-distributed-compute-hci-0.storage.localdomain
    storage_ip: 172.16.11.84
    ...
        dcn1-distributed-compute-hci-1:
    ansible_host: 192.168.24.22
    ...
    storage_hostname: dcn1-distributed-compute-hci-1.storage.localdomain
    storage_ip: 172.16.11.87
  3. これらの IP アドレスにアクセス可能な場合は、Ceph Dashboard がそのいずれかでアクティブであることを確認することができます。これらの IP アドレスはストレージネットワーク上にあり、ルーティングされません。これらの IP アドレスが利用できない場合、インベントリーから取得する 3 つの IP アドレスのロードバランサーを設定して、検証用に仮想 IP アドレスを取得する必要があります。

第7章 Key Manager を含むデプロイ

Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 リリース以前にエッジサイトをデプロイしている場合は、この機能を実装するのに roles.yaml を再生成する必要があります。機能を実装するには、DCN サイトのデプロイメントに使用する roles.yaml ファイルを再生成します。

$ openstack overcloud roles generate DistributedComputeHCI DistributedComputeHCIScaleOut -o ~/dcn0/roles_data.yaml

7.1. Key Manager が設定されたエッジサイトのデプロイ

エッジサイトに Key Manager (barbican) サービスへのアクセスを含める場合、中央サイトに barbican を設定する必要があります。Barbican のインストールおよび設定の詳細は、「Deploying Barbican」を参照してください。

  • /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/barbican-edge.yaml を含めることで、DCN サイトからの barbican へのアクセスを設定することができます。

    openstack overcloud deploy \
        --stack dcn0 \
        --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ \
        -r ~/dcn0/roles_data.yaml \
        ....
        -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services/barbican-edge.yaml

第8章 glance イメージの nova への事前キャッシュ

ローカルの一時ストレージを使用するように OpenStack Compute を設定する場合、インスタンスのデプロイメントを迅速化するために glance イメージがキャッシュされます。インスタンスに必要なイメージがまだキャッシュされていない場合は、インスタンスの作成時にコンピュートノードのローカルディスクにダウンロードされます。

glance イメージのダウンロードプロセスに要する時間は、イメージのサイズおよび帯域幅やレイテンシー等のネットワーク特性によって変動します。

インスタンスの起動を試みる際にローカルの Ceph クラスターでイメージが利用できない場合は、以下のメッセージと共にインスタンスの起動に失敗します。

Build of instance 3c04e982-c1d1-4364-b6bd-f876e399325b aborted: Image 20c5ff9d-5f54-4b74-830f-88e78b9999ed is unacceptable: No image locations are accessible

Compute サービスのログには以下のメッセージが記録されます。

'Image %s is not on my ceph and [workarounds]/ never_download_image_if_on_rbd=True; refusing to fetch and upload.',

インスタンスの起動に失敗する原因は、nova.conf 設定ファイルの never_download_image_if_on_rbd パラメーターです。DCN デプロイメントの場合、このパラメーターはデフォルトでは true に設定されています。dcn-hci.yaml ファイルの heat パラメーター NovaDisableImageDownloadToRbd を使用して、この値を制御することができます。

オーバークラウドのデプロイ前に NovaDisableImageDownloadToRbd の値を false に設定した場合の動作は、以下のようになります。

  • イメージがローカルで利用できない場合、Compute サービス (nova) は central サイトで利用可能なイメージを自動的にストリーミングします。
  • glance イメージからの COW コピーは使用されません。
  • イメージを使用するインスタンスの数により、Compute (nova) ストレージに同じイメージのコピーが複数含まれる場合があります。
  • central サイトへの WAN リンクと nova ストレージプールの両方が飽和状態になる可能性があります。

Red Hat では、この値を true に設定したままにし、インスタンスの起動前に必要なイメージがローカルで利用できるようにすることを推奨します。イメージをエッジサイトで利用できるようにする方法については、「新規サイトへのイメージのコピー」を参照してください。

