3.4. Red Hat OpenShift Service on AWS 更新ライフサイクル

3.4.1. 概要

Red Hat は、Red Hat OpenShift Service on AWS の製品ライフサイクルを公開しています。これにより、お客様およびパートナー様は、プラットフォーム上で実行されるアプリケーションの計画、デプロイ、サポートを効果的に行えます。Red Hat は、可能な限りの透明性を実現するためにこのライフサイクルを公開していますが、問題が発生した場合はこれらのポリシーに例外を設ける場合もあります。

Red Hat OpenShift Service on AWS は Red Hat OpenShift のマネージドインスタンスであり、独立したリリーススケジュールを維持します。マネージドオファリングについての詳細は、Red Hat OpenShift Service on AWS のサービス定義を参照してください。特定バージョンのセキュリティーアドバイザリーおよびバグ修正アドバイザリーは、Red Hat OpenShift Container Platform のライフサイクルポリシーに基づいて利用可能となり、Red Hat OpenShift Service on AWS のメンテナンススケジュールに基づいて提供されます。

3.4.2. 定義

表3.1 バージョン参照

バージョンの形式メジャーマイナーパッチmajor.minor.patch
 

x

y

z

x.y.z

4

5

21

4.5.21

メジャーリリースまたは X リリース

メジャーリリース または X リリース (X.y.z) としてのみ言及されます。

  • "メジャーリリース 5" → 5.y.z
  • "メジャーリリース 4" → 4.y.z
  • "メジャーリリース 3" → 3.y.z
マイナーリリースまたは Y リリース

マイナーリリース または Y リリース (x.Y.z) としてのみ言及されます。

  • "マイナーリリース 4" → 4.4.z
  • "マイナーリリース 5" → 4.5.z
  • "マイナーリリース 6" → 4.6.z
パッチリリースまたは Z リリース

パッチリリース または Z リリース (x.y.Z) としてのみ言及されます。

  • "マイナーリリース 5 のパッチリリース 14" → 4.5.14
  • "マイナーリリース 5 のパッチリリース 25" → 4.5.25
  • "マイナーリリース 6 のパッチリリース 26" → 4.6.26

3.4.3. メジャーバージョン (X.y.z)

Red Hat OpenShift Service on AWS のメジャーバージョン (バージョン 4 など) は、後続のメジャーバージョンのリリースまたは製品の終了後 1 年間サポートされます。

  • Red Hat OpenShift Service on AWS についてバージョン 5 が 1 月 1 日に利用可能になる場合、バージョン 4 は 12 月 31 日までの 12 カ月間、マネージドクラスターで実行を継続できます。その後、クラスターはアップグレード、またはバージョン 5 に移行する必要があります。

3.4.4. マイナーバージョン (x.Y.z)

4.8 OpenShift Container Platform マイナーバージョン以降、Red Hat は、特定のマイナーバージョンが一般公開されてから 16 か月間以上、すべてのマイナーバージョンをサポートします。パッチバージョンは、サポート期間の影響を受けません。

サポート期間が終了する 60 日前、30 日前、および 15 日前に、お客様に通知されます。サポート期間が終了する前に、サポート対象の最も古いマイナーバージョンの最新のパッチバージョンにクラスターをアップグレードする必要があります。アップグレードしないと、クラスターが "限定サポート" ステータスになります。

  1. 現時点で、お客様のクラスターは 4.13.8 で実行しているとします。4.13 マイナーバージョンは、2023 年 5 月 17 日に一般提供されました。
  2. 2024 年 7 月 19 日、8 月 16 日、および 9 月 2 日に、クラスターがサポート対象のマイナーバージョンにまだアップグレードされていない場合、2024 年 9 月 17 日にクラスターが "限定サポート" ステータスになることがお客様に通知されます。
  3. クラスターは、2024 年 9 月 17 日までに 4.14 以降にアップグレードする必要があります。
  4. アップグレードが実行されていない場合、クラスターに "限定サポート" ステータスのフラグが設定されます。

3.4.5. パッチバージョン (x.y.Z)

マイナーバージョンがサポートされる期間中、とくに指定がない限り、Red Hat はすべての OpenShift Container Platform パッチバージョンをサポートします。

プラットフォームのセキュリティーおよび安定性の理由から、あるパッチリリースが非推奨になる可能性があります。この場合は、そのリリースのインストールができなくなり、そのリリースからの強制的なアップグレードが必要となります。

