6.3. オーバークラウドのストレージ

注記

任意のドライバーまたはバックエンド種別のバックエンド cinder ボリュームを使用するゲストインスタンスで LVM を使用すると、パフォーマンス、ボリュームの可視性/可用性、およびデータ破損の問題が生じます。このような問題を軽減するには、LVM フィルターを使用します。詳しい情報は、『Storage Guide』「Back Ends」および KCS アーティクル「Using LVM on a cinder volume exposes the data to the host」を参照してください。

director には、オーバークラウド環境用にさまざまなストレージオプションが含まれています。

Ceph Storage ノード

director は、Red Hat Ceph Storage を使用して拡張可能なストレージノードセットを作成します。オーバークラウドは、以下のストレージ種別にこのノードを使用します。

  • イメージ: Image サービス (glance) は仮想マシンのイメージを管理します。イメージを変更することはできません。OpenStack はイメージバイナリーブロブとして処理し、それに応じてイメージをダウンロードします。Image サービス (glance) を使用して、Ceph ブロックデバイスにイメージを保管することができます。
  • ボリューム: OpenStack は Block Storage サービス (cinder) を使用してボリュームを管理します。Block Storage サービス (cinder) ボリュームはブロックデバイスです。OpenStack では、ボリュームを使用して仮想マシンをブートしたり、ボリュームを実行中の仮想マシンにアタッチしたりします。Block Storage サービスを使用して、イメージの Copy-on-Write クローンで仮想マシンをブートすることができます。
  • ファイルシステム: OpenStack は Shared File Systems サービス (manila) を使用して共有ファイルシステムを管理します。ファイル共有は、ファイルシステムによりバッキングされます。manila を使用して、Ceph Storage ノードにデータを保管する CephFS ファイルシステムにバッキングされる共有を管理することができます。
  • ゲストディスク: ゲストディスクは、ゲストオペレーティングシステムのディスクです。デフォルトでは、Compute サービス (nova) で仮想マシンをブートすると、仮想マシンのディスクはハイパーバイザーのファイルシステム上のファイルとして表示されます (通常 /var/lib/nova/instances/<uuid>/ 内)。Ceph 内にあるすべての仮想マシンは、Block Storage サービス (cinder) を使用せずにブートすることができます。これにより、ライブマイグレーションのプロセスを使用して、簡単にメンテナンス操作を実施することができます。また、ハイパーバイザーに障害が発生した場合には、nova evacuate をトリガーして仮想マシンを別の場所で実行することもできるので便利です。

    重要

    サポートされるイメージフォーマットの情報については、『Instances and Images Guide』「Image Service」の章を参照してください。

    Ceph Storage についての詳しい情報は、『Red Hat Ceph Storage アーキテクチャーガイド』を参照してください。

Swift Storage ノード
director は、外部オブジェクトストレージノードを作成します。これは、オーバークラウド環境でコントローラーノードをスケーリングまたは置き換える必要があるが、高可用性クラスター外にオブジェクトストレージを保持する必要がある場合に便利です。