ローカルにあるイメージに関して、tripleo_nova_image_cache.yml Ansible Playbook を使用して、共通的に使用されるイメージや今後デプロイする可能性の高いイメージを事前キャッシュして、仮想マシンの作成を迅速化することができます。

8.1. tripleo_nova_image_cache.yml Ansible Playbook の実行

前提条件

  • シェル環境での正しい API への認証用クレデンシャル

各手順で提供されるコマンドの前に、正しい認証ファイルが読み込まれている必要があります。

手順

  1. スタック用の Ansible インベントリーファイルを作成します。複数のスタックをコンマ区切りリストで指定して、複数サイトのイメージをキャッシュすることができます。

    $ source stackrc
    
    $ tripleo-ansible-inventory --plan central,dcn0,dc1 \
    --static-yaml-inventory inventory.yaml
  2. 事前キャッシュするイメージの ID 一覧を作成します。

    1. 利用可能なイメージの完全な一覧を取得します。

      $ source centralrc
      
      $ openstack image list
      +--------------------------------------+---------+--------+
      | ID                                   | Name    | Status |
      +--------------------------------------+---------+--------+
      | 07bc2424-753b-4f65-9da5-5a99d8383fe6 | image_0 | active |
      | d5187afa-c821-4f22-aa4b-4e76382bef86 | image_1 | active |
      +--------------------------------------+---------+--------+
    2. nova_cache_args.yml という名前で Ansible Playbook の引数ファイルを作成し、事前キャッシュするイメージの ID を追加します。

      ---
      tripleo_nova_image_cache_images:
        - id: 07bc2424-753b-4f65-9da5-5a99d8383fe6
        - id: d5187afa-c821-4f22-aa4b-4e76382bef86
  3. tripleo_nova_image_cache.yml Ansible Playbook を実行します。

    $ source centralrc
    
    $ ansible-playbook -i inventory.yaml \
    --extra-vars "@nova_cache_args.yml" \
    /usr/share/ansible/tripleo-playbooks/tripleo_nova_image_cache.yml

8.2. パフォーマンスに関する考慮事項

Ansible の forks パラメーターを使用して、同時にダウンロードするイメージの数を指定することができます。このパラメーターのデフォルト値は 5 です。forks パラメーターの値を増やして、このイメージの配布に要する時間を短縮することができます。ただし、ネットワークおよび glance-api の負荷が増えることとバランスを取る必要があります。

以下のように、--forks パラメーターを使用して同時実行を調整します。

ansible-playbook -i inventory.yaml \
--forks 10 \
--extra-vars "@nova_cache_args.yml" \
/usr/share/ansible/tripleo-playbooks/tripleo_nova_image_cache.yml

8.3. DCN サイトへのイメージ配布の最適化

glance イメージの配布にプロキシーを使用して、WAN トラフィックを軽減することができます。プロキシーを設定した場合の動作は、以下のようになります。

  • glance イメージは、プロキシーとして機能する 1 台のコンピュートノードにダウンロードされます。
  • プロキシーは、glance イメージをインベントリー内の他のコンピュートノードに再配布します。

Ansible の引数ファイル nova_cache_args.yml に以下のパラメーターを追加して、プロキシーノードを設定することができます。

tripleo_nova_image_cache_use_proxy パラメーターを true に設定して、イメージキャッシュプロキシーを有効にします。

イメージプロキシーは、セキュアなコピー scp を使用して、イメージをインベントリー内の他のノードに配布します。DCN サイト間の WAN 等レイテンシーが高いネットワークを通じて配布する場合は、SCP は効率的ではありません。Red Hat では、Playbook のターゲットを 1 つの DCN サイト (1 つのスタックに対応) に制限することを推奨します。

tripleo_nova_image_cache_proxy_hostname パラメーターを使用して、イメージキャッシュプロキシーを選択します。デフォルトのプロキシーは、Ansible インベントリーファイルで最初に定義されているコンピュートノードです。tripleo_nova_image_cache_plan パラメーターを使用して、Playbook のインベントリーを 1 つのサイトに制限します。

tripleo_nova_image_cache_use_proxy: true
tripleo_nova_image_cache_proxy_hostname: dcn0-novacompute-1
tripleo_nova_image_cache_plan: dcn0

