第4章 コンテナーイメージのソースの設定

コンテナー化されたオーバークラウドには、必要なコンテナーイメージを含むレジストリーへのアクセスが必要です。本章では、Red Hat OpenStack Platform 向けのコンテナーイメージを使用するためのレジストリーおよびオーバークラウドの設定の準備方法について説明します。

本ガイドには、オーバークラウドを設定してレジストリーを使用するさまざまなユースケースを記載しています。これらのユースケースのいずれかを試みる前に、イメージ準備コマンドの使用方法に習熟しておくことを推奨します。詳しくは、「コンテナーイメージの準備コマンドの使用方法」を参照してください。

4.1. レジストリーメソッド

Red Hat OpenStack Platform では、以下のレジストリータイプがサポートされています。

リモートレジストリー
オーバークラウドは、registry.access.redhat.com から直接コンテナーイメージをプルします。これは、初期設定を生成するための最も簡単な方法です。ただし、それぞれのオーバークラウドノードが Red Hat Container Catalog から各イメージを直接プルするので、ネットワークの輻輳が生じてデプロイメントが遅くなる可能性があります。また、Red Hat Container Catalog にアクセスするためのインターネットアクセスが全オーバークラウドノードに必要です。
ローカルレジストリー
アンダークラウドは、docker-distribution サービスを使用してレジストリーとして機能します。これにより、director は registry.access.redhat.com からプルしたイメージを同期し、それを docker-distribution レジストリーにプッシュすることができます。オーバークラウドを作成する際に、オーバークラウドはアンダークラウドの docker-distribution レジストリーからコンテナーイメージをプルします。この方法では、内部にレジストリーを保管することが可能なので、デプロイメントを迅速化してネットワークの輻輳を軽減することができます。ただし、アンダークラウドは基本的なレジストリーとしてのみ機能し、コンテナーイメージのライフサイクル管理は限定されます。
注記

docker-distribution サービスと docker の機能は独立しています。docker は、イメージを docker-distribution レジストリーにプッシュおよびプルするのに使用されますが、イメージをオーバークラウドに提供することはありません。オーバークラウドが docker-distribution レジストリーからイメージをプルします。

Satellite サーバー
Red Hat Satellite 6 サーバーを介して、コンテナーイメージの全アプリケーションライフサイクルを管理し、イメージを公開します。オーバークラウドは、Satellite サーバーからイメージをプルします。この方法は、Red Hat OpenStack Platform コンテナーを保管、管理、デプロイするためのエンタープライズ級のソリューションを提供します。

上記のリストから方法を選択し、レジストリー情報の設定を続けます。

注記

マルチアーキテクチャークラウドの構築では、ローカルレジストリーのオプションはサポートされません。

4.2. コンテナーイメージの準備コマンドの使用方法

本項では、openstack overcloud container image prepare コマンドの使用方法について説明します。これには、このコマンドのさまざまなオプションについての概念的な情報も含まれます。

オーバークラウド用のコンテナーイメージ環境ファイルの生成

openstack overcloud container image prepare コマンドの主要な用途の 1 つに、オーバークラウドが使用するイメージの一覧が記載された環境ファイルの作成があります。このファイルは、openstack overcloud deploy などのオーバークラウドのデプロイメントコマンドで指定します。openstack overcloud container image prepare コマンドでは、この機能に以下のオプションを使用します。

--output-env-file
作成される環境ファイルの名前を定義します。

以下のスニペットは、このファイルの内容の例を示しています。

parameter_defaults:
  DockerAodhApiImage: registry.access.redhat.com/rhosp13/openstack-aodh-api:13.0-34
  DockerAodhConfigImage: registry.access.redhat.com/rhosp13/openstack-aodh-api:13.0-34
...

インポート方法に対応したコンテナーイメージ一覧の生成

OpenStack Platform コンテナーイメージを異なるレジストリーソースにインポートする必要がある場合には、イメージの一覧を生成することができます。この一覧の構文は主に、アンダークラウド上のコンテナーレジストリーにコンテナーをインポートするのに使用されますが、Red Hat Satellite 6 などの別の方法に適した形式の一覧に変更することができます。

openstack overcloud container image prepare コマンドでは、この機能に以下のオプションを使用します。

--output-images-file
作成されるインポート一覧のファイル名を定義します。

このファイルの内容の例を以下に示します。

container_images:
- imagename: registry.access.redhat.com/rhosp13/openstack-aodh-api:13.0-34
- imagename: registry.access.redhat.com/rhosp13/openstack-aodh-evaluator:13.0-34
...

