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8.3. Cisco Nexus スイッチの設定

8.3.1. トランクポートについて

OpenStack Networking により、インスタンスを物理ネットワーク上にすでに存在する VLAN に接続することができます。トランク という用語は、単一のポートで複数 VLAN の通過を許可することを意味します。これらのポートを使用することで、VLAN は仮想スイッチを含む複数のスイッチ間にまたがることができます。たとえば、物理ネットワークで VLAN110 のタグが付いたトラフィックがコンピュートノードに到達すると、タグの付いたトラフィックが 8021q モジュールによって vSwitch 上の適切な VLAN に転送されます。

8.3.2. Cisco Nexus スイッチでのトランクポートの設定

  • Cisco Nexus を使用する場合には、以下の設定構文を使用して、VLAN 110 と 111 のトラフィックがインスタンスに到達できるように設定することが可能です。

    この設定では、物理ノードの NIC がイーサネットケーブルにより物理スイッチポート (インターフェイス Ethernet1/12) に接続されていることを前提としています。

    重要

    以下に示す値は、例として提示しています。この例で使用している値を、実際の環境に合わせて変更する必要があります。これらの値を調整せずにコピーしてご自分のスイッチ設定に貼り付けると、予期せぬ機能停止を招く可能性があります。

    interface Ethernet1/12
      description Trunk to Compute Node
      switchport mode trunk
      switchport trunk allowed vlan 2,110,111
      switchport trunk native vlan 2
    end

8.3.3. アクセスポートについて

コンピュートノード上の全 NIC がインスタンスのトラフィックを伝送する訳ではないので、すべての NIC で複数の VLAN が通過できるように設定する必要はありません。アクセスポートに必要なのは 1 つの VLAN だけで、管理トラフィックやブロックストレージデータの転送などの、他の運用上の要件を満たす可能性があります。これらのポートは一般的にアクセスポートと呼ばれ、必要な設定は通常、トランクポートよりも簡単です。

8.3.4. Cisco Nexus スイッチでのアクセスポートの設定

手順

  • 図8.1「ネットワークレイアウト例」の図に示した例を使用して、Ethernet1/13 (Cisco Nexus スイッチ上) を eth1 のアクセスポートとして設定します。この設定では、物理ノードの NIC がイーサネットケーブルにより物理スイッチポート (インターフェイス Ethernet1/13) に接続されていることを前提としています。

    重要

    以下に示す値は、例として提示しています。この例で使用している値を、実際の環境に合わせて変更する必要があります。これらの値を調整せずにコピーしてご自分のスイッチ設定に貼り付けると、予期せぬ機能停止を招く可能性があります。

    interface Ethernet1/13
     description Access port for Compute Node
     switchport mode access
     switchport access vlan 200

8.3.5. LACP ポートアグリゲーションについて

LACP を使用して、複数の物理 NIC をバンドルして単一の論理チャネルを形成することができます。LACP は 802.3ad (または、Linux ではボンディングモード 4) としても知られており、負荷分散と耐障害性のための動的なボンディングを作成します。LACP は、物理 NIC と物理スイッチポートの両方の物理エンドで設定する必要があります。

8.3.6. 物理 NIC 上での LACP の設定

  1. /home/stack/network-environment.yaml ファイルを編集します。

    - type: linux_bond
      name: bond1
      mtu: 9000
      bonding_options:{get_param: BondInterfaceOvsOptions};
      members:
        - type: interface
          name: nic3
          mtu: 9000
          primary: true
        - type: interface
          name: nic4
          mtu: 9000
  2. Open vSwitch ブリッジが LACP を使用するように設定します。

    BondInterfaceOvsOptions:
        "mode=802.3ad"

ネットワークボンディングの設定方法についての説明は、オーバークラウドの高度なカスタマイズの ネットワークインターフェイスボンディング の章を参照してください。

8.3.7. Cisco Nexus スイッチでの LACP の設定

以下の例では、コンピュートノードに VLAN 100 を使用する NIC が 2 つあります。

手順

  1. コンピュートノードの NIC を物理的にスイッチ (例: ポート 12 と 13) に接続します。
  2. LACP が有効なことを確認します。

    (config)# show feature | include lacp
    lacp                  1         enabled
  3. ポート 1/12 と 1/13 をアクセスポートおよびチャネルグループのメンバーとして設定します。

    デプロイメントによっては、アクセスインターフェイスの代わりにトランクインターフェイスをデプロイすることができます。

    たとえば、Cisco UCI の場合には、NIC は仮想インターフェイスなので、アクセスポートだけを設定する方が望ましい場合があります。多くの場合、これらのインターフェイスには VLAN タグ付けが設定されています。

    interface Ethernet1/13
     description Access port for Compute Node
     switchport mode access
     switchport access vlan 200
     channel-group 10 mode active
    
    interface Ethernet1/13
     description Access port for Compute Node
     switchport mode access
     switchport access vlan 200
     channel-group 10 mode active

8.3.8. MTU 設定について

特定のネットワークトラフィック種別に対して、MTU サイズを調整する必要があります。たとえば、特定の NFS または iSCSI のトラフィックでは、ジャンボフレーム (9000 バイト) が必要になります。

注記

MTU の設定は、エンドツーエンド (トラフィックが通過すると想定される全ホップ) で変更する必要があります。これには、仮想スイッチが含まれます。

8.3.9. Cisco Nexus 7000 スイッチでの MTU の設定

7000 シリーズのスイッチ上の単一のインターフェイスに、MTU の設定を適用します。

手順

  • 以下のコマンドを実行して、インターフェイス 1/12 が 9000 バイトのジャンボフレームを使用するように設定します。

    interface ethernet 1/12
      mtu 9216
      exit

8.3.10. LLDP ディスカバリーについて

ironic-python-agent サービスは、接続されたスイッチからの LLDP パケットをリッスンします。収集される情報には、スイッチ名、ポートの詳細、利用可能な VLAN を含めることができます。Cisco Discovery Protocol (CDP) と同様に、LLDP は、director のイントロスペクションプロセス中の物理ハードウェア検出を補助します。

8.3.11. Cisco Nexus 7000 スイッチでの LLDP の設定

手順

  • Cisco Nexus 7000 シリーズスイッチ上の個別のインターフェイスに対して、LLDP を有効にすることができます。

    interface ethernet 1/12
      lldp transmit
      lldp receive
      no lacp suspend-individual
      no lacp graceful-convergence
    
    interface ethernet 1/13
      lldp transmit
      lldp receive
      no lacp suspend-individual
      no lacp graceful-convergence
注記

copy running-config startup-config コマンドを実行して running-config を startup-config にコピーし、変更を保存するのを忘れないようにしてください。