第10章 レイヤー 7 負荷分散の実装
レイヤー 7 ポリシーと共に Red Hat OpenStack Platform Load-balancing サービス (octavia) を使用して、ビジネスニーズに応じた複数の条件により、HTTP リクエストを特定のアプリケーションサーバープールにリダイレクトすることができます。
- 「レイヤー 7 の負荷分散について」
- 「Load-balancing サービスでのレイヤー 7 負荷分散」
- 「レイヤー 7 負荷分散ルール」
- 「レイヤー 7 負荷分散ルールの種別」
- 「レイヤー 7 負荷分散ルール比較の種別」
- 「レイヤー 7 負荷分散ルールの結果の反転」
- 「レイヤー 7 負荷分散ポリシー」
- 「レイヤー 7 負荷分散ポリシーのロジック」
- 「レイヤー 7 負荷分散ポリシーのアクション」
- 「レイヤー 7 負荷分散ポリシーの位置」
- 「セキュアではない HTTP リクエストのセキュアな HTTP へのリダイレクト」
- 「開始パスに基づくリクエストのプールへのリダイレクト」
- 「特定プールへのサブドメインリクエストの送信」
- 「ホスト名末尾に基づくリクエストの特定プールへの送信」
- 「ブラウザークッキーが存在しないことに基づくリクエストの特定プールへの送信」
- 「ブラウザークッキーが存在しないことまたは無効なクッキー値に基づくリクエストの特定プールへの送信」
- 「名前がホスト名およびパスと一致するリクエストのプールへの送信」
- 「cookie を使用して既存の本番サイトで AB テストを設定」
10.1. レイヤー 7 の負荷分散について
レイヤー 7 (L7) の負荷分散は、Open Systems Interconnection (OSI) モデルからその名前を取ります。ロードバランサーは、レイヤー 7 (アプリケーション) データに基づいてリクエストをバックエンドアプリケーションサーバープールに分散します。リクエストスイッチング、アプリケーションロードバランシング、および コンテンツベースのルーティング、スイッチング、または バランシング は、すべて L7 負荷分散を意味する用語です。Red Hat OpenStack Platform Load-balancing サービス (octavia) は、L7 負荷分散の堅牢なサポートを提供します。
UDP ロードバランサーで L7 ポリシーおよびルールを作成することはできません。
L7 ロードバランサーは、数多くのバックエンドプールの代わりにリクエストを受け入れ、アプリケーションデータを使用してそれぞれのリクエストを処理するプールを決定するポリシーに基づいてこれらのリクエストを分散するリスナーで設定されます。これにより、アプリケーションインフラストラクチャーを、特定の種別のコンテンツに対応できるように具体的に調整および最適化することができます。たとえば、バックエンドサーバーの 1 つのグループ (プール) をイメージのみに対応するように調整し、別のグループを PHP や ASP などのサーバー側のスクリプト言語の実行用に、さらに別のグループを HTML、CSS、JavaScript などの静的コンテンツ用に調整することができます。
下位レベルの負荷分散と異なり、L7 負荷分散機能では、負荷分散サービスの背後にあるすべてのプールが同じコンテンツを持つ必要はありません。L7 ロードバランサーは、アプリケーションメッセージ内の URI、ホスト、HTTP ヘッダー、およびその他のデータに基づいてリクエストを送信できます。