2.2. Object Service ダッシュボードでのメトリクスの表示
Object Service ダッシュボードを表示するには、OpenShift Web コンソールで Home → Dashboards → Object Service をクリックします。
図2.2 Object Service Overview ダッシュボードの例
以下のメトリクスは、Object Service ダッシュボードで利用できます。
- Details カード
このカードには、以下の情報が表示されます。
- Multicloud Object Gateway (MCG) サービス名。
- システム名。これは MCG 管理ユーザーインターフェースへのハイパーリンクでもあります。
- システムが実行されるプロバイダーの名前 (例: AWS、VSphere、ベアメタルの場合は「None」)
- OpenShift Container Storage Operator バージョン。
- Object Data Reduction カード
- このカードでは、MCG が重複排除と圧縮によりストレージバックエンドリソース消費をどのように最適化するかを確認し、計算される効率性比率(アプリケーションデータと論理データの比較)と、予測された節約の数値(MCG がストレージプロバイダーに送信しなかったバイト数) が表示されます。
- Buckets カード
バケットは、アプリケーションの代わりにデータを保存するために MCG が管理するコンテナーです。これらのバケットは、Object Bucket Claim (オブジェクトバケット要求、OBC) を使用して作成され、アクセスされます。特定のポリシーをバケットに適用して、データの配置、データのスピルオーバー、データの回復性、容量のクォータなどをカスタマイズできます。
このカードでは、オブジェクトバケット (OB) および Object Bucket Claim (オブジェクトバケット要求、OBC) に関する情報が個別に表示されます。OB には、S3 またはユーザーインターフェース (UI) を使用して作成されたすべてのバケットと、OBC には YAML またはコマンドラインインターフェース (CLI) を使用して作成されたすべてのバケットが含まれます。バケットタイプの左側に表示される数は、OB または OBC の合計数です。右側に表示される数字はエラー数であり、エラー数がゼロよりも大きい場合にのみ表示されます。数字をクリックすると、警告またはエラーステータスのあるバケットの一覧を表示できます。
- Resource Providers カード
- このカードには、現在使用中のすべての Multicloud gateway(MCG) リソースの一覧が表示されます。これらのリソースは、バケットポリシーに従ってデータを保存するために使用されます。これらはクラウドベースのリソースまたはベアメタルリソースになります。
- Status カード
このカードは、システムが問題なく稼働しているかどうかを示します。システムが警告またはエラー状態にあると、Alerts セクションが表示され、関連するアラートが表示されます。アラートの右側にあるリンクをクリックして、問題に関する詳細情報を取得できます。ヘルスチェックに関する情報は、クラスターの正常性について参照してください。
このステータスカードの Data Resiliency (データ回復性) は、MCG で保存されたデータに関して回復性の問題があるかどうかを示唆します。
- Capacity breakdown カード
- このカードでは、アプリケーションが MCG を使用してオブジェクトストレージをどのように消費するかを視覚化できます。このカードは、ドロップダウンボックスからプロジェクトおよびバケットクラスごとに内訳を視覚的に表示します。カードの上部にあるドロップダウンメニューから、Projects と Bucket Class のオプションのいずれかを選択できます。これらのオプションは、グラフに表示されるデータを変更するフィルターオプションです。
節約の値については、容量の節約(ベアメタルおよびクラウドベースのストレージプロバイダーに適用される)と egress トラフィックの節約(ストレージクラウドベースのプロバイダーに適用される)の 2 つの要素で構成されます。
- Data Consumption カード
このカードでは、プロバイダーおよび MCG アカウントごとの物理的な使用量(raw ストレージ)、論理的な使用量(使用可能なストレージ)、I/O、および egress トラフィックを表示できます。
MCG アカウントの場合は、I/O 操作と論理的に使用される容量を表示できます。プロバイダーの場合、I/O 操作、物理的および論理的な使用量、および egress を表示できます。
以下の表には、カードの上部にあるドロップダウンメニューからの選択に応じて表示される各種の主要パフォーマンスインジケーター(KPI)が記載されています。
コンシューマータイプ KPI チャートの表示 アカウント
I/O 操作
上位 5 コンシューマーの読み取りおよび書き込み I/O 操作を表示します。すべてのコンシューマーの読み取りおよび書き込みの合計は下部に表示されます。この情報は、アプリケーションまたはアカウントごとにスループット要求 (IOPS) をモニターするのに役立ちます。
アカウント
論理的な使用容量
上位 5 コンシューマーの各アカウントの論理的な使用量の合計を表示します。これは、アプリケーションまたはアカウントごとのスループット需要をモニターするのに役立ちます。
プロバイダー
I/O 操作
プロバイダーがホストするストレージバックエンドにアクセスする際に MCG が生成する I/O 操作の数を表示します。これはクラウド内のトラフィックを把握するのに役立ち、I/O パターンに従ってリソース割り当てを改善することができるため、コストの最適化に役立ちます。
プロバイダー
物理的な使用量 vs 論理的な使用量
プロバイダーごとに物理的な使用量と論理的な使用量を比較して、システム内のデータ消費を表示します。これにより、ストレージリソースを制御し、使用状況の特性やパフォーマンス要件に基づいて配置ストラテジーを立てることができ、これによりコストを最適化できる可能性もあります。
プロバイダー
Egress
各プロバイダーから MCG が取得するデータ量(アプリケーションに関連する読み取りの帯域幅)。これにより、egress パターンに基づいてリソースの割り当てを改善するためにクラウド内のトラフィックを把握し、コストを最適化することができます。