ストレージのスケーリング

Red Hat OpenShift Container Storage 4.7

水平スケーリングおよび垂直スケーリングのオプション

概要

本書では、Red Hat OpenShift Container Storage のスケーリングオプションについて説明します。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、弊社の CTO である Chris Wright のメッセージ を参照してください。

Red Hat ドキュメントへのフィードバック (英語のみ)

弊社のドキュメントについてのご意見をお聞かせください。ドキュメントの改善点があれば、ぜひお知らせください。フィードバックをお寄せいただくには、以下をご確認ください。

  • 特定の部分についての簡単なコメントをお寄せいただく場合は、以下をご確認ください。

    1. ドキュメントの表示が Multi-page HTML 形式になっていていることを確認してください。ドキュメントの右上隅に Feedback ボタンがあることを確認してください。
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  • より詳細なフィードバックをお寄せいただく場合は、Bugzilla のチケットを作成してください。

    1. Bugzilla の Web サイトに移動します。
    2. Component (コンポーネント) として Documentation を使用します。
    3. Description フィールドに、ドキュメントの改善に向けたご提案を記入してください。ドキュメントの該当部分へのリンクも追加してください。
    4. Submit Bug をクリックします。

はじめに

OpenShift Container Storage のストレージ容量を内部モードでスケーリングするには、以下のいずれかを実行できます。

  • ストレージノードのスケールアップ: 既存の Red Hat OpenShift Container Storage ワーカーノードに対してストレージ容量を追加します。
  • ストレージノードのスケールアウト: ストレージ容量を含む新規ワーカーノードを追加します。

外部モードでストレージをスケーリングするには、Red Hat Ceph Storage のドキュメント を参照してください。

第1章 ストレージノードのスケーリングの要件

ストレージノードをスケーリングする前に、以下のセクションを参照して、特定の Red Hat OpenShift Container Storage インスタンスのノード要件を把握してください。

重要

常にストレージ容量が十分にあることを確認してください。

ストレージが完全に一杯になると、容量を追加したり、ストレージからコンテンツを削除したり、コンテンツを移動して領域を解放することはできません。完全なストレージを復元することは非常に困難です。

容量アラートは、クラスターストレージ容量が合計容量の 75% (ほぼ一杯) および 85% (一杯) になると発行されます。容量についての警告に常に迅速に対応し、ストレージを定期的に確認して、ストレージ領域が不足しないようにします。

ストレージ領域が完全になくなる場合は、Red Hat カスタマーポータルにお問い合わせください。

1.1. Red Hat OpenShift Container Storage のサポートされるデプロイメント

  • ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャー:

    • Amazon Web Services (AWS)
    • VMware
    • ベアメタル
    • IBM Power Systems
    • IBM Z または LinuxONE
  • インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャー:

    • Amazon Web Services (AWS)
    • Microsoft Azure
    • VMware
    • Red Hat Virtualization

第2章 ストレージ容量のスケールアップ

デプロイメントのタイプに応じて、以下のいずれかの手順を選択してストレージ容量をスケールアップできます。

デプロイメント時にプロビジョニングされたストレージクラス以外のストレージクラスを使用してスケーリングするには、スケーリングの前に追加のストレージクラスを定義する必要があります。詳細は、ストレージクラスの作成 を参照してください。

注記

OpenShift Container Storage は異なる OSD サイズをサポートしません。

2.1. ストレージクラスの作成

新規のストレージクラスを定義して、既存のプロバイダーからストレージを動的にプロビジョニングできます。

前提条件

  • OpenShift Web コンソールへの管理者アクセス。

手順

  1. OpenShift Web コンソールにログインします。
  2. StorageStorage Classes をクリックします。
  3. Create Storage Class をクリックします。
  4. ストレージクラスの Name および Description を入力します。
  5. 必要な Reclaim Policy および Provisioner を選択します。
  6. Create をクリックしてストレージクラスを作成します。

検証手順

  • StorageStorage Classes をクリックして新規ストレージクラスが表示されていることを確認します。

2.2. OpenShift Container Storage ノードへの容量の追加によるストレージのスケールアップ

以下の手順を使用して、以下のインフラストラクチャーで設定された Red Hat OpenShift Container Storage ワーカーノードにストレージ容量を追加し、パフォーマンスを強化します。

