Red Hat Training

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第4章 director のインストール

4.1. director の設定

director のインストールプロセスには、ネットワーク設定を判断する特定の設定が必要です。この設定は、stack ユーザーのホームディレクトリーに undercloud.conf として配置されているテンプレートに保存されています。以下の手順では、デフォルトのテンプレートをベースに使用して設定を行う方法についてを説明します。

手順

  1. Red Hat は、インストールに必要な設定を判断しやすいように、基本テンプレートを提供しています。このテンプレートは、stack ユーザーのホームディレクトリーにコピーします。

    [stack@director ~]$ cp \
      /usr/share/python-tripleoclient/undercloud.conf.sample \
      ~/undercloud.conf
  2. undercloud.conf ファイルを編集します。このファイルには、アンダークラウドを設定するための設定値が含まれています。パラメーターを省略したり、コメントアウトした場合には、アンダークラウドのインストールでデフォルト値が使用されます。

4.2. director の設定パラメーター

undercloud.conf ファイルで設定するパラメーターの一覧を以下に示します。

デフォルト

undercloud.conf ファイルの [DEFAULT] セクションで定義されているパラメーターを以下に示します。

additional_architectures

オーバークラウドがサポートする追加の (カーネル) アーキテクチャーの一覧。現在、このパラメーターの値は ppc64le だけに制限されています。

注記

ppc64le のサポートを有効にする場合には、ipxe_enabledFalse に設定する必要もあります。

certificate_generation_ca
要求した証明書を署名する CA の certmonger のニックネーム。generate_service_certificate パラメーターを設定した場合のみこのオプションを使用します。local CA を選択する場合は、certmonger はローカルの CA 証明書を /etc/pki/ca-trust/source/anchors/cm-local-ca.pem に抽出して、トラストチェーンに追加します。
clean_nodes
デプロイメントを再実行する前とイントロスペクションの後にハードドライブを消去するかどうかを定義します。
cleanup
一時ファイルをクリーンナップします。このパラメーターを False に設定すると、デプロイメント時に使用した一時ファイルをコマンド実行後もそのまま残します。ファイルを残すと、生成されたファイルのデバッグを行う場合やエラーが発生した場合に役に立ちます。
container_images_file