8.4. nova-cache クリーンアップの設定

バックグラウンドプロセスが定期的に実行され、以下の両方の条件を満たすイメージが nova キャッシュから削除されます。

  • イメージがインスタンスによって使用されていない。
  • イメージの経過時間が nova パラメーター remove_unused_original_minimum_age_seconds の設定値を超えている。

remove_unused_original_minimum_age_seconds パラメーターのデフォルト値は 86400 です。値は秒単位で表され、これは 24 時間に相当します。初回デプロイメント時またはクラウドのスタック更新時に、tripleo-heat-templates パラメーター NovaImageCachTTL を使用してこの値を制御することができます。

parameter_defaults:
  NovaImageCacheTTL: 604800 # Default to 7 days for all compute roles
  Compute2Parameters:
    NovaImageCacheTTL: 1209600 # Override to 14 days for the Compute2 compute role

Playbook によりコンピュートノードにすでに存在するイメージを事前キャッシュすると、Ansible は変更を報告せず、イメージの経過時間は 0 にリセットされます。NovaImageCacheTTL パラメーターの値よりも頻繁に Ansible のプレイを実行し、イメージのキャッシュを維持します。

第9章 DCN への TLS-e の適用

分散コンピュートノードインフラストラクチャー用に設計されたクラウドで、TLS (Transport Layer Security) を有効にすることができます。パブリックアクセスだけに TLS を有効にするか、または TLS-e としてすべてのネットワークで TLS を有効にすることができます。後者の場合、すべての内部および外部データフローで暗号化を行うことができます。

エッジサイトにはパブリックエンドポイントがないため、エッジスタックでパブリックアクセスを有効にすることはできません。パブリックアクセスに対する TLS の詳細は、「オーバークラウドのパブリックエンドポイントでの SSL/TLS の有効化」を参照してください。

9.1. TLS-e を設定した分散コンピュートノードアーキテクチャーのデプロイ

分散コンピュートノード (DCN) アーキテクチャーで TLS-e を実装する場合は、従来の novajoin 手法ではなく Ansible ベースの tripleo-ipa 手法を使用する必要があります。tripleo-ipa を使用した TLS-e デプロイの詳細は、「Implementing TLS-e with Ansible」を参照してください。

tripleo-ipa を使用して DCN アーキテクチャーに TLS-e をデプロイするには、以下の手順も完了する必要があります。

前提条件

オーバークラウドをインストールする前に、以下の ACI を手動でアイデンティティー管理 (IdM) サーバーに追加する必要があります。

ADMIN_PASSWORD=redhat_01
DOMAIN_LEVEL_1=local
DOMAIN_LEVEL_2=redhat

cat << EOF | ldapmodify -x -D "cn=Directory Manager" -w ${ADMIN_PASSWORD}
dn: cn=dns,dc=${DOMAIN_LEVEL_2},dc=${DOMAIN_LEVEL_1}
changetype: modify
add: aci
aci: (targetattr = "aaaarecord || arecord || cnamerecord || idnsname || objectclass || ptrrecord")(targetfilter = "(&(objectclass=idnsrecord)(|(aaaarecord=)(arecord=)(cnamerecord=)(ptrrecord=)(idnsZoneActive=TRUE)))")(version 3.0; acl "Allow hosts to read DNS A/AAA/CNAME/PTR records"; allow (read,search,compare) userdn = "ldap:///fqdn=*,cn=computers,cn=accounts,dc=${DOMAIN_LEVEL_2},dc=${DOMAIN_LEVEL_1}";)
EOF

手順

  1. エッジサイトにストレージをデプロイする場合は、エッジスタック用に変更した tripleo heat テンプレートに以下のパラメーターを追加します。

    TEMPLATES=/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates
    
    resource_registry:
      OS::TripleO::Services::IpaClient:
        ${TEMPLATES}/deployment/ipa/ipaservices-baremetal-ansible.yaml
    
    parameter_defaults:
      EnableEtcdInternalTLS: true

中央サイトとエッジロケーションの設計の違いのため、エッジスタックには以下のファイルを含めないでください。

tls-everywhere-endpoints-dns.yaml
エッジサイトではこのファイルは無視され、このファイルで設定されるエンドポイントは中央スタックからエクスポートされるエンドポイントによってオーバーライドされます。
haproxy-public-tls-certmonger.yaml
エッジサイトにはパブリックエンドポイントがないため、このファイルはデプロイメント失敗の原因になります。

