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3.3. Red Hat OpenStack Platform 13 メンテナーンスリリース (2018 年 8 月 29 日)

本リリースノートには主に、今回リリースされた Red Hat OpenStack Platform のデプロイメント時に考慮すべきテクノロジープレビューの項目、推奨事項、既知の問題、非推奨になった機能について記載します。

3.3.1. 機能拡張

Red Hat OpenStack Platform の今回のリリースでは、以下の機能拡張が提供されています。

BZ#1561961

この機能により、PCI デバイスの NUMA アフィニティーポリシーがサポートされるようになりました。このポリシーは、[pci]alias の設定オプションの一部として設定します。requiredlegacypreferred の 3 つのポリシーがサポートされています。いずれの場合も、可能であれば、厳格な NUMA アフィニティーが提供されます。これらのポリシー間の主要な相違点は、どれだけの NUMA アフィニティーを破棄するとスケジューリングが失敗するかという点です。これらのポリシーにより、デバイスごとまたはより具体的にするにはデバイスエイリアスごとに、NUMA アフィニティーをどの程度厳格にするかを設定できます。これは、リソース使用率を最大化するのに役立ちます。PCI デバイスに preferred ポリシーを設定した場合、PCI デバイスの NUMA ノードとは異なる NUMA ノードしか利用できなければ、nova はそのノード上の CPU を使用するようになります。これにより、リソースの使用率が高くなりますが、それらのインスタンスのパフォーマンスは低減するというマイナス面があります。

BZ#1564918

以前のリリースでは、Ironic は、再試行可能な IPMI エラーのタイプは 1 つのみと見なしていました。このために、Iconic で不明なエラーが発生する場合がありました。今回の機能拡張により、Ironic は、電源管理のハードウェアインターフェイスなど IPMI でバッキングされるハードウェアのインターフェイスでより多くの IPMI エラーメッセージタイプを再試行可能として扱うようになりました。具体的には、Node busy、Timeout、Out of space、および BMC initialization in progress の IPMI エラーが発生すると Ironic が IPMI コマンドを再試行します。その結果、IPMI をベースとする BMC との通信の信頼度が高くなりました。

BZ#1571741

Nova の libvirt ドライバーは、CPU モデルの設定時に、CPU 機能のフラグをより細かく指定できるようになりました。

この変更の 1 つの利点は、MeltdownCVE の修正を適用した後に、Intel ベースの仮想 CPU モデルで実行しているゲスト上でパフォーマンスの低下が軽減される点が挙げられます。ゲストのパフォーマンスに対する影響は、CPU 機能フラグ PCID(Process-Context ID) を guest CPU に公開することによって軽減されます。これは、物理ハードウェア自体の中に PCID フラグが利用可能であることを前提とします。

使用方法についての詳しい情報は、nova.conf[libvirt]/cpu_model_extra_flags の説明を参照してください。

BZ#1574349

オーバークラウドをデプロイする前に、クラスター向けに stonith リソースを自動作成することができます。デプロイメントを開始する前に、コマンド openstack overcloud generate fencing --ipmi-lanplus --output /home/stack/fencing.yaml /home/stack/instackenv.json を実行します。

次に、デプロイコマンドの引数リストに-e /home/stack/fencing.yaml を渡します。これで、クラスターに必要な stonith リソースが自動的に作成されます。

BZ#1578633

rhosp-director-images がマルチアーキテクチャー対応になりました。OSP 13 は、ppc64le 向けのオーバークラウドの完全なイメージと、ironic python エージェントのイメージを使用するようになりました。rhosp-director-images は、この変更に対応するように調整されました。その結果、rhosp-director-images と rhosp-director-images-ipa はメタパッケージとなり、rhosp-director-images-<arch> と rhosp-director-images-ipa-<arch> の rpm が追加されて、マルチアーキテクチャーをサポートするようになりました。

BZ#1578636

rhosp-director-images がマルチアーキテクチャー対応になりました。OSP 13 は、ppc64le 向けのオーバークラウドの完全なイメージと、ironic python エージェントのイメージを使用するようになりました。rhosp-director-images は、この変更に対応するように調整されました。その結果、rhosp-director-images と rhosp-director-images-ipa はメタパッケージとなり、rhosp-director-images-<arch> と rhosp-director-images-ipa-<arch> の rpm が追加されて、マルチアーキテクチャーをサポートするようになりました。

BZ#1579691

Nova の libvirt ドライバーは、CPU モデルの設定時に、CPU 機能のフラグをより細かく指定できるようになりました。この変更の 1 つの利点は、"Meltdown" CVE の修正を適用した後に、Intel ベースの仮想 CPU モデルで実行しているゲスト上でパフォーマンスの低下が軽減される点が挙げられます。ゲストのパフォーマンスに対する影響は、CPU 機能フラグ PCID(Process-Context ID) を guest CPU に公開することによって軽減されます。これは、物理ハードウェア自体の中に PCID フラグが利用可能であることを前提とします。この変更により、PCID のみが CPU 機能フラグであった制限がなくなり、複数の CPU フラグの追加/削除が可能となったため、他のユースケースに対応するようになりました。詳しい情報は、nova.conf[libvirt]/cpu_model_extra_flags の説明を参照してください。

BZ#1601472

NFV がデプロイされた RHOSP 10 から RHOSP 13 にアップグレードする手順が再テストされ、DPDK および SR-IOV の環境向けに更新されました。

BZ#1606224

今回の更新により、Red Hat のサポートする全 CPU アーキテクチャー上の KVM 仮想化で Ceph Storage がサポートされるようになりました。

BZ#1609352

今回の機能拡張で、nova とユーティリティー用に GA のコンテナーと、IBM Power LE 上の Cinder、Glance、Keystone、Neutron、Swift 用にテクノロジープレビューのコンテナーが追加されました。

BZ#1619311

rhosp-director-images がマルチアーキテクチャー対応になりました。OSP 13 は、ppc64le 向けのオーバークラウドの完全なイメージと、ironic python エージェントのイメージを使用するようになりました。rhosp-director-images は、この変更に対応するように調整されました。その結果、rhosp-director-images と rhosp-director-images-ipa はメタパッケージとなり、rhosp-director-images-<arch> と rhosp-director-images-ipa-<arch> の rpm が追加されて、マルチアーキテクチャーをサポートするようになりました。