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2.11. OpenDaylight (テクノロジープレビュー)

本項では、OpenDaylight サービスの最も重要な新機能について説明します。
Red Hat OpenStack Platform director の統合の向上
Red Hat OpenStack Platform director は、完全な OpenStack 環境のインストールと管理を行います。Red Hat OpenStack Platform 12 では、director は OpenStack が OpenDaylight とともに機能するようにデプロイ/設定できるようになりました。OpenDaylight は OpenStack オーバークラウドコントローラーロールと共に実行するか、異なるノード上の別のカスタムロールで実行することができます。
Red Hat Openstack Platform 12 では、OpenDaylight はコンテナーでインストールおよび実行されます。これにより、メンテナンスと使用をより柔軟に行うことができます。
IPv6
Red Hat OpenStack Platform 12 の OpenDaylight では、OpenStack neutron ML2/OVS 実装を使用した IPv6 ユースケースにおける機能パリティーを一部提供しています。これには、以下のユースケースが含まれます。
  • SLAAC を含む IPv6 アドレスのサポート
  • ステートレスおよびステートフル DHCPv6
  • 許可されているアドレスペアを使用する IPv6 セキュリティーグループ
  • 同じネットワーク内の仮想マシン間における IPv6 通信
  • IPv6 の水平方向 (East-West) ルーティングのサポート
VLAN 対応の仮想マシン
VLAN 対応の仮想マシン (またはトランキングをサポートする仮想マシン) により、インスタンスは単一の仮想 NIC (vNIC) 上で 1 つまたは複数のネットワークに接続することができます。複数のネットワークを単一のポートに接続することにより、それらのネットワークをインスタンスに提供することができます。ネットワークトランキングにより、ユーザーはポートを作成して、トランクに関連付けし、そのポートでインスタンスを立ち上げることができます。その後には、そのインスタンスにの操作を中断することなく、追加のネットワークを動的にアタッチまたはデタッチすることができます。
SNAT
Red Hat OpenStack Platform 12 では、OVS netfilter を使用して変換を管理する conntrack ベースの SNAT が導入されました。ルーターごとに NAPT スイッチとしてスイッチが 1 つ選択され、変換を一元管理します。その他のスイッチはすべて、パケットを SNAT の中央スイッチに送信します。NAPT スイッチが動作しなくなると、代わりのスイッチが変換用に選択され、既存の変換はフェイルオーバーでは失われます。
SR-IOV の統合
Red Hat OpenStack Platform 12 の OpenDaylight は、SR-IOV をサポートするコンピュートノードとともにデプロイすることができます。また、単一の OpenDaylight インストール環境で、OVS と SR-IOV の両方のノードを混在させた環境を作成することも可能です。新規ポートとしてデプロイされた際にコンピュートインスタンスに直接渡すことのできる Virtual Function (VF) を設定するためには、SR-IOV のデプロイに neutron SR-IOV エージェントが必要です。
Controller のクラスター化
Red Hat OpenStack Platform 12 の OpenDaylight Controller は、クラスターベースの高可用性モデルをサポートします。Controller クラスター は、複数の OpenDaylight Controller インスタンスで構成されます。これらのインスタンスが一体となって、1 つの論理コントローラーとして機能します。コントローラーによって提供されるサービス (1 つの論理ユニットと見なされる) は、 コントローラーインスタンスの大半が機能していて相互に通信可能である限りは、動作を継続します。
Red Hat OpenDaylight のクラスタリングモデルは、高可用性と水平方向のスケーリングの両方を提供します。必要な場合には、ノードを追加して、より多くの負荷を受け入れることができます。
OVS-DPDK
Red Hat Openstack Platform 12 の OpenDaylight のデプロイメントには、director を使用して、Open vSwitch の Data Plane Development Kit (DPDK) のアクセラレーションを実装することができます。このデプロイメントでは、パケットがカーネル内ではなくユーザー空間で処理されるため、データプレーンのパフォーマンスが向上します。
L2GW/HW-VTEP
Red Hat OpenStack Platform 12 では、従来の Bare Metal サービスを neutron のオーバーレイに統合するための L2GW をサポートしています。これは、外部の物理ワークロードを neutron テナントネットワークにブリッジングする場合や、Bare Metal サーバー (OpenStack により管理されている) をテナントネットワークにブリッジングする場合、SR-IOV トラフィックを VXLAN オーバーレイにブリッジングする場合に特に役立ちます。これは、SR-IOV のラインレート速度と、オーバーレイネットワークを SR-IOV 仮想マシンと相互接続することによってもたらされるメリットを活用しています。
The networking-odl のパッケージ
Red Hat OpenStack Platform 12 では、重要な変更をもたらす networking-odl パッケージの新しいバージョンが提供されています。このパッケージにより、ポートのステータスおよび仮想マシンがポートを使用できる状態かどうかについての正確な情報を提供する port status update support コマンドが導入されます。デフォルトのポートバインディングは、ネットワークトポロジーベースから pseudo agent ベースに変わりました。ネットワークトポロジーベースのバインディングは、今回のリリースではサポートされていません。ネットワークトポロジーベースのポートバインディングをご使用のお客様は、pseudo agent ベースのポートバインディング (pseudo-agentdb-binding) に移行してください。