コンテナーイメージ情報が含まれる Heat 環境ファイル。このパラメーターは、以下のいずれかに設定します。

  • 必要なすべてのコンテナーイメージのパラメーター。
  • 必要なイメージの準備を実施する ContainerImagePrepare パラメーター。このパラメーターが含まれるファイルの名前は、通常 containers-prepare-parameter.yaml です。
custom_env_files
アンダークラウドのインストールに追加する新たな環境ファイル。
deployment_user
アンダークラウドをインストールするユーザー。現在のデフォルトユーザー (stack) を使用する場合には、このパラメーターを未設定のままにします。
discovery_default_driver
自動的に登録されたノードのデフォルトドライバーを設定します。enable_node_discovery を有効にし、enabled_hardware_types ファイルにドライバーを含める必要があります。
docker_insecure_registries
使用する docker のセキュアではないレジストリーの一覧。プライベートコンテナーレジストリー等の別のソースからイメージをプルする場合には、通常このパラメーターが必要になります。多くの場合、docker は Red Hat Container Catalog または Satellite サーバー (アンダークラウドが登録されている場合) のどちらかからコンテナーイメージをプルするための証明書を持ちます。
docker_registry_mirror
/etc/docker/daemon.json で設定されるオプションの registry-mirror
enable_ironic、enable_ironic_inspector、enable_mistral、enable_tempest、enable_validations、enable_zaqar
director で有効にするコアサービスを定義します。true に設定されたままにします。
enable_ui
director の Web UI をインストールするかどうかを定義します。これにより、グラフィカル Web インターフェースを使用して、オーバークラウドのプランニングやデプロイメントが可能になります。UI は、undercloud_service_certificate または generate_service_certificate のいずれかを使用して SSL/TLS を有効にしている場合にのみ使用できる点にご注意ください。
enable_node_discovery
イントロスペクションの ramdisk を PXE ブートする不明なノードを自動的に登録します。新規ノードは、fake_pxe ドライバーをデフォルトとして使用しますが、discovery_default_driver を設定して上書きすることもできます。また、イントロスペクションルールを使用して、新しく登録したノードにドライバーの情報を指定することもできます。
enable_novajoin
アンダークラウドの novajoin メタデータサービスをインストールするかどうかを定義します。
enable_routed_networks
ルーティングされたコントロールプレーンネットワークのサポートを有効にします。
enable_swift_encryption
保存データの Swift 暗号化を有効にするかどうかを定義します。
enable_telemetry
アンダークラウドに OpenStack Telemetry サービス (ceilometer、aodh、panko、gnocchi) をインストールするかどうかを定義します。Red Hat OpenStack Platform では、Telemetry のメトリックバックエンドは gnocchi によって提供されます。enable_telemetry パラメーターを true に設定すると、Telemetry サービスが自動的にインストール/設定されます。デフォルト値は false で、アンダークラウド上の telemetry が無効になります。このパラメーターは、Red Hat CloudForms などのメトリックデータを消費する他の製品を使用している場合に必要です。
enabled_hardware_types
アンダークラウドで有効にするハードウェアタイプの一覧。
generate_service_certificate
アンダークラウドのインストール時に SSL/TLS 証明書を生成するかを定義します。これは undercloud_service_certificate パラメーターに使用します。アンダークラウドのインストールで、作成された証明書 /etc/pki/tls/certs/undercloud-[undercloud_public_vip].pem を保存します。certificate_generation_ca パラメーターで定義される CA はこの証明書を署名します。
heat_container_image
使用する heat コンテナーイメージの URL。未設定のままにします。
heat_native
ネイティブの heat テンプレートを使用します。true のままにします。
hieradata_override
hieradata オーバーライドファイルへのパス。設定されている場合は、アンダークラウドのインストールでこのファイルが /etc/puppet/hieradata にコピーされ、この階層の最初のファイルとして設定されます。サービスに対して、undercloud.conf パラメーター以外に、サービスに対するカスタム設定を行うには、これを使用します。
inspection_extras
イントロスペクション時に追加のハードウェアコレクションを有効化するかどうかを定義します。イントロスペクションイメージでは python-hardware または python-hardware-detect パッケージが必要です。
inspection_interface
ノードのイントロスペクションに director が使用するブリッジ。これは、director の設定により作成されるカスタムのブリッジです。LOCAL_INTERFACE でこのブリッジをアタッチします。これは、デフォルトの br-ctlplane のままにします。
inspection_runbench
ノードのイントロスペクション時に一連のベンチマークを実行します。有効にするには、true に設定します。このオプションは、登録ノードのハードウェアを検査する際にベンチマーク分析を実行する場合に必要です。
ipa_otp
IPA サーバーにアンダークラウドノードを登録するためのワンタイムパスワードを定義します。これは、enable_novajoin が有効な場合に必要です。
ipxe_enabled
iPXE と標準の PXE のどちらを使用するかを定義します。デフォルトは true で、iPXE を有効にします。標準の PXE を選択するには、false に設定します。
local_interface

director のプロビジョニング NIC 用に選択するインターフェース。これは、director が DHCP および PXE ブートサービスに使用するデバイスでもあります。どのデバイスが接続されているかを確認するには、ip addr コマンドを使用します。以下に ip addr コマンドの出力結果の例を示します。

2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP qlen 1000
    link/ether 52:54:00:75:24:09 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 192.168.122.178/24 brd 192.168.122.255 scope global dynamic eth0
       valid_lft 3462sec preferred_lft 3462sec
    inet6 fe80::5054:ff:fe75:2409/64 scope link
       valid_lft forever preferred_lft forever
3: eth1: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noop state DOWN
    link/ether 42:0b:c2:a5:c1:26 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

この例では、外部 NIC は eth0 を、プロビジョニング NIC は未設定の eth1 を使用します。今回は、local_interfaceeth1 に設定します。この設定スクリプトにより、このインターフェースが inspection_interface パラメーターで定義したカスタムのブリッジにアタッチされます。

local_ip
director のプロビジョニング NIC 用に定義する IP アドレス。これは、director が DHCP および PXE ブートサービスに使用する IP アドレスでもあります。環境内の既存の IP アドレスまたはサブネットと競合するなど、プロビジョニングネットワークに別のサブネットを使用する場合以外は、この値はデフォルトの 192.168.24.1/24 のままにします。
local_mtu
local_interface に使用する MTU。
local_subnet
PXE ブートと DHCP インターフェースに使用するローカルサブネット。local_ip アドレスがこのサブネットに含まれている必要があります。デフォルトは ctlplane-subnet です。
net_config_override
ネットワーク設定のオーバーライドテンプレートへのパス。これが設定されている場合にはアンダークラウドは JSON 形式のテンプレートを使用して os-net-config でネットワークを設定します。これは、undercloud.conf に設定されているネットワークパラメーターを無視します。/usr/share/python-tripleoclient/undercloud.conf.sample の例を参照してください。
output_dir
状態、処理された heat テンプレート、および Ansible デプロイメントファイルを出力するディレクトリー。
overcloud_domain_name

