第1章 はじめに

本書では、Red Hat OpenStack Platform 環境を最新のロングライフバージョンにアップグレードするために役立つワークフローについて説明します。

1.1. 作業を開始する前に

以下の点に注意してください。

  • Fast Forward Upgrade のワークフローは、現在開発中です。特に ffwd-upgrade CLI コマンドの起動は、最初は開発/テスト環境に限定すべきです。Fast Forward Upgrade を実稼働環境で使用することにした場合には、実稼働レベルの Fast Forward Upgrade の実行を試みる前に、Customer Experience and Engagement チーム (https://access.redhat.com/support) に連絡してサポートを受けてください。
  • バージョン 7 または 8 を使用する Red Hat OpenStack Platform 環境を最初にデプロイした場合には、XFS ファイルシステムの古いバージョンでアップグレードパスとコンテナー化されたサービスのデプロイを妨げる問題があることに注意してください。この問題に関する詳しい情報と解決方法については、以下の記事を参照してください。

1.2. Fast Forward Upgrade

Red Hat OpenStack Platform には Fast Forward Upgrade 機能が実装されました。この機能は、複数のバージョンを経由するオーバークラウドのアップグレードパスを提供します。目的は、ユーザーが ロングライフバージョン とされる特定の OpenStack バージョンを使用し続け、次のロングライフバージョンが提供された時点でアップグレードできるようにすることです。

本ガイドは、以下のバージョンの Fast Forward Upgrade パスを提供します。

旧バージョン新バージョン

Red Hat OpenStack Platform 10

Red Hat OpenStack Platform 13

1.3. ワークフローの概要

以下の表には、Fast Forward Upgrade プロセスに必要なステップの概要をまとめています。

ステップ説明

環境の準備

アンダークラウドノードとオーバークラウドのコントローラーノードのデータベースおよび設定のバックアップを実行してから、最新のマイナーリリースに更新して、再起動し、環境を検証します。

アンダークラウドのアップグレード

OpenStack Platform 10 から OpenStack Platform 13 まで、アンダークラウドのバージョンを 1 つずつ順番にアップグレードします。

コンテナーイメージの取得

さまざまな OpenStack サービス用のコンテナーイメージの場所が記載された環境ファイルを作成します。

オーバークラウドの準備

オーバークラウドの設定ファイルを OpenStack Platform 13 に移行するための適切なステップを実行します。

Fast Forward Upgrade の実行

OpenStack Platform director の最新のテンプレートセットを使用して、オーバークラウドプランをアップグレードします。パッケージとデータベースのバージョンを 1 つずつ順番にアップグレードして、データベーススキーマを OpenStack Platform 13 にアップグレードできる状態にします。

コントローラーノードのアップグレード

全コントローラーノードを同時に OpenStack Platform 13 にアップグレードします。

コンピュートノードのアップグレード

選択したコンピュートノードでアップグレードをテストします。テストが成功したら、全コンピュートノードをアップグレードします。

Ceph Storage ノードのアップグレード

全 Ceph Storage ノードをアップグレードします。これには、Red Hat Ceph Storage 3 のコンテナー化されたバージョンへのアップグレードも含まれます。

アップグレードの最終段階

コンバージェンスのコマンドを実行して、オーバークラウドスタックをリフレッシュします。