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21.2. レイヤー 3 高可用性の概要
この active/passive の高可用性設定は、業界標準の VRRP (RFC 3768 で定義) を使用してテナントルーターと Floating IP アドレスを保護します。ノードの 1 つを active、残りを standby ロールとして機能するように指定することで、仮想ルーターは複数の OpenStack Networking ノードの間で無作為にスケジュールされます。
レイヤー 3 高可用性を正常にデプロイメントするには、冗長化された OpenStack Networking ノードにおいて、Floating IP 範囲や外部ネットワークへのアクセスなど、同様の設定を維持する必要があります。
以下の図では、アクティブなルーター 1 とルーター 2 が別個の物理 L3 エージェントノード上で稼働しています。レイヤー 3 高可用性には、対応するノードの仮想ルーターのバックアップがスケジュールされており、物理ノードに障害が発生した場合にサービスを再開する準備が整っています。L3 エージェントノードに障害が発生すると、レイヤー 3 高可用性は影響を受けた仮想ルーターと Floating IP アドレスを稼働中のノードに再スケジュールします。
フェイルオーバーのイベント時には、Floating IP 経由のインスタンスの TCP セッションは影響を受けず、中断なしで新しい L3 ノードに移行されます。SNAT トラフィックのみがフェイルオーバーイベントからの影響を受けます。
active/active HA モードの場合には、L3 エージェント自体はさらに保護されます。
21.2.1. フェイルオーバーの状況
レイヤー 3 高可用性は、以下のイベントにおいて保護リソースのリスケジュールを自動的に行います。
- ハードウェアの障害が原因で L3 エージェントノードがシャットダウンするか、停電した場合
- L3 エージェントノードは、物理ネットワークから分離され、接続が切断された場合
L3 エージェントサービスを手動で停止しても、フェイルオーバーのイベントが開始される訳ではありません。