オーバークラウドのデプロイ時に使用する DNS ドメイン名。

注記

オーバークラウドのパラメーター CloudDomain は対応する一致する値に設定する必要があります。

roles_file
オーバークラウドのインストールで上書きするロールファイル。director のインストールにデフォルトのロールファイルが使用されるように、未設定のままにすることを強く推奨します。
scheduler_max_attempts
スケジューラーがインスタンスのデプロイを試行する最大回数。これは、スケジューリング時に競合状態にならないように、1 度にデプロイする予定のベアメタルノードの数以上に指定するようにしてください。
service_principal
この証明書を使用するサービスの Kerberos プリンシパル。CA で FreeIPA などの Kerberos プリンシパルが必要な場合にのみ使用します。
subnets
プロビジョニングおよびイントロスペクション用のルーティングネットワークのサブネットの一覧。詳しくは、「サブネット」を参照してください。デフォルト値に含まれるのは、ctlplane-subnet サブネットのみです。
templates
上書きするヒートテンプレートファイル。
undercloud_admin_host
SSL/TLS を使用する際に、director の管理 API 用に定義する IP アドレス。これは、SSL/TLS で管理エンドポイントにアクセスするための IP アドレスです。director の設定により、この IP アドレスは /32 ネットマスクを使用するルーティングされた IP アドレスとしてソフトウェアブリッジに接続されます。
undercloud_debug
アンダークラウドサービスのログレベルを DEBUG に設定します。この値は true に設定して有効化します。
undercloud_enable_selinux
デプロイメント時に、SELinux を有効または無効にします。問題をデバッグする場合以外は、true に設定されたままにすることを強く推奨します。
undercloud_hostname
アンダークラウドの完全修飾ホスト名を定義します。設定されている場合には、アンダークラウドのインストールで全システムのホスト名が設定されます。設定されていない場合には、アンダークラウドは現在のホスト名を使用しますが、ユーザーは適切に全システムのホスト名の設定を行う必要があります。
undercloud_log_file
アンダークラウドのインストール/アップグレードログを保管するログファイルへのパス。デフォルトでは、ログファイルはホームディレクトリー内の install-undercloud.log です (例: /home/stack/install-undercloud.log)。
undercloud_nameservers
アンダークラウドのホスト名解決に使用する DNS ネームサーバーの一覧
undercloud_ntp_servers
アンダークラウドの日付と時間を同期できるようにする Network Time Protocol サーバーの一覧
undercloud_public_host
SSL/TLS を使用する際に、director のパブリック API 用に定義する IP アドレス。これは、SSL/TLS で外部の director エンドポイントにアクセスするための IP アドレスです。director の設定により、この IP アドレスは /32 ネットマスクを使用するルーティングされた IP アドレスとしてソフトウェアブリッジに接続されます。
undercloud_service_certificate
OpenStack SSL/TLS 通信の証明書の場所とファイル名。理想的には、信頼できる認証局からこの証明書を取得します。それ以外の場合は、独自の自己署名の証明書を作成します。
undercloud_update_packages
アンダークラウドのインストール時にパッケージを更新するかどうかを定義します。

サブネット

undercloud.conf ファイルには、各プロビジョニングサブネットの名前が付いたセクションがあります。たとえば、ctlplane-subnet という名前のサブネットを作成するとセクションは以下のようになります。

[ctlplane-subnet]
cidr = 192.168.24.0/24
dhcp_start = 192.168.24.5
dhcp_end = 192.168.24.24
inspection_iprange = 192.168.24.100,192.168.24.120
gateway = 192.168.24.1
masquerade = true