コンテナーイメージの名前空間の設定

--output-env-file--output-images-file のオプションには、作成されるイメージの場所を生成するための名前空間が必要です。openstack overcloud container image prepare コマンドでは、以下のオプションを使用して、プルするコンテナーイメージの場所を設定します。

--namespace
コンテナーイメージ用の名前空間を定義します。これには通常、ホスト名または IP アドレスにディレクトリーを付けて指定します。
--prefix
イメージ名の前に追加するプレフィックスを定義します。

その結果、director は以下のような形式のイメージ名を生成します。

  • [NAMESPACE]/[PREFIX][IMAGE NAME]

コンテナーイメージタグの設定

--tag および --tag-from-label オプションを併用して、各コンテナーイメージのタグを設定します。

--tag
ソースからの全イメージに特定のタグを設定します。このオプションだけを使用した場合、director はこのタグを使用してすべてのコンテナーイメージをプルします。ただし、このオプションを --tag-from-label と共に使用する場合は、director はソースイメージとして --tag を使用して、ラベルに基づいて特定のバージョンタグを識別します。--tag オプションは、デフォルトでは latest に設定されています。
--tag-from-label
指定したコンテナーイメージラベルの値を使用して、全イメージのバージョン付きタグを検出してプルます。director は --tag に設定した値がタグ付けされた各コンテナーイメージを検査し、続いてコンテナーイメージラベルを使用して新しいタグを構築し、レジストリーからプルします。たとえば、--tag-from-label {version}-{release} を設定した場合、director は version および release ラベルを使用して新しいタグを構築します。あるコンテナーについて version13.0 に、release34 に設定した場合、タグは 13.0-34 となります。
重要

Red Hat コンテナーレジストリーでは、すべての Red Hat OpenStack Platform コンテナーイメージをタグ付けするのに、特定のバージョン形式が使用されます。このバージョン形式は {version}-{release} で、各コンテナーイメージがコンテナーメタデータのラベルとして保存します。このバージョン形式は、ある {release} から次のリリースへの更新を容易にします。このため、openstack overcloud container image prepare コマンドを実行する際は、常に --tag-from-label {version}-{release} を使用する必要があります。コンテナーイメージをプルするのに --tag だけを単独で使用しないでください。たとえば、--tag latest を単独で使用すると、更新の実行時に問題が発生します。director は、コンテナーイメージを更新するのにタグの変更を必要とするためです。

4.3. 追加のサービス用のコンテナーイメージ

director は、OpenStack Platform のコアサービス用のコンテナーイメージのみを作成します。一部の追加機能には、追加のコンテナーイメージを必要とするサービスが使われます。これらのサービスは、環境ファイルで有効化することができます。openstack overcloud container image prepare コマンドでは、以下のオプションを使用して環境ファイルと対応するコンテナーイメージを追加します。

-e
追加のコンテナーイメージを有効化するための環境ファイルを指定します。

以下の表は、コンテナーイメージを使用する追加のサービスのサンプル一覧とそれらの対応する環境ファイルがある /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates ディレクトリー内の場所をまとめています。

サービス環境ファイル

Ceph Storage

environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml

Collectd

environments/services-docker/collectd.yaml

Congress

environments/services-docker/congress.yaml

Fluentd

environments/services-docker/fluentd.yaml

OpenStack Bare Metal (ironic)

environments/services-docker/ironic.yaml

OpenStack Data Processing (sahara)

environments/services-docker/sahara.yaml

OpenStack EC2-API

environments/services-docker/ec2-api.yaml

OpenStack Key Manager (barbican)

environments/services-docker/barbican.yaml

OpenStack Load Balancing-as-a-Service (octavia)

environments/services-docker/octavia.yaml

OpenStack Shared File System Storage (manila)

environments/manila-{backend-name}-config.yaml

注記: 詳細は、「OpenStack Shared File System (manila)」を参照してください。

Open Virtual Network (OVN)

environments/services-docker/neutron-ovn-dvr-ha.yaml

Sensu

environments/services-docker/sensu-client.yaml

以下の項には、追加するサービスの例を記載します。

Ceph Storage

Red Hat Ceph Storage クラスターをオーバークラウドでデプロイする場合には、/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml 環境ファイルを追加する必要があります。このファイルは、オーバークラウドで、コンテナー化されたコンポーザブルサービスを有効化します。director は、これらのサービスが有効化されていることを確認した上で、それらのイメージを準備する必要があります。

