Red Hat Training

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第8章 事前にプロビジョニングされたノードを使用した基本的なオーバークラウドの設定

本章では、OpenStack Platform 環境を設定します。事前にプロビジョニングされたノードを使用して OpenStack Platform 環境を設定する基本的な手順を説明します。以下のシナリオは、標準のオーバークラウド作成のシナリオとはさまざまな点で異なります。

  • 外部ツールを使用してノードをプロビジョニングしてから、director でオーバークラウドの設定のみを制御することができます。
  • director のプロビジョニングの方法に依存せずにノードを使用することができます。これは、電源管理制御なしでオーバークラウドを作成する場合や、DHCP/PXE ブートの制限があるネットワークを使用する場合に便利です。
  • director では、ノードの管理に OpenStack Compute (nova)、OpenStack Bare Metal (ironic)、または OpenStack Image (glance) を使用しません。
  • 事前にプロビジョニングされたノードは、カスタムのパーティションレイアウトを使用します。

このシナリオでは、カスタム機能を持たない基本的な設定のみを説明します。ただし、『オーバークラウドの高度なカスタマイズ』に記載の手順に従って、この基本的なオーバークラウドに高度な設定オプションを追加し、仕様に合わせてカスタマイズすることができます。

重要

事前にプロビジョニングされたノードと director がプロビジョニングしたノードが混在するオーバークラウド環境はサポートされていません。

要件

  • 4章アンダークラウドのインストール」で作成した director ノード
  • ノードに使用するベアメタルマシンのセット。必要なノード数は、作成予定のオーバークラウドのタイプにより異なります (オーバークラウドロールに関する情報は「ノードのデプロイメントロールのプランニング」を参照してください)。これらのマシンは、各ノード種別に設定された要件に従う必要があります。これらの要件については、「オーバークラウドの要件」を参照してください。これらのノードには、ホストオペレーティングシステムとして Red Hat Enterprise Linux 7.5 以降をインストールする必要があります。Red Hat では、利用可能な最新バージョンの使用を推奨します。
  • 事前にプロビジョニングされたノードを管理するためのネットワーク接続 1 つ。このシナリオでは、オーケストレーションエージェントの設定のために、ノードへの SSH アクセスが中断されないようにする必要があります。
  • コントロールプレーンネットワーク用のネットワーク接続 1 つ。このネットワークには、主に 2 つのシナリオがあります。

    • プロビジョニングネットワークをコントロールプレーンとして使用するデフォルトのシナリオ。このネットワークは通常、事前にプロビジョニングされたノードから director への Layer 3 (L3) を使用したルーティング可能なネットワーク接続です。このシナリオの例では、以下の IP アドレスの割り当てを使用します。

      表8.1 プロビジョニングネットワークの IP 割り当て

      ノード名IP アドレス

      director

      192.168.24.1

      Controller 0

      192.168.24.2

      Compute 0

      192.168.24.3

    • 別のネットワークを使用するシナリオ。director のプロビジョニングネットワークがプライベートのルーティング不可能なネットワークの場合には、サブネットからノードの IP アドレスを定義して、パブリック API エンドポイント経由で director と通信することができます。このシナリオには特定の注意事項があります。これについては、本章の後半の「オーバークラウドノードに別のネットワークを使用する方法」で考察します。
  • この例で使用するその他すべてのネットワーク種別も、OpenStack サービス用のコントロールプレーンネットワークを使用します。ただし、ネットワークトラフィックの他のタイプに追加でネットワークを作成することができます。
  • いずれかのノードで Pacemaker リソースが使用される場合、サービスユーザー hacluster およびサービスグループ haclient の UID/GID は、189 でなければなりません。これは CVE-2018-16877 に対応するためです。オペレーティングシステムと共に Pacemaker をインストールした場合、インストールによりこれらの ID が自動的に作成されます。ID の値が正しく設定されていない場合は、アーティクル「OpenStack minor update / fast-forward upgrade can fail on the controller nodes at pacemaker step with "Could not evaluate: backup_cib"」の手順に従って ID の値を変更します。
  • 一部のサービスが誤った IP アドレスにバインドされてデプロイメントに失敗するのを防ぐために、/etc/hosts ファイルに node-name=127.0.0.1 のマッピングが含まれないようにします。

8.1. ノード設定のためのユーザーの作成

このプロセスの後半では、director が オーバークラウドノードに stack ユーザーとして SSH アクセスする必要があります。

  1. 各オーバークラウドノードで、stack という名前のユーザーを作成して、それぞれにパスワードを設定します。たとえば、コントローラーノードでは以下のコマンドを使用します。

    [root@controller-0 ~]# useradd stack
    [root@controller-0 ~]# passwd stack  # specify a password
  2. sudo を使用する際に、このユーザーがパスワードを要求されないようにします。

    [root@controller-0 ~]# echo "stack ALL=(root) NOPASSWD:ALL" | tee -a /etc/sudoers.d/stack
    [root@controller-0 ~]# chmod 0440 /etc/sudoers.d/stack
  3. 事前にプロビジョニングされた全ノードで stack ユーザーの作成と設定が完了したら、director ノードから各オーバークラウドノードに stack ユーザーの公開 SSH 鍵をコピーします。たとえば、director の公開 SSH 鍵をコントローラーノードにコピーするには、以下のコマンドを実行します。

    [stack@director ~]$ ssh-copy-id stack@192.168.24.2