  • AWS
  • VMware vSphere
  • Red Hat Virtualization
  • Microsoft Azure

前提条件

  • 実行中の OpenShift Container Storage Platform
  • OpenShift Web コンソールの管理者権限
  • デプロイメント時にプロビジョニングされたストレージクラス以外のストレージクラスを使用してスケーリングするには、最初に追加のストレージクラスを定義します。詳細は、ストレージクラスの作成 を参照してください。

手順

  1. OpenShift Web コンソールにログインします。
  2. Operators → Installed Operators をクリックします。
  3. OpenShift Container Storage Operator をクリックします。
  4. Storage Cluster タブをクリックします。
  5. 表示されるリストには 1 つの項目のみが含まれます。右端の (⋮) をクリックして、オプションメニューを拡張します。
  6. オプションメニューから Add Capacity を選択します。
  7. Storage Class を選択します。

    デプロイメント時に生成されるデフォルトのストレージクラスを使用している場合は、ストレージクラスを AWS では gp2、VMware では thin、または Red Hat Virtualization では ovirt-csi-sc、または Microsoft Azure では managed_premium に設定します。他のストレージクラスを作成している場合は、適切なものを選択します。

    重要

    プロバイダーのデフォルト以外のストレージクラスはテクノロジープレビュー機能として使用できます。

    テクノロジープレビュー機能は Red Hat の実稼働環境でのサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様は機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことができます。

    詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

    Raw Capacity フィールドには、ストレージクラスの作成時に設定されるサイズが表示されます。OpenShift Container Storage はレプリカ数 3 を使用するため、消費されるストレージの合計量はこの量の 3 倍になります。

  8. Add をクリックし、クラスターの状態が Ready になるまで待機します。

検証手順

  • OverviewPersistent Storage タブに移動してから、Raw Capacity breakdown カードをチェックします。

    容量は選択に応じて増大することに注意してください。

    注記

    Raw 容量はレプリケーションを考慮せず、フル容量を表示します。

  • 3 つの新規 OSD およびそれらの対応する新規 PVC が作成されていることを確認します。

    • 新規作成された OSD の状態を表示するには、以下を実行します。

      1. OpenShift Web コンソールから WorkloadsPods をクリックします。
      2. Project ドロップダウンリストから openshift-storage を選択します。
    • Pod の状態を確認します。

      1. OpenShift Web コンソールで、StoragePersistent Volume Claims をクリックします。
      2. Project ドロップダウンリストから openshift-storage を選択します。
  • (オプション) クラスターでクラスター全体の暗号化が有効な場合には、新規 OSD デバイスが暗号化されていることを確認します。

    1. 新規 OSD Pod が実行しているノードを特定します。

      $ oc get -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/<OSD pod name>

      以下に例を示します。

      oc get -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/rook-ceph-osd-0-544db49d7f-qrgqm
    2. 直前の手順で特定されたノードごとに、以下を実行します。

      1. デバッグ Pod を作成し、選択したホストの chroot 環境を開きます。

        $ oc debug node/<node name>
        $ chroot /host
      2. lsblk を実行し、ocs-deviceset 名の横にある crypt キーワードを確認します。

        $ lsblk
重要

ノードまたは OSD を削除して削減するかどうかに関わらず、クラスターの削減は現時点でサポートされていません。

2.3. ローカルストレージデバイスを使用した OpenShift Container Storage ノードへの容量の追加によるストレージのスケールアップ

以下の手順を使用して、以下のインフラストラクチャーで設定されたローカルストレージベースの OpenShift Container Storage ワーカーノードにストレージ容量 (追加のストレージデバイス) を追加します。

  • ベアメタル
  • VMware
  • Red Hat Virtualization
重要

Amazon EC2 I3 でのストレージのスケールアップはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様は機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことができます。

注記

Amazon EC2 I3 インフラストラクチャーでは、利用可能な両方の NVMe デバイスを使用してデプロイメントが実行されるため、ノードを追加することが容量を追加するための唯一のオプションになります。

前提条件

手順

容量を追加するには、デプロイメント時にプロビジョニングしたストレージクラスか、フィルターと合致する他のストレージクラスを使用できます。

  1. OpenShift Web コンソールから、OperatorsInstalled Operators をクリックします。
  2. OpenShift Container Storage Operator をクリックします。
  3. Storage Cluster タブをクリックします。
  4. 表示されるリストには 1 つの項目のみが含まれます。右端の (⋮) をクリックして、オプションメニューを拡張します。
  5. オプションメニューから Add Capacity を選択します。
  6. 要件に応じてディスクを追加した Storage Class、または新規ストレージクラスを選択します。表示される利用可能な容量は、ストレージクラスで利用可能なローカルディスクをベースとしています。
  7. Add をクリックします。