第10章 外部アクセス用 Ceph キーの作成

Ceph ストレージへの外部アクセスとは、ローカルではない任意のサイトからの Ceph へのアクセスを指します。中央サイトにとってはエッジサイトの Ceph ストレージが外部にあたるのとまったく同じように、中央サイトの Ceph ストレージは、エッジ (DCN) サイトからは外部に該当します。

Ceph ストレージと共に中央サイトまたは DCN サイトをデプロイする場合、ローカルアクセスと外部アクセスの両方にデフォルトの openstack キーリングを使用するオプションが可能です。あるいは、ローカル以外のサイトからのアクセス用に別の鍵を作成することができます。

外部サイトへのアクセスに追加の Ceph キーを使用する場合は、それぞれのキーの名前を同じにする必要があります。以降の例では、鍵の名前を external としています。

ローカル以外のサイトからのアクセスに別の鍵を使用すると、セキュリティーが向上します。ローカルアクセスを中断すること無く、セキュリティーイベントに対応して外部アクセス用の鍵を無効にして再発行することができます。ただし、外部アクセスに別の鍵を使用すると、アベイラビリティーゾーンをまたがるバックアップやオフラインボリューム移行など、一部の機能を利用することができなくなります。セキュリティー対応のニーズと必要な機能セットの間でバランスを取る必要があります。

デフォルトでは、中央サイトおよびすべての DCN サイトの鍵は共有されます。

10.1. 外部アクセス用 Ceph キーの作成

ローカル以外のサイトからのアクセス用に external 鍵を作成するには、以下の手順を実施します。

Process

  1. 外部アクセス用の Ceph キーを作成します。この鍵の取り扱いには注意が必要です。以下のコマンドを使用して鍵を生成することができます。

    python3 -c 'import os,struct,time,base64; key = os.urandom(16) ; \
    header = struct.pack("<hiih", 1, int(time.time()), 0, len(key)) ; \
    print(base64.b64encode(header + key).decode())'
  2. デプロイするスタックのディレクトリーにおいて、以下のような内容で ceph_keys.yaml 環境ファイルを作成します。鍵には、前のステップのコマンド出力を使用します。

    parameter_defaults:
      CephExtraKeys:
        - name: "client.external"
          caps:
            mgr: "allow *"
            mon: "profile rbd"
            osd: "profile rbd pool=vms, profile rbd pool=volumes, profile rbd pool=images"
          key: "AQD29WteAAAAABAAphgOjFD7nyjdYe8Lz0mQ5Q=="
          mode: "0600"
  3. サイトのデプロイメントに ceph_keys.yaml 環境ファイルを追加します。たとえば、ceph_keys.yaml 環境ファイルを指定して中央サイトをデプロイするには、以下のようなコマンドを実行します。

     overcloud deploy \
             --stack central \
             --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ \
             ….
             -e ~/central/ceph_keys.yaml

10.2. 外部 Ceph キーの使用

すでにデプロイされている鍵だけを使用することができます。external 鍵と共にサイトをデプロイする際の詳細は、「外部アクセス用 Ceph キーの作成」を参照してください。この手順は、中央サイトとエッジサイトの両方で実施する必要があります。

  • 中央サイトの提供する external 鍵を使用するエッジサイトをデプロイする場合は、以下の手順を実施します。

    1. エッジサイト用の dcn_ceph_external.yaml 環境ファイルを作成します。cephx-key-client-name オプションを追加して、含めるべきデプロイした鍵を指定する必要があります。

      sudo -E openstack overcloud export ceph \
      --stack central \
      --config-download-dir /var/lib/mistral \
      --cephx-key-client-name external \
      --output-file ~/dcn-common/dcn_ceph_external.yaml
    2. エッジサイトが中央サイトの Ceph クラスターにアクセスできるように、dcn_ceph_external.yaml ファイルを追加します。ceph_keys.yaml ファイルを追加して、エッジサイトの Ceph クラスター用外部鍵をデプロイします。
  • エッジサイトのデプロイ後に中央サイトを更新する場合は、中央サイトが dcn external 鍵を使用するようにします。

