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第2章 OpenStack Platform アップグレードの準備
このプロセスでは、OpenStack Platform 環境を準備します。これには、以下のステップを伴います。
- アンダークラウドとオーバークラウドの両方をバックアップします。
- アンダークラウドを OpenStack Platform 10 の最新のマイナーバージョンに更新します (最新の Open vSwitch を含む)。
- 新しいカーネルまたはシステムパッケージがインストールされた場合には、アンダークラウドをリブートします。
- オーバークラウドを OpenStack Platform 10 の最新のマイナーバージョンに更新します (最新の Open vSwitch を含む)。
- 新しいカーネルまたはシステムパッケージがインストールされた場合には、オーバークラウドノードをリブートします。
- アンダークラウドとオーバークラウドの両方で検証のチェックを実行します。
これらの手順により、OpenStack Platform 環境は、アップグレードを開始する前に、最適な状態となります。
2.1. ベアメタルアンダークラウドのバックアップ
完全なアンダークラウドのバックアップには、以下のデータベースおよびファイルが含まれます。
- アンダークラウドノード上の MariaDB データベース
- (データベースを正確にリストアできるように) アンダークラウド上の MariaDB 設定ファイル
-
設定データ:
/etc
-
ログデータ:
/var/log
-
イメージデータ:
/var/lib/glance
-
証明書生成データ (SSL を使用している場合):
/var/lib/certmonger
-
コンテナーイメージデータ:
/var/lib/docker
、/var/lib/registry
-
swift の全データ:
/srv/node
-
stack ユーザーのホームディレクトリー内の全データ:
/home/stack
注記
バックアッププロセスを実行する前に、アンダークラウドに利用可能なディスク容量が十分にあることを確認します。アーカイブファイルは、少なくとも 3.5 GB となることが予想され、それ以上になる可能性があります。
手順
-
アンダークラウドに
root
ユーザーとしてログインします。 データベースのバックアップを作成します。
[root@director ~]# mysqldump --opt --all-databases > /root/undercloud-all-databases.sql
backup
ディレクトリーを作成して、そのディレクトリーを所有するユーザーをstack
ユーザーに変更します。[root@director ~]# mkdir /backup [root@director ~]# chown stack: /backup
このディレクトリーを使用して、アンダークラウドのデータベースおよびファイルシステムを含むアーカイブを保存します。
バックアップ
ディレクトリーに移動します。[root@director ~]# cd /backup
データベースのバックアップと設定ファイルをアーカイブします。
[root@director ~]# tar --xattrs --xattrs-include='*.*' --ignore-failed-read -cf \ undercloud-backup-$(date +%F).tar \ /root/undercloud-all-databases.sql \ /etc \ /var/log \ /var/lib/glance \ /var/lib/certmonger \ /var/lib/docker \ /var/lib/registry \ /srv/node \ /root \ /home/stack
-
--ignore-failed-read
オプションを指定すると、アンダークラウドに適用されないディレクトリーはスキップされます。 -
--xattrs
および--xattrs-include='.'
オプションには、Object Storage (swift) および SELinux のメタデータを保存するために必要な拡張属性が含まれます。
これで、
undercloud-backup-<date>.tar.gz
という名前のファイルが作成されます。<date>
はシステムの日付になります。このtar
ファイルを安全な場所にコピーします。-
関連情報
- アンダークラウドのバックアップをリストアする必要がある場合には、付録A アンダークラウドの復元を参照してください。