    ストレージクラスターが Ready 状態になるまでに数分待機する必要がある場合があります。

検証手順

  • OverviewPersistent Storage タブに移動してから、Raw Capacity breakdown カードをチェックします。

    容量は選択に応じて増大することに注意してください。

    注記

    Raw 容量はレプリケーションを考慮せず、フル容量を表示します。

  • 3 つの新規 OSD およびそれらの対応する新規 PVC が作成されていることを確認します。

    • 新規作成された OSD の状態を表示するには、以下を実行します。

      1. OpenShift Web コンソールから WorkloadsPods をクリックします。
      2. Project ドロップダウンリストから openshift-storage を選択します。
    • Pod の状態を確認します。

      1. OpenShift Web コンソールで、StoragePersistent Volume Claims をクリックします。
      2. Project ドロップダウンリストから openshift-storage を選択します。
  • (オプション) クラスターでクラスター全体の暗号化が有効な場合には、新規 OSD デバイスが暗号化されていることを確認します。

    1. 新規 OSD Pod が実行しているノードを特定します。

      $ oc get -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/<OSD pod name>

      以下に例を示します。

      oc get -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/rook-ceph-osd-0-544db49d7f-qrgqm
    2. 直前の手順で特定されたノードごとに、以下を実行します。

      1. デバッグ Pod を作成し、選択したホストの chroot 環境を開きます。

        $ oc debug node/<node name>
        $ chroot /host
      2. lsblk を実行し、ocs-deviceset 名の横にある crypt キーワードを確認します。

        $ lsblk
重要

OpenShift Container Storage では、OSD またはノードの縮小によるクラスターの削減はサポートしていません。

2.4. IBM Z または LinuxONE インフラストラクチャーの OpenShift Container Storage ノードへの容量の追加によるストレージのスケールアップ

以下の手順を使用して、設定された Red Hat OpenShift Container Storage ワーカーノードにストレージ容量を追加し、パフォーマンスを強化します。

前提条件

  • 実行中の OpenShift Container Storage Platform
  • OpenShift Web コンソールの管理者権限
  • デプロイメント時にプロビジョニングされたストレージクラス以外のストレージクラスを使用してスケーリングするには、最初に追加のストレージクラスを定義します。詳細は、ストレージクラスの作成 を参照してください。

手順

  1. zFCP ディスクを使用してハードウェアリソースを追加します。

    1. 以下のコマンドを使用してすべてのディスクを一覧表示します。

      $ lszdev

      出力例:

      TYPE         ID                                              ON   PERS  NAMES
      zfcp-host    0.0.8204                                        yes  yes
      zfcp-lun     0.0.8204:0x102107630b1b5060:0x4001402900000000  yes  no    sda sg0
      zfcp-lun     0.0.8204:0x500407630c0b50a4:0x3002b03000000000  yes  yes   sdb sg1
      qeth         0.0.bdd0:0.0.bdd1:0.0.bdd2                      yes  no    encbdd0
      generic-ccw  0.0.0009                                        yes  no

      SCSI ディスクは、ID セクションの <device-id>:<wwpn>:<lun-id> 構造で zfcp-lun として表されます。最初のディスクはオペレーティングシステムに使用されます。新規ディスクのデバイス ID は同じである可能性があります。

    2. 以下のコマンドで新規 SCSI ディスクを追加します。

      $ chzdev -e 0.0.8204:0x400506630b1b50a4:0x3001301a00000000
      注記

      新規ディスクのデバイス ID は、置き換えるディスクと同じである必要があります。新規ディスクは、WWPN および LUN ID で識別されます。

    3. すべての FCP デバイスを一覧表示して、新規ディスクが設定されていることを確認します。

      $ lszdev zfcp-lun
      TYPE         ID                                              ON   PERS  NAMES
      zfcp-lun     0.0.8204:0x102107630b1b5060:0x4001402900000000 yes  no    sda sg0
      zfcp-lun     0.0.8204:0x500507630b1b50a4:0x4001302a00000000  yes  yes   sdb sg1
      zfcp-lun     0.0.8204:0x400506630b1b50a4:0x3001301a00000000  yes  yes   sdc sg2
  2. OpenShift Web コンソールに移動します。
  3. 左側のナビゲーションバーの Operators をクリックします。
  4. Installed Operators を選択します。
  5. ウィンドウで、OpenShift Container Storage Operator をクリックします。
  6. 上部のナビゲーションバーで、右にスクロールし、Storage Cluster タブをクリックします。
  7. 表示される一覧の横にある (⋮) をクリックして、オプションメニューを拡張します。
  8. オプションメニューから Add Capacity を選択します。