この環境ファイルに加えて、Ceph Storage コンテナーの場所を定義する必要があります。これは、OpenStack Platform サービスの場所とは異なります。--set オプションを使用して、以下の Ceph Storage 固有のパラメーターを設定してください。

--set ceph_namespace
Ceph Storage コンテナーイメージ用の名前空間を定義します。これは、--namespace オプションと同じように機能します。
--set ceph_image
Ceph Storage コンテナーイメージの名前を定義します。通常は rhceph-3-rhel7 という名前です。
--set ceph_tag
Ceph Storage コンテナーイメージに使用するタグを定義します。これは、--tag オプションと同じように機能します。--tag-from-label が指定されている場合には、バージョンタグはこのタグから検出が開始されます。

以下のスニペットは、コンテナーイメージファイル内に Ceph Storage が含まれている例です。

$ openstack overcloud container image prepare \
  ...
  -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ceph-ansible/ceph-ansible.yaml \
  --set ceph_namespace=registry.access.redhat.com/rhceph \
  --set ceph_image=rhceph-3-rhel7 \
  --tag-from-label {version}-{release} \
  ...

OpenStack Bare Metal (ironic)

オーバークラウドで OpenStack Bare Metal (ironic) をデプロイする場合には、/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services-docker/ironic.yaml 環境ファイルを追加して、director がイメージを準備できるようにする必要があります。以下のスニペットは、この環境ファイルの追加方法の例を示しています。

$ openstack overcloud container image prepare \
  ...
  -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services-docker/ironic.yaml \
  ...

OpenStack Data Processing (sahara)

オーバークラウドで OpenStack Data Processing (sahara) をデプロイする場合には、/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services-docker/sahara.yaml 環境ファイルを追加して、director がイメージを準備できるようにする必要があります。以下のスニペットは、この環境ファイルの追加方法の例を示しています。

$ openstack overcloud container image prepare \
  ...
  -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services-docker/sahara.yaml \
  ...

OpenStack Neutron SR-IOV

オーバークラウドで OpenStack Neutron SR-IOV をデプロイする場合には、director がイメージを準備できるように /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services-docker/neutron-sriov.yaml 環境ファイルを追加します。デフォルトの Controller ロールおよび Compute ロールは SR-IOV サービスをサポートしないため、-r オプションを使用して SR-IOV サービスが含まれるカスタムロールファイルも追加する必要があります。以下のスニペットは、この環境ファイルの追加方法の例を示しています。

$ openstack overcloud container image prepare \
  ...
  -r ~/custom_roles_data.yaml
  -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services-docker/neutron-sriov.yaml \
  ...

OpenStack Load Balancing-as-a-Service (octavia)

オーバークラウドで OpenStack Load Balancing-as-a-Service をデプロイする場合には、director がイメージを準備できるように /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services-docker/octavia.yaml 環境ファイルを追加します。以下のスニペットは、この環境ファイルの追加方法の例を示しています。

$ openstack overcloud container image prepare \
  ...
  -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/services-docker/octavia.yaml
\
  ...

OpenStack Shared File System (manila)

manila-{backend-name}-config.yaml のフォーマットを使用してサポート対象のバックエンドを選択し、そのバックエンドを用いて Shared File System をデプロイすることができます。以下の環境ファイルから任意のファイルを追加して、Shared File System サービスのコンテナーを準備することができます。

  environments/manila-isilon-config.yaml
  environments/manila-netapp-config.yaml
  environments/manila-vmax-config.yaml
  environments/manila-cephfsnative-config.yaml
  environments/manila-cephfsganesha-config.yaml
  environments/manila-unity-config.yaml
  environments/manila-vnx-config.yaml

環境ファイルのカスタマイズおよびデプロイに関する詳細は、以下の資料を参照してください。

4.4. Red Hat レジストリーをリモートレジストリーソースとして使用する方法

Red Hat では、オーバークラウドのコンテナーイメージを registry.access.redhat.com でホストしています。リモートレジストリーからイメージをプルするのが最も簡単な方法です。レジストリーはすでに設定済みで、プルするイメージの URL と名前空間を指定するだけで良いからです。ただし、オーバークラウドの作成中には、オーバークラウドノードがリモートリポジトリーからすべてのイメージをプルするので、外部接続で輻輳が生じる場合があります。したがって、実稼働環境ではこの方法は推奨されません。実稼働環境用には、この方法ではなく以下のいずれかの方法を使用してください。