プロビジョニングネットワークは、環境に応じて、必要なだけ指定することができます。

gateway
オーバークラウドインスタンスのゲートウェイ。外部ネットワークにトラフィックを転送するアンダークラウドのホストです。director に別の IP アドレスを使用する場合または外部ゲートウェイを直接使用する場合以外は、この値はデフォルト (192.168.24.1) のままにします。
注記

director の設定は、適切な sysctl カーネルパラメーターを使用して IP フォワーディングも自動的に有効にします。

cidr
オーバークラウドインスタンスの管理に director が使用するネットワーク。これは、アンダークラウドの neutron が管理するプロビジョニングネットワークです。プロビジョニングネットワークに別のサブネットを使用しない限り、この値はデフォルト (192.168.24.0/24) のままにします。
masquerade
外部アクセス向けに、cidr で定義したネットワークをマスカレードするかどうかを定義します。このパラメーターにより、director 経由で外部ネットワークにアクセスすることができるように、プロビジョニングネットワークにネットワークアドレス変換 (NAT) の一部メカニズムが提供されます。
dhcp_start; dhcp_end
オーバークラウドノードの DHCP 割り当て範囲 (開始アドレスと終了アドレス)。ノードを割り当てるのに十分な IP アドレスがこの範囲に含まれるようにします。

これらのパラメーターの値は、構成に応じて変更してください。完了したら、ファイルを保存します。

4.3. director のインストール

以下の手順では、director をインストールしてインストール後の基本的なタスクを実行します。

手順

  1. 以下のコマンドを実行して、アンダークラウドに director をインストールします。

    [stack@director ~]$ openstack undercloud install

    このコマンドで、director の設定スクリプトを起動します。director により、追加のパッケージがインストールされ、undercloud.conf の設定に合わせてサービスを設定します。このスクリプトは、完了までに数分かかります。

    スクリプトにより、完了時には 2 つのファイルが生成されます。

    • undercloud-passwords.conf: director サービスの全パスワード一覧
    • stackrc: director のコマンドラインツールへアクセスできるようにする初期化変数セット
  2. このスクリプトは、全 OpenStack Platform サービスのコンテナーも自動的に起動します。以下のコマンドを使用して、有効化されたコンテナーを確認してください。

    [stack@director ~]$ sudo docker ps
  3. スクリプトにより、docker グループに stack ユーザーも追加され、その stack ユーザーはコンテナー管理コマンドを使用できるようになります。stack ユーザーのアクセス権限を最新の状態に更新するには、以下のコマンドを実行します。

    [stack@director ~]$ exec su -l stack

    このコマンドでは再度ログインを要求されます。stack ユーザーのパスワードを入力します。

  4. stack ユーザーを初期化してコマンドラインツールを使用するには、以下のコマンドを実行します。

    [stack@director ~]$ source ~/stackrc

    プロンプトには、OpenStack コマンドがアンダークラウドに対して認証および実行されることが表示されるようになります。

    (undercloud) [stack@director ~]$

director のインストールが完了しました。これで、director のコマンドラインツールが使用できるようになりました。

4.4. オーバークラウドノードのイメージの取得

director では、オーバークラウドのノードをプロビジョニングする際に、複数のディスクが必要です。必要なディスクは以下のとおりです。

  • イントロスペクションのカーネルおよび ramdisk: PXE ブートでベアメタルシステムのイントロスペクションに使用
  • デプロイメントカーネルおよび ramdisk: システムのプロビジョニングおよびデプロイメントに使用
  • オーバークラウドカーネル、ramdisk、完全なイメージ: ノードのハードディスクに書き込まれるベースのオーバークラウドシステム

以下の手順は、これらのイメージの取得およびインストールの方法について説明します。

4.4.1. 単一アーキテクチャーのオーバークラウド

デプロイメントおよびオーバークラウドには、以下のイメージおよび手順が必要です。

手順

  1. stackrc ファイルを読み込んで、director のコマンドラインツールを有効にします。

    [stack@director ~]$ source ~/stackrc
  2. rhosp-director-images および rhosp-director-images-ipa パッケージをインストールします。

    (undercloud) [stack@director ~]$ sudo yum install rhosp-director-images rhosp-director-images-ipa
  3. stack ユーザーのホームの images ディレクトリー (/home/stack/images) にイメージアーカイブを展開します。

    (undercloud) [stack@director ~]$ cd ~/images
    (undercloud) [stack@director images]$ for i in /usr/share/rhosp-director-images/overcloud-full-latest-14.0.tar /usr/share/rhosp-director-images/ironic-python-agent-latest-14.0.tar; do tar -xvf $i; done
  4. これらのイメージを director にインポートします。