    Raw Capacity フィールドには、ストレージクラスの作成時に設定されるサイズが表示されます。OpenShift Container Storage はレプリカ数 3 を使用するため、消費されるストレージの合計量はこの量の 3 倍になります。

  9. Add をクリックし、クラスターの状態が Ready になるまで待機します。

検証手順

  1. OverviewPersistent Storage タブに移動してから、Capacity breakdown カードをチェックします。

    容量は選択に応じて増大することに注意してください。

    注記

    Raw 容量はレプリケーションを考慮せず、フル容量を表示します。

重要

ノードまたは OSD を削除して削減するかどうかに関わらず、クラスターの削減は現時点でサポートされていません。

2.5. ローカルストレージデバイスを使用した IBM Power Systems インフラストラクチャーの OpenShift Container Storage ノードへの容量の追加によるストレージのスケールアップ

以下の手順を使用して、IBM Power Systems インフラストラクチャーで設定されたローカルストレージベースの OpenShift Container Storage ワーカーノードにストレージ容量 (追加のストレージデバイス) を追加します。

前提条件

  • OpenShift Container Platform (RHOCP) クラスターにログインしている必要があります。
  • ローカルストレージ Operator がインストールされている必要があります。次の手順を使用します。以下を参照してください。

  • 3 つの OpenShift Container Platform ワーカーノードが必要です。それらのノードには、元の OpenShift Container Storage の StorageCluster の作成に使用されたものと同じストレージタイプおよびサイズ (例: 0.5TB SSD) が割り当てられている必要があります。

手順

  1. OpenShift Container Storage がインストールされている OpenShift Container Platform ノードにストレージ容量を追加するには、以下を実行する必要があります。

    1. Openshift Container Platform (RHOCP) クラスターのワーカーノードごとに 1 つ以上のデバイスとなるように新規ディスクを追加します。
    2. ノード内で lsblk を実行して、新規ディスクがノードに追加されたかどうかを確認します。

      $ oc debug node/worker-0
      $lsblk

      出力例:

      Creating debug namespace/openshift-debug-node-ggrqr ...
      Starting pod/worker-2-debug ...
      To use host binaries, run `chroot /host`
      Pod IP: 192.168.88.23
      If you don't see a command prompt, try pressing enter.
      sh-4.4# chroot /host
      sh-4.4# lsblk
      NAME                         MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
      loop0                          7:0    0  256G  0 loop
      vda                          252:0    0   40G  0 disk
      |-vda1                       252:1    0    4M  0 part
      |-vda2                       252:2    0  384M  0 part /boot
      `-vda4                       252:4    0 39.6G  0 part
        `-coreos-luks-root-nocrypt 253:0    0 39.6G  0 dm   /sysroot
      vdb                          252:16   0  512B  1 disk
      vdc                          252:32   0  256G  0 disk
      vdd                          252:48   0  256G  0 disk
      sh-4.4#
      sh-4.4#
      Removing debug pod ...
      Removing debug namespace/openshift-debug-node-ggrqr ...
    3. 新規に追加されたディスクは LocalVolumeSet によって自動的に検出されます。
  2. 新規に作成された PV を localVolumeSet CR で使用される storageclass 名前で表示します。

    $ oc get pv | grep localblock | grep Available

    出力例:

    local-pv-290020c2   256Gi   RWO     Delete  Available   localblock      2m35s
    local-pv-7702952c   256Gi   RWO     Delete  Available   localblock      2m27s
    local-pv-a7a567d    256Gi   RWO     Delete  Available   localblock      2m22s
    ...

