第5章 復元手順の実行

更新またはアップグレード中にエラーが発生した場合には、アンダークラウドもしくはオーバークラウドのコントロールプレーンノードのいずれか (またはその両方) をリストアして、以前の状態にすることができます。復元手順の一部として Galera クラスターが自動的に復元されない場合は、クラスターを手動で復元する必要があります。

コロケーションされた Ceph モニターを持つアンダークラウドまたはオーバークラウドのコントロールプレーンノードを復元することもできます。

注記

ISO ファイルからブートする場合には、アンダークラウドおよびオーバークラウドが NFS サーバーにアクセスできるようにします。

以下の一般的な手順を使用します。

  1. ブート可能な ISO イメージを DVD に書き込むか、または ILO リモートアクセスを通じてイメージを読み込みます。
  2. リカバリーメディアからリストアが必要なノードをブートします。
  3. Recover <HOSTNAME> を選択します。<HOSTNAME> は復元するノードの名前に置き換えてください。
  4. ユーザー root としてログオンします。
  5. バックアップを復元します。

5.1. アンダークラウドの復元

Fast Forward Upgrade を実施中にエラーが発生した場合には、「アンダークラウドのバックアップ」に記載の手順により作成した ISO イメージを使用して、アンダークラウドノードを以前に保存した状態にリストアすることができます。バックアップの手順により、ISO イメージは「バックアップディレクトリーの作成およびエクスポート」のステップで作成したバックアップノードのフォルダーに保存されます。

手順

  1. アンダークラウドノードをシャットダウンします。次のステップに進む前に、アンダークラウドノードが完全にシャットダウンされていることを確認します。
  2. バックアッププロセス中に作成した ISO イメージを使用してアンダークラウドノードをブートし、リストアします。ISO イメージは、バックアップノードの /ctl_plane_backups ディレクトリーにあります。
  3. Relax-and-Recover ブートメニューが表示されたら、Recover <UNDERCLOUD_NODE> を選択します。<UNDERCLOUD_NODE> は、アンダークラウドノードの名前になります。
  4. root ユーザーとしてログインします。

    以下のメッセージが表示されます。

    Welcome to Relax-and-Recover. Run "rear recover" to restore your system!
    RESCUE <UNDERCLOUD_NODE>:~ # rear recover

    イメージのリストアがすぐに行われます。完了すると、コンソールは以下のメッセージを受信します。

    Finished recovering your system
    Exiting rear recover
    Running exit tasks
  5. コマンドラインインターフェイスが利用できる状態になったら、イメージのリストアプロセスは完了です。ノードの電源をオフにします。

    RESCUE <UNDERCLOUD_NODE>:~ #  poweroff

    ノードをブートすると、以前の状態で再開されます。