付録B 電源管理ドライバー

IPMI は、director が電源管理制御に使用する主要な手法ですが、director は他の電源管理タイプもサポートします。この付録では、サポートされる電源管理機能の一覧を提供します。「オーバークラウドノードの登録」には、以下の電源管理設定を使用します。

B.1. Dell Remote Access Controller (DRAC)

DRAC は、電源管理やサーバー監視などの帯域外 (OOB) リモート管理機能を提供するインターフェースです。

pm_type
このオプションを pxe_drac に設定します。
pm_user、pm_password
DRAC のユーザー名およびパスワード
pm_addr
DRAC ホストの IP アドレス

B.2. Integrated Lights-Out (iLO)

Hewlett-Packard の iLO は、電源管理やサーバー監視などの帯域外 (OOB) リモート管理機能を提供するインターフェースです。

pm_type
このオプションを pxe_ilo に設定します。
pm_user、pm_password
iLO のユーザー名およびパスワード
pm_addr

iLO インターフェースの IP アドレス

  • /etc/ironic/ironic.conf ファイルを編集し、enabled_drivers オプションに pxe_ilo を追加して、このドライバーを有効にします。
  • また director では、iLO 向けに追加のユーティリティーセットが必要です。python-proliantutils パッケージをインストールして openstack-ironic-conductor サービスを再起動します。

    $ sudo yum install python-proliantutils
    $ sudo systemctl restart openstack-ironic-conductor.service
  • イントロスペクションが正常に実行されるには、HP ノードは 2015 年のファームウェアバージョンでなければなりません。ファームウェアバージョン 1.85 (2015 年 5 月 13 日) を使用するノードで、director は正常にテストされています。
  • 共有 iLO ポートの使用はサポートされません。

B.3. Cisco Unified Computing System (UCS)

Cisco の UCS は、コンピュート、ネットワーク、ストレージのアクセス、仮想化リソースを統合するデータセンタープラットフォームです。このドライバーは、UCS に接続されたベアメタルシステムの電源管理を重視しています。

pm_type
このオプションを pxe_ucs に設定します。
pm_user、pm_password
UCS のユーザー名およびパスワード
pm_addr
UCS インターフェースの IP アドレス
pm_service_profile

使用する UCS サービスプロファイル。通常 org-root/ls-[service_profile_name] の形式を取ります。以下に例を示します。

"pm_service_profile": "org-root/ls-Nova-1"
  • /etc/ironic/ironic.conf ファイルを編集し、enabled_drivers オプションに pxe_ucs を追加して、このドライバーを有効にします。
  • また director では、UCS 向けに追加のユーティリティーセットが必要です。python-UcsSdk パッケージをインストールして openstack-ironic-conductor サービスを再起動します。

    $ sudo yum install python-UcsSdk
    $ sudo systemctl restart openstack-ironic-conductor.service

B.4. Fujitsu Integrated Remote Management Controller (iRMC)

Fujitsu の iRMC は、LAN 接続と拡張された機能を統合した Baseboard Management Controller (BMC) です。このドライバーは、iRMC に接続されたベアメタルシステムの電源管理にフォーカスしています。

重要

iRMC S4 以降のバージョンが必要です。

pm_type
このオプションを pxe_irmc に設定します。
pm_user、pm_password
iRMC インターフェースのユーザー名とパスワード
pm_addr
iRMC インターフェースの IP アドレス
pm_port (オプション)
iRMC の操作に使用するポート。デフォルトは 443 です。
pm_auth_method (オプション)
iRMC 操作の認証方法。basic または digest を使用します。デフォルトは basic です。
pm_client_timeout (オプション)
iRMC 操作のタイムアウト (秒単位)。デフォルトは 60 秒です。
pm_sensor_method (オプション)

センサーデータの取得方法。ipmitool または scci です。デフォルトは ipmitool です。

  • /etc/ironic/ironic.conf ファイルを編集し、enabled_drivers オプションに pxe_irmc を追加して、このドライバーを有効にします。
  • センサーの方法として SCCI を有効にした場合には、director には、追加のユーティリティーセットも必要です。python-scciclient パッケージをインストールして、openstack-ironic-conductor サービスを再起動します。

    $ yum install python-scciclient
    $ sudo systemctl restart openstack-ironic-conductor.service

B.5. SSH と virsh

director は、libvirt を実行中のホストに SSH 経由でアクセスして、仮想マシンをノードとして使用することができます。director は、virsh を使用してこれらのノードの電源管理の制御を行います。

重要

このオプションは、テストおよび評価の目的でのみ利用することができます。Red Hat OpenStack Platform のエンタープライズ環境には推奨していません。

pm_type
このオプションを pxe_ssh に設定します。
pm_user、pm_password

SSH ユーザー名および SSH 秘密鍵の内容。CLI ツールを使用してノードを登録する場合、秘密鍵は一行に記載する必要があり、\n改行はエスケープ文字 (\n) に置き換えます。以下に例を示します。

-----BEGIN RSA PRIVATE KEY-----\nMIIEogIBAAKCAQEA .... kk+WXt9Y=\n-----END RSA PRIVATE KEY-----

SSH 公開鍵を libvirt サーバーの authorized_keys コレクションに追加します。

pm_addr

virsh ホストの IP アドレス

  • libvirt をホストするサーバーには、pm_password 属性として設定された公開鍵を持つ SSH キーペアが必要です。
  • 選択した pm_user には、libvirt 環境への完全なアクセス権限が設定されるようにします。

B.6. フェイク PXE ドライバー

このドライバーは、電源管理なしにベアメタルデバイスを使用する方法を提供します。これは、director が登録されたベアメタルデバイスを制御しないので、イントロスペクションとデプロイプロセスの特定の時点に手動で電源をコントロールする必要があることを意味します。

重要

このオプションは、テストおよび評価の目的でのみ利用することができます。Red Hat OpenStack Platform のエンタープライズ環境には推奨していません。

pm_type

このオプションを fake_pxe に設定します。

  • このドライバーは、電源管理を制御しないので、認証情報は使用しません。
  • /etc/ironic/ironic.conf ファイルを編集し、enabled_drivers オプションに fake_pxe を追加して、このドライバーを有効にします。ファイルを編集したら、Bare Metal サービスを再起動します。

    $ sudo systemctl restart openstack-ironic-api openstack-ironic-conductor
  • ノードのイントロスペクションを実行する際には、openstack baremetal introspection bulk start コマンドを実行した後にノードの電源を手動でオフにします。
  • オーバークラウドのデプロイ実行時には、ironic node-list コマンドでノードのステータスを確認します。ノードのステータスが deploying から deploy wait-callback に変わるまで待ってから、手動でノードの電源をオンにします。
  • オーバークラウドのプロビジョニングプロセスが完了したら、ノードをリブートします。プロビジョニングが完了したかどうかをチェックするには、ironic node-list コマンドでノードのステータスをチェックし、ノードのステータスが active に変わるのを待ってから、すべてのオーバークラウドノードを手動でリブートします。