    新しい OSD に使用されるサイズと同じサイズの 3 つの PV が利用可能です。

  3. OpenShift Web コンソールに移動します。
  4. 左側のナビゲーションバーの Operators をクリックします。
  5. Installed Operators を選択します。
  6. ウィンドウで、OpenShift Container Storage Operator をクリックします。
  7. 上部のナビゲーションバーで、右にスクロールし、Storage Cluster タブをクリックします。
  8. 表示されるリストには 1 つの項目のみが含まれます。右端の (⋮) をクリックして、オプションメニューを拡張します。
  9. オプションメニューから Add Capacity を選択します。

    このダイアログボックスで、Storage Class 名を localVolumeset CR で使用される名前に設定します。表示される利用可能な容量は、ストレージクラスで利用可能なローカルディスクをベースとしています。

  10. 設定が終了したら、Add をクリックします。ストレージクラスターが Ready 状態になるまでに数分待機する必要がある場合があります。
  11. 3 つの新規 OSD およびそれらの対応する新規 PVC が作成されていることを確認します。

    $ oc get -n openshift-storage pods -l app=rook-ceph-osd

    出力例:

    NAME                               READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    rook-ceph-osd-0-6f8655ff7b-gj226   1/1     Running   0          1h
    rook-ceph-osd-1-6c66d77f65-cfgfq   1/1     Running   0          1h
    rook-ceph-osd-2-69f6b4c597-mtsdv   1/1     Running   0          1h
    rook-ceph-osd-3-c784bdbd4-w4cmj    1/1     Running   0          5m
    rook-ceph-osd-4-6d99845f5b-k7f8n   1/1     Running   0          5m
    rook-ceph-osd-5-fdd9897c9-r9mgb    1/1     Running   0          5m

    上記の例では、osd-3、osd-4、および osd-5 は、新たに OpenShift Container Storage クラスターに追加される Pod です。

    $ oc get pvc -n openshift-storage |grep localblock

    出力例:

    ocs-deviceset-localblock-0-data-0-sfsgf   Bound    local-pv-8137c873      256Gi     RWO    localblock  1h
    ocs-deviceset-localblock-0-data-1-qhs9m   Bound    local-pv-290020c2      256Gi     RWO    localblock  10m
    ocs-deviceset-localblock-1-data-0-499r2   Bound    local-pv-ec7f2b80      256Gi     RWO    localblock  1h
    ocs-deviceset-localblock-1-data-1-p9rth   Bound    local-pv-a7a567d       256Gi     RWO    localblock  10m
    ocs-deviceset-localblock-2-data-0-8pzjr   Bound    local-pv-1e31f771      256Gi     RWO    localblock  1h
    ocs-deviceset-localblock-2-data-1-7zwwn   Bound    local-pv-7702952c      256Gi     RWO    localblock  10m

    上記の例では、3 つの新規 PVC が作成されています。

検証手順

  1. OverviewPersistent Storage タブに移動してから、Capacity breakdown カードをチェックします。

    容量は選択に応じて増大することに注意してください。

    注記

    Raw 容量はレプリケーションを考慮せず、フル容量を表示します。

重要

OpenShift Container Storage では、OSD またはノードの縮小によるクラスターの削減はサポートしていません。

第3章 ストレージ容量のスケールアウト

ストレージ容量をスケールアウトするには、以下の手順を実行する必要があります。

  • 新規ノードを追加します。
  • 新規ノードが正常に追加されたことを確認します。
  • ストレージ容量をスケールアップします。
注記

OpenShift Container Storage は異なる OSD サイズをサポートしません。

3.1. ノードの追加

既存のワーカーノードがサポートされる最大 OSD (初期設定で選択される容量の 3 OSD の増分) で実行されている場合には、ストレージの容量を増やすためにノードを追加できます。

デプロイメントのタイプに応じて、以下のいずれかの手順を選択してストレージノードを追加できます。

3.1.1. インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーへのノードの追加

以下の手順で以下のインストーラーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーにノードを追加します。

  • AWS
  • Azure
  • Red Hat Virtualization

前提条件

  • OpenShift Container Platform (RHOCP) クラスターにログインしている必要があります。

手順

  1. ComputeMachine Sets に移動します。
  2. ノードを追加する必要のあるマシンセットで、Edit Machine Count を選択します。
  3. ノード数を追加し、Save をクリックします。
  4. ComputeNodes をクリックし、新規ノードが Ready 状態にあることを確認します。
  5. OpenShift Container Storage ラベルを新規ノードに適用します。

    1. 新規ノードについて、Action menu (⋮)Edit Labels をクリックします。
    2. cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage を追加し、Save をクリックします。
注記

