Red Hat Training

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第2章 概要

ネットワーク機能仮想化 (NFV) とは、汎用のクラウドベースインフラストラクチャー上でネットワーク機能を仮想化するソフトウェアベースのソリューションです。コストの削減とイノベーションの拡大を図りつつ、敏捷性、柔軟性、容易性、効率性、スケーラビリティーを提供します。NFV を活用することで、通信事業者 (CSP) は従来のハードウェアから離れることができます。

注記

本ガイドでは、単一ポートのみの SR-IOV および OVS-DPDK を設定する手順について説明します。

Red Hat OpenStack Platform 11 director を使用すると、オーバークラウドのネットワークを分離することができます。この機能では、特定のネットワーク種別 (例: 外部、テナント、内部 API など) を分離ネットワークに分けることができます。ネットワークは、単一ネットワークインターフェース上または複数のネットワークインターフェースに分散してデプロイすることが可能です。Open vSwitch では、複数のインターフェースを単一のブリッジに割り当ててボンディングを作成することができます。Red Hat OpenStack Platform 11 のインストールでは、ネットワークの分離はテンプレートファイルを使用して設定されます。テンプレートファイルを指定しない場合には、サービスネットワークはすべてプロビジョニングネットワーク上にデプロイされます。テンプレートの設定ファイルは 2 種類あります。

  • network-environment.yaml: このファイルには、オーバークラウドノードのネットワーク設定で使用するサブネット、IP アドレス範囲などのネットワークの情報が含まれます。さらに、このファイルには、さまざまなシナリオで使用できるように、デフォルトのパラメーターの値を上書きする異なる設定も含まれます。
  • ホストのテンプレート (例: compute.yamlcontroller.yaml など): これらのファイルはオーバークラウドノードのネットワークインターフェース設定を定義します。ネットワーク情報の値は、network-environment.yaml ファイルから抽出されます。
  • インストール後の設定用のファイル (first-boot.yamlpost-install.yaml): これらのファイルは、インストール後に実行するさまざまな設定のステップを提供します。以下に例を示します。

    • Grub 引数の設定
    • DPDK の設定
    • Tuned のインストールと設定。tuned パッケージには、システムコンポーネントを監視して、そのモニタリング情報に基づいてシステムの設定を動的にチューニングする tuned デーモンが含まれています。OVS-DPDK および SR-IOV のデプロイメントで、適切な CPU アフィニティーの設定を指定するには、tuned-cpu-partitioning プロファイルを使用すべきです。

      注記

      tuned のプロファイルをインストールしてアクティブ化するには、first-boot.yaml ファイルで yum リポジトリーを指定する必要があります。tuna パッケージは、tuned-cpu-partitioning プロファイルのインストール時に依存関係としてインストールします。

      first-boot-yaml ファイル内にベース URL を定義する必要があります。リポジトリーに必要なベース URL を取得するには、以下のコマンドを実行します。

      “TUNA_REPO=`yum info tuna | grep Repo | awk '{print $3}' | sed 's#/.*##g'` && yum repolist -v $TUNA_REPO | grep Repo-baseurl && TUNED_PROFILE_REPO=`yum info tuned-profiles-cpu-partitioning | grep Repo | awk '{print $3}' | sed 's#/.*##g'` && yum repolist -v $TUNED_PROFILE_REPO | grep Repo-baseurl”

      first-boot.yaml ファイルでベース URL を定義する必要があります。

network-environment.yaml とホストのテンプレートファイルはいずれもアンダークラウドノードの /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/ にあります。

前述した参照ファイルのサンプルは 「SR-IOV YAML ファイルのサンプル 」を参照してください。

以下の項では、Red Hat OpenStack Platform director を使用して、NFV 向けの SR-IOV および OVS-DPDK 機能を使用できるように network-environment.yaml、ホストのテンプレートファイル、インストール後の設定用ファイルを設定する方法をさらに詳しく説明しています。