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第1章 OpenStack Networking および SDN
ソフトウェア定義ネットワーク (SDN: Software-defined Networking) は、下層の機能を抽象化することでネットワーク管理者がネットワークサービスを管理できるようにするコンピューターネットワーキング手法の 1 つです。サーバーのワークロードを仮想環境に移行しても、それらのサーバーがデータの送受信のためにネットワーク接続を必要とすることに変わりありません。SDN は、ルーターやスイッチなどのネットワーク装置を同じ仮想化領域に移動することで、このニーズに対応します。すでにネットワークの基本概念に精通している場合には、接続先のサーバーと同様に、ネットワークが仮想化されていると考えるのに無理はないでしょう。
本書は、パート I で管理者が基本的な管理およびトラブルシューティングタスクについて理解するための内容を紹介し、パート II で OpenStack Networking の高度な機能についてクックブック形式で解説しています。ネットワークの一般概念をすでに把握している場合には、本書の内容は理解しやすいはずです (ネットワークに精通されていない場合には、パート I のネットワークの一般的な概要が役立ちます)。
1.1. 本ガイドの構成
- 前書き: SDN に関連した大規模な組織内の政治について説明し、一般的なネットワークの概念について簡単に紹介します。
パート I: 一般的な管理タスクと基本的なトラブルシューティングのステップを説明します。
- ネットワークリソースの追加と削除
- 基本的なネットワークのトラブルシューティング
- テナントネットワークのトラブルシューティング
パート II: 以下のように、高度な OpenStack Networking 機能についてクックブック形式のシナリオがまとめられています。
- 仮想ルーターのレイヤー 3 高可用性の設定
- SR-IOV、DVR、その他の Neutron 機能の設定