Red Hat Training

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2.13. レイヤー 2 およびレイヤー 3 ネットワーク

仮想ネットワークを設計する場合には、トラフィックの大半がどこで発生するかを予測する必要があります。ネットワークトラフィックは、複数の論理ネットワーク間よりも同じ論理ネットワーク内の方が早く移動します。これは、(異なるサブネットを使用した) 論理ネットワーク間のトラフィックはルーターを通過する必要があり、追加でレイテンシーが発生するためです。

以下の図で、別の VLAN 上にあるインスタンス間を流れるネットワークトラフィックを見てみましょう。

layers
注記

高性能なハードウェアルーターでも、この設定では追加のレイテンシーが発生します。

2.13.1. 可能な範囲でのスイッチの使用

スイッチングは、ネットワークの下層 (レイヤー 2) で行われるため、レイヤー 3 で行われるルーティングより高速に機能することが可能です。頻繁に通信するシステム間のホップ数ができる限り少なくなるように設計してください。

たとえば、以下の図は 2 つの物理ノードにまたがるスイッチ付きのネットワークを示しています。この場合、ナビゲーション用のルーターを使用せずに 2 つのインスタンスは直接通信することができます。これらのインスタンスが同じサブネットを共有するようになり、同じ論理ネットワーク上に存在することが分かります。

switching

別のノードにあるインスタンスが同じ論理ネットワークにあるかのように通信できるためには、VXLAN または GRE などのカプセル化トンネルを使用します。Red Hat では、トンネルヘッダーに必要な追加のビットに対応するために、エンドツーエンドで MTU サイズを調節することを推奨します。そうしなかった場合には、断片化が原因でネットワークのパフォーマンスが悪影響を受ける可能性があります。詳しい情報は、MTU の設定を参照してください。

VXLAN オフロード機能を搭載したサポート対象のハードウェアを使用すると、VXLAN トンネリングのパフォーマンスをさらに向上させることができます。