    1. CephClientUserName パラメーターがエクスポートされる鍵と一致するようにします。以降の例に示すように、external の名前を使用している場合は、以下のような内容で glance_update.yaml を作成します。

        parameter_defaults:
          GlanceEnabledImportMethods: web-download,copy-image
          GlanceBackend: rbd
          GlanceStoreDescription: 'central rbd glance store'
          CephClusterName: central
          GlanceBackendID: central
          GlanceMultistoreConfig:
          dcn0:
             GlanceBackend: rbd
            GlanceStoreDescription: 'dcn0 rbd glance store'
            CephClientUserName: 'external'
            CephClusterName: dcn0
            GlanceBackendID: dcn0
          dcn1:
            GlanceBackend: rbd
            GlanceStoreDescription: 'dcn1 rbd glance store'
            CephClientUserName: 'external'
            CephClusterName: dcn1
            GlanceBackendID: dcn1
    2. openstack overcloud export ceph コマンドを使用する際に、中央サイトから DCN エッジサイトへのアクセス用に external 鍵を追加します。そのためには、--stack 引数にスタックのコンマ区切りリストを指定し、cephx-key-client-name オプションを指定する必要があります。

      sudo -E openstack overcloud export ceph \
      --stack dcn0,dcn1,dcn2 \
      --config-download-dir /var/lib/mistral \
      --cephx-key-client-name external \
      --output-file ~/central/dcn_ceph_external.yaml
    3. 元のテンプレートを使用して中央サイトを再デプロイする際に、新たに作成した dcn_ceph_external.yaml および glance_update.yaml ファイルを追加します。

      openstack overcloud deploy \
             --stack central \
             --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ \
             -r ~/central/central_roles.yaml \
          ...
             -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml \
             -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/nova-az-config.yaml \
             -e ~/central/central-images-env.yaml \
             -e ~/central/role-counts.yaml \
             -e ~/central/site-name.yaml
             -e ~/central/ceph.yaml \
             -e ~/central/ceph_keys.yaml \
             -e ~/central/glance.yaml \
             -e ~/central/dcn_ceph_external.yaml

付録A デプロイメントの移行オプション

本項では、DCN ストレージの検証と、アーキテクチャーの移行または変更に関するトピックについて説明します。

A.1. エッジストレージの検証

中央サイトおよびエッジサイトのデプロイメントが機能していることを確認するには、glance マルチストアおよびインスタンスの作成をテストします。

ローカルのファイルシステム上または Web サーバーで利用可能なイメージを glance にインポートすることができます。

注記

中央サイトにイメージを使用するインスタンスがない場合でも、必ず中央サイトにイメージのコピーを保存してください。

前提条件

  1. glance stores-info コマンドを使用して、Image サービスを通じて利用可能なストアを確認します。以下の例では、central、dcn1、および dcn2 の 3 つのストアが利用可能です。これらは、それぞれ中央サイトおよびエッジサイトの glance ストアに対応します。

      $ glance stores-info
      +----------+----------------------------------------------------------------------------------+
      | Property | Value                                                                            |
      +----------+----------------------------------------------------------------------------------+
      | stores   | [{"default": "true", "id": "central", "description": "central rbd glance         |
      |          | store"}, {"id": "dcn0", "description": "dcn0 rbd glance store"},                 |
      |          | {"id": "dcn1", "description": "dcn1 rbd glance store"}]                          |
      +----------+----------------------------------------------------------------------------------+

