Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat OpenStack Platform
6.2. オーバークラウドの Fast Forward Upgrade の実行
Fast Forward Upgrade には、以下のタスクを実行する 2 つのコマンドが必要です。
- オーバークラウドのプランを OpenStack Platform 13 に更新します。
- Fast Forward Upgrade に備えてノードを準備します。
Fast Forward Upgrade の対象となる各バージョンのアップグレードステップを順番に実行します。以下の作業が含まれます。
- 各 OpenStack Platform サービスのバージョン固有のタスク
- リポジトリーの変更。Fast Forward Upgrade の対象となる OpenStack Platform バージョンを 1 つずつ順番に切り替える
- データベースのアップグレードに必要な特定のパッケージを更新する
- データベースのバージョンを 1 つずつ順番にアップグレードする
- OpenStack Platform 13 への最終アップグレードに向けてオーバークラウドを準備します。
手順
stackrc
ファイルを取得します。$ source ~/stackrc
お使いのデプロイメントに適したすべての該当するオプションおよび環境ファイルと共に、Fast Forward Upgrade の prepare コマンドを実行します。
$ openstack overcloud ffwd-upgrade prepare \ --templates \ -e /home/stack/templates/overcloud_images.yaml \ -e /home/stack/templates/deprecated_cli_options.yaml \ -e /home/stack/templates/custom_repositories_script.yaml \ -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml \ -e /home/stack/templates/ceph-customization.yaml \ -e <ENVIRONMENT FILE>
以下のオプションの中で、お使いの環境に適切なオプションを追加します。
カスタム設定環境ファイル (
-e
)。以下に例を示します。-
コンテナーイメージの場所が記載された環境ファイル (
overcloud_images.yaml
)。アップグレードのコマンドで--container-registry-file
の使用に関する警告が表示される場合があることに注意してください。このオプションは非推奨になり、コンテナーイメージの環境ファイルには-e
の使用が推奨されるようになっているので、この警告は無視して問題ありません。 -
該当する場合は、非推奨になった CLI オプションを Heat パラメーターにマッピングする環境ファイル。
deprecated_cli_options.yaml
を使用します。 -
該当する場合は、カスタムリポジトリーのスクリプトを指定する環境ファイル。
custom_repositories_script.yaml
を使用します。 - Ceph Storage ノードを使用する場合には、関連する環境ファイル
- お使いの環境に関連する追加の環境ファイル
-
コンテナーイメージの場所が記載された環境ファイル (
-
カスタムのスタック名を使用する場合には、
--stack
オプションでその名前を渡します。 -
該当する場合は、
--roles-file
でカスタムロール (roles_data
) のファイルを指定します。
重要ffwd-upgrade
コマンドの実行を確認するプロンプトが表示されます。yes
と入力してください。注記openstack ffwd-upgrade prepare
コマンドは複数回実行できます。コマンドが失敗した場合は、テンプレートの問題を修正してから、コマンドを再実行できます。- オーバークラウドプランが OpenStack Platform 13 バージョンに更新されます。Fast Forward Upgrade の準備が完了するまで待ちます。
- アップグレードを行う前に、オーバークラウドのスナップショットまたはバックアップを作成します。
Fast Forward Upgrade のコマンドを実行します。
$ openstack overcloud ffwd-upgrade run
-
カスタムのスタック名を使用する場合には、
--stack
オプションでその名前を渡します。
重要ffwd-upgrade
コマンドの実行を確認するプロンプトが表示されます。yes
と入力してください。注記openstack ffwd-upgrade run
コマンドは、複数回実行できます。コマンドが失敗した場合は、テンプレートの問題を修正してから、コマンドを再実行できます。-
カスタムのスタック名を使用する場合には、
- Fast Forward Upgrade が完了するまで待ちます。
この段階では、
- ワークロードは引き続き稼働中です。
- オーバークラウドのデータベースは OpenStack Platform 12 バージョンにアップグレードされました。
- オーバークラウドのサービスがすべて無効化されます。
- Ceph Storage ノードはまだバージョン 2 のままです。
これは、オーバークラウドが、OpenStack Platform 13 に達するための標準のアップグレードステップを実行できる状態にあることを意味します。