    (undercloud) [stack@director images]$ openstack overcloud image upload --image-path /home/stack/images/

    このコマンドにより、以下のイメージが director にアップロードされます。

    • bm-deploy-kernel
    • bm-deploy-ramdisk
    • overcloud-full
    • overcloud-full-initrd
    • overcloud-full-vmlinuz

    スクリプトにより、director の PXE サーバー上にイントロスペクションイメージもインストールされます。

  5. これらのイメージが正常にアップロードされたことを確認するには、以下のコマンドを実行します。

    (undercloud) [stack@director images]$ openstack image list
    +--------------------------------------+------------------------+
    | ID                                   | Name                   |
    +--------------------------------------+------------------------+
    | 765a46af-4417-4592-91e5-a300ead3faf6 | bm-deploy-ramdisk      |
    | 09b40e3d-0382-4925-a356-3a4b4f36b514 | bm-deploy-kernel       |
    | ef793cd0-e65c-456a-a675-63cd57610bd5 | overcloud-full         |
    | 9a51a6cb-4670-40de-b64b-b70f4dd44152 | overcloud-full-initrd  |
    | 4f7e33f4-d617-47c1-b36f-cbe90f132e5d | overcloud-full-vmlinuz |
    +--------------------------------------+------------------------+

    この一覧には、イントロスペクションの PXE イメージは表示されません。director は、これらのファイルを /httpboot にコピーします。

    (undercloud) [stack@director images]$ ls -l /httpboot
    total 341460
    -rwxr-xr-x. 1 root              root                5153184 Mar 31 06:58 agent.kernel
    -rw-r--r--. 1 root              root              344491465 Mar 31 06:59 agent.ramdisk
    -rw-r--r--. 1 ironic-inspector  ironic-inspector        337 Mar 31 06:23 inspector.ipxe

4.4.2. 複数のアーキテクチャーのオーバークラウド

デプロイメントおよびオーバークラウドには、以下のイメージおよび手順が必要です。

手順

  1. stackrc ファイルを読み込んで、director のコマンドラインツールを有効にします。

    [stack@director ~]$ source ~/stackrc
  2. rhosp-director-images-all パッケージをインストールします。

    (undercloud) [stack@director ~]$ sudo yum install rhosp-director-images-all
  3. アーキテクチャー個別のディレクトリーにアーカイブを展開します。このディレクトリーは、stack ユーザーのホームの images ディレクトリー (/home/stack/images) 下に作成します。

    (undercloud) [stack@director ~]$ cd ~/images
    (undercloud) [stack@director images]$ for arch in x86_64 ppc64le ; do mkdir $arch ; done
    (undercloud) [stack@director images]$ for arch in x86_64 ppc64le ; do for i in /usr/share/rhosp-director-images/overcloud-full-latest-14.0-${arch}.tar /usr/share/rhosp-director-images/ironic-python-agent-latest-14.0-${arch}.tar ; do tar -C $arch -xf $i ; done ; done
  4. これらのイメージを director にインポートします。

    (undercloud) [stack@director ~]$ cd ~/images
    (undercloud) [stack@director images]$ openstack overcloud image upload --image-path ~/images/ppc64le --architecture ppc64le --whole-disk --http-boot /tftpboot/ppc64le
    (undercloud) [stack@director images]$ openstack overcloud image upload --image-path ~/images/x86_64/ --http-boot /tftpboot

    このコマンドにより、以下のイメージが director にアップロードされます。

    • bm-deploy-kernel
    • bm-deploy-ramdisk
    • overcloud-full
    • overcloud-full-initrd
    • overcloud-full-vmlinuz
    • ppc64le-bm-deploy-kernel
    • ppc64le-bm-deploy-ramdisk
    • ppc64le-overcloud-full