  • ローカルレジストリーの設定
  • Red Hat Satellite 6 上でのイメージのホスティング

手順

  1. イメージを直接 registry.access.redhat.com からオーバークラウドデプロイメントにプルするには、イメージパラメーターを指定するための環境ファイルが必要となります。以下のコマンドを実行してコンテナーイメージの環境ファイルを生成します。

    (undercloud) $ sudo openstack overcloud container image prepare \
      --namespace=registry.access.redhat.com/rhosp13 \
      --prefix=openstack- \
      --tag-from-label {version}-{release} \
      --output-env-file=/home/stack/templates/overcloud_images.yaml
    • 任意のサービス用の環境ファイルを指定するには、-e オプションを使用します。
    • カスタムロールファイルを指定するには、-r オプションを使用します。
    • Ceph Storage を使用している場合には、Ceph Storage 用のコンテナーイメージの場所を定義する追加のパラメーター (--set ceph_namespace--set ceph_image--set ceph_tag) を指定します。
  2. overcloud_images.yaml ファイルを変更し、デプロイメント時に registry.access.redhat.com との間で認証を行うために以下のパラメーターを追加します。

    ContainerImageRegistryLogin: true
    ContainerImageRegistryCredentials:
      registry.access.redhat.com:
        <USERNAME>: <PASSWORD>
    • <USERNAME> および <PASSWORD>registry.access.redhat.com の認証情報に置き換えます。

      overcloud_images.yaml ファイルには、アンダークラウド上のイメージの場所が含まれます。このファイルをデプロイメントに追加します。

      注記

      openstack overcloud deploy コマンドを実行する前に、リモートレジストリーにログインする必要があります。

      (undercloud) $ sudo docker login registry.access.redhat.com

レジストリーの設定が完了しました。

4.5. ローカルレジストリーとしてアンダークラウドを使用する方法

アンダークラウド上でローカルレジストリーを設定して、オーバークラウドのコンテナーイメージを保管することができます。この方法は、以下の操作を伴います。

  • director が registry.access.redhat.com から各イメージをプルする
  • director が各イメージをアンダークラウド上で動作中の docker-distribution レジストリーにプッシュする
  • director がオーバークラウドを作成する
  • オーバークラウドの作成中に、ノードが適切なイメージをアンダークラウドの docker-distribution レジストリーからプルする

これにより、コンテナーイメージのネットワークトラフィックは、内部ネットワーク内に留まるので、外部ネットワークとの接続で輻輳が発生せず、デプロイメントプロセスを迅速化することができます。

手順

  1. ローカルアンダークラウドレジストリーのアドレスを特定します。アドレスは、以下のパターンを使用します。

    <REGISTRY IP ADDRESS>:8787

    アンダークラウドの IP アドレスを使用します。これは undercloud.conf ファイルの local_ip パラメーターで設定済みのアドレスです。以下のコマンドでは、アドレスが 192.168.24.1:8787 であることを前提としています。

  2. イメージをローカルレジストリーにアップロードするためのテンプレートと、それらのイメージを参照する環境ファイルを作成します。

    (undercloud) $ openstack overcloud container image prepare \
      --namespace=registry.access.redhat.com/rhosp13 \
      --push-destination=192.168.24.1:8787 \
      --prefix=openstack- \
      --tag-from-label {version}-{release} \
      --output-env-file=/home/stack/templates/overcloud_images.yaml \
      --output-images-file /home/stack/local_registry_images.yaml
    • 任意のサービス用の環境ファイルを指定するには、-e オプションを使用します。
    • カスタムロールファイルを指定するには、-r オプションを使用します。
    • Ceph Storage を使用している場合には、Ceph Storage 用のコンテナーイメージの場所を定義する追加のパラメーター (--set ceph_namespace--set ceph_image--set ceph_tag) を指定します。
  3. これで 2 つのファイルが作成されます。

    • リモートソースからのコンテナーイメージの情報が含まれている local_registry_images.yaml。このファイルを使用して、Red Hat Container Registry (registry.access.redhat.com) からイメージをアンダークラウドにプルします。
    • アンダークラウド上の最終的なイメージの場所が記載されている overcloud_images.yaml。このファイルをデプロイメントで指定します。