異なるゾーンのそれぞれに 3 つのノードを追加することが推奨されます。3 つのノードを追加して、それらすべてのノードに対してこの手順を実行する必要があります。

検証手順

3.1.2. ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーへのノードの追加

以下の手順で AWS または VMware のユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーにノードを追加します。

前提条件

  • OpenShift Container Platform (RHOCP) クラスターにログインしている必要があります。

手順

  1. AWS のユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーまたは VMware のユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーにノードを追加するかどうかに応じて、以下のそれぞれの手順を実行します。

    • AWS の場合:

      1. 必要なインフラストラクチャーで新規 AWS マシンインスタンスを作成します。プラットフォーム要件 を参照してください。
      2. 新規 AWS マシンインスタンスを使用して新規 OpenShift Container Platform ノードを作成します。
    • VMware の場合:

      1. 必要なインフラストラクチャーで vSphere に新規の仮想マシンを作成します。プラットフォーム要件 を参照してください。
      2. 新規の仮想マシンを使用して新規 OpenShift Container Platform ワーカーノードを作成します。
  2. Pending 状態の OpenShift Container Storage に関連する証明書署名要求 (CSR) の有無を確認します。

    $ oc get csr
  3. 新規ノードに必要なすべての OpenShift Container Storage CSR を承認します。

    $ oc adm certificate approve <Certificate_Name>
  4. ComputeNodes をクリックし、新規ノードが Ready 状態にあることを確認します。
  5. 以下のいずれかを使用して、OpenShift Container Storage ラベルを新規ノードに適用します。

    ユーザーインターフェイスを使用する場合
    1. 新規ノードについて、Action Menu (⋮)Edit Labels をクリックします。
    2. cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage を追加し、Save をクリックします。
    コマンドラインインターフェイスの使用
    • 以下のコマンドを実行して、OpenS+hift Container Storage ラベルを新規ノードに適用します。

      $ oc label node <new_node_name> cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage=""
      注記

      異なるゾーンのそれぞれに 3 つのノードを追加することが推奨されます。3 つのノードを追加して、それらすべてのノードに対してこの手順を実行する必要があります。

検証手順

3.1.3. ローカルストレージデバイスを使用したノードの追加

以下の手順を使用して、以下のインフラストラクチャーにノードを追加します。

  • ベアメタル
  • IBM Power Systems
  • IBM Z または LinuxONE
  • Amazon EC2
  • VMware
  • Red Hat Virtualization
重要

Amazon EC2 のストレージノードのスケーリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。Red Hat は実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様は機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことができます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform (RHOCP) クラスターにログインしている必要があります。
  • 3 つの OpenShift Container Platform ワーカーノードが必要です。それらのノードには、元の OpenShift Container Storage の StorageCluster の作成に使用されたものと同じストレージタイプおよびサイズ (例: 2TB SSD または 2TB NVMe) が割り当てられている必要があります。
  • 以前のバージョンの OpenShift Container Storage からアップグレードし、LocalVolumeDiscovery オブジェクトを作成していない場合は、ローカルストレージでサポートされるクラスターの更新後の設定の変更 についての以下の手順に従って、これを実行します。
  • 以前のバージョンの OpenShift Container Storage からアップグレードし、デバイスの自動プロビジョニングを有効にするために LocalVolumeSet オブジェクトを作成していない場合は、ローカルストレージでサポートされるクラスターの更新後の設定の変更 についての以下の手順に従って、これを実行します。

手順

  1. ベアメタル、IBM Power Systems、IBM Z もしくは LinuxONE、Amazon EC2、VMware インフラストラクチャー、または Red Hat Virtualization プラットフォームのどれにノードを追加するかどうかに応じて、以下の手順を実行します。

    • Amazon EC2 の場合

      1. 必要なインフラストラクチャーで新規 Amazon EC2 I3 マシンインスタンスを作成します。Creating a MachineSet in AWS および Platform requirements を参照してください。
      2. 新規 Amazon EC2 I3 マシンインスタンスを使用して新規 OpenShift Container Platform ノードを作成します。
    • VMware の場合:

      1. 必要なインフラストラクチャーで vSphere に新規の仮想マシンを作成します。プラットフォーム要件 を参照してください。
      2. 新規の仮想マシンを使用して新規 OpenShift Container Platform ワーカーノードを作成します。
    • Red Hat Virtualization の場合:

