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4.7. RHBA-2019:0068: Red Hat OpenStack Platform 13 のバグ修正および機能拡張アドバイザリー

本項に記載するバグは、アドバイザリー RHBA-2019:0068 で対応しています。このアドバイザリーについての詳しい情報は、RHBA-2019:0068 - Bug Fix Advisory を参照してください。

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以前のリリースでは、アンダークラウドからノードを更新すると、capabilities フィールドの値が文字列値のタイプに変換されないことがありました。このバグ修正により、ノードの更新時に capabilities フィールドが必ず文字列値のタイプに変換されるようになりました。

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今回の機能拡張で、パラメーター NeutronOVSTunnelCsum が追加されました。これにより、heat テンプレートで neutron::agents::ml2::ovs::tunnel_csum を設定することができます。このパラメーターにより、OVS エージェントの発信 IP パケットを転送する GRE/VXLAN トンネルのトンネルヘッダーチェックサムを設定または削除します。

コントローラーを置き換える際に OpenDaylight (ODL) の設定ファイルは再生成されないので、更新に失敗していました。今回の修正で /opt/opendaylight/data がホストからアンマウントされ、再デプロイメント時に設定ファイルが再生成されるようになりました。

以前のリリースでは、OpenStack Platform director は、Block Storage (Cinder) が Nova の要権限 API を使用するボリュームにアクセスするための認証データを設定していませんでした。このため、これらのボリュームに関する操作 (例: 使用中のボリュームの移行) に失敗していました。

今回のバグ修正で、Cinder に Nova の認証データを設定する機能が追加されました。その結果、これらの認証情報により要権限 API を使用するボリュームに関する操作を実施できるようになりました。

Ironic が設定されたコンテナー化デプロイメントにアップグレードする際に TFTP サーバーが正しくシャットダウンせず、アップグレードに失敗していました。今回の修正で TFTP サーバーのシャットダウンプロセスが見直されました。その結果、サーバーがポートをリッスンできるので、アップグレードが正常に完了するようになりました。

以前のリリースでは、ODL の Open vSwitch 停止状態検出タイマーの値が大規模なデプロイメントには不十分なため、タイマーのカウントアップ後に ODL L2 エージェントがオフラインと識別されていました。

今回の修正で、停止状態検出タイマーのデフォルト期間が延長され、OpenDaylightInactivityProbe heat パラメーターを使用して director からタイマーを設定する機能が追加されました。デフォルト値は 180 秒です。

RabbitMQ コンテナーの Pacemaker ログファイルの場所が正しく設定されていなかったため、不要なログファイルが /var/log/secure に作成されていました。今回の修正で、RabbitMQ コンテナーの起動時に /var/log/btmp パスをマウントするプロセスが追加され、Pacemaker が正しい場所にログを作成できるようになりました。

Cinder Dell EMC StorageCenter ドライバーを設定して、ボリューム/イメージ間のデータ転送にマルチパスを使用する機能が追加されました。この機能には、新たなパラメーター CinderDellScMultipathXfer (デフォルト値: True) が含まれます。マルチパス転送が可能になったことで、ボリューム/イメージ間のデータ転送の合計時間を短縮することができます。

この機能により、新たなパラメーター NovaLibvirtVolumeUseMultipath (ブール値) が追加されました。これにより、コンピュートノードの nova.conf ファイルでマルチパス設定パラメーター libvirt/volume_use_multipath が設定されます。このパラメーターは、Compute ロールごとに設定することができます。デフォルト値は False です。

この機能により、パラメーター NovaSchedulerWorkers が追加されました。これにより、スケジューラーノードごとに複数の nova-schedule ワーカーを設定することができます。デフォルト値は 1 です。

以前のリリースでは、コントローラーノードの再起動後に、LVM ボリュームグループに関連付けられたループバックデバイスが再起動しませんでした。そのため、iSCSI Cinder バックエンドにより使用される LVM ボリュームグループが再起動後に維持されず、新規ボリュームが作成されませんでした。

今回のバグ修正により、コントローラーノードの再起動後にループバックデバイスが復元され、ノードから LVM ボリュームグループにアクセスできるようなりました。

今回の機能拡張により Erlang 仮想マシンに RabbitAdditionalErlArgs パラメーターが追加され、仮想マシンのカスタム引数を定義できるようになりました。デフォルトの引数は +sbwt none で、追加の操作が必要なければ Erlang スレッドをスリープ状態にします。詳細情報は、Erlang のドキュメント (http://erlang.org/doc/man/erl.html#+sbwt) を確認してください。

openstack-tripleo-heat-templates-compat

従来、OpenStack 12 テンプレートからのデプロイでは、OpenStack 13 director は正しい Ceph バージョンを設定しませんでした。このため、オーバークラウドのデプロイメントは失敗していました。

今回のバグ修正により Ceph のバージョンが Jewel に設定され、OpenStack 12 テンプレートから正常にデプロイメントできるようになりした。

puppet-opendaylight

この機能により、IPv6 アドレスへの OpenDaylight (ODL) のデプロイがサポートされるようになりました。