      両方のファイルが存在することを確認します。

  4. local_registry_images.yaml ファイルを変更し、registry.access.redhat.com との間で認証を行うために以下のパラメーターを追加します。

    ContainerImageRegistryLogin: true
    ContainerImageRegistryCredentials:
      registry.access.redhat.com:
        <USERNAME>: <PASSWORD>
    • <USERNAME> および <PASSWORD>registry.access.redhat.com の認証情報に置き換えます。
  5. registry.access.redhat.com にログインし、コンテナーイメージをリモートレジストリーからアンダークラウドにプルします。

    (undercloud) $ sudo docker login registry.access.redhat.com
    (undercloud) $ sudo openstack overcloud container image upload \
      --config-file  /home/stack/local_registry_images.yaml \
      --verbose

    ネットワークおよびアンダークラウドディスクの速度によっては、必要なイメージをプルするのに時間がかかる場合があります。

    注記

    コンテナーイメージは、およそ 10 GB のディスク領域を使用します。

  6. これで、イメージがアンダークラウドの docker-distribution レジストリーに保管されます。アンダークラウドの docker-distribution レジストリーのイメージ一覧を表示するには、以下のコマンドを実行します。

    (undercloud) $  curl http://192.168.24.1:8787/v2/_catalog | jq .repositories[]

    特定イメージのタグの一覧を表示するには、skopeo コマンドを使用します。

    (undercloud) $ curl -s http://192.168.24.1:8787/v2/rhosp13/openstack-keystone/tags/list | jq .tags

    タグ付けられたイメージを検証するには、skopeo コマンドを使用します。

    (undercloud) $ skopeo inspect --tls-verify=false docker://192.168.24.1:8787/rhosp13/openstack-keystone:13.0-44

レジストリーの設定が完了しました。

4.6. Satellite サーバーをレジストリーとして使用する手順

Red Hat Satellite 6 には、レジストリーの同期機能が備わっています。これにより、複数のイメージを Satellite Server にプルし、アプリケーションライフサイクルの一環として管理することができます。また、他のコンテナー対応システムも Satellite をレジストリーとして使うことができます。コンテナーイメージ管理の詳細は、『Red Hat Satellite 6 コンテンツ管理ガイド』「コンテナーイメージの管理」を参照してください。

以下の手順は、Red Hat Satellite 6 の hammer コマンドラインツールを使用した例を示しています。組織には、例として ACME という名称を使用しています。この組織は、実際に使用する Satellite 6 の組織に置き換えてください。

手順

  1. イメージをローカルレジストリーにプルするためのテンプレートを作成します。

    $ source ~/stackrc
    (undercloud) $ openstack overcloud container image prepare \
      --namespace=rhosp13 \
      --prefix=openstack- \
      --output-images-file /home/stack/satellite_images \
    • 任意のサービス用の環境ファイルを指定するには、-e オプションを使用します。
    • カスタムロールファイルを指定するには、-r オプションを使用します。
    • Ceph Storage を使用している場合には、Ceph Storage 用のコンテナーイメージの場所を定義する追加のパラメーター (--set ceph_namespace--set ceph_image--set ceph_tag) を指定します。
    注記

    上記の openstack overcloud container image prepare コマンドは、registry.access.redhat.com のレジストリーをターゲットにしてイメージの一覧を生成します。この後のステップでは、openstack overcloud container image prepare コマンドで別の値を使用します。

  2. これで、コンテナーイメージの情報が含まれた satellite_images という名前のファイルが作成されます。このファイルを使用して、コンテナーイメージを Satellite 6 サーバーに同期します。
  3. satellite_images ファイルから YAML 固有の情報を削除して、イメージ一覧のみが記載されたフラットファイルに変換します。この操作は、以下の sed コマンドで実行します。

    (undercloud) $ awk -F ':' '{if (NR!=1) {gsub("[[:space:]]", ""); print $2}}' ~/satellite_images > ~/satellite_images_names

    これにより、Satellite サーバーにプルするイメージのリストが提供されます。

  4. Satellite 6 の hammer ツールがインストールされているシステムに satellite_images_names ファイルをコピーします。あるいは、『Hammer CLI ガイド』に記載の手順に従って、アンダークラウドに hammer ツールをインストールします。
  5. 以下の hammer コマンドを実行して、実際の Satellite 組織に新規製品 (OSP13 Containers) を作成します。