      スクリプトにより、director の PXE サーバー上にイントロスペクションイメージもインストールされます。

  5. これらのイメージが正常にアップロードされたことを確認するには、以下のコマンドを実行します。

    (undercloud) [stack@director images]$ openstack image list
    +--------------------------------------+---------------------------+--------+
    | ID                                   | Name                      | Status |
    +--------------------------------------+---------------------------+--------+
    | 6d1005ba-ec82-473b-8e33-88aadb5b6792 | bm-deploy-kernel          | active |
    | fb723b33-9f11-45f5-b25b-c008bf509290 | bm-deploy-ramdisk         | active |
    | 6a6096ba-8f79-4343-b77c-4349f7b94960 | overcloud-full            | active |
    | de2a1bde-9351-40d2-bbd7-7ce9d6eb50d8 | overcloud-full-initrd     | active |
    | 67073533-dd2a-4a95-8e8b-0f108f031092 | overcloud-full-vmlinuz    | active |
    | 69a9ffe5-06dc-4d81-a122-e5d56ed46c98 | ppc64le-bm-deploy-kernel  | active |
    | 464dd809-f130-4055-9a39-cf6b63c1944e | ppc64le-bm-deploy-ramdisk | active |
    | f0fedcd0-3f28-4b44-9c88-619419007a03 | ppc64le-overcloud-full    | active |
    +--------------------------------------+---------------------------+--------+

    この一覧には、イントロスペクションの PXE イメージは表示されません。director は、これらのファイルを /tftpboot にコピーします。

    (undercloud) [stack@director images]$ ls -l /tftpboot /tftpboot/ppc64le/
    /tftpboot:
    total 422624
    -rwxr-xr-x. 1 root   root     6385968 Aug  8 19:35 agent.kernel
    -rw-r--r--. 1 root   root   425530268 Aug  8 19:35 agent.ramdisk
    -rwxr--r--. 1 ironic ironic     20832 Aug  8 02:08 chain.c32
    -rwxr--r--. 1 ironic ironic    715584 Aug  8 02:06 ipxe.efi
    -rw-r--r--. 1 root   root          22 Aug  8 02:06 map-file
    drwxr-xr-x. 2 ironic ironic        62 Aug  8 19:34 ppc64le
    -rwxr--r--. 1 ironic ironic     26826 Aug  8 02:08 pxelinux.0
    drwxr-xr-x. 2 ironic ironic        21 Aug  8 02:06 pxelinux.cfg
    -rwxr--r--. 1 ironic ironic     69631 Aug  8 02:06 undionly.kpxe
    
    /tftpboot/ppc64le/:
    total 457204
    -rwxr-xr-x. 1 root             root              19858896 Aug  8 19:34 agent.kernel
    -rw-r--r--. 1 root             root             448311235 Aug  8 19:34 agent.ramdisk
    -rw-r--r--. 1 ironic-inspector ironic-inspector       336 Aug  8 02:06 default
注記

デフォルトの overcloud-full.qcow2 イメージは、フラットなパーティションイメージですが、ディスクイメージ全体をインポート、使用することも可能です。詳しい情報は、「付録C 完全なディスクイメージ」を参照してください。

4.5. コントロールプレーン用のネームサーバーの設定

オーバークラウドで cdn.redhat.com などの外部のホスト名を解決する予定の場合は、オーバークラウドノード上にネームサーバーを設定することを推奨します。ネットワークを分離していない標準のオーバークラウドの場合には、ネームサーバーはアンダークラウドのコントロールプレーンのサブネットを使用して定義されます。環境でネームサーバーを定義するには、以下の手順に従ってください。

手順

  1. stackrc ファイルを読み込んで、director のコマンドラインツールを有効にします。

    [stack@director ~]$ source ~/stackrc
  2. ctlplane-subnet サブネット用のネームサーバーを設定します。

    (undercloud) [stack@director images]$ openstack subnet set --dns-nameserver [nameserver1-ip] --dns-nameserver [nameserver2-ip] ctlplane-subnet

    各ネームサーバーに --dns-nameserver オプションを使用します。

  3. サブネットを表示してネームサーバーを確認します。

    (undercloud) [stack@director images]$ openstack subnet show ctlplane-subnet
    +-------------------+-----------------------------------------------+
    | Field             | Value                                         |
    +-------------------+-----------------------------------------------+
    | ...               |                                               |
    | dns_nameservers   | 8.8.8.8                                       |
    | ...               |                                               |
    +-------------------+-----------------------------------------------+
重要

サービストラフィックを別のネットワークに分離する場合は、オーバークラウドのノードはネットワーク環境ファイルの DnsServers パラメーターを使用します。

4.6. 次のステップ

これで director の設定およびインストールが完了しました。次の章では、ノードの登録、検査、さまざまなノードロールのタグ付けなど、オーバークラウドの基本的な設定について説明します。