A.1.1. ローカルファイルからのインポート

まず中央サイトのストアにイメージをアップロードし、続いてそれをリモートサイトにコピーする必要があります。

  1. イメージのファイルが RAW 形式であることを確認します。イメージが raw 形式でなければ、イメージを Image サービスにインポートする前に変換する必要があります。

    file cirros-0.5.1-x86_64-disk.img
    cirros-0.5.1-x86_64-disk.img: QEMU QCOW2 Image (v3), 117440512 bytes
    
    qemu-img convert -f qcow2 -O raw cirros-0.5.1-x86_64-disk.img cirros-0.5.1-x86_64-disk.raw
    Import the image into the default back end at the central site:
    glance image-create \
    --disk-format raw --container-format bare \
    --name cirros --file cirros-0.5.1-x86_64-disk.raw \
    --store central

A.1.2. Web サーバーからのイメージのインポート

イメージが Web サーバーでホストされている場合は、GlanceImageImportPlugins パラメーターを使用して複数のストアにイメージをアップロードすることができます。

この手順では、デフォルトのイメージ変換プラグインが glance で有効になっていることを前提としています。この機能により、QCOW2 ファイル形式が Ceph RBD に最適な RAW イメージに自動的に変換されます。glance image-show ID | grep disk_format を実行して、glance イメージが RAW 形式であることを確認することができます。

手順

  1. glance コマンドの image-create-via-import パラメーターを使用して、Web サーバーからイメージをインポートします。--stores パラメーターを使用します。

    # glance image-create-via-import \
    --disk-format qcow2 \
    --container-format bare \
    --name cirros \
    --uri http://download.cirros-cloud.net/0.4.0/cirros-0.4.0-x86_64-disk.img \
    --import-method web-download \
    --stores central,dcn1

    この例では、qcow2 cirros イメージが公式の Cirros サイトからダウンロードされ、glance により RAW に変換され、--stores パラメーターで指定した中央サイトおよびエッジサイト 1 にインポートされます。

あるいは、--stores--all-stores True に置き換えて、すべてのストアにイメージをアップロードすることができます。

A.1.3. 新規サイトへのイメージのコピー

既存のイメージを中央サイトからエッジサイトにコピーすることができます。これにより、新たに構築されたサイトにおいて、以前作成したイメージにアクセスすることができます。

  1. コピーの操作には、glance イメージの UUID を使用します。

    ID=$(openstack image show cirros -c id -f value)
    
    glance image-import $ID --stores dcn0,dcn1 --import-method copy-image
    注記

    この例では、--stores オプションにより、cirros イメージを中央サイトからエッジサイト dcn1 および dcn2 にコピーすることを指定しています。あるいは、--all-stores True オプションを使用して、現在イメージがアップロードされていないすべてのストアにイメージをアップロードすることができます。

  2. イメージが各ストアにコピーされていることを確認します。stores キー (属性マッピングの最後の項目) が central,dcn0,dcn1 に設定されている点に注意してください。

      $ openstack image show $ID | grep properties
      | properties       | direct_url=rbd://d25504ce-459f-432d-b6fa-79854d786f2b/images/8083c7e7-32d8-4f7a-b1da-0ed7884f1076/snap, locations=[{u'url: u'rbd://d25504ce-459f-432d-b6fa-79854d786f2b/images/8083c7e7-32d8-4f7a-b1da-0ed7884f1076/snap', u'metadata': {u'store': u'central'}}, {u'url': u'rbd://0c10d6b5-a455-4c4d-bd53-8f2b9357c3c7/images/8083c7e7-32d8-4f7a-b1da-0ed7884f1076/snap', u'metadata': {u'store': u'dcn0'}}, {u'url': u'rbd://8649d6c3-dcb3-4aae-8c19-8c2fe5a853ac/images/8083c7e7-32d8-4f7a-b1da-0ed7884f1076/snap', u'metadata': {u'store': u'dcn1'}}], os_glance_failed_import=', os_glance_importing_to_stores=', os_hash_algo='sha512, os_hash_value=b795f047a1b10ba0b7c95b43b2a481a59289dc4cf2e49845e60b194a911819d3ada03767bbba4143b44c93fd7f66c96c5a621e28dff51d1196dae64974ce240e, os_hidden=False, stores=central,dcn0,dcn1 |
注記

