Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat OpenStack Platform

付録G POWER 版 Red Hat OpenStack Platform (テクノロジープレビュー)

重要

この機能は、本リリースでは テクノロジープレビュー として提供しているため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト目的のみでご利用いただく機能で、実稼働環境にデプロイすべきではありません。テクノロジープレビューについての詳しい情報は「対象範囲の詳細」を参照してください。

Red Hat OpenStack Platform を新規インストールする場合は、オーバークラウドのコンピュートノードを POWER (ppc64le) ハードウェアにデプロイする必要があります。コンピュートノードのクラスターには、同じアーキテクチャーのシステムを使用するか、x86_64 と ppc64le のシステムを混在させることができます。アンダークラウド、コントローラーノード、Ceph Storage ノード、およびその他のシステムはすべて x86_64 ハードウェアでのみサポートされています。

概要:

  • アンダークラウドを x86_64 ノードにデプロイする。
  • x86_64 ノードをオーバークラウドコントローラーノードとして使用する準備を行い、それらのノードをプロビジョニングできる状態にする。
  • 事前にプロビジョニングされた ppc64le ノードをオーバークラウドコンピュートノードとして使用する準備を行う。
  • カスタム roles_data.yaml ファイルを生成し、ppc64le ノード用の ComputeAlt ロールを追加する。
  • オーバークラウドをデプロイする。
  • アンダークラウドのメタデータサーバーをポーリングする。
  • オーバークラウドのデプロイメントが正常に完了したことを確認する。

IBM POWER ベースのコンピュートノードを使用する Red Hat OpenStack Platform のデプロイ:

  1. アンダークラウドを x86_64 ノードにデプロイします。「1章はじめに」から「5章コンテナーレジストリー情報の設定」に記載の手順に従います。
  2. x86_64 ノードをオーバークラウドコントローラーノードとして使用する準備を行い、それらのノードをプロビジョニングできる状態にします。コントローラーノード用に、少なくとも 1 つのノードが必要です。高可用性用の追加のコントローラーノードや追加の x86_64 コンピュートノードを必要に応じて準備します。「6章CLI ツールを使用した基本的なオーバークラウドの設定」から「環境ファイルを使用したオーバークラウドのカスタマイズ」に記載の手順に従います。
  3. 事前にプロビジョニングされた ppc64le ノードをオーバークラウドコンピュートノードとして使用する準備を行います。コンピュートノード用に、少なくとも 1 つのノードが必要です。必要に応じて、高可用性のために別のコンピュートノードを準備します。「8章事前にプロビジョニングされたノードを使用した基本的なオーバークラウドの設定」から「コントロールプレーンのネットワークの設定」に記載の手順に従います。
  4. director ノードでカスタム roles_data.yaml ファイルを生成し、ppc64le ノード用の ComputeAlt ロールを追加します。以下に例を示します。

    (undercloud) [stack@director ~]$ openstack overcloud roles generate \
    --roles-path /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/roles/ \
    -o /home/stack/roles_data.yaml \
    Controller Compute ComputeAlt BlockStorage ObjectStorage CephStorage
  5. オーバークラウドをデプロイします。お使いの環境で必要となる標準の環境ファイルに加えて、カスタム roles_data.yaml ファイルおよび computealt.yaml 環境ファイルを指定します。以下に例を示します。

    (undercloud) [stack@director ~]$ openstack overcloud deploy \
    --templates /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates \
    -r /home/stack/roles_data.yaml \
    --disable-validations \
    --ntp-server pool.ntp.org \
    -e /home/stack/templates/ctlplane-assignments.yaml \
    -e /home/stack/templates/node-info.yaml \
    -e /home/stack/templates/overcloud_images.yaml \
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/computealt.yaml \
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/deployed-server-bootstrap-environment-rhel.yaml \
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml \
    -e /home/stack/templates/network-environment.yaml \
    -e /home/stack/templates/storage-environment.yaml

    このコマンドでは、以下のオプションが使われています。

    --templates
    /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates の Heat テンプレートコレクションをベースとして使用し、オーバークラウドを作成します。
    -r /home/stack/roles_data.yaml
    デプロイメントに必要なロールのマッピング情報には、カスタム roles_data.yaml ファイルを使用します。
    --disable-validations
    事前にプロビジョニングされたインフラストラクチャーで使用しないサービスに対する基本的な CLI 検証を無効化します。無効化しないと、デプロイメントに失敗します。
    --ntp-server pool.ntp.org
    時刻の同期に NTP サーバーを使用します。オーバークラウドノードクラスターの同期を保つためには、このオプションが必要です。
    -e /home/stack/templates/ctlplane-assignments.yaml
    コントロールプレーンのネットワークを設定する環境ファイルを追加します。詳細は、「コントロールプレーンのネットワークの設定」を参照してください。
    -e /home/stack/templates/node-info.yaml
    各ロールに使用するノード数とフレーバーを定義する環境ファイルを追加します。
    -e /home/stack/templates/overcloud_images.yaml
    コンテナーイメージのソースが含まれる環境ファイルを追加します。詳細は、「5章コンテナーレジストリー情報の設定」を参照してください。
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/computealt.yaml
    ppc64le ノードを定義する環境ファイルを追加します。
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/deployed-server-bootstrap-environment-rhel.yaml
    事前にプロビジョニングされたサーバー上でブートストラップのスクリプトを実行する環境ファイルを追加します。このスクリプトは、追加パッケージをインストールして、オーバークラウドノードの基本設定を提供します。
    -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/network-isolation.yaml
    オーバークラウドデプロイメントのネットワーク分離を初期化する環境ファイルを追加します。
    -e /home/stack/templates/network-environment.yaml
    ネットワーク分離をカスタマイズする環境ファイルを追加します。
    -e /home/stack/templates/storage-environment.yaml

    ストレージの設定を初期化する環境ファイルを追加します。

    注記

    デプロイメントのスタックは、オーバークラウドノードのリソースが CREATE_IN_PROGRESS の段階に入ると一時停止します。この一時停止は、director がオーバークラウドノード上のオーケストレーションエージェントがメタデータサーバーをポーリングするのを待っているためです。次のステップに進み、メタデータサーバーのポーリングを開始します。

  6. アンダークラウドのメタデータサーバーをポーリングします。「メタデータサーバーのポーリング」を参照してください。
  7. オーバークラウドのデプロイメントが正常に完了したことを確認します。「オーバークラウド作成の監視」「オーバークラウドへのアクセス」 を参照してください。事前にプロビジョニングされた ppc64le ノードと、director によってプロビジョニングされた x86_64 ノードを含む全コンピュートノードを一覧表示するには、openstack hypervisor list を実行します。