      1. 必要なインフラストラクチャーで Red Hat Virtualization に新規の仮想マシンを作成します。プラットフォーム要件 を参照してください。
      2. 新規の仮想マシンを使用して新規 OpenShift Container Platform ワーカーノードを作成します。
    • ベアメタルの場合:

      1. 必要なインフラストラクチャーで新規のベアメタルマシンを取得します。プラットフォーム要件 を参照してください。
      2. 新規ベアメタルマシンを使用して新規 OpenShift Container Platform ノードを作成します。
    • IBM Power Systems の場合:

      1. 必要なインフラストラクチャーで新規の IBM Power マシンを取得します。プラットフォーム要件 を参照してください。
      2. 新規 IBM Power マシンを使用して新規 OpenShift Container Platform ノードを作成します。
    • IBM Z または LinuxONE の場合:

      1. 必要なインフラストラクチャーで新規の IBM Z または LinuxONE マシンを取得します。プラットフォーム要件 を参照してください。
      2. 新規 IBM Z または LinuxONE マシンを使用して新規 OpenShift Container Platform ノードを作成します。
  2. Pending 状態の OpenShift Container Storage に関連する証明書署名要求 (CSR) の有無を確認します。

    $ oc get csr
  3. 新規ノードに必要なすべての OpenShift Container Storage CSR を承認します。

    $ oc adm certificate approve <Certificate_Name>
  4. ComputeNodes をクリックし、新規ノードが Ready 状態にあることを確認します。
  5. 以下のいずれかを使用して、OpenShift Container Storage ラベルを新規ノードに適用します。

    ユーザーインターフェイスを使用する場合
    1. 新規ノードについて、Action Menu (⋮)Edit Labels をクリックします。
    2. cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage を追加し、Save をクリックします。
    コマンドラインインターフェイスの使用
    • 以下のコマンドを実行して、OpenS+hift Container Storage ラベルを新規ノードに適用します。

      $ oc label node <new_node_name> cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage=""
  6. OpenShift Web コンソールから、OperatorsInstalled Operators をクリックします。

    Project ドロップダウンリストから、ローカルストレージ Operator がインストールされているプロジェクトを選択してください。

  7. Local Storage をクリックします。
  8. Local Volume Discovery タブをクリックします。
  9. LocalVolumeDiscovery の横にある Action メニュー (⋮)Edit Local Volume Discovery をクリックします。
  10. YAML で、ノードセレクターの下にある values フィールドに新規ノードのホスト名を追加します。
  11. Save をクリックします。
  12. Local Volume Sets タブをクリックします。
  13. LocalVolumeSet の横にある Action メニュー (⋮)Edit Local Volume Set をクリックします。
  14. YAML で、node selector の下にある values フィールドに新規ノードのホスト名を追加します。

    図3.1 新規ホスト名の追加に関する YAML

    Screenshot of YAML showing the addition of new hostnames.
  15. Save をクリックします。
注記

異なるゾーンのそれぞれに 3 つのノードを追加することが推奨されます。3 つのノードを追加して、それらすべてのノードに対してこの手順を実行する必要があります。

検証手順

3.1.4. 新規ノードの追加の確認

  1. 以下のコマンドを実行して、出力で新規ノードが表示されていることを確認します。

    $ oc get nodes --show-labels | grep cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage= |cut -d' ' -f1
  2. WorkloadsPods をクリックし、新規ノード上の少なくとも以下の Pod が Running 状態にあることを確認します。

    • csi-cephfsplugin-*
    • csi-rbdplugin-*

3.2. 新規に追加されたノードへの容量の追加

新規に追加されたノードに容量を追加するには、Add Capacity オプションを使用して 3 つの OSD でストレージクラスターを拡張するか、または有効にされている場合に、任意の数の OSD でストレージクラスターを拡張できる新しい柔軟なスケーリング機能を使用します。

3.2.1. Add Capacity オプションの使用による 3 つの OSD での容量の追加

ユーザーインターフェイスの Add Capacity オプションを使用して動的およびローカルストレージ用に 3 つの OSD の容量を追加するには、 容量の追加によるストレージのスケールアップ について参照してください。Add Capacity オプションは、柔軟なスケーリング機能が有効または有効にされていないストレージクラスターで利用できます。

3.2.2. YAML を使用した容量の追加

柔軟なスケーリング機能が有効な状態で、デフォルトの 3 つの OSD のセットではなく、YAML ファイルを使用して一度に 1 つ以上の OSD で容量を追加できます。ただし、クラスターのバランスを維持した状態でディスクを追加する必要があります。