    $ hammer product create \
      --organization "ACME" \
      --name "OSP13 Containers"

    このカスタム製品に、イメージを保管します。

  6. 製品にベースコンテナーイメージを追加します。

    $ hammer repository create \
      --organization "ACME" \
      --product "OSP13 Containers" \
      --content-type docker \
      --url https://registry.access.redhat.com \
      --docker-upstream-name rhosp13/openstack-base \
      --name base
  7. satellite_images ファイルからオーバークラウドのコンテナーイメージを追加します。

    $ while read IMAGE; do \
      IMAGENAME=$(echo $IMAGE | cut -d"/" -f2 | sed "s/openstack-//g" | sed "s/:.*//g") ; \
      hammer repository create \
      --organization "ACME" \
      --product "OSP13 Containers" \
      --content-type docker \
      --url https://registry.access.redhat.com \
      --docker-upstream-name $IMAGE \
      --name $IMAGENAME ; done < satellite_images_names
  8. コンテナーイメージを同期します。

    $ hammer product synchronize \
      --organization "ACME" \
      --name "OSP13 Containers"

    Satellite Server が同期を完了するまで待ちます。

    注記

    設定によっては、hammer から Satellite Server のユーザー名およびパスワードが要求される場合があります。設定ファイルを使って自動的にログインするように hammer を設定することができます。『Hammer CLI ガイド』「認証」セクションを参照してください。

  9. Satellite 6 サーバーでコンテンツビューを使用している場合には、新規コンテンツビューバージョンを作成して、イメージを取り入れます。
  10. base イメージに使用可能なタグを確認します。

    $ hammer docker tag list --repository "base" \
      --organization "ACME" \
      --product "OSP13 Containers"

    これにより、OpenStack Platform コンテナーイメージのタグが表示されます。

  11. アンダークラウドに戻り、Satellite サーバー上のイメージ用に環境ファイルを生成します。環境ファイルを生成するコマンドの例を以下に示します。

    (undercloud) $ openstack overcloud container image prepare \
      --namespace=satellite6.example.com:5000 \
      --prefix=acme-osp13_containers- \
      --tag-from-label {version}-{release} \
      --output-env-file=/home/stack/templates/overcloud_images.yaml
    注記

    このステップの openstack overcloud container image prepare コマンドは、Satellite サーバーをターゲットにします。ここでは、前のステップで使用した openstack overcloud container image prepare コマンドとは異なる値を指定します。

    このコマンドを実行する際には、以下の情報を含めてください。

    • --namespace: Satellite サーバー上のレジストリーの URL およびポート。Red Hat Satellite のデフォルトのレジストリーポートは 5000 です。たとえば、--namespace=satellite6.example.com:5000 のようになります。
    • --prefix=: プレフィックスは Satellite 6 の命名規則に基づきます。これは、コンテンツビューを使用するかどうかによって異なります。

      • コンテンツビューを使用する場合、構成は [org]-[environment]-[content view]-[product]- です。たとえば、acme-production-myosp13-osp13_containers- のようになります。
      • コンテンツビューを使用しない場合、構成は [org]-[product]- です。たとえば、acme-osp13_containers- のようになります。
    • --tag-from-label {version}-{release}: 各イメージの最新のタグを識別します。
    • -e: オプションのサービスの環境ファイルを指定します。
    • -r: カスタムロールファイルを指定します。
    • --set ceph_namespace--set ceph_image--set ceph_tag: Ceph Storage を使用する場合には、Ceph Storage のコンテナーイメージの場所を定義する追加のパラメーターを指定します。ceph_image に Satellite 固有のプレフィックスが追加された点に注意してください。このプレフィックスは、--prefix オプションと同じ値です。以下に例を示します。

      --set ceph_image=acme-osp13_containers-rhceph-3-rhel7

      これにより、オーバークラウドは Satellite の命名規則の Ceph コンテナーイメージを使用することができます。

  12. overcloud_images.yaml ファイルには、Satellite サーバー上のイメージの場所が含まれます。このファイルをデプロイメントに追加します。

レジストリーの設定が完了しました。

4.7. 次のステップ

コンテナーイメージのソースが記載された overcloud_images.yaml 環境ファイルができました。今後のアップグレードとデプロイメントの操作ではすべてこのファイルを追加してください。

これで、アップグレードに向けてオーバークラウドを準備することができます。