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第15章 ストレージの設定

本章では、オーバークラウドのストレージオプションの設定方法をいくつか説明します。

重要

オーバークラウドは、デフォルトのストレージオプションにローカルおよび LVM のストレージを使用します。ただし、これらのオプションは、エンタープライズレベルのオーバークラウドではサポートされません。本章のストレージオプションの 1 つを使用することを推奨します。

15.1. NFS ストレージの設定

本項では、NFS 共有を使用するオーバークラウドの設定について説明します。インストールおよび設定のプロセスは、コア Heat テンプレートコレクション内にすでに存在する環境ファイルの変更がベースとなります。

コア Heat テンプレートコレクションの /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/ には一連の環境ファイルが格納されています。これらは、director で作成したオーバークラウドでサポートされている一部の機能のカスタム設定に役立つ環境テンプレートです。これには、ストレージ設定に有用な環境ファイルが含まれます。このファイルは、/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/storage-environment.yaml に配置されています。このファイルを stack ユーザーのテンプレートディレクトリーにコピーしてください。

$ cp /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/storage-environment.yaml ~/templates/.

この環境ファイルには、OpenStack のブロックストレージおよびイメージストレージのコンポーネントの異なるストレージオプションを設定するのに役立つ複数のパラメーターが記載されています。この例では、オーバークラウドが NFS 共有を使用するように設定します。以下のパラメーターを変更してください。

CinderEnableIscsiBackend
iSCSI バックエンドを有効にするパラメーター。false に設定します。
CinderEnableRbdBackend
Ceph Storage バックエンドを有効にするパラメーター。false に設定します。
CinderEnableNfsBackend
NFS バックエンドを有効にするパラメーター。true に設定します。
NovaEnableRbdBackend
Nova エフェメラルストレージ用に Ceph Storage を有効にするパラメーター。false に設定します。
GlanceBackend
Glance に使用するバックエンドを定義するパラメーター。イメージ用にファイルベースストレージを使用するには file に設定します。オーバークラウドは、Glance 用にマウントされた NFS 共有にこれらのファイルを保存します。
CinderNfsMountOptions
ボリュームストレージ用の NFS マウントオプション
CinderNfsServers
ボリュームストレージ用にマウントする NFS 共有 (例: 192.168.122.1:/export/cinder)
GlanceNfsEnabled
イメージストレージ用の共有を管理するための Pacemaker を有効にするパラメーター。無効に設定されている場合には、オーバークラウドはコントローラーノードのファイルシステムにイメージを保管します。true に設定してください。
GlanceNfsShare
イメージストレージをマウントするための NFS 共有 (例: 192.168.122.1:/export/glance)
GlanceNfsOptions
イメージストレージ用の NFS マウントオプション

環境ファイルのオプションは、以下の例のようになるはずです。

parameter_defaults:
  CinderEnableIscsiBackend: false
  CinderEnableRbdBackend: false
  CinderEnableNfsBackend: true
  NovaEnableRbdBackend: false
  GlanceBackend: 'file'

  CinderNfsMountOptions: 'rw,sync'
  CinderNfsServers: '192.0.2.230:/cinder'

  GlanceNfsEnabled: true
  GlanceNfsShare: '192.0.2.230:/glance'
  GlanceNfsOptions: 'rw,sync,context=system_u:object_r:glance_var_lib_t:s0'
重要

Glance が /var/lib ディレクトリーにアクセスできるようにするには、GlanceFilePcmkOptions パラメーターに context=system_u:object_r:glance_var_lib_t:s0 と記載します。この SELinux コンテキストがない場合には、Glance はマウントポイントへの書き込みに失敗します。

これらのパラメーターは、Heat テンプレートコレクションの一部として統合されます。このように設定することにより、Cinder と Glance が使用するための 2 つの NFS マウントポイントが作成されます。

このファイルを保存して、オーバークラウドの作成に含まれるようにします。

15.2. Ceph Storage の設定

director では、Red Hat Ceph Storage のオーバークラウドへの統合には主に 2 つの方法を提供します。

Ceph Storage Cluster でのオーバークラウドの作成
director には、オーバークラウドの作成中に Ceph Storage Cluster を作成する機能があります。director は、データの格納に Ceph OSD を使用する Ceph Storage ノードセットを作成します。さらに、director は、オーバークラウドのコントローラーノードに Ceph Monitor サービスをインストールします。このため、組織が高可用性のコントローラーノード 3 台で構成されるオーバークラウドを作成する場合には、Ceph Monitor も高可用性サービスになります。詳しい情報は、『Deploying an Overcloud with Containerized Red Hat Ceph』ガイドを参照してください。
既存の Ceph Storage のオーバークラウドへの統合
既存の Ceph Storage Cluster がある場合には、オーバークラウドのデプロイメント時に統合できます。これは、オーバークラウドの設定以外のクラスターの管理やスケーリングが可能であることを意味します。詳しい情報は、『Integrating an Overcloud with an Existing Red Hat Ceph Cluster』ガイドを参照してください。

15.3. サードパーティーのストレージの設定

director には、以下のようなサードパーティーのストレージプロバイダーの設定に役立つ環境ファイルが 2 つ含まれています。

Dell EMC Storage Center

Block Storage (cinder) サービス用に単一の Dell EMC Storage Center バックエンドをデプロイします。

環境ファイルは /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/cinder-dellsc-config.yaml にあります。

設定に関する詳しい情報は、『Dell Storage Center Back End Guide』を参照してください。

Dell EMC PS Series

Block Storage (cinder) サービス用に単一の Dell EMC PS Series バックエンドをデプロイします。

環境ファイルは /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/cinder-dellps-config.yaml にあります。

設定に関する詳しい情報は、『Dell EMC PS Series Back End Guide』を参照してください。

NetApp ブロックストレージ

Block Storage (cinder) サービス用に NetApp ストレージアプライアンスをバックエンドとしてデプロイします。

環境ファイルは /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/cinder-netapp-config.yaml にあります。

設定に関する詳しい情報は、『NetApp Block Storage Back End Guide』を参照してください。