柔軟なスケーリングは、internal-attached モードのストレージクラスター作成の場合にのみサポートされます。ストレージクラスターの柔軟なスケーリングは、Red Hat OpenShift Container Storage 4.7 の新規デプロイメントでのみ使用でき、アップグレードされたクラスターでは使用できません。

柔軟なスケーリングを有効にするには、3 未満のアベイラビリティーゾーンで 3 ノードを含むクラスターを作成します。OpenShift Web コンソールは、3 つ未満のアベイラビリティーゾーンに分散している 3 ノードを検出し、柔軟なスケーリングを可能にします。

重要

ストレージクラスターの作成後に、柔軟なスケーリング機能を有効にしたり無効にしたりすることはできません。

3.2.2.1. 柔軟なスケーリングが有効にされているかどうかの確認

柔軟なスケーリングがストレージクラスターで有効にされているかどうかを確認するには、以下の手順を実行します。

  1. OpenShift Container Storage Operator をクリックします。
  2. Storage Cluster タブをクリックします。
  3. ストレージクラスの横にあるアクションメニュー (⋮) をクリックします。
  4. Edit Storage Cluster をクリックします。YAML にリダイレクトされます。
  5. YAML で、spec セクションのキー flexibleScalingstatus セクションの flexibleScaling を検索します。flexible scaling が true であり、failureDomain が host に設定されている場合、柔軟なスケーリング機能が有効になります。

    spec:
    flexibleScaling: true
    […]
    status:
    failureDomain: host

3.2.2.2. 1 OSD の倍数での YAML の使用による容量の追加

YAML で OSD をストレージクラスターに柔軟に追加するには、以下の手順を実行します。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールへの管理者アクセス。
  • 柔軟なスケーリングが有効にされているストレージクラスター。
  • 容量の追加に利用できる追加のディスク。

手順

  1. OperatorsInstalled Operators をクリックして、インストールされた Operator をすべて表示します。選択された Project が openshift-storage であることを確認します。
  2. OpenShift Container Storage Operator をクリックします。
  3. Storage Cluster タブをクリックします。
  4. スケールアップするストレージクラスの横にあるアクションメニュー (⋮) をクリックします。
  5. Edit Storage Cluster をクリックします。YAML にリダイレクトされます。
  6. YAML で、キー count を検索します。この count パラメーターは容量をスケールアップします。
  7. クラスターに追加する OSD の数を増やします。

    重要

    YAML の count パラメーターが利用可能なディスク数に応じて増分し、またクラスターのバランスを維持した状態でディスクを追加するようにしてください。

  8. Save をクリックします。

ストレージクラスターが Ready 状態になるまでに数分待機する必要がある場合があります。

検証手順

  • OverviewPersistent Storage タブに移動してから、Raw Capacity breakdown カードをチェックします。

    容量は選択に応じて増大することに注意してください。

    注記

    Raw 容量はレプリケーションを考慮せず、フル容量を表示します。

  • 3 つの新規 OSD およびそれらの対応する新規 PVC が作成されていることを確認します。

    • 新規作成された OSD の状態を表示するには、以下を実行します。

      1. OpenShift Web コンソールから WorkloadsPods をクリックします。
      2. Project ドロップダウンリストから openshift-storage を選択します。
    • Pod の状態を確認します。

      1. OpenShift Web コンソールで、StoragePersistent Volume Claims をクリックします。
      2. Project ドロップダウンリストから openshift-storage を選択します。
  • (オプション) クラスターでクラスター全体の暗号化が有効な場合には、新規 OSD デバイスが暗号化されていることを確認します。

    1. 新規 OSD Pod が実行しているノードを特定します。

      $ oc get -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/<OSD pod name>

      以下に例を示します。

      oc get -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/rook-ceph-osd-0-544db49d7f-qrgqm
    2. 直前の手順で特定されたノードごとに、以下を実行します。

      1. デバッグ Pod を作成し、選択したホストの chroot 環境を開きます。

        $ oc debug node/<node name>
        $ chroot /host
      2. lsblk を実行し、ocs-deviceset 名の横にある crypt キーワードを確認します。

        $ lsblk
重要

OpenShift Container Storage では、OSD またはノードの縮小によるクラスターの削減はサポートしていません。