Red Hat Training
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1.3. ワークフローの概要
以下の表には、Fast Forward Upgrade プロセスに必要なステップの概要と共に、アップグレードプロセスの各ステップに要する推定時間およびその影響をまとめています。
以下の表に示す時間は内部テストに基づく最短の推定値であり、すべての実稼働環境には当てはまらない可能性があります。各タスクのアップグレード時間を正確に測定するには、実稼働環境と類似したハードウェアを持つテスト環境でこれらの手順を実施してください。
表1.1 Fast Forward Upgrade プロセスのステップ概要と影響
ステップ | 説明 | 所要時間 |
---|---|---|
環境の準備 | アンダークラウドノードおよびオーバークラウドのコントローラーノードのデータベースおよび設定のバックアップを実行します。最新のマイナーリリースに更新し、リブートします。環境を検証します。 | このステップに要する時間は、デプロイメントのサイズにより異なる可能性があります。 |
アンダークラウドのアップグレード | OpenStack Platform 10 から OpenStack Platform 13 まで、アンダークラウドのバージョンを 1 つずつ順番にアップグレードします。 | アンダークラウドアップグレードの推定時間は、約 60 分です。なお、アップグレード中、アンダークラウドにダウンタイムが発生します。 アンダークラウドのアップグレードステップ中、オーバークラウドは引き続き機能します。 |
コンテナーイメージの取得 | さまざまな OpenStack サービス用のコンテナーイメージの場所が記載された環境ファイルを作成します。 | コンテナーイメージソース設定の推定期間は、約 10 分です。 |
オーバークラウドの準備 | オーバークラウドの設定ファイルを OpenStack Platform 13 に移行するための適切なステップを実行します。 | アップグレードに向けたオーバークラウド準備の推定時間は、約 20 分です。 |
Fast Forward Upgrade の実行 | OpenStack Platform director の最新のテンプレートセットを使用して、オーバークラウドプランをアップグレードします。パッケージとデータベースのバージョンを 1 つずつ順番にアップグレードして、データベーススキーマを OpenStack Platform 13 にアップグレードできる状態にします。 | オーバークラウドのアップグレード実行の推定時間は、約 30 分です。なお、アップグレード中、オーバークラウドサービスにダウンタイムが発生します。 機能停止時間中 OpenStack の操作を行うことはできません。 |
コントローラーノードのアップグレード | 全コントローラーノードを同時に OpenStack Platform 13 にアップグレードします。 | コントローラーノードアップグレードの推定期間は、約 50 分です。 コントローラーノードのアップグレード中、オーバークラウドサービスに短時間のダウンタイムが発生します。 |
コンピュートノードのアップグレード | 選択したコンピュートノードでアップグレードをテストします。テストが成功したら、全コンピュートノードをアップグレードします。 | コンピュートノードアップグレードの推定期間は、ノード 1 台につき約 25 分です。 コンピュートノードのアップグレード中、ワークロードのダウンタイムは予想されません。 |
Ceph Storage ノードのアップグレード | 全 Ceph Storage ノードをアップグレードします。これには、Red Hat Ceph Storage 3 のコンテナー化されたバージョンへのアップグレードも含まれます。 | Ceph Storage ノードアップグレードの推定期間は、ノード 1 台につき約 25 分です。 Ceph Storage ノードのアップグレード中、ダウンタイムは予想されません。 |
アップグレードの最終処理 | コンバージェンスのコマンドを実行して、オーバークラウドスタックをリフレッシュします。 | オーバークラウドのコンバージ実行の推定時間は、最短でも 1 時間です。ただし、環境によってさらに時間がかかる場合があります。 |