第2章 ソフトウェア

2.1. アーキテクチャーおよびコンポーネント

OpenStack NFV Reference Arch 422691 1116 JCS

通常、NFV プラットフォームには以下のコンポーネントが含まれます。

  • Virtualized Network Functions (VNF): ルーター、ファイアウォール、ロードバランサー、ブロードバンドのゲートウェイ、モバイルパケットのプロセッサー、サービス提供ノード、シグナリング、位置情報サービスなどのネットワーク機能のソフトウェア実装。
  • NFV Infrastructure (NFVi): インフラストラクチャーを構成する物理リソース (コンピュート、ストレージ、ネットワーク) および仮想化層。このネットワークには、仮想マシン間、ホスト全体でパケットを転送するためのデータパスが含まれます。これにより、基盤のハードウェアの情報を考慮せずに VNF をインストールできます。NFVi は、NFV スタックの基盤を形成します。NFVi は、マルチテナントをサポートし、Virtual Infrastructure Manager (VIM) で管理されます。Enhanced Platform Awareness (EPA) により、低レベルの CPU および NIC アクセラレーション機能が VNF に公開され、Red Hat Openstack Platform は仮想マシンのパケット転送のパフォーマンス (スループット、レイテンシー、ジッター) を向上することができます。
  • NFV Management and Orchestration (MANO): VNF のライフサイクル全体で必要とされる全サービス管理タスクにフォーカスする管理およびオーケストレーション層。MANO の主要な目的は、オペレーターが顧客に提供するネットワーク機能のサービス定義、自動化、エラーの相関、監視、ライフサイクルを物理インフラストラクチャーから切り離せるようにすることです。このような切り離しを行うには、Virtual Network Function Manager (VNFM) が提供する管理層が追加で必要になります。VNFM は、直接対話するか、VFN ベンダーが提供する Element Management System (EMS) を使用して、仮想マシンのライフサイクルや VNF を管理します。MANO が定義するコンポーネントで他に重要なのは、NFVO として知られるオーケストレーターです。NFVO は、最上部のオペレーション/ビジネスサポートシステム (OSS/BSS) や、最下部の VNFM など、さまざまなデータベースやシステムにインターフェースを提供します。NFVO は、顧客向けの新規サービスを構築する場合には、VNFM に対して VNF のインスタンス化をトリガーするかを尋ねます (これにより、複数の仮想マシンが作成される場合があります)。
  • オペレーション/ビジネスサポートシステム (OSS/BSS: Operations/Business Support System): オペレーションサポートや請求など必要不可欠なビジネス機能アプリケーションを提供します。OSS/BSS は、NFV に適応する必要があり、レガシーシステムと新規の MANO コンポーネントを統合しています。BSS システムは、サービスサブスクリプションをベースにポリシーを設定して、レポートと請求を管理します。
  • システム管理、自動化、ライフサイクル管理: NFVi プラットフォームのインフラストラクチャーコンポーネントやライフサイクルのシステム管理、自動化を管理します。

2.2. 統合

Red Hat の NFV 向けのソリューションには、ETSI モデルに含まれる NFV フレームワークの異なるコンポーネントとしての役割を果たすことのできる各種製品が含まれます。Red Hat ポートフォリオの以下の製品には、NFV 機能が含まれます。

  • Red Hat OpenStack Platform: サービスプロバイダーは IT および NFV ワークロードを実行できます。Enhanced Platform Awareness (EPA) 機能は、SR-IOV や OVS-DPDK をサポートする CPU ピニング、ヒュージページ、Non-Uniform Memory Access (NUMA) アフィニティー、ネットワークアダプター (NIC) などの OpenStack の機能を使用して、決定的なパフォーマンスの向上を図ることができます。
  • Red Hat Enterprise Linux および Red Hat Enterprise Linux Atomic Host: VNF として仮想マシンやコンテナーを作成することができます。
  • Red Hat Ceph Storage: サービスプロバイダーのワークロードに関するニーズすべてに対応する弾力性があり、統一された高性能なストレージ層。
  • Red Hat 提供の Red Hat JBoss Middleware および OpenShift Enterprise: オプションで OSS/BSS コンポーネントの最新化に使用することができます。
  • Red Hat CloudForms: VNF マネージャーとして機能し、統合された画面に、VIM や NFVI などの複数のソースのデータを表示することができます。
  • Red Hat 提供の Red Hat Satellite および Ansible: システム管理、自動化、ライフサイクル管理を強化するためのオプションのコンポーネント。

2.3. インストールの概要

Red Hat OpenStack Platform director は、完全な OpenStack 環境をインストールおよび管理するためのツールセットで、アップストリームの OpenStack プロジェクト TripleO (OpenStack-On-OpenStack の略) をベースとしています。このプロジェクトは、OpenStack のコンポーネントを活用して、完全に機能する OpenStack 環境をインストールします。これには、実稼動の OpenStack ノードとして使用するベアメタルシステムのプロビジョニングや制御を行うアンダークラウドと呼ばれる最小限の OpenStack ノードが含まれます。これにより、効率的で堅牢性の高い、完全な Red Hat OpenStack Platform 環境を簡単にインストールできます。

アンダークラウドおよびオーバークラウドのインストールに関する詳しい情報は『Red Hat OpenStack Platform director のインストールと使用方法』を参照してください。

NFV 機能をインストールするには、以下の設定手順を追加で行う必要があります。

  • SR-IOV および PCI パススルーのパラメーターを network-environment.yaml ファイルに追加して、コンピュートのカーネルの引数を設定するように first-boot.yaml ファイルを更新します。また、compute.yaml ファイルを変更して、overcloud_deply.sh スクリプトを実行し、オーバークラウドをデプロイします。
  • NIC から直接データをポーリングして、高速なパケット処理を行えるように DPDK ライブラリーおよびドライバーをインストールします。network-environment.yaml ファイルに DPDK パラメーターを追加し、コンピュートのカーネル引数を設定するように first-boot.yaml ファイルを更新します。また、compute.yaml ファイルを更新して DPDK ポートでブリッジの設定を行い、controller.yaml ファイルを更新して VLAN 構成のブリッジとインターフェースを設定し、overcloud_deploy.sh スクリプトを実行してオーバークラウドをデプロイします。

設定手順に関する詳細情報は『Network Function Virtualization Configuration Guide』を参照してください。