中央サイトにイメージを使用する仮想マシンがない場合でも、必ず中央サイトにイメージのコピーを保存してください。

A.1.4. エッジサイトのインスタンスがイメージベースのボリュームからブートできることの確認

エッジサイトでイメージを使用して、永続ルートボリュームを作成することができます。

手順

  1. ボリュームとして作成するイメージの ID を把握し、その ID を openstack volume create コマンドに渡します。

    IMG_ID=$(openstack image show cirros -c id -f value)
    openstack volume create --size 8 --availability-zone dcn0 pet-volume-dcn0 --image $IMG_ID
  2. 新たに作成したボリュームのボリューム ID を把握し、それを openstack server create コマンドに渡します。

    VOL_ID=$(openstack volume show -f value -c id pet-volume-dcn0)
    openstack server create --flavor tiny --key-name dcn0-key --network dcn0-network --security-group basic --availability-zone dcn0 --volume $VOL_ID pet-server-dcn0
  3. dcn0 エッジサイトの ceph-mon コンテナー内で rbd コマンドを実行してボリュームプールの一覧を表示し、ボリュームがイメージベースであることを確認できます。

    $ sudo podman exec ceph-mon-$HOSTNAME rbd --cluster dcn0 -p volumes ls -l
    NAME                                      SIZE  PARENT                                           FMT PROT LOCK
    volume-28c6fc32-047b-4306-ad2d-de2be02716b7 8 GiB images/8083c7e7-32d8-4f7a-b1da-0ed7884f1076@snap   2      excl
    $
  4. インスタンスのルートボリュームの cinder スナップショットを作成できることを確認します。クリーンなスナップショットを作成するために、サーバーを停止してデータが休止状態になるようにします。インスタンスが停止している場合ボリュームのステータスは in-use のままなので、--force オプションを使用します。

    openstack server stop pet-server-dcn0
    openstack volume snapshot create pet-volume-dcn0-snap --volume $VOL_ID --force
    openstack server start pet-server-dcn0
  5. dcn0 Ceph クラスターのボリュームプールの内容を一覧表示し、新たに作成したスナップショットを表示します。

    $ sudo podman exec ceph-mon-$HOSTNAME rbd --cluster dcn0 -p volumes ls -l
    NAME                                                                                      SIZE  PARENT                                           FMT PROT LOCK
    volume-28c6fc32-047b-4306-ad2d-de2be02716b7                                               8 GiB images/8083c7e7-32d8-4f7a-b1da-0ed7884f1076@snap   2      excl
    volume-28c6fc32-047b-4306-ad2d-de2be02716b7@snapshot-a1ca8602-6819-45b4-a228-b4cd3e5adf60 8 GiB images/8083c7e7-32d8-4f7a-b1da-0ed7884f1076@snap   2 yes

A.1.5. イメージのスナップショットを作成しサイト間でコピーできることの確認

  1. dcn0 サイトで新規イメージを作成できることを確認します。クリーンなスナップショットを作成するために、サーバーを停止してデータが休止状態になるようにします。

    NOVA_ID=$(openstack server show pet-server-dcn0 -f value -c id)
    openstack server stop $NOVA_ID
    openstack server image create --name cirros-snapshot $NOVA_ID
    openstack server start $NOVA_ID
  2. dcn0 エッジサイトから glance のデフォルトバックエンドであるハブサイトに、イメージをコピーして戻します。

    IMAGE_ID=$(openstack image show cirros-snapshot -f value -c id)
    glance image-import $IMAGE_ID --stores central --import-method copy-image

glance マルチストア操作の詳細については、「Image service with multiple stores」を参照してください。

A.2. スパイン/リーフ型デプロイメントへの移行

既存ネットワーク設定の既存クラウドを、スパイン/リーフ型アーキテクチャーのクラウドに移行することができます。そのためには、以下の条件が満たされている必要があります。

  • すべてのベアメタルポートで、physical-network 属性の値が ctlplane に設定されている。
  • undercloud.conf に追加されたパラメーター enable_routed_networkstrue に設定され、続いてアンダークラウドのインストールコマンド openstack undercloud install が再実行される。