  1. 4.7.6 に重要な CVE が含まれることが確認されるとします。
  2. CVE の影響を受けるすべてのリリースは、サポートされるパッチリリースのリストから削除されます。さらに、4.7.6 を実行するクラスターは、自動アップグレードのスケジュールが 48 時間以内に行われます。

3.4.6. 限定サポートステータス

クラスターが 限定サポート ステータスに移行すると、Red Hat はクラスターをプロアクティブに監視しなくなり、SLA は適用されなくなり、SLA に対して要求されたクレジットは拒否されます。製品サポートがなくなったという意味ではありません。場合によっては、違反要因を修正すると、クラスターが完全にサポートされた状態に戻ることがあります。ただし、それ以外の場合は、クラスターを削除して再作成する必要があります。

クラスターは、次のシナリオなど、さまざまな理由で限定サポートステータスに移行する場合があります。

サポート終了日までにクラスターをサポートされるバージョンにアップグレードしない場合

Red Hat は、サポート終了日以降のバージョンについて、ランタイムまたは SLA を保証しません。継続的なサポートを受けるには、サポートが終了する前に、クラスターを、サポートされているバージョンにアップグレードしてください。有効期限が切れる前にクラスターをアップグレードしない場合、クラスターは、サポートされているバージョンにアップグレードされるまで、限定サポートステータスに移行します。

Red Hat は、サポートされていないバージョンからサポートされているバージョンにアップグレードするための商業的に合理的なサポートを提供します。ただし、サポートされるアップグレードパスが利用できなくなった場合は、新規クラスターを作成し、ワークロードを移行することが必要になることがあります。

ネイティブの Red Hat OpenShift Service on AWS コンポーネント、または Red Hat がインストールおよび管理するその他のコンポーネントを削除または置き換える場合
クラスター管理者パーミッションを使用した場合、Red Hat は、インフラストラクチャーサービス、サービスの可用性、またはデータ損失に影響を与えるアクションを含む、ユーザーまたは認可されたユーザーのアクションに対して責任を負いません。Red Hat がそのようなアクションを検出した場合、クラスターは限定サポートステータスに移行する可能性があります。Red Hat はステータスの変更を通知します。アクションを元に戻すか、サポートケースを作成して、クラスターの削除と再作成が必要になる可能性のある修復手順を検討する必要があります。

クラスターが限定サポートステータスに移行する可能性のある特定のアクションについて質問がある場合、またはさらに支援が必要な場合は、サポートチケットを作成します。

3.4.7. サポート対象バージョンの例外ポリシー

Red Hat は、事前通知なしに新規または既存のバージョンを追加または削除したり、実稼働環境に影響を与える重要なバグまたはセキュリティーの問題があることが確認された今後のマイナーリリースバージョンを遅延させる権利を留保します。

3.4.8. インストールポリシー

Red Hat では、最新のサポートリリースのインストールを推奨していますが、Red Hat OpenShift Service on AWS は前述のポリシーに記載されているサポート対象のリリースのインストールをサポートします。

3.4.9. 必須アップグレード

Critical (重大) または Important (重要) の CVE、または Red Hat が特定するその他のバグが、クラスターのセキュリティーまたは安定性に大幅に影響を与える場合、お客様は 2 営業日 以内にサポート対象の次のパッチリリースにアップグレードする必要があります。

極端な状況下では、環境に対する CVE の重要性に関する Red Hat の評価に基づいて、Red Hat はお客様に対して、2 営業日 以内にクラスターを最新の安全なパッチリリースに更新するようスケジュールするか手動で更新するように通知します。2 営業日 が経過しても、更新が実行されない場合、Red Hat は潜在的なセキュリティー違反や不安定性を軽減するために、クラスターを最新の安全なパッチリリースに自動的に更新します。Red Hat は、サポートケース を通じてお客様からリクエストがあった場合、当社の判断で自動更新を一時的に延期することがあります。

3.4.10. ライフサイクルの日付

バージョン一般公開ライフサイクルの終了日

4.15

2024 年 2 月 27 日

2025 年 6 月 30 日

4.14

2023 年 10 月 31 日:

2025 年 2 月 28 日

4.13

2023 年 5 月 17 日

2024 年 9 月 17 日

4.12

2023 年 1 月 17 日

2024 年 5 月 17 日

4.11

2022 年 8 月 10 日

2023 年 12 月 10 日

4.10

2022 年 3 月 10 日

2023 年 9 月 10 日

4.9

2021 年 10 月 18 日

2022 年 12 月 18 日

4.8

2021 年 7 月 27 日

2022 年 9 月 27 日