11.5.2. ファイアウォールおよびインスタンスプロファイル

最も一般的なオペレーティングシステムには、追加のセキュリティー層用のホストベースのファイアウォールが含まれています。インスタンスはできるだけ少ないアプリケーションを実行すべきで (可能な場合、単一目的のインスタンスの観点で)、インスタンス上で実行されているすべてのアプリケーションは、アプリケーションがアクセスする必要のあるシステムリソース、それの実行に必要な権限の最低レベル、および仮想マシンから送受信されると予想されるネットワークトラフィックを決定するために、プロファイリングする必要があります。この予想されるトラフィックは、SSH または RDP などの必要なロギングおよび管理通信と共に、許可されるトラフィックとして (またはホワイトリスト化) ホストベースのファイアウォールに追加する必要があります。その他のトラフィックは、すべてファイアウォール設定で明示的に拒否する必要があります。

Linux インスタンスでは、上記のアプリケーションプロファイルを、audit2allow などのツールと併用して、ほとんどの Linux ディストリビューションで機密システム情報をさらに保護する SELinux ポリシーを構築することができます。SELinux は、ユーザー、ポリシー、およびセキュリティーコンテキストの組み合わせを使用して、アプリケーションの実行に必要なリソースを区分し、必要のない他のシステムリソースから分離します。

注記

Red Hat OpenStack Platform では、OpenStack サービス用にカスタマイズされるポリシーと共に、デフォルトで SELinux が有効化されます。必要に応じて、これらのポリシーを定期的に確認することを検討してください。

11.5.2.1. セキュリティーグループ

OpenStack は、特定のプロジェクトのインスタンスに厚い防御を追加するために、ホストとネットワークの両方にセキュリティーグループを提供します。これらは、ポート、プロトコル、およびアドレスに基づいて着信トラフィックを許可または拒否するため、ホストベースのファイアウォールと似ています。ただし、ホストベースのファイアウォールルールは、着信トラフィックと送信トラフィックの両方に適用できますが、セキュリティーグループルールは、着信トラフィックにのみ適用されます。ホストおよびネットワークセキュリティーグループルールが競合して、正当なトラフィックを拒否することもあります。使用されているネットワークに対して、セキュリティーグループが正しく設定されていることを確認することを検討してください。詳細は、本ガイドの「セキュリティーグループ」を参照してください。

注記

特に無効にする必要がある場合を除き、セキュリティーグループおよびポートセキュリティーを有効なままにしておくべきです。厚い防御のアプローチを構築するには、インスタンスに細かな粒度のルールを適用することが推奨されます。