アンダークラウドが再デプロイされると、オーバークラウドは 1 つのリーフ leaf0 が設定されたスパイン/リーフとみなされます。以下の手順で、さらにプロビジョニングリーフをデプロイメントに追加することができます。

  1. 「アンダークラウドでのルーティング対応スパイン/リーフの設定」に示すように、必要なサブネットを undercloud.conf に追加します。
  2. アンダークラウドのインストールコマンド openstack undercloud install を再実行します。
  3. 必要なネットワークおよびロールを、それぞれオーバークラウドのテンプレート network_data.yaml および roles_data.yaml にさらに追加します。

    注記

    ネットワーク設定ファイルで {{network.name}}InterfaceRoutes パラメーターを使用している場合は、NetworkDeploymentActions パラメーターに UPDATE の値が含まれるようにする必要があります。

      NetworkDeploymentActions: ['CREATE','UPDATE'])
  4. 最後に、クラウドデプロイメントに該当するすべての heat テンプレートが含まれるオーバークラウドのインストールスクリプトを再実行します。

A.3. マルチスタックデプロイメントへの移行

既存のデプロイメントを中央サイトとして扱い、さらにエッジサイトを追加して、単一スタックのデプロイメントからマルチスタックのデプロイメントに移行することができます。

単一スタックからマルチスタックに移行する機能は、本リリースでは テクノロジープレビュー であるため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト用途にのみご利用いただく機能で、実稼働環境にデプロイすべきではありません。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、「対象範囲の詳細」を参照してください。

既存のスタックを分割することはできません。必要に応じて、既存のスタックをスケールダウンしてコンピュートノードを削除することができます。その後、これらのコンピュートノードをエッジサイトに追加することができます。

注記

すべてのコンピュートノードが削除されると、このアクションによりワークロードが中断します。

A.4. エッジサイト間のバックアップおよびリストア

エッジサイトの分散コンピュートノード (DCN) アーキテクチャーおよびアベイラビリティーゾーン間で、Block Storage サービス (cinder) ボリュームをバックアップしてリストアすることができます。cinder-backup サービスは中央のアベイラビリティーゾーン (AZ) で実行され、バックアップは中央の AZ に保存されます。Block Storage サービスは、DCN サイトにバックアップを保存しません。

前提条件

  • 中央サイトが、/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments にある cinder-backup.yaml 環境ファイルでデプロイされている。詳しくは、「Block Storage backup service deployment」を参照してください。
  • Block Storage サービス (cinder) CLI が利用できる。
  • すべてのサイトは共通の openstack cephx クライアント名を使用する必要があります。詳細は、「外部アクセス用 Ceph キーの作成」を参照してください。

手順

  1. 最初の DCN サイトのボリュームのバックアップを作成します。

    $ cinder --os-volume-api-version 3.51 backup-create --name <volume_backup> --availability-zone <az_central> <edge_volume>
    • <volume_backup> をボリュームバックアップの名前に置き換えます。
    • <az_central> を、cinder-backup サービスをホストする中央アベイラビリティーゾーンの名前に置き換えます。
    • <edge_volume> をバックアップするボリュームの名前に置き換えます。

      注記

      Ceph キーリングに問題がある場合には、cinder-backup コンテナーを再起動して、キーリングがホストからコンテナーに正常にコピーされるようにする必要がある場合があります。

  2. 2 番目の DCN サイトの新規ボリュームにバックアップを復元します。

    $ cinder --os-volume-api-version 3.51 create --availability-zone <az_2> --name <new_volume> --backup-id <volume_backup> <volume_size>
    • <az_2> を、バックアップを復元するアベイラビリティーゾーンの名前に置き換えます。
    • <new_volume> を新規ボリュームの名前に置き換えます。
    • <volume_backup> を、前のステップで作成したボリュームバックアップの名前に置き換えます。
    • <volume_size> を、元のボリュームのサイズと同じまたはそれ以上の値